20230813 第30節アウェイ秋田戦

アウェイ秋田戦。ヴェルディは4-1-2-3で秋田は4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は染野や加藤蓮へのフィードが多く、ロングスローも使うのでいつもよりかなりダイレクト志向なんですけど上手くいってませんし、ビルドアップも中央を塞がれてサイドに出さされて受け手が潰される事が多く停滞気味です。非保持は4-4-2のハイプレスではあるんですけど秋田は基本的に蹴ってくる分後ろが構えて中盤にスペースができやすい分セカンド回収で少し後手に回ってる印象です。セットした時のフィードに関しては全体を前に押し出し横幅を圧縮してデュエルに挑む形ですがダイレクトで叩かれると寄せきれずに後手に回ってしまうシーンがありいつもより少し寄せが遅いように見える分最終ラインで身体を張って守る事が多めです。勝たなきゃいけない!得点しなきゃいけない!ってなると縦志向に強くなり気持ちに余裕が無くなる分連動性が落ちる傾向が強くなりますので今節は特にそこが目立ってる印象。

秋田の保持時はSH目掛けてのフィードが多く、CFやDHが寄ってセカンド回収からの縦に速い攻撃に移行するいつもの形。CFが一発で背後を狙う意識はそこまで高くないので(斉藤がいるのでやれない訳ではないでしょうが)ポジショニングはそこまで高くないですが、デュエルで優位性を作りやすいサイドを起点にした方がいいって判断なんでしょう。そこから跳ね返しを含め頭で落としてサイドへフィードor三角形を作って繋ぐ形を使い分けます。町田もそうなんですけどこの形は消耗が激しいのでアクチュアルタイムをあまり長くしたくないのは理解できます。非保持はCBまでは寄せに行かず背後のセントラルハーフへのコースを切って構える4-4-2のミドルプレス(バックパスには追っていきます)。ヴェルディがSBを上げたりWGを降ろしたにすると秋田のSHが背中で見張りながら4-2-4のようになる事もありますね。そこからサイドに誘導してSBが迎撃に出てプレスバックで挟みこんできます。ヴェルディ同樣ロングフィードには全体を前に押し出して横幅を圧縮してデュエルに挑んでセカンドを拾う形もしっかりしてますね。

秋田のキックオフでスタートしたんですが、秋田はキッカー含めセンターラインに7人が並ぶのでここからもキック&ラッシュの徹底ぶりが見てとれます。

まずは密集の中でお互い蹴り合う展開。ヴェルディレイオフで前向きの選手を作って前進したい様子ですが秋田の寄せも速いので中々上手くいきません。普通は5分くらいで落ち着くんですがこの展開が15分くらいまで続きます。デュエルが激しい中秋田は全体を押し上げて前向きでセカンドを回収してる分二次攻撃に移行しやすくなってますのでヴェルディとしては耐える展開。まあ秋田の土俵で闘ってるので当然ではあるんですが

千田の縦パスを中原がフリックして斉藤が受けてサイドチェンジで前進する形がようやく出てきました。秋田は前半西日がキツそうなので押し込む時間帯を長くしたい所です。

ヴェルディは縦に急ぎ過ぎて合わないシーンが目立ちますのでもう少し落ち着かせたいんですけど周りを見れる精神的な余裕が無さそうに見えます。勝たなきゃいけないvs負けなければいいって感じなので秋田の選手の方が精神的に優位なのもありそうですけどヴェルディはスペースに蹴る事が手段でなく目的化してしまってるように見えます。

20分過ぎにようやく落ち着いてきましたが、ヴェルディのビルドアップで中央を3人で塞がれサイドに出しても秋田はプレスバックをサボらないので中々前進が上手くいきません。こういう時に背後を狙ってる選手をもう少し使えるようになるといいと思うんですが

飲水タイム後中原の突破から決定機を作れましたけど、当然ではあるんですが1vs1で勝てないと難しそうです。

前述しましたが秋田は蹴る事が多いのもあるんですけど、ボールホルダーに寄せきれてない事があり最終ラインが踏ん張って難を逃れるシーンが目立ちます。ボールホルダーに寄せながらカバーをする所は整理したいですね。

秋田は角度をつけたサイドチェンジのようなフィードも使ってくるようになりましたけど目先を変える効いたプレーだと思います。

右サイドで宮原中原森田が絡んで時間を作り染野がサイド奥を狙って折り返しに加藤蓮が入っていくらしい形がようやく出てきました。自分達のペースにできれば機能するんですけど焦りをあるのか中々そこまでいけないんですよね。

プレーが止まった時にGKの圍が先立主審にも水を渡してたのはいいですね(⁠^⁠^⁠)

秋田がCBまで寄せるようになりましたけどこうなると中間ポジションでSBやWGを見張れなくなる分スムーズに前進してライン間を使えますのでプレスに来てもらえた方が良さそうですね。

ここの所少し停滞気味なのもあるのかもしれないんですが、勝たなきゃいけない焦りやスペースを狙うのが手段でなく目的化してるような感じでその影響から攻守に渡って連動性はいまいちだった印象ですけどオフサイドはとれていたのでラインコントロールはしっかりしてました。

ロングフィードでのチャンスメイクに付き合う形が多く秋田のペースだったように見えましたけどお互い最後は身体を張って固く守る所は徹底してたと思います。

全く攻撃の形ができてなかった訳ではないですし、秋田のプレスやデュエルがキツかったのはあるんですけどもう少し気持ちに余裕あった方が良さそうな印象が強かった前半。



後半珍しく交代なし。畑の仕掛けからコーナーキックをとれるのは大きいですし、ロングフィードのセカンドを拾ってサイドに展開してのクロスでヴェルディを押し込んできます。相変わらずプレー選択に迷いがないですね。

森田が奪ってカウンターにいけるチャンスだったんですけど加藤蓮のサポートにいけなかったのは暑さや守備にエネルギーを使ってるのもあるんでしょうけどここは頑張ってほしいですね。

53分に相手を引き出してマテウスがその背後にいる斉藤へフィードしてサイドチェンジから染野が頭で合わせた形は良かったですね。縦志向では時間をかけない分意思疎通が鍵になるのでここの擦り合わせは進めていってほしい所です。

56分に斉藤→丹羽へと交代。

ヴェルディは同じ縦志向でも幅を使って前進した方がチャンスになりそうなので秋田の土俵に上がらなくても良さそうに見えます。

64分に水谷と梶谷と畑→三上と青木と中村へと交代。前線4枚を代えるのはいつも通りですからね。

ヴェルディはかなりボールを持てるようになって中盤のサイドチェンジでWGやIHがサイド奥を使えるようになり相手を見てスペースを使えるようになってきました。

ただデュエルでやや劣勢な分起点を作るのが難しいのはそこまで変わってないので優勢になったというより押し戻す事ができたって印象です。

71分に中原と加藤蓮→綱島と山田へと交代。綱島は左IHに入り稲見がアンカー森田が右IH斉藤が右WGへ移動。

奈良輪が絞って右SHの中村に引きつけて左WGの山田へのパスコースを作り仕掛けさせる形が出てきましたので山田の推進力を活かそうって事なんだと思います。右サイドも斉藤が降りてきて染野が平行でサポートして前進する形が出てきましたし、山田もやるようになったのでようやくペースを握れてきたようです。

と書いたら中村に山田が振り切られて決定機を作られました(^^;)

ライン際で見送って相手に残されたシーンは前にもありましたが最後まで相手を見て判断してほしい所です。

秋田がサイドへのフィードからチャンスメイクする回数が増えましたけどデュエルで分がいいのもあるんでしょう。縦ポン球際ロングスローとそんな難しい事はやってないんですけどほんと徹底されてますよね。これにダーティーなアフターチャージとコロコロ転がるのを足せば町田なんですが…

83分に奈良輪と斉藤→山越と北島へと交代。山越は右SB北島が左WGに入り宮原が左SB森田が右WGへ移動。

染野のクロスに逆サイドWGの森田が入ってきましたがチームとしての約束事をしっかりこなしてますね。

89分に染野→佐川へと交代。

デュエルが激しくなってきましたけど引けをとってないのはいいですね。

90分に高田→加賀へと交代。

オープンな展開になってきてどちらに転ぶか?の展開になってきました。マテウスのフィードを佐川がスラして山田が収めた決定機はモノにしたかったですね…


山田が倒されたてのフリーキック。GK-CB間への速いクロスを平の向こうで佐川が合わせて先制します。アウェイ岡山戦での山越と同じような形シチュエーションでしたね。

コーナーサイドで時間を使いながら終了。



最後に、勝たなきゃいけない!得点しなきゃいけない!ってなると縦志向に強くなり気持ちに余裕が無くなる分連動性が落ちる傾向が強くなるので勝ちはしましたけど自滅気味ではあったかなと。もちろん秋田の迷いのない意思統一と強いデュエルに苦しめられたのも大いにありますが

サッカーというゲームの性質上デュエルは避けられませんので、競り勝てれば一番いいですけどボールを隠したりプレスを剥がす為の精神的余裕なというか遊びみたいな要素も無いと難しいと思います。結果が大事なのは言うまでもないんですけど、勝てないからといって今までやってきた事を全否定される訳ではないのであまり囚われ過ぎない方がいいんじゃないかなと。

ただ交代選手がしっかりゲームチェンジャーとしての役割を果たしてくれたのは良かったですし、この試合がきっかけになってくれたらいいですね。

秋田はまたしても土壇場の失点で敗戦になってしまったんですが、ロングフィードやロングスロー時にターゲットへのサポートが速くデュエルにも恐れず挑み守備でもスライドやプレスバックもサボらずハードワークするのでとてもいいチームですし、正直シーズンダブルできるような内容ではなかったと思います。