20230305 第3節ホーム甲府戦

ホーム甲府戦。ヴェルディは4-1-2-3で甲府は4-2-3-1でスタート。

ヴェルディの保持時はビルドアップでは左IHの晃樹が降りて来てアンカーの林と並び、前線ではCFの河村と右IHの斎藤が並んだり縦になったりと4-4-2や4-2-3-1のような形。マテウスを組み込む時は今までの3+3になりますが甲府がハイプレス志向ではないので機会はあまりありません。左サイドは梶川が降りてきて晃樹と距離を詰めコンビネーションを使いながらSBの背後を河村や左SBの奈良輪が狙い、右サイドは右WGのバスケスが受けて仕掛けながら右SBの宮原が内外からサポートします。宮原が絞ってバスケスへのコースを作る所やバスケスレイオフで河村や斎藤がSBの背後を狙う形は整備してきたようですね。基本的にはバックパスで相手を引き出し背後を狙いたいようですけど甲府は中々出て来ないのは想定内だと思います。崩しは背後を狙うか甲府のSBの背後をとってポケットに侵入してクロスが基本線のよう。

非保持のヴェルディはハイプレスは変わらないんですがGKまでには寄せに行かずに甲府の2DHへのコースを切って構えます。寄せる時はCBへのコースを切りながら寄せにいきますので行く行かないのところは整理してきたようですね。

甲府のビルドアップ時は左SBの小林が高い位置をとり右SBの須貝が2DHと並ぶ2+3ですが、ヴェルディと同じように相手を引き出してライン間でウタカや三平がサイドに流れてロングフィードの受け手になってSHへ落としての前進がメインのようですが、ヴェルディが寄せきれない時は縦パスをサイドに叩いて前進します。それとどちらかがサイドに流れた時もう一方は中央に張ってクロスのターゲットになる所は整理されてるようです。

甲府の非保持はウタカと三平が並ぶ4-4-2でバックパスには追ってきますが基本的には敵陣センターサークルラインを頭にしてセットしてきます。アンカーの林を見張りながらウタカに無理をさせない現実的なやり方かなと。

まずは両チームともロングフィードの応酬から始まりました。甲府はウタカがキープして時間を作れた時にはSBが上がってきてクロスからチャンスメイクやフィニッシュに絡む形もあるようです。

ビルドアップからの遅攻がちと上手くいってない分迷いがない甲府の方が狙ってる形ができている印象です。とは言ってもお互い上手くいってるって程ではないんですが。

ヴェルディは繋ぎながらも背後を狙って深さをとる意識が高いのはいいと思います。これがないとUの字パス大会になってしまいますからね。ただ受け手が思いきり背後からプレスを受けてしまう形の縦パスから奪われてしまうシーンがちと目立ちます。速攻より遅攻での広い展開はまだまだ未整備のようなのでアタッキングサードで選手同士が被ったり意思疎通が噛み合わない事が多いんですけどここは詰めていってほしいですね。もちろん甲府のプレスのかけ方が上手いのもあるんですが。それとロングフィードでの前進はサポートが速くなっていたので速攻の修正もしてきたようですね。

ヴェルディの方が保持してる時間帯は長いんですけどお互い決定機を作れそうな回数は少なく固い展開です。ヴェルディは崩せそうならクロスを入れますけどそうでないなら戻してやり直す事が多いんですが、ウタカや三平の体力を削って攻撃にパワーを使わせない意図もありそうな感じです。

30分くらいからヴェルディが押し込む時間帯が増えましたが、甲府はしっかりブロックを作っていて中々内側に侵入できません。ここはさすがというべきでしょう。ただヴェルディもエリア内に人数をかけてポケットからのクロスでチャンスメイクはできてます。

41分に小林が運んでウタカに出し、中央突破からウタカのヘディングがゴールに入りましたが、その前にヘディングで小林に戻してチャンスメイクをした三平がオフサイドポジションにいました。副審は小林のクロス時にはフラッグアップしてましたし、主審の田中さんは三平を指差してましたのでチャンスにならなければ流していたんだろうと思います。

終盤甲府の2DHの脇でヴェルディのIHが起点を作れる事が増えてきたので今までより前進がスムーズになってきました。試合中に改善できてるのはいいですね。

ヴェルディは相手を動かしたポゼッションがあまりできてなかった分決定機を作れてなかったんですが、遅攻でも常に深さをとる意識が高かったのは良かったですね。デュエルや身体を張る所を含め守備は引き続き良かったので決定機らしい決定機は作らせてなかったです。

甲府はボールの前進方法ははっきりしていてましたけどそこから決定機はほとんど作れてませんがスペースを与えない守備はさすがでした。

まだまだ未整備な部分があるのは確かですけど現地で感じたよりもポジティブな印象が強かった前半。



後半、いきなり速攻からチャンスを作りましたが、やはり速い形の方が整備されているようですね。

後半は林が最終ラインに降り、左SBの奈良輪又は両SBを押し出す形に変えてきました。こちらの方がビルドアップが安定するという判断なんでしょう。そして晃樹がアンカー梶川が中に絞り奈良輪がサイドに張ってバランスをとります。前進は安定してきたんですがそこから先の意図が中々合いませんのでここは修正していかなきゃいけない所でしょうね。

甲府も左DHの品田が最終ラインに降りて保持を安定させるシーンが出てきましたけど、ミスから逆襲したりお互い速い展開の方がやりやすそうな印象です。ヴェルディは1つ飛ばすパスから前進する事が増えてきました。

59分にバスケス→阪野へと交代。CFに入り河村が右WGへ移動。

晃樹斎藤梶川の関係性に奈良輪又は河村と宮原が絡むんで押し込む形はあるんですけど中々意図が合わないんですよね。

65分に武富と三平→鳥海と荒木へと交代。ウタカがガス欠気味ですけどポストプレーが効いていたので残す判断をしたのかなと。鳥海は右SH荒木は左SHに入り長谷川がトップ下に移動。

70分に梶川と林→北島と加藤弘堅へと交代。

前が北島になった事で奈良輪が後方から支援しながら上がってくるようになりましたがここの対応はさすがですね。

74分にウタカ→松本へと交代。降りてポストプレーをするってよりは前線のターゲットにする感じですかね。

お互い守備や球際の所は効いてるのもあるんですが、ボールを保持する時間帯にパスがズレたりして決定機までいけない状態が続きます。

80分に斎藤と奈良輪→マリオと深澤へと交代。マリオは右WGに入り河村が左WG北島が左IHへ移動。

85分に品田と長谷川→山本とジェトゥリオへと交代。

甲府が圧力を強めてきてヴェルディが押し込まれるようになってきました。ファーストディフェンスがハマらなくなってきたで狙い通りの形で奪えず奪った後の配置が整ってないのでパスが繋がらない悪循環になってます。

最後はオープンな展開になりましたけどお互い決定機を作れないまま終了。



最後に、お互い相手のやりたい事をやらせない固い展開でしたので苦言を呈したい内容だったのはわかりますが、守備や球際とロングフィードからセカンドを拾うサポートは速くなってますし、ポゼッションでも背後を狙い深さを作る所はやれていたので現地での感覚よりネガティブな印象はないですね。

ただ、どこでリスクをとってギアを上げていくか?と得点へのバリエーションを増やしていきたいですね。それとアタッキングサードで意図やパスがズレまくってましたのでここの交通整理を進めていってほしい所です。

甲府も交通整理以外はヴェルディと同じ印象でした。

まあxG(ゴール期待値)がヴェルディは1.02、甲府は0.40とコスタリカ戦みたいな内容でしたけど、まずは負けない事で勝ち点を拾いながら攻撃を整備していくのは理解できますので崩しのバリエーションと意思疎通の所を進めていってもらいたいですね。



今節からハイライトはJリーグ公式では別途のハイライトチャンネルでやるようになり、今季からDAZN公式チャンネルでJ2のハイライトもやるようになってたんですね。
違う視点からのハイライトがあっていいなーと思ってましたのでありがたいです。