20221001 第37節アウェイ群馬戦

アウェイ群馬戦。ヴェルディは4-1-2-3で群馬は4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は、右SBの宮原が高い位置をとる3+1のビルドアップ。マテウスを組み込む時は奈良輪も上がりますので相手のプレス隊プラスワンの原則でやってる様子。この組み合わせで宮原を上げるのは珍しいですが、右WGの中原へのフィードがいつもより目立つので左SHの川本を押し下げる意味合いもありそうです。群馬が中央を締めてくるので森田に楔を入れて中央を警戒させてサイドに入れたり、プレスを引き出してWG目掛けてひっくり返すフィードを使い分けて前進していきます。非保持は群馬が比較的後ろにかける分2CFが寄せにいきづらいので稲見も加勢して制限をかけていきます。群馬は繋いで前進というよりプレスを引き出してひっくり返すのを狙ってるのでいつもよりセット気味なんだろうなと。

群馬の保持時は右SBの川上をハーフスペースに上げた3+2で後ろで回してヴェルディのプレスを引き出してCFの平松も狙いますけど基本的には早目にサイドに入れてきます。左サイドは左CFの高木がサポートしながら左SHの川本が突破をはかり、右サイドは右SBの川上が早目にハーフスペースを上がって右SHの佐藤をサポートするので左サイドはサイドから、右サイドカットインから逆サイドへのクロスが多いですね。非保持はバックパスにはGKまで追ってきますが、そうでない時は構えた所から全体を押し上げるように圧力をかけてくるミドルプレスなんですけど中央を締めながら外に追いやる形の練度が高いです。 

立ち上がりは群馬が出足よく寄せてきて押し込まれる展開。いつもよりトラップが大きくなったる印象ですが、プレッシャーなのかピッチ状態なのかはよくわかりません。

8分に横に揺さぶりながらポケットに差し込んでからのコンビネーションは綺麗に崩せたと思います。

染野が降りてきながら入ってきた楔を叩き、止まってる時はターンしてチャンスメイクする使い分けは安定感にも繋がりますのでここは続けていきたい所です。

まあまあ中央に楔を打ててはいるんですが群馬の中央が固いのでどうしてもサイドから前進する事になるんですけど、背後を狙いながら横に揺さぶる所はできてますので(とは言っても群馬は大外はくれてやる位ではあるんですが)後はセットさせる前にカウンターでシュートを打ったりミドルシュートを組み合わせてもいいかなって印象です。

群馬はゴールキック時にGKのすぐそばに右CBの酒井を置いて渡した後右DHの天笠や左CBの
城和に出してプレスを引き出して右サイドを空けて前進しようとする形が目立ちますが、川上を上げて前線に人数をかけてる分ここを使いたいんでしょうね。

ヴェルディは運ぶドリブルで陣形を歪ませる事はできてますが、群馬のDHの手前や脇で起点を作りたいようですけど群馬の選手はギリギリまで寄せてこないのでまずは中央にスペースを作らせない事を最優先させている様子。なので大外はとれますけど中を割るのが難しいですし、単純なクロスは跳ね返されるので角度をつけたりバックパスからアーリー気味に入れてもいいかなとは感じます。

群馬は基本的にセットしてスペースを埋めますけど、トラップミス等モタついた時には一気に襲いかかってくるのでここのメリハリが効いてますね。ヴェルディとしてはボールを保持して幅を使えてるんですけど群馬がのってこないので中々手立てが無い状況です。それと35分くらいからハイプレスというよりセットしたままジリジリと前に出てくるようになりました。

37分にGKの櫛引に染野が死角から寄せにいってあわやのシーンがありましたけど、外から勢いよく寄せて緩急をつけられたのは良かったですね。

ニアゾーンをとれたシーンも結構ありましたけど群馬がスペースを埋めながら奪えそうな時には一気に寄せてくるメリハリが効いた守備で中を割るのが難しかった印象です。

展開があまり変わらなかったので文量は少なめですが、お互いの狙いや意図がはっきり出ていて見応えのあった前半。



後半頭から長谷川→加藤蓮へと交代。中に入っていく為との事ですが、川上のケアに戻る必要もあるのでそこのケアの意味合いもあるのかもしれません。

後半の群馬は右CBの酒井を左に寄せてGKの櫛引を使って右サイドに展開する形も使うようになりました。後ろに人数をかけてる分ヴェルディのハイプレスをいなせると判断したのかなと。

ヴェルディはSBを上げた時に後ろがはっきり3バックの配置になり相手を拡げて中央を狙うようにしてきましたので、いつものように森田に前を向かせてゲームメイクさせたいんでしょうね。

ヴェルディはハイプレスはいいんですけど、数的劣位でも寄せにいって剥がされ中央から前進されるシーンがありましたが、ジレる必要は全くないので行く行かないの判断はブレないようにしたい所です。

森田が中央から運べるようになりましたけど、群馬は中央を締めながら受け手の所から行けばいいって感じで中々寄せてこないのでそこまで陣形に歪みを作れない状況。それなら運ぶドリブルで選手間に入っていきあわよくば突破を狙う位の方が良さげに見えます。

前半と比べると群馬は左SHの川本が絞るようになり、右サイドからや後方からのフィードから内側から突破を狙うようにしてきました。大槻監督は前半も右サイドからのフィードを受けさせようとしてましたからね。

ヴェルディは中央を使えるようにはなりましたけどブロックの内側を中々使えませんし、群馬は選手が被ってノッキングしたりしてるので膠着状態の守り合いのようになってますけど、お互い自分達のやり方を続けた方が良さげな展開。

59分に高木→武へと交代。

61分に奈良輪→綱島へと交代。左IHに入り稲見が左SBへ移動。

ヴェルディは押し込んではいるんですけど、もう少し深さをとる動きを入れて横のスライドだけでなくラインコントロールを強要させながら認知に負荷をかけてズレを作ってブロックの内側に入り込みたいなとは感じます。

お互いやり方は変えてませんが、中盤の選手が前に出ていく事が増えたのでリスクを承知した上で勝負に出てきた印象です。

70分に斉藤が天笠に突き飛ばされる格好になったんですが、気持ちはわかりますけどゲームを壊しかねませんし、何があろうが行為に出た方が完全に負けなのでアンガーマネジメントの所をしっかりやりたいですね。

お互い得点が欲しい分デュエルが激しくなってきましたし、特にヴェルディはリスクをとってるのでやむを得ない部分もあるんですんですけど荒れそうな展開ではあります。

80分に斎藤→河村へと交代。CFに入り染野が右IHへ移動。もう一度ハイプレスを巻き直すって感じなのかなと。

ヴェルディはファウルが増えてますけど、群馬が後ろではゆっくり持ちたがる所を狙ってる様子ですし、剥がされたらピンチになるのでこれでいいと思います。前に人数をかけてる分川上や川本がスペースで受けて仕掛ける事が増えたのでその前に奪いたいんですよね。

オープンな展開になってきましたが、ヴェルディはカウンターがそこまで上手くいってない印象なのでセットプレーも含めもったいないと感じる事が多いですね。

89分にヴェルディ森田と染野→平と佐川へと交代。パワープレーですね。群馬は風間と平松→内田と北川へと交代。

90分に川本→白石へと交代。交代回数を使いきってしまう形になりますけど逆に残しておいてよかったですね。

ヴェルディはシンプルに放り込むようになりましたが慣れてない事もあり少し雑な印象はあります。

前線に人数をかけますがゴールを割れずに終了。



最後に、帰陣も速く中央を締めてくる群馬のブロックの内側を中々割れなかったですね。前線に人数をかける所も少し足りなかったですし、パワープレーを含めいつ誰がどこに入っていくか?が整備しきれてなかった印象が強いです。それと焦りからなのか前半できていたサイドからの崩しができず攻撃が単調になってしまっていたので相手からすれば守りやすくなったとは思います。

群馬の守備が素晴らしかったのが大前提ではありますが、コーナーキックの回数が少なかったですし、決定機もほとんど作れませんでしたので無得点はやむ無しではあります。ただカウンタープレスや身体を張る所は引き続きでしきてましたのでここは続けていってほしいですね。

群馬は奪ったり後ろに人数をかけて回してサイドから突破をはかり、奪われたら前進を阻みながらの帰陣が速く中央を締める守備が効いてました。特に難しい事はやってないですけど個々の選手がやるべき事をしっかりやりながらハードワークを怠らないのでこの順位にいるんでしょうね。