20231112 第42節アウェイ大宮戦

アウェイ大宮戦。ヴェルディ大宮共に4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は、CBが開いて間にマテウスが入る3+2のビルドアップ。大宮のSHが絞る傾向が強いので1つ飛ばすパスでSBを使う事が多く、SHへの縦パスとCFへの斜めのパス(サイドに流れての縦パスもあります)でチャンスメイクしていきます。染野を狙うロングフィードも多くいつもより縦志向が強めな印象ですが、大宮が2CFと2SHで中央を厚くしてる分森田をゲームメイクに組み込めないのでこうなってるのかなと。非保持はいつも通り4-4-2のハイプレスなんですけど、2DHへのコースを切れてなかったり外されて中央を使われてしまうシーンが結構あります。大宮の2DHが低めの位置にいる事もあり背中で消しながら寄せていくのが難しい面はあるんですけどもう少し行く行かないのとこを整理したいなとは感じます。それと他力本願とはいえ最終節まで自動昇格がかかってる分全体的に硬さが見えますね。

大宮の保持時は、2CBとどちらかのSBで3バックにして2DHが低めの位置をとる3+2のビルドアップ。ヴェルディのプレスを引き出し斜めのパスで2DHにつけサイドより中央から手数をかけずに前進する事もありますが、2DHや2CFがサイドに右サイドに寄って密集を作ってサイドから突破を図る事が多めです。6枚になりそうになるとCFの1枚が離れるので5枚を上限にして数的優位を作るのが約束事のよう。ロングフィードは降りてきた富山が受けてDHに落としサイドに展開してSHなら内SBなら大外から運んでクロスが基本線。非保持はCBまでには寄せにいかずに構えるミドルプレスで(バックパスには追ってきます)パスの受け手から寄せていきますが、SHが絞る事が多いので中央(森田)から運ばれるのを警戒してるように見えます。それとロングフィード時に染野にCBがつくんですけど染野が降りてもついてきますので森田や染野に起点を作らせたくないんでしょう。 

お互い蹴り合う事が多く中々落ち着かない展開からしばらく続きます。上記したように大宮はCBが染野を見張る傾向が強いのでシンプルに背後を狙った方が良さげに見えます。

6分に谷口が運んで2枚を引きつけてから間にいる加藤蓮へ通し染野→斎藤のシュートまでいったシーンがありましたが、谷口のドライブで陣形を歪ませるプレーは安定してますね。

大宮は全体的にそうなんですけど、特に右CBのカイケは前に出てくる傾向が強く前への守備には自信を持ってやれてるようなので、やはり背後を狙いながら深さを作り背走させた方が効きそうだなーと思ってたらポジドラで背後を狙うようになりました。

大宮のSHは保持非保持共に絞る傾向が強く、CFがサイドに寄ってくる時以外は大外にいる事はあまりないですね。2DHが低めの位置にいる分ハーフスペースでシャドーのように受けを作ってるような印象なんですがどうなんでしょうか

大宮のSHが絞るのでSBに1つ飛ばすパスを入れる事が多いんですけど、山越は公式戦で左SBは初めてだと思うんですけどしっかり縦パスをつけられてますね。

ここまでCBの積極性が目立ってましたけど、大宮は全体的に積極的に前に出て守備をするのでリスクを許容した上でショートカウンターを狙ってる様子。あまりこういう守備をする印象が無いんですけど森田を使わせなければヴェルディのビルドアップは安定しない傾向にあるのでゲームプランなのかなと。ただポゼッションではテンポを落とすので、ここで息を整えながら隙を突いていこうって感じに見えます。

蹴り合う展開だった所からトランジションベースになってきましたけどお互いこの展開の方が得点できそうではあります。ヴェルディは背後を狙って深さを作る事が増えてきました。

低い位置でのフィードやパスが引っ掛かるようになってきましたが、大宮は積極的に前に出てくるのでもう1つ奥を見せながらでもいいかなとは思いますが、ヴェルディに硬さが見えるのも大きな要因になってると思いますがパスが届かなかったりズレたりする事が多いです。

中央を塞がれ受け手に前向きでプレスがくるので中々前進できない事が多いんですけど、フィードの受け手の近くに味方がいない事が目立つのもあると思いますし、探しながらになってる分時間をかけてしまってるのもあるかなと。大宮が前がかりになる分その背後にフィードが通ればチャンスにできてるのでやはり硬さからなのかな?って印象です。

まあ大宮は元々強固な盾でぶん殴る文化なので慣れてるのもあると思いますが、ミドルとハイプレスを使い分けられヴェルディのビルドアップはほとんど機能してませんでしたし高い位置で奪われる事も多く大宮のペースだったと思います。

前に観た時は居るだけのカラーコーン守備のようになってたんですけど、いい意味で割り切って原点回帰になった印象で、こういうスタイルだとやはり強いですね。

ヴェルディに硬さがありミスが多かったのは間違いないんですが、大宮が本来の持ち味を出しヴェルディの前進経路を上手く塞いて主導権を握ってた印象が強かった前半。



後半、大宮は左SHの大澤が宮原につくようになったので、左SBの山越に持たせたいような配置に代えてきました。ただ中央が3枚になって少し薄くなった分森田がその後ろで受けられるようになってきたのと、宮原が降りて大澤を引き出すと中原へのコースが空くようになったのでビルドアップからある程度スムーズに運べるようになりました。

上記したように山越に持たせたいようなんですけど、右SHの黒川が少し距離のある二度追いで対応する分ある程度スペースがあるのでそこまで苦労してる様子はなさそうですし中央の森田を使ってゲームメイクできるようになってきました。大宮とすれば思ってたより山越が繋げるのが誤算だったように見えます。

森田を使えるようになってきたら大宮のプレスを剥がしながら空いたスペースを使って前進できるようになりましたけど、森田の能力はもちろんですけど中央で前を向いて運べるようになったのが一番大きいかなって印象です。

ただ大宮が後ろに人数をかけてる所に数的劣位で寄せにいって剥がされるシーンもまあまあありますので主導権を握る所までは至ってないですけど五分五分くらいまで押し返せてはいますね。それと前半にあった硬さを感じなくなったのでミスが減ったのも大きいかなと。

森田が最終ラインに降りると空いた所に斎藤が降りてくるので中央での受け手を確保してビルドアップの出口を作るのでいつもの形が色濃く出てますけどそこから先が…状態ではあります

59分に林と加藤蓮→平と綱島へと交代。平は左CB綱島は左CFに入り斎藤が左SH谷口が右CBへ移動。中盤での攻防でやや後手になっでましたのでもう少し起点を作りたいのかなと。

62分に中野→室井へと交代。


綱島が高柳の縦パスを引っ掛けた所からのカウンターから染野→斎藤→綱島へと繋いで少しタメて右サイドを上がってきた中原に渡し、森田と染野がニアに流れたのでファーに流れて森田のクロスに合わせて先制します。バランスを崩しながら斎藤が繋いだのと、森田と染野がニアに入ったのを見てファーに流れて結果的に染野を囮にして綺麗に崩しました。タスクではあるんですけどレーン被りしないようにコース取りをして相手の背中から入ってきたのが大きかったかなと。

失点後当然大宮は前からくるんですが、今までバックパスをトリガーにして連動して押し上げてたので通常のハイプレスではそこまで揃ってないように見えますので引き続き空いた所から前進できてます。

ヴェルディは押し込むとテンポを落として回しながら寄せにきた背後をスペースを狙うようになりました。まずは勝たないと何も始まりませんし、リードしてるのでこれでいいと思います。

72分に富山と小島→大山と泉澤へと交代。泉澤は左SHに入り大澤が右CFへ移動。

ヴェルディはスムーズに前進できるようになった分カウンタープレスが効きやすくなったので中盤での攻防でも優位性を作れるようになってきました。


右サイドで森田がタメて大宮の選手を寄せてから中原に渡し、ターンして内側に運びながらをミドルシュートを決めて追加点を取ります。森田の所で相手をサイドに寄せて中原がターンしてプレスを剥がしたのでバイタルにスペースができますし、そこに運ばれると仕掛けやミドルシュートやスルーパスと何でもできるのでディフェンスはどうしても後手になってしまいますからね。にしてもコントロールが効いたシュートでした。

79分に斎藤→奈良輪へと交代。守備固めで受けに回るのではなく、前線を阻む方に重点を置いてるように見えます。

81分に黒川と大澤→石川と矢島へと交代。石川は右DHに入り高柳が右SHへ移動。

ヴェルディはゆっくり回して中央がダメならサイドから前進しようとしますが2点のリードがあるので特に急がないのは当然なんですけど指示がないのでベンチも他会場の経過を知らないみたいですね。

空いた所や間を使って前進しながら相手の前進を阻むと終盤になってやりたい事をほぼほぼできてますので、大宮が出てこれなくなってきてるのもありますけどクロージングの精度が上がってきたように感じます。

90+3分に染野→河村へと交代。

チャンスらしいチャンスもピンチらしいピンチも特に無い展開のまま終了。



最後に、前半は大宮の中央を締める守備に苦戦してましたが、大宮の守備が良かったのもありますけどヴェルディは硬さからくるミスが多かったのが目につきましたし、大宮のサイドに人数にかける所への対応も後手になってました。確かにこういう緊張感のある試合はそうそう無いのでわかりますけど、これからはこれ以上のプレッシャーの中で試合をする事になるので糧にしてほしいですね。

後半は大宮の守備が変わった所でズレを作ってプレスを剥がし中央から前進できるようになりましたし、ミスも減った中で狙い通りの形で仕留められましたので地力がついてきたなって印象です。

大宮は前半の守備とサイドで数的優位を作ってチャンスメイクしながら主導権を握れてましたけど、後半守備がハマらなくなってから後手に回る事が多くなってましたけど、速攻からチャンスは作れてたと思います。


いつも思うんですけど、社長が編成や強化に関わってるのならわかりますが、社長が責任を問われるのは収入や動員等の経営面に関する事であって、結果に対する責任はGMや強化部長がとるものだと思うんですよね。まあ我がクラブも通ってきた道なんてすけどね。


南選手のヴェルディに対しての挨拶嬉しかったです。26年間の現役生活本当にお疲れ様でした。