20230915 第35節アウェイ甲府戦

アウェイ甲府戦。ヴェルディは4-1-2-3で甲府は4-2-3-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、甲府の2CFの背後で比較的3センターが受けられるので、中央で起点を作ってサイドへ展開して前進は比較的スムーズです。今節はサイドで起点を作ったらIHが背後を狙い、SBが上がってサポートするタイミングが速く、そこからグラウンダーやマイナスの速いクロスを入れてきます。ニアゾーンからポケットを狙うのを基本線としながらも大外からでも背後狙いながら速い攻撃も体現されてますね。非保持はハイプレスのなんですが、左DHの中村がCB間に降りて数的優位を作る時は中央を締めてサイドに誘導した所から寄せにいく形。セットすると人を掴む意識高めの4-4-2。

甲府の保持時は、左サイドに流れるクリスティアーノや三平を狙うロングフィードから収めたら時間を作って右SHの宮崎に展開して右SBの松田が絡んでチャンスメイクする形が基本線のようで、ハイプレスで奪った時も同じような振る舞いをします。ある程度寄せながらもヴェルディを引き出してクリスティアーノを起点に速く攻めきりたい様子。ビルドアップはCB間に左DHの中村が降りてSBを押し出す形ですが、SHが絞って中央3レーンで受け手を増やしてSBがサポートし手数をかけずに前進しようとする意識が高く、繋ぐ意識はそこまで高くなさそうな印象です。非保持はクリスティアーノと三平が並ぶ4-4-2なんですけど、2CFが寄せに行っても2列目がスペースを埋めるようにステイするので、ヴェルディにこの間を使われるシーンが目立ちます。しっかりセットすると中央を固く締めるのでこちらの方が守りやすそうに見えます。これは城福さんが監督をされてた時も同じでしたね。あの時はネガトラ時に前進を阻みながらブロック作るのが鬼のように早かったのを覚えてます。

最終ラインに寄せてきた甲府の2CFの背後で森田が中央で受けられる事が多く、スムーズに前進できていて、深さを作ってニアゾーンも使えてますので序盤からペースを握れてます。谷口が2CFの脇から持ち上がって陣形を歪ませての縦パスも効いてますね。

トランジションでもヴェルディが上回れてるので甲府にチャンスらしいチャンスは作られてません。ヴェルディはニアゾーンからポケットをとる所まではいけてますけどその先がもう1つ状態ではあるんですけどエリア内に2人は入れてはいますね。

10分過ぎから甲府はSHも前目に出て開いたCBに寄せるようになり、DHがヴェルディのIHを見張るようになりました。なのでヴェルディとしては空きがちになるSBやそこを見せておいてニアゾーンを使って前進したい所です。

SBが絞るとIHが大外に出てリスク管理をし、森田が上がると稲見が降りると形を変えながらもストラクチャーを維持する所は引き続きできてるんですけどポジション移動がスムーズになってきたように見えます。

甲府はフィードがメインなのでボール周辺に人はいるんですけど、収められそうになるとボールホルダーを追い越す分ここで奪われると隙がある印象なので、ヴェルディとしてはプレスも含めある程度前に来てもらえた方がやりやすそうな印象です。

ただ、最終ラインからのフィードをクリスティアーノや三平に収められると両SHが背後を狙うのでクリーンに繋がせてしまうと危険なので、甲府としてもある程度狙い通りではあるかなと。

バックパスを奪われれば相手は前向きでスムーズにカウンターへ移行できますので成功率は100%である必要がありますし、ここはしっかりやっていきたいですね。

25分過ぎくらいから甲府が連動して前から追ってくるようになり、プレスに引っかかるシーンが出てきましたが、楔を入れながら相手陣形を歪ませたり、レイオフで前向きの選手を作ったりしながらチャンスメイクしていきます。

32分に宮崎に振り切られて失点します。松田が幅をとった所は寄せられてたんですけど間を割られてしまうとファーへのシュートも警戒しなければいけないので難しいですからね。

甲府はバックパスには追ってきますけどセットするようになったので無理をせず隙あらば刺す感を強めてきました。この後アウェイメルボルン→アウェイ清水と連戦なので当然と言えば当然ですね。

ヴェルディとすればやり方を変える必要はないので変に焦って縦パスをインターセプトされたりするのは避けたいので、サイドから前進したりフィードでシンプルに背後を狙う事を増えてきました。まあ甲府のセットディフェンスが中を締めてくるのも大いにあるんですが

ヴェルディが保持して甲府が逆襲を狙う甲府のペースでゲームが進みます。前線も間に顔を出してるんですけど中央が固いですね。

甲府のプレスの背後で受けてスムーズに前進できていて、流動的に動きながらもストラクチャーは維持されてますし、縦パスも刺せてて連動性もスムーズになってきていてネガトラの反応もいいのでそう悪い印象はないんですけどワンチャンスをモノにされてされてしまった印象が強いです。

しっかりセットされた時に間に顔を出したり工夫は見えるんですけどとにかく中央が固かったですね。

スコアが動いて甲府がセットするようになってからわかりやすく主導権が入れ替わるあるあるな展開だった前半。



後半、頭から森田→新井へと交代。アクシデントがあったようなので起用するならここまでって事だったのかなと。左WGに入り長谷川が右IH斉藤がアンカーへ移動。

甲府はやり方を変えてませんが、ヴェルディもフィードで背後を狙いながらも後ろで繋いでプレスを引き出すので甲府の陣形を間延びさせていこうって事なのかなと。


52分に谷口の縦パスをハーフスペースで受けた新井が起点になり、背後に抜け出した染野がファーに決めて追いつきます。谷口が運びながら大外の加藤蓮を見て右SHの宮崎が寄せにいった所の矢印を折るような縦パスと、右SBの松田もそこにつられてハーフスペースにいる新井を離してしまってたんですけど、新井のポジション移動とそれに合わせて染野がポケットをとったのが良かったですね。

振り出しに戻ったんですけど甲府はセット気味の守備は変えませんので、こちらの方が上手くいってチャンスも作れそうって判断なのかなと。

ヴェルディとしたら思ったより甲府が出てこないからなのかミドルシュートが増えてきました。もちろん決められればそれでいいですし、相手を引き出す為にも有効ですからね。ただ無謀気味なのがいくつかあるのは気になりました。

ヴェルディマテウスが高い位置をとりビルドアップに参加しますが、足裏で持ってプレスを引き出すのは効果的だと思います。足裏で転がすように持って隙を見せるとセットしてる相手が結構寄せてくるんですよね。

62分に長谷川と加藤蓮→河村と綱島へと交代。河村はCF綱島は左IHに入り染野が右IH稲見が左SBへ移動。

ヴェルディは結構縦志向が強くなってきたのでリスク管理に稲見を最終ラインに入れたように見えます。それと甲府はサイドに出た所から寄せてくるので、SBの所でプレスを引き出して3センターがサポートしてプレスを剥がすようになってきました。

67分にクリスティアーノと三平→ウタカと武富へと交代。

甲府がハイプレスに変えてきたのでヴェルディとしては少し前進しやすくなってきました。

甲府の逆襲は強力なんですけど、プレスを剥がしたりひっくり返したりして前進できてますし、河村がプレスのスイッチを入れて守備も効いてますのでいい流れなんですけどねって展開が続きます。

72分に松本と宮崎→林田と鳥海へと交代。

速い攻撃が増えた事で河村と染野が横並びになるようになる形が増えて崩しやミドルシュートまで行けてますし、繋ぐ時もブロックの内側を使えてるので効果的な攻撃はできてるんですけどね…

80分に山越→千田へと交代。アクシデントのようですね。

甲府はボールを持たれてもジレないのでそうストレスは感じでなさそうな印象なので、おそらくカウンターで刺す方がやりやすいんでしょう。

85分に斉藤→奈良輪へと交代。左SBに入り稲見がアンカーへ移動。

オープンになってきましたのでどちらに転ぶかの展開ではあるんですけど、お互いにとってこちらの方が良さげではあります。

お互いチャンスは作れてますがゴールを割れずに終了。



最後に、ポジションチェンジをしながらも空いた所を埋めてストラクチャーを維持しながら2CFの背後から前進できてましたし、効果的な縦パスを刺しフィードを交えながら深さを作る所もしっかりしてました。トランジションの反応やしっかり相手に寄せて球際で闘う身体を張る所も継続できていたので勝ちたい試合ではありましたけど内容面では満足してます。

ただ、最後の所やセットプレーとカウンターはもう少し作り込んでほしいと思いましたけど、全体的にはまあこんな日もありますよって印象ですね。

甲府はプレスにきた時に2列目がスペースを埋める感じでしたので、ヴェルディに2CFの背後を使われてましたけど、セットしたときの強固なディフェンスはさすがでしたね。攻撃面も前線に当てて2列目がサポートして幅を使ったり、早い段階でSBが高い位置をとりSHが絞って起点を作る形はしっかり作り込まれていたと思います。