20231126 J1昇格プレーオフ準決勝ホーム千葉戦

ホーム千葉戦。ヴェルディは4-4-2で千葉は4-2-3-1でスタート。

ヴェルディの保持時はロングフィードを染野が収めたりシンプルに背後を狙う形が多く、逆サイドを使えそうな時でもそこまで時間と人数をかけずに攻撃しようとする傾向が強いので非カウンターケアしながらゲームを進めてワンタッチや強引な縦パスのインターセプトを狙って隙あらば刺すって感じに見えます。繋ぐ時は左SBの深澤と左DHの稲見をやや上げた3+2のビルドアップで左SHの斎藤が絞る形なんですけど千葉の前向きの出足がいい分ミスや奪われる事が結構多いですがライン間にスペースができるので収支トントン位になってる様子。非保持はCBには制限をかける位のミドルプレスで受け手に寄せていくんですけど、千葉が蹴る事が多いのでCBと競り合いになる分DHが後ろ向きで受ける所を千葉が勢いよく寄せてきますけどヴェルディはバタつきそうな感じがないのである程度許容してるのかもしれません。それと後ろから選手が出てくるのでついていくんですけど空けたスペースを上手くケアできてないシーンが多めです。

千葉の保持時はCFの呉屋や絞ったドゥドゥ目掛けて蹴る事が多いんですが、前回対戦時はプレスを引き出してひっくり返すのを狙いにしてましたけど、今回のヴェルディは積極的に前に出る必要がないのに多いなって印象なんですけど跳ね返しのセカンドを拾ったりヴェルディに収めた所に出足良く寄せてくるかつてのリヴァプールのような形を狙いにしてる様子。状況によってCFや逆サイドへのフィードにDHへの斜めのパスと縦パスを使い分けてますし、千葉としてはテンポを上げてカオスを作った方がチャンスを作りやすいと判断してるように見えます。非保持は相変わらず出足のいいハイプレスでトップ下の風間が森田を見張り呉屋が最終ラインまで寄せてきてSHがSBを見る形で、ライン間にスペースができやすいんですけどそこはある程度許容してる様子。連勝してきた時の成功体験が自信になってるんでしょうね。

まずはお互いCF(ヴェルディは染野、千葉は呉屋)目掛けて蹴り合う展開。当然両チーム共ある程度硬さがあるでしょうからまずはセーフティファーストでって事なのかなと

千葉は繋ぐ時はワンタッチで突破を計るのは前回対戦時と変わらないんですけど縦志向がかり強めになった印象で、横パスをインターセプトされる事が多いので最終ラインを上げられずに中原にスペースを使われ逆転負けしたのでここの修正も兼ねてる様子。

3分のセットプレーは左SBの日高がフェイントを入れてヴェルディの陣形をズラそうとしたのが結果的にオフサイドになってしまっていたので事前にすり合わせた形とは少し違ったのかなと。ちなみにオフサイドポジションにいた風間はプレーに関与する意思を見せていたので判定は正しいです。

千葉はロングフィードと出足よ良さで押し込んできますが序盤はテンション高く入ってくるのは想定内だったと思いますけど少し受けに回ってるかな?感もあります。

今節の千葉は細かく繋ぐ事が少ないですけど、前向きで奪われてスムーズなカウンターを受ける事は避けたいのもあるのか繋ぐ時はサイドでやる事がかなり多めなので前回の逆転負けの反省なんでしょう。

染野が降りてフィードを受けるようになりましたが、千葉はここが空きやすいですしCBが迎撃に出てくれば背後を狙いやすいのでこちらの方が良さげに見えます。

靴一足分の寄せとか手を伸ばせば届く距離はよく聞きますけど足踏める距離って例えは初めて聞きました。まあその通りではあるんですが

17分に林がドゥドゥの寄せをかわして持ち上がりましたけど、ビルドアップにしっかり関われるようになってきましたね。その後に非カウンターになりそうなシーンで宮原は数的同数なら距離を保って下がりながら中原が戻ってきたらボールホルダーへ寄せにいって千葉の攻撃を遅らせる判断は流石でした。


18分に呉屋に完全にフリーな形でシュートを打たれマテウスのビッグセーブに助けられましたけど、千葉にはこれがあるので行く行かないの意思統一は完かなりの成度が求められますますのですり合わせていってほしい所です。今思うとこのビックプレーがターニングポイントだったかなと

20分くらいから千葉が構えるようになりましたので今までよりは前進しやすくなりましたが例のカウンターがあるので同じくサイド攻撃が多めです。

25分過ぎにヴェルディは最終ラインまで寄せに行くようになりましたけどプレスを引き出してひっくり返す方が千葉はやりやすそうなので収支マイナスになってしまってるように見えます。千葉は前に人数をかけてくるので構えた方がチャンスになりそうではあるんですが

ここまで劣勢ではあるんですけどタスクを淡々とこなしてる感じでバタつく素振が無いので前半はスコアレスでいければ必ずチャンスが来ると信じてやれてるように見えます。


森田の縦パスを染野がフリックしたこぼれを森田が拾って中原に渡す形になり右隅へのシュートが決まって先制します。狙い通りって訳ではなさそうですけどサイドに拡げた所から狭い所を通してきました。サイド攻撃時にまずニアに入りその後中央からファーに入るいつもの形でいざって時に人数をかけるのが活きたシーンだったかなと

ここまで優勢でしたけどビハインドになった事で千葉はより人数をかけるようになり前線に6人いるシーンも出てきました。

千葉は見木が最終ラインに降りて両SBを押し出す事が増えましたけど、左SBの日高は高い位置で右SBの高橋は偽SBのような感じでズレを作って縦パスを通そうとしながら逆サイドへのフィードで組み立てる事が増えてきました。

ヴェルディとしてはもう少しゲームを落ち着かせたいんですけど基本的にテンポは非保持側が決める事なのでプレスをかわそうとしてますけどリスクとリターンを天秤にかけるとややマイナスになってる印象です。

展開は変わらないんですけどヴェルディはセットへの重心が高まった分ここまでよりはスペースを使われる事は減ってきました。逃げ切るではないですけど残り時間を考えるとこちらの方が良さげです。


縦パスを前向きで奪って中原→染野→斎藤へ繋げて少し時間を作った所からのクロスを森田が決めて追加点をとります。シュート数と得点が前回対戦と逆になりましたけど少ないチャンスをモノにできる勝負強さが身につけてきたのもあるのかもしれませんが、縦パスを引っ掛けてのカウンターを1番の狙いにしてた印象が強かったですからね。

千葉は更にテンポを上げましたけど今度はミスや無理目の縦パスが増えできましたので今までよりは脅威ではなくなってきた印象です。

ヴェルディは果敢にプレスに行く必要が無い中で千葉は思ってたより蹴ってきましたけど、繋ぐ時もサイドになりましたし非カウンターケアに重心を置いてたように感じました。

ヴェルディは耐える時間が長かった中でもバタつく素振りがなく冷静にプレーしてましたのである程度構えて千葉が陣形を崩して強引に出てくるのを待つのがゲームプランだったのかなと

先制点は正直運要素が強めでしたけど追加点は狙い通りでしたし耐える時間が長かった中で最高の結果を得られた前半。



後半頭から呉屋→小森へと交代。これだけ蹴るなら収められる方がいいと判断したのかなと

千葉は小森が空けたスペースにドゥドゥが入ってズレを作ろとしてる様子ですがロングフィードが入ってくるのが早いのでそこまで上手くいってないように見えます。

変わらすハイテンポな展開ですけど千葉が押し込んだ時には落ち着くのでヴェルディとしてはこれでもいいかなとは感じます。

佐々木がいいフィードを持ってるのは知ってますけど小森に凄い縦パスがありましたね。

ヴェルディが後ろで繋いで持ち上がりながらバックパスでプレスを引き出してひっくり返すシーンが出てきましたけど、これで時間を浪費しながら隙あらば刺すの展開にできれば最高なんですけど長続きしなかったですね。

マテウスが1つ飛ばすパスで千葉の出足のいいプレスをいなすシーンが多いんですけどこの認知判断でビルドアップがかなりスムーズになってますのでありがたいです。

千葉がボールを持つ展開は変わらないんですけどヴェルディは寄せきれないくらいのプレスや数的劣位で寄せにいくシーンが目立つので行く行かないの判断をはっきりしてほしいですね。

千葉は運ぶ所まではスムーズなんですがそこから先がやや雑になり気味なので助かってる部分が結構ありそうです。防戦一方のようになってますけどヴェルディは冷静にやるべき事をこなしていてバタつく様子は全然無いこで前向きで対応できてればオッケーくらいでプレーしてるように見えます。

62分にドゥドゥと風間→米倉と福満へと交代。

65分に山田と斎藤→綱島と加藤蓮へと交代。

綱島が収めて時間を作ってテンポを落とせるようになりましたので、小森のような役割をしながらプレスの先鋒も務めややペースを引き戻せるようになりました。

76分にに日高と田中→メンデスと椿へと交代。


78分に前向きで奪われた所からのカウンターで失点します。少しスライドが遅れてきてスペースができてましたのでリーグ最少失点チームとしては安い形になってしまいましたね…

疲れてきた事もありスライドが間に合わずスペースができてきましたし、降りていく所についていけなくなってきたのでこれならしっかりセットしてしまった方が良さげです。

ボールに行けなくなってきたので耐える時間帯が続きます。冷静に見えますけど内心バタついてるのかもしれないなと感じてきました。

86分に深澤→平へと交代。

90分に林→奈良輪へと交代。左SBに入り平が左CB谷口が右CBへ移動。加藤蓮が左SBの位置に降りてるので5-3-2になりました。

千葉ははっきりパワープレーになりましたけど雑になってきてるので動きが鈍くなってきたヴェルディとイーブンくらいになってるように見えます。

何とか1失点で耐えきって終了。



最後に、ヴェルディは積極的に前から行く必要が無い中で千葉は予想以上に蹴ってきましたけど、フィードを使い分けてましたし跳ね返しやこぼれを拾って前進するのがゲームプランだったようですが、ヴェルディは硬さやアドバンテージが無意識レベルで効いていた分守備で対応しきれてなかった印象が強かったです。

それと繋ぐ意思を見せてましたけどあれだけ出足のいいプレスを綺麗に剥がすのはこのゲームの特殊性を考えるとリスクとリターンの収支がマイナスになってしまいますし、ここも無意識レベルで繋ぐ美学みたいなモノが出ていたのかなと。そういう意味では地が出たとも言えるんですけど目的はあくまでもゲームに勝つ事なのでそこはもっと柔軟に対応していきたいですね。

呉屋が決定機を外したり少し事故に見える形で先制できた運要素が強めながらもいつもやってる形が出ていたのは良かったと思います。

競る走る闘う身体を張るとインテンシティのベーシックな部分とユルさを出さない所はかなり改善されてきてますけど、無意識レベルまでにはまだ浸透しきってない部分があるのかもしれないなとは感じましたけどこのクラブの目的はその先にあるので少しずつでも進んでいきたいですね。

そういう意味では高い緊張感がある試合で地が出たとも言えますが、新しいヴェルディを作る部分がしっかり出てきたからこそ勝ちきれた部分は間違いな区あると思います。戦術より精神論みたいな内容が多いですけどこの試合はこんな感じだった印象が強かったです。

千葉はロングフィードの割合がかなり多めでしたけど、勝つしかない特攻精神みたいなモノが今のゲームモデルにマッチしてより威力を増していた印象です。序盤の決定機をモノにしてればどうなってたかわかりませんし、少なくとも前回対戦時とは別物になっていたと思います。