20230729 第28節ホーム水戸戦

ホーム水戸戦。ヴェルディは4-1-2-3で水戸は4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は水戸の2CFとヴェルディの2CBが数的同数でビルドアップするシーンもありますけどパスコースが限定されていて受け手がすぐ寄せられる分あまり上手くいってない様子。今節は水戸のハイプレスをひっくり返す意識が高いようでシンプルにCFやIHに当てたりWGへフィードする事が多めです。それと後ろで回してプレスを引き出した背後を狙うのでビルドアップというよりもプレスのズレを突いていこうって印象。非保持はいつも通り4-4-2の人を掴むハイプレスでセットするといつもよりゾーンベースになりますのでここは前節から修正してきた所なのかなと。

水戸の保持時はサイドに流れたCFやSHへのフィードする事が多く、内側から受け手をサポートして前進しようとするのでヴェルディと同じくハイプレスをひっくり返して前進する意識が高めの様子。非保持は人を掴む意識が高めのハイプレスでハマらなければミドルゾーンで4-4-2のゾーンに切り替えますけどボールに一番近い選手が制限をかけていくのが約束事のようなので中央を空けてでもボールホルダーに寄せていく事が結構ありますね。

ヴェルディも水戸も丁寧に繋いで前進というより相手のハイプレスをひっくり返す意識が高いので序盤からややオープンな展開。お互いいい守備からいい攻撃を構築するスタイルなので守備の連動性はいいですし、人を掴む意識が高いので剥がされるとスペースを使われるのも同じです。

4分に左SBの深澤が受けて左WGの北島が水戸の右SBの村田を引き連れながら降りてきて左IHの森田がその背後を狙うシーンがありましたが、深澤が絞って北島の落としを受け森田に出せる位置にいたのは相手の最終ラインの枚数を減らせるいいプレーでしたね。

7分のフリーキックマテウスが弾いた後連動してラインを上げてオフサイドをとれたのも良かったです。

今節はCF(染野or山田)へのフィードが多いですが、オフサイドルールとの兼ね合いでCBはセンターラインを越えられない分必ず中盤が間延びするのでそこを使う意識がかなり高い様子。

水戸のコーナーキックの守備はゾーンベースなんですが、ゾーンの特性上瞬間的に相手を離してしまうので打点の高い選手にはマンツーをつける形。

お互い蹴って中盤で拾ってが続いていてこの気温の中でやるにはかなりシンドそうな展開。ヴェルディがここまで蹴るのは久しぶりな気がします。

山田や北島が深さを作って最終ラインをピン止めしてるのでライン間は比較的使えてますが、水戸がボールホルダーに素早く寄せて攻撃を遅らせながら帰陣してくるのでそこから先は難しくなってる様子。ヴェルディがどうこうというより水戸が忠実に原理原則に従った守備をしていると言った方がいいかなと。なので一発で背後を狙ってハイラインのズレを突いていった方が良さげに見えます。

どちらかのSBが降りて数的優位で回すようになりましたが水戸のSHがしっかりついてくるのでレイオフを交えながら前進し、水戸がサイドに寄る傾向が高いのでサイドチェンジを入れながら前進しますのでアタッキングサードまでの運びはいいと思います。

ただ水戸はIHがサイドに流れたり中盤が降りてる時に上がったSBには寄せにいかす中間ポジションをとるので行く行かないの判断がしっかりしてますね。

暑さもあるのか水戸の寄せが少し遅くなってきたのでヴェルディが保持する時間が長くなってきましたが、水戸の連動性が高く中々シュートまではいけませんけどトランジションが速くラインコントロールや人を余らせるリスク管理ができているのでお互い守備の良さが目立ちます。

飲水タイム後宮原が絞って中盤からの落としを受け中央で前を向いて前進できるようになりました。ただ斜めの縦パスを前向きでインターセプトされスムーズにカウンターに移行されてしまうシーンもあります。

水戸はバックパスには追ってきますがスタミナを温存する為か基本的にミドルゾーンでセットするようになりました。守備の時間が長いのもあるでしょうけどフィードが多いのでヴェルディの選手達もキツそうです。

水戸のポゼッションはSBに出したらSHDHが寄ってオーバーロードを作ってヴェルディの陣形を寄せてからサイドチェンジや背後を狙う形。ヴェルディはゾーンって程絞らないので中央が空きがちですけどボールホルダーに制限がかかってればOKって感じに見えます。

ヴェルディがそこまで幅を上手く使えてないので背後を狙う山田を使うのが一番チャンスになりそうです。まあそれ以上に水戸がボールホルダーにしっかり寄せて後ろが行く行かないの判断がいいんですが

なので比較的シンプルなクロスも増えてきましたが中央が固いですね。ただ水戸は守備に人数がかかってしまう分奪い返しても前線に枚数が足りないので反撃転じるまでは難しそうです。

ヴェルディトランジションの反応が良く(これはボール奪取位置にも表れてました)ボールを奪い返して再攻撃ができてましたし、うーんってシーンはありましたけどリスク管理もできてました。水戸はボールホルダーにしっかり寄せて時間と選択肢を奪いながら周囲が連動してましたのでお互い守備の良さがよく出てました(なのでお互い良さが出ていたとも言えます)お互いフィードが多い分運動量が多いのでこの暑さの中ではシンドいだろうなって印象が一番強かった前半。



後半頭から北島→甲田へと交代。

展開としては前半と変わりませんが、後半は染野がライン間にはっきり降りてポストプレーをするようになりました。ただCFへのフィードは山田と位置を入れ替えてますので基本的に染野をターゲットにするのは変わりないです。

水戸は安藤が少し孤立気味なのは同じなんですけど根性で時間を作って味方の上がりを促すとチャンスになりそうです。

変わった所はヴェルディが繋ぐ時はもちろんフィードの時も全体を押し上げてコンパクトな陣形を作るようになり、ポストプレーからのセカンドを拾ったりトランジションで相手を囲むのも速くなりました。

水戸はアンカーにDHが迎撃に出るのは前半の途中からやってましたけど全体的に押し上げて寄せにいく意識づけをはっきりさせてきた印象です。

中原がスペースメイクして宮原や森田が空いた所を使っていく連携がスムーズになってきましたし、サイド奥やポケットをとる所まではいけてます。ゲームメイクからチャンスメイクまではできてるので中央を締めてる所をどう引き出しどう使うか?の所をもう少し詰めていければ得点できそうではあります。

水戸も安藤がかなり降りてポストプレーをするようになりましたけどやはり周囲サポートが少し遅いのでもったいなと思う所はあります。

水戸が押し込むとDHを起点に時間を作ってサイドに展開してSH又はタメてSBからグラウンダーを含めたクロスが基本線。そしてDHはクロスも跳ね返しを拾えるポジショニングをとって再攻撃する形。

暑さのせいかヴェルディもボールホルダーに寄せきれなくなってきたので五分五分の展開になってきました。

61分に森田と平→山越と綱島へと交代。山越は右CBに入り林が左CBへ移動

水戸のプレスやスライドをサボらないのでヴェルディは前進が楽になる事はないですね。

63分に鵜木→永長へと交代。

65分に林→西谷へと交代。左IHに入り綱島が左CBへ移動

水戸がしっかり寄せてくるのでサイドでフリックして中央を使うようになりましたけど成功率はそう高くなさそうではありますけど押し下げる事はできてます。

71分に草野と安藤→寺沼と井上へと交代。前線の選手は消耗が激しいでしょうからね。井上は左SHに入り小原が左CFへ移動。

ゲームメイクは染野が起点になる事が増えてきましたけど森田の代えがいないんですよね…なので城福監督もできるだけ引っ張ったんだと思いますが

ヴェルディはWGが降りてその背後にIHが流れる事も多いんですが、それでもいいんですけどWGを高い位置に張らせて相手のSBが対応する形にした方が良さそうなんですよね。

流石に水戸も寄せきれなくなってきたのでサイドから運んで山田や染野が起点になるシーンが多くなってきました。チャンスメイクまではいいんですけどその先が…ってシーンも目立つのでニアを囮にシュート打っても良さそうではあります。

76分に宮原の縦パスを山田が染野に落として再度パスを貰う連携は良かったですし、中央からの崩しやカウンターでは効果的だと思います。

甲田のポジショニングが低く相手のSHが寄せSBがカバーできるようになっているのでもう少し高めの位置でSBとマッチアップできるようにしたいですね。

勇介も言ってますけど全体的に前がかり過ぎてボールを運べてないシーンが多いのでホームで勝ててない焦りみたいなのもあるんでしょうか。

82分にヴェルディは山田→白井へと交代してJリーグデビュー。

水戸は小原と成瀬→高岸と石井へと交代。

水戸はこの時間帯でも前から圧力をかけてくるのでライン間で起点を作れてはいますけど受け手に制限をかけられて前進が難しくなってるので水戸としてはライン間で前を向かせなければOKくらいなのかもしれません。

87分の水戸の決定機のように本来は高い位置で奪いサイドからGK-CB間のクロスで攻撃がしたいようですね。

甲田が中央から運んでサイドでタメてからファークロスを折り返す形はよくやってますけど、相手の目線を振り回してズレを作りやすいので続けていきたいですね。

90+2分に中原が低い位置から運んでサイド奥に西谷が流れてGK-CB間のクロスまでは完璧だったんですが…

ライン間中央を起点にして攻撃はできてましたけどゴールを割れずに終了。



最後に、水戸がボールホルダーに寄せて時間と選択肢を奪いながら後ろが連携してスライドもサボらず続けていた中で、レイオフやライン間で起点を作ってチャンスメイクして崩しまではいけてましたし、内容では前節より全然良かったんですけどそこからが…ってシーンが多かったですね。

守備は水戸より人を掴む意識が強めですけどネガトラの反応が良く高い位置で奪えてましたし、相手よりも多く決定機を作れてたのでもったいなかったが正直な感想です。

白井は本来はクロスに入っていく所を期待されてたんだと思いますけど守備での貢献が効いてましたのでデビュー戦としては良かったんじゃないかなと。

水戸は攻撃では安藤が孤立気味で個人の頑張りに頼るみたいなシーンが多かったですけどGK-CB間へのクロスで決定機を作ったように本来は高い位置で奪ってショートカウンターを基本線にしてるのかな?って印象です。

何度も書いてますけど守備ではボールホルダーにしっかり寄せて後ろが連動して穴を空けずにスライドして対応するので本当に見違える位良くなったと思います。