20021002 第39節アウェイ仙台線


アウェイ仙台戦。ヴェルディは4-4-2で仙台は3-4-2-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、加藤弘堅が少し降りてきて稲見と縦関係になりSBを少し押し出してのビルドアップ。CB同士が開く上に加藤弘堅がアンカーのような位置にいるのでCFの中山は制限をかけるのが難しそうです。仙台が2CBにCFとシャドーを当ててくるようにしてきたら、ヴェルディのSBをWBが見張る形になるので、その背後をSHやサイドに流れたCFが使っていきます。

仙台の保持時は、3CBに右DHの松下の3-1になりますが、ビルドアップというよりは引き込んでから前線に背後を狙わせるか、WBから内側に叩いて速く前進したい様子。WBからシャドーに入れてレイオフから背後を狙うのが基本線のようですけどDH経由で密集を作ってサイドから崩しにいく形もあります。

ヴェルディの非保持はいつも通り4-4-2のハイプレスなんですが、仙台は3CBでかつ蹴る事も多いので前でハメるのはちと難しそうです。WBが受けた時はシャドーやDHに叩くのでSHがシャドーDHがDHをケアできているかどうかが鍵になってるような印象。

仙台の非保持はヴェルディの2CBにはCFとシャドー、SBにはWB、加藤弘堅をDHが対応する形でハメこんでくるかミドルゾーンで5-3-2~5-4-1でセットします。奪いにいくというよりは制限をかける感じでバックパスに追っていくんですけどそれに合わせた後ろの押し上げはちと弱い印象。

まずはロングフィードを蹴り合う展開。ヴェルディは仙台が最終ラインに寄せてくるならCFが背後やCB脇を狙い、仙台はCFの中山に背後を狙わせます。

ヴェルディロングフィードを仙台の最終ラインが跳ね返し中盤の攻防が増えてきました。お互いここで拾えたらサイドに展開して前進していきます。

7分にバックパスを奪われてピンチになりましたが、バックパスの成功率は100%である必要があるので慎重にやってほしい所。

仙台が前をからハメにきてる時にWBが前に出る分その背後を狙うこはゲームプランの1つだと思いますが、今節はンドカから河村へのフィードが目立つのでここを起点に染野やSHを使ってチャンスメイクをしていきたい様子。

ハイプレスに行くとヴェルディが背後やライン間へフィードを入れてくる事が多いので、14分くらいから仙台は5-3-2~5-4-1のミドルプレスが多くなってきました。

ヴェルディはブロックを動かしながらサイドチェンジで前進を図る形が出てきました。プレスに出てくるなら背後やライン間、セットするなら相手を動かして前進するとここの部分はある程度整理されてきたと思います。

ヴェルディはここまで縦志向が強いスタイルに力を入れてるので、セットしてハメ込んでくる形だと前進が難しくなってます。これが仙台のゲームプランの1つでもあるんでしょうけど。

ヴェルディは中々中盤を越えられず、仙台もトランジションでスムーズに前進できている訳ではないですし、ロングフィードが多い分中盤が少し空いてるんですけどお互い受け手を自由にさせてません。ヴェルディは繋いでサイドから前進したりレイオフからCFが背後を狙い、仙台はDHと遠藤から中山や氣田を活かそうとするんですけど崩す所までは中々至りません。中盤の攻防やトランジションが効いていてお互い相手の速攻を許さず遅攻になるとそこまで上手くいってない印象なので膠着状態といった所。

終盤になってきたら仙台がそこまで制限をかけらなくなってきたので前進がスムーズになり押し込めるようになりました。ニアポケットから崩しにいくかファークロスといつもの形はできてます。

終盤仙台が人を掴むか制限をかけるかがはっきりしなくなった分優勢になりましたが、お互い攻撃の起点を潰して強みを打ち消し合うような内容だったと思います。

固い展開ではあるんですが、お互い守備で良さを発揮し攻撃はあまり上手くいかない時間帯がほとんどであまり変化が無くいつもより文量が少ない前半。



後半頭から井出→梶川へと交代。おそらく当初からのプラン通りなんでしょう。

仙台は守備では人を掴み、攻撃は後ろで廻してヴェルディを引き出して背後を狙う形とポジドラでは遠藤が起点になってサイドに叩いて密集を作りレイオフやスイッチで崩す形をはっきりさせてきました。

ヴェルディはフリックでプレスを剥がせればスムーズに前進できそうではあるんですが、サイドからのパスを前向きで奪われてしまってる事が多いので劣勢になってます。こういうケースではバックパスでサイドを変えたり相手を引き込んでスペースを狙ってもいいかなとは思いますが、現段階ではスタイルをしっかり確立する方を優先したい所があるので難しいですね。

劣勢にはなってるんですが耐えるというよりは積極的な守備ができてますし、守る事にあまりストレスを感じてないように見えます。ちなみに仙台は耐える事を苦にしないクラブ文化がありますね。

仙台は前半から人を掴みにいくとしっかりしてるんですが、セットするとボールホルダーへの寄せが鈍くなり人につくかスペースを埋めるかの意思統一がはっきりしなくなる事がありますね。

57分に稲見とバスケス→晴也と佐藤凌我へと交代。佐藤凌我は右CFに入り河村が右SHへ移動。

ヴェルディは仙台のファーストプレスを剥がせれば比較的スムーズに前進できてます。この時背後を狙い相手を押し下げる所は前半からできてますし、今の戦術が浸透してきてるようですね。

65分に加藤蓮→深澤へと交代。右SBに入り奈良輪が左SBへ移動。

また中盤の攻防が激しくなってきてお互い決定機まで至らない展開になってきました。お互い守備はいいんですけど仙台は結構微妙なバランスで成り立ってる印象はあります。ただ対人では仙台が優勢で起点を作られているので厳しく寄せる所は意識してやっている様子。


76分の得点はショートコーナーからなんですが、ヴェルディは戻してからのクロスは相手の目線を切るファークロスが多いんですけどその亜種で中央に入れ染野が合わせました。ファーにいるンドカを見張る意識づけをさせていた分染野に絞りきれておらずフリーで打てました。

ヴェルディは押し込める時は無理をせず繋ぐようになりました。それ自体は時間を浪費できるのでいいんですけど、出し手受け手の2人が置き去りにされてしまう不用意な横パスは気をつけてもらいたい所。

79分に氣田と松下と石原→富樫と梁勇基と真瀬へと交代。仙台はこの時間帯で初めての交代なんですが、微妙なバランスの影響を考慮してるんでしょうか

80分に低い位置で奪われ決定機を作られましたがここを乗り切れたのが大きかったかなと。

85分に仙台は福森→カルドーゾ、ヴェルディは染野→阪野へと交代。
仙台は4-4-2に変えてきましたが伊藤監督がこの形にするのは珍しいですね。


87分の得点はサイド奥をとって平行orマイナスクロスは今までやっていた形ですし、阪野が押し込んだ所はニアの梁勇基が残っていたのでオフサイドではないですね。

仙台は当然前への圧力を強めてきますが、4-4-2にしても密集を作って縦に速く攻めるのは同じですね。それと前線目がけて蹴る事も増えました。

粘り強い守備はできてますが、デュエルがより増えたって感じで耐えるって印象ではないですね。

このまま終了。



最後に、お互い守備から入って相手のやりたい事を封じ合うような固い展開でしたので変化は少なかったかもしれませんが、デュエルが激しく見応えがあったと思います。

仙台が人を掴むかスペースを埋めるかがはっきりしない時があるのでそこにつけ込めたのが大きな勝因だったかなと。

攻撃に関しては仙台がそこまで前からくる感じではなかったので、(後ろを5枚にしてる影響もあるように見えます)縦志向でスペースを使う事はしにくかったですけど、背後を狙って相手を押し下げる所は継続してできてました。


今のスタイルが浸透していってるのはこの2つのデータを見ても明らかですし、しっかりモノにしていきたいですね。

どんなスタイルにも長所短所がありますが、少しのアクシデントでモロさやユルさが出てしまう所だったり各駅停車のパスや不必要なバックパスとこのクラブの悪しき伝統になっている部分の克服するにはこのスタイルは合ってると思いますのでしっかりモノにしていきたいですね。ここをしっかり体現して始めてやりたい事をやればいいと思ってますので