20220924 第38節ホーム山形戦


雷で約90分間の中断があったホーム山形戦。ヴェルディは4-4-2で山形は4-1-2-3でスタート。

ヴェルディの保持時は、2CFへのフィードか縦パスを入れSHやDHに落として前進し、サイドに叩いてからクロスを入れていくのがメイン。CFはフィードを受ける時はサイドに流れ、ポストプレーをする時は中央と受けやすい所で収める形ができてます。SHが絞ってセカンドや落としを拾いやすくして右SHのバスケスが仕掛け後ろ奈良輪がサポートする形が目立ちます。ピッチコンディションはもちろん考慮してるでしょうけど、今のヴェルディのスタイルではそこまで大きな影響は受けないかもしれません。

山形の保持時は、最終ラインからCFやWGへのロングフィードを繋いでから幅を狭くしてサイドでオーバーロード(数的優位)を作ってトップ下やDHが後ろから出てきて前進し、中央とのコンビネーションで崩しにいくかシンプルにクロスを入れてきますのでピッチコンディションを考慮してゲームプランを組んでるみたいですね。ロングフィードはCFはポストプレーWGは背後を狙い左WGの加藤の所から前進する事が多め。中断後はディサロが起点を作って落としてから幅をとり、右SBの川井が中盤に絞ってDHと並びトップ下の河合が右サイドに流れてクロスやスルーパスを3トップに入れてくる形もあります。

ヴェルディの非保持は、いつも通りのハイプレスですが、山形がロングフィードが多いので後ろは少し待ち、縦パスを入れてくるようなら迎撃に出ていく形。

山形の非保持は、4-2-3-1のハイプレスな事以外はヴェルディと同じくで後ろは少し待ってロングフィードに備えます。セットすると両WGが下って4-4-1-1になります。

序盤ヴェルディは背後を狙う2CF、山形は前線3トップ目掛け蹴りシンプルに前進しようとしますが、ピッチコンディションも考慮してるのかなと。

場所によっては水が溜まってボールが止まるのでパスはもちろんドリブルも難しそうですし、ポゼッション(特にバックパス)はちとリスキーかなとは感じます。

ボールが止まりやすくパスミスになりやすいので、お互いプレスはかなり積極的にいきますね。それもあってお互い蹴り合ってセカンドを拾って攻撃する展開です。違いは数的優位を作るのがヴェルディは中央山形はサイドってくらいですかね。

そういう意味ではフィジカルと走力に強みのある選手が多いのはプラスになってます。今まではこういうピッチコンディションだとパワーで殴られる事が多かったですからね。

まあ仕方ないんですけど、フィジカルコンタクトにロングフィードラインアウトラグビーみたいになってます。

山形は密集を作ってますがトランジションの反応は凄く速いって訳ではないので、突破して背後のスペースを狙う事はできてます。奪われたらそのまま前向きでプレスに行けてるので特に問題ないですし、後ろが連動して押し上げて奪い返せればチャンスになりますからね。

中盤に水溜まりができてるので中盤の攻防でパスが短くなりトランジションが起きてますがそれは受け入れるしかないですね。

雨がどんどん酷くなって田んぼ状態になってかをきて、パスはもちろんドリブルもより難しそうな感じなので当ててセカンドを拾う事に専念しても良さげな感じです。

21分に雷が鳴ったので一時中断。雨はいいですけど雷はダメですからね。

選手達がウォーミングアップに出てきた頃にはピッチ上の水溜まりがほとんど無くなりました。ラグビーワールドカップでハイブリッド芝にした時に改良したんでしょうけど水捌けがいいですね。

20:43山形のスローインから試合再開。

大分水が捌けできたのでパスが繋がりやすくなってきましたけど、ヴェルディは縦志向のサッカーをやっているので振る舞いはそんなに変わってません。山形のアクションがちと遅いのもありますが、ヴェルディレイオフや楔で起点を作る所が上手くいってるのでベースを握れている印象です。

山形は中断後はディサロが起点を作って落としてから幅をとり、右SBの川井が中盤に絞ってトップ下の河合が右サイドに流れてクロスやスルーパスを3トップに入れてくる形もあります。

29分に梶川からパスを受けた河村がレイオフ加藤弘堅に落として染野を狙ったシーンがありましたが、レイオフの落としのパスを合図に背後を狙って奥行きをとってもいいかなと、これはホワイト監督時によくやっていた形ですね。

ヴェルディは落下地点の付近で密集を作ってるのでセカンドを拾える事が多く、そこから2CFに当てたりバスケスの仕掛けでチャンスメイクしていきますが、中々決定機までは至りません。

山形は上記したように幅をとる形もあるんですが、ロングフィードを受けてからなのでどうしても開くのに時間がかかる分ヴェルディの帰陣を許してる印象があります。お互いボールホルダーが前を向いて持てる時は前線が動き出してくれる分ロングフィードが多くなる所もあるんでしょうけど

染野が藤田が乗っかる形になったシーンは、結果的に藤田が競らなかった事によるファウルだと思います。空中戦では競らないと相手が背中に乗っかって頭から落ちたりする可能性がらあり競技者を危険に晒す場合がありますので

お互いロングフィードのセカンドを拾って前進する形でしたが、ヴェルディの方が縦に入れた時後ろの押し上げがスムーズでしたのでチャンスも多く作れていた印象ですし、右サイドのバスケスと奈良輪の所で攻撃を活性化させられていたと思います。

連戦の中でも少しずつ個人組織戦術が進んできたのを感じれたのはポジティブな要素ですし、それが似たようなスタイルの中でチャンスをより多く作れた要因の1つだったのかなと。

雷での中断があったからなのか解説の佐藤悠介さんが疲れ気味だった前半。



後半、両チーム共基本的な振る舞いは変わりませんかヴェルディアタッキングサードでは幅をとるようになりました。今節は染野のポストプレーがいつもより効いてる印象です。

山形はDHが降りてビルドアップに関与するようになりましたが、CFのディサロに入れる形が多く攻撃がちと単発気味。ヴェルディは長い縦パスからのレイオフでサイドに展開して前進する形は共有されているようです。

ヴェルディが押し込んで幅を使って攻撃する機会が増えてきました。この場合は今までやってたようにバランスよく選手を配置する事でカウンタープレスに備えます。

ヴェルディが蹴る事が多いのもあるんですけど、山形のプレスの出足がちと鈍いのでビルドアップでの前進もしやすくなってます。シンプルに前進できそうなら蹴りスペースがあるなら繋ぐとここの判断が良くなってきた印象です。

ここまで奈良輪はバスケスが単独で仕掛けられそうならスペースを渡しながらバスケスが行きたい方向ではない方にオーバー(インナー)ラップする事でサポートする関係性がいいですね。SBは前の選手を見られるので前の選手の振る舞いによって後ろからサポートする文字通り縦関係の方が上手くいきますからね。


52分の得点は、ショートコーナーから戻してのファークロスをンドカが合わせた形。奥から染野も入ってきてましたしようやくこの形で穫れたっていうのが本音じゃないかなと。押し込んでる時間帯で穫れたのが大きかったですね。

山形はロングフィードで左WGの加藤に背後を狙わせる形が増えてきました。

ヴェルディは押し込む時は幅を使って攻撃しますけど、敵陣にボールを送り込む手段は問わない様子なので少し前の川崎みたいな感じになってます。

56分に河合と加藤→デラトーレとチアゴアウベスへと交代。デラトーレはCFに入りディサロがトップ下に移動。中々前線で収められず攻撃が単発気味でしたので、前線で起点を作る為の修正なんでしょう。

山形はGKも使いながらプレスを剥がし、降りてきたデラトーレの使う形が出てきました。これは何回もあるんですけど、デラトーレが降りたスペースを使うシーンがほとんど無いんですよね。デラトーレがトップ下のディサロやDHに落としてからチャンスメイクしたいんでしょうけどちともったいない気がします。

山形は出し所を探しながらみたいなシーンが出てきましたが、ヴェルディは戦術が浸透してきたからなのか今までのような迷いみたいなモノがあまり感じられなくなってるのがいいですね。連戦中でよく修正してきたと思います。

山形が前線に人数をかけヴェルディがひっくり返す展開になってますがヴェルディの方がチャンスを作れそうではあります。

65分にバスケス加藤弘堅→佐藤凌我と稲見へと交代。佐藤凌我は右CFに入り河村が右SHへ移動。

67分に国分とディサロ→樺山と山田へと交代。デラトーレとディサロよりは山田の方が相性いいでしょうね。

山田が入って収められるようになってきてそこに樺山や秀仁も絡んで中盤で起点を作れるようになってきました。

72分に梶川と河村→深澤と小池へと交代。深澤は左SB小池は右SHに入り加藤蓮が右DH奈良輪が左SBへ移動。

この時間帯でもハイプレスと背後を狙う所は変わってませんし、相手にストレスを与えられてるように見えます。

74分にオフサイドをとりそこねたシーンがこの試合最大のピンチでしたけど何とか掻き出せました。これを獲られてたら展開はガラリと変わってたんじゃないかなと。

自陣でボールを持たれる時間が続きますが、山田が色々な所に顔を出すので対応にちと手を焼いているようです。ただ奪ってから手数をかけずに反撃できてるのでここで獲っておきたい展開ではあります。

80分に染野→阪野へと交代。

オープンな展開になってきましたが、プレースタイルからするとヴェルディの方が分があるかなと。

83分に松本→小西へと交代。

ボールを持たれてる時は4-4-2でブロック作って守れてますし、奪った後反撃できてる事もあり守備で特にストレスを感じでないように見えます。山形は前線がちと固定気味なので繋ぐよりシンプルに放り込んだ方が良さげに見えますがあまりやってこないですね。

山形は前重心になった事でカウンターが突き刺さる展開になり決定機は作れてるんですけど…

最終盤でリードしてても特に時間稼ぎをする素振りがありませんが、このスタイルなら変に色気を出した方が危ないのでこれでいいと思います。

展開が変わらないまま終了。



最後に、連戦の中でも戦術の浸透してきて選手達に迷いが見られなくなってきたのが大きな収穫だったと思います。今まではここの部分で劣勢になってましたからね。

背後を狙って奥行きを作り相手を間延びさせる所は最後までできてましたし、多くのチャンスを作れたので欲を言えば追加点が欲しかったですね。

山田が出てくるまでは中盤で起点を作られませんでしたし、山形のポジションがちと固定気味だったので対応しやすかったのはありますが、守備でも特にストレスを感じる所がなく攻守に渡ってハードワークできていたと思います。

前節でも書きましたが、このクラブ伝統の少しのアクシデントでモロさやユルさが出てしまう所を変えていくにはいいスタイルだと思いますし、足元足元の各駅停車と不必要なバックパスが減ってきてるのもいい影響が出ていると思います。