20230723 第27節アウェイ仙台戦

アウェイ仙台戦。ヴェルディは4-1-2-3で仙台は4-1-4-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、左SBの深澤が高い位置をとりアンカーが降りてくれば上がって人数の調整をしながら、蹴って染野が起点を作ったり相手をサイドに寄せてからサイドチェンジで前進できた時は仙台のマークやカバーが曖昧な所もありニアゾーンやポケットを起点にしてチャンスメイクができてます。ただ相手のプレスを見て繋ぐ蹴るの判断がいまいちで低い位置で奪われあわやみたいなシーンが目立ちますね。非保持は4-4-2(斉藤がアンカーを見張る4-2-3-1)2CFのどちらかがアンカーを見張りながらorコースを切りながらCBに寄せていき、見張れない時は中央を切ってセットし、ボールがサイドに出た所から人を掴むように寄せていきます。

仙台の保持時は、両SBがアンカーと同じ高さまで上がる2+3ですが、ホヨンジュンやSH目掛けて蹴る事が多くビルドアップの意識はそこまで高くなさそうに見えますけど、繋ぐ時は降りてきたSHに出してIHへのフリックやSBへのレイオフからヴェルディのSBの背後を使ってクロスからチャンスメイクしていきます。ポジドラではホヨンジュンが低い位置に降りて収めてからサイドに展開してサイド2枚が上がってきてSBが大外SHが絞ってチャンスメイクする事が多いです。非保持は4-4-2(4-1-4-1になる事もあります)のハイプレスでボールサイドと逆のSHを余らせてヴェルディのアンカーやIHを見張るポジションをとり、逆サイドにボールが来たらDHにアンカーのマークを受け渡して寄せていきます。ミドルプレスになると中央を締めてサイドに出た所をプレッシングトリガーにして寄せてくるのでプレスの形はよくできてるんですけど、そこを越えられると誰がボールホルダーに寄せて誰がカバーするのかがいまいち定まってない様子なので対応が後手に回ってる印象です。セットすると4-4-2のゾーン。

6分に蹴り合う展開からクリアボールを稲見がインターセプトして大外の北島に渡した後サイド奥に流れて受けて右CBの若狭を引き出した時に染野がポケットで深さを作って左CBの菅田をピン止めしたスペースに入ってきた斉藤のシュートのこぼれを中原が押し込んで先制します。奪い方からサポートとマークを剥がす動きに逆サイドWGが絞ると理想的な崩しだったんじゃないかなと。

仙台が4-4-2のミドルプレスに切り替えてきたんですが、ヴェルディはプレッシングトリガーになってるサイドorバックパスへの対応がいまいちで時間とスペースがない状況でも繋ごうとして高い位置で奪われたりしてますので相手のリアクションを見て判断してほしい所です。

仙台もまだ作りかけな所もあるんでしょうけどやや判断が遅く囲まれて奪われたり横パスをインターセプトされてスムーズなカウンターを受ける事もあるので、お互い繋ぎに隙がある分繋ぐより中盤で引っ掛けてショートカウンターの方がチャンスになりそうな忙しい展開で中盤の攻防が激しいです。


堀監督がラインを割ってないボールを拾ってしまったんですけどやってしまいましたね…

繋ぎたいのに判断がいまいちで繋ぐ方がおっかないのはそれだけ守備が機能してるって事でもあるんですけど日本ではこのケースが多い気がします。

22分に右サイドで奪い返された所からの松崎のクロスをホヨンジュンが合わせて追いつかれます。右サイドの密集からレイオフで前進した所をカバーしたんですけど自陣サイド奥で数的劣位になってる所で繋ぐのは悪手だったかなと。

飲水タイム後は無理に繋がず蹴る所は蹴るようになりましたし、繋ぐのも1つ飛ばすと使い分けるようになったので修正してきたようです。

中原がカットインしてきた時に斉藤が幅をとり、稲見が同サイドポケットに流れてスペースを作る連携はできてますので、短い時間の中で擦り合わせてきたようですね。

仙台はアンカーの鎌田がサイドに流れるようになったので、ヴェルディのSHが仙台のSBとアンカーどちらを見張るか?に迷いを生じさせる事でプレスが噛み合わなくなったので仙台がスムーズに前進できるシーンが増えてきました。そこからIHに楔を入れてサイドに落としてクロスを入れたりしてチャンスメイクをしてきます。

ヴェルディは左サイドは基本的にコンビネーションで崩しにいくんですけど、左WGの北島に入れた時に平行サポートでボールの逃げ場を作るように修正してきたのでこちらもスムーズに前進できるようになってきました。崩しに行ければ行くし、行けなければサイドチェンジの撒き餌にしてもいいって感じですね。

33分のコーナーキックでニアで稲見がスラしたボールが菅田に当たって追加点をとります。結果的にリフレクションの形になったので対応が難しかったと思います。

35分に北島が高い位置で奪って中央で染野がヒールで森田に落としたのは時間帯を考えれば仙台のモチベーションを大きく落とせた可能性もあったので決めてほしかったですね…

ヴェルディのプレスより仙台の方がハマってるのでチャンスを作れそうではあるんですけど、上記したように仙台はプレスを越えられるとマークとカバーが曖昧になる所があるのでプラマイゼロですかね。

41分に高い位置で染野が奪い返してから中原が横に運んでCB-SB間から背後を狙った北島に出してファーに流し込み3点目をとります。チャンスメイクからカウンタープレスでハメこみスペースを上手く突けたと思います。

ヴェルディはプレスがハマらないのは変わってないので対応が後手に回ってる中で左SBの秋山のクロスからのこぼれをまたホヨンジュンに決められて1点差に詰められます。仙台にとっては勇気を得られる得点だったのではないかなと。

ヴェルディはプレスがハマらないので人を掴む守備がやや逆効果になっていた印象ですし、仙台は安易な横パスをインターセプトされてカウンターを受けたり、プレスを越えられた後がはっきりしてないので攻撃の良さというより守備の問題点の方が目立った展開だったと思います。

ヴェルディは相手を寄せてサイドチェンジやプレスから効果的な形を作り、仙台はサイドでSHSBが絡んでチャンスメイクして得点が取れてましたのでお互い攻撃のアイディアがあり綺麗に崩せてた分破壊の鉄球とおなべのフタで殴り合ってた印象が強い前半。



後半頭から斉藤→加藤蓮へと交代。

キックオフでサイド目掛けて蹴ったボールを菅田が跳ね返したこぼれを森田が拾ってワンツーで北島が背後をとり、サイドの深澤に展開してSBを引き出した背後に中原が入ってスルーパスを受けグラウンダークロスを逆サイドから入ってきた加藤蓮が押し込んで4点目を取ります。森田と北島のワンツーで中島を、北島が少し待った事で(パウザを入れた事で)鎌田と氣田を引きつけて中盤のラインを崩したのが大きかったかなと。

ヴェルディは3-4-2-1に変更して守備では5-2-3にしてきたんですが、アンカーの鎌田をどう見張るのかがはっきりしないので中央から運ばれてリトリートする事が増えてきました。2点リードして受けに回ってるというより純粋に鎌田を掴みきれてないんですよね…

後ろで回してテンポを落としながら仙台のプレスを引き出した背後を使えて前進できているので攻撃の方は特に問題なさそうです。なのでしっかりセットしてゾーンで守って前進を阻みながらパスや意思疎通のミスを突いてカウンターに徹した方が安定しそうに見えます。まあ純粋なゾーンディフェンスはほぼやってないんですけどね。

鎌田やIHを掴めずに中央から運ばれるので選択肢が豊富な分どうしてもリアクション守備になってしまい対応が後手後手になる悪循環に陥ってます…人を掴む傾向が強いのにファーストディフェンスを定められないとにんともかんとも状態になりますよね…

ひたすら耐える展開が続きますが、意図した所で奪えてないのでポジドラも上手くいかずサンドバッグ状態になってます。

60分に中島→フォギーニョへと交代。

仙台の攻撃が素晴らしいというよりヴェルディのプレスが全くハマってないので自滅感の方がかなり強いですし、最後の所で身体を張れてはいますけど失点は時間の問題って感じなのでボールを保持する時間を増やしたい所です。

68分に深澤と北島→山越と山田へと交代。山越は右サイドCB(HV)に入り宮原が右WBへ移動。

仙台はビルドアップが安定してきたので(ヴェルディのプレスがアレ過ぎると言った方が正しいですが)サイドも使って前進できるようになりましたのでやりたい放題って感じですね。

70分にエリア内に侵入してきた氣田を倒してPKを与えてしまいましたがこれだけ対応が後手後手ならやむを得ないかなと。これを決められて1点差に詰められます。

73分にホヨンジュンと郷家と松崎→中山と加藤とオナイウへと交代。これだけ押し込めれば前線にフレッシュな選手を入れてきますよね。

押し込まれる展開が続いてるんですが、仙台はヴェルディの中盤2枚の脇からチャンスメイクする事が増えたので飲水タイムで修正してきたようです。

80分過ぎからはリトリートするようになりましたけどこっちの方が安定しそうです。ただゾーンディフェンスというよりは人海戦術と言った方がいいかなと。

86分に氣田→梁勇基へと交代。左IHに入り加藤が左SHへ移動。

仙台が低い位置からオナイウを背後を狙わせる事が増えてましたが、ヴェルディとしてはプレスがハマらないので正直こっちの方がありがたいです。

87分に染野と平→甲田と綱島へと交代。甲田は左WGに入り山田がCFへ移動。綱島は右サイドCB(HV)に入り山越が中央林が左サイドCBへ移動。

多少前線で時間を作れるようになりましたが何とか耐えきって終了。



最後に、リードしてる状態でプレスがハマらないならセットして制限をかけながら前進を阻む守備をしてもいいと思いますし、攻撃では相手がハイプレスにも関わらず繋いで奪われたりしていてフィードや1つ先を使う工夫が足りてない所もありましたのでよく勝てたなっていうのが率直な感想です。

攻撃では自分達の理想的な形で崩して得点できてましたが、前半の飲水タイム後からプレスがハマらない分人を掴む傾向が強い守備がにんともかんとも状態になってましたので3失点も納得できる内容でした。ホーム戦でもそうでしたけど堀監督はヴェルディを熟知してるので的確にウィークの突いてきたなって印象も強いです。

まあ勝ち点3と負けに等しい課題を持ち帰れるのはプラスになると思いますのでここから修正していってもらいたいなと。

仙台は攻撃ではSHSBにIHが絡んでサイドから崩したり突破してチャンスメイクできてましたが、守備ではファーストプレスを突破させるとマークとカバーが曖昧になるので馬鹿試合になるのも納得かなと。未だ作りかけの状態なんだと思うんですけどね。