20230909 第34節ホーム山口戦

ホーム山口戦。ヴェルディは4-1-2-3で山口は4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は、左SBの加藤蓮を少し上げた3+1のビルドアップでCBが2CFの脇やSBが運んで中盤に渡して相手を寄せてからサイドに展開してチャンスメイクが基本線で、秩序を維持しながらもサイドの流動性が高まってきた印象です。フィードも多いですけど山口のプレスがあまりはっきりしてない部分があるのでコンビネーションも含め比較的背後を取れてます。非保持時は山口の最終ラインが3枚になので中央を切りながらジリジリ寄せていき、サイドに出た所からプレスのスイッチを入れていきます。マークを噛み合わせやすく山口が少し迷い気味のようになってる部分があるのでプレスや連動性はよく機能してると思います。セットするといつもよりゾーン気味で守ります。

山口の保持時は、CBが大きく開いてGKの関やDHの神垣がその間に入り、両SBを押し上げて3-1-4-2のようになるビルドアップ。サイドにSBとSHにはヴェルディもSHとSBで対応しますのでマークをはっきりさせやすく、バックパスにはヴェルディが全体を押し上げて追ってくるので詰まり気味ではあります。非保持時は、4-4-2のハイプレスで2CFはアンカーの森田を警戒しながら間を締めてCBが脇を運ぼうとしたらSHが出てくるんですけど、金沢戦同樣SHがヴェルディのCBとSBをどう見張るか?の部分でプレスのスイッチを入れられてない印象で、その影響からかラインのスライドもはっきりしてないように見えます。

いきなりパスがズレてチャンスを作られましたが、お互い立ち上がりに問題がある部分がありますので慎重にやっていきたいですね。

大外で中原が持つと宮原がアンダーラップでサポートして森田が後方支援してそこに染野も絡んで突破と秩序を維持しながらも、流動性が高まってきた印象です。ここはトレーニングで取り組んてきた所のようですからね。

山口は4-4-2にあまり慣れていないのか、どこを使って前進したいのかとどこに追い込んで奪いたいのががいまいちはっきりしてないのか、少し迷いながらプレーしているように見えますのでヴェルディトランジションに押し込まれてる印象です。

染野の決定機がありましたけど、ボールホルダーが前を向ける状態でもハイラインを保とうとするのは千葉の時と同じですね。もちろんモノにしたかったなとは思いますが

10分にコーナーキックから谷口が合わせて先制します。斉藤と稲見がゴール前で相手をピン止めして染野がニアに走って空けたスペースに平と入ってくる形でした。本来は平に取らせる予定だったそうですけどデザインされた狙い通りの形だったと思います。

山口が前からの圧力を強めてきたんですけど、プレスでどこに出させたいのかがいまいちはっきりしてない事もあってプレスに行った背後のスペースを使って前進できてますのでアタッキングサードまで運ぶのは特に問題はなさそうです。大外でWG受けた時にSBがアンダーラップでサポートするのは両サイドでやってるのでゴール前に人数をかける一環なんでしょうね。

山口がどこにスペースを作ってどう前進するか?の部分に課題があるんですけど守備もどのに誘導するかがはっきりしてない事でトランジションの部分に差があるのでヴェルディが主導権を握れてる印象です。4-4-2と3-1-4-2を行ったり来たり可変するとその分強度が落ちてしまいますし、ヴェルディのWGを離してしまいがちになるのではっきりさせた方が良さげに見えます。

ヴェルディも中を切りきれてなかったりして中央で起点を作られるシーンが出てきましたけどその先に蓋はできてます。ただ降りていく選手にボールを受けて前を向かせない所ははっきりさせたいですね。 

25分に宮原からのクロスの混戦からのこぼれを稲見が決めて追加点をとります。もちろんクロスからフリックでチャンスメイクしてモノにしたのは素晴らしいんですが、ここもトランジションの差が出たかなって印象です。

ヴェルディはサイドで幅をとりインナーラップでポケットを狙う形は共有されているので、誰がどのタスクでも問題なくこなせてる様子なのでトレーニングの成果が良く出てるんでしょうね。まあやりたい事を出せ過ぎている位山口が修正しきれてないのもあるんですが

やりたい事を体現できてる分決定機も多いのでどれかをモノにできれば勝負が決しそうなんですけどねって流れが続きます。

山口が中央で受けた選手に平行でサポートするようになり前進できるようになってきました。ヴェルディのCFが3バックの脇の選手に寄せにいった時に中を切りきれてない時があるのを突かれてる格好になってます。

山口も関のフィードでヴェルディのプレスをひっくり返すシーンが出てきましたけど、ここまで相手を見てスペースを使う事ができてませんでしたからね。自分達でボールを持てるようになってきたからなのか今までほとんど無かった深さを作るようになりました。

中を切る守備や降りてくる選手のケアが少しはっきりしてなかった事で終盤に押し返せされましたけど、攻守トランジション全てで上回り(山口に問題があったと言う方が正しそうではありますが)概ねやりたい事ができて多くの決定機を作れましたのでむしろ2-0なのがもったいなかったなって言うのが正直な印象です。

サイドでの流動性や人数をかける攻撃と後方支援兼非カウンター要員(稲見や宮原が担う事が多かったですね)がいて秩序も保ててましたし今季の中で一番の内容だった前半。



後半頭から長谷川→新井へと交代。WGの所で優位性が作れてた中でフレッシュな選手を入れてきました。

山口はキムボムヨンが高い位置に張って2CBが開く所までは同じですが、3センターが降りてくるようになりポゼッションが安定してきました。そしてライン間を空けてCFに当て2列目が拾ってサイドを使う事が増えてきました。ここまであまり深さを使う事が少なかったですからね。ここまで縦パスを随分通されてきたからなのか非保持は中盤を厚くした4-5-1になりました。

ヴェルディは後半もニアゾーンからポケットへ侵入してチャンスメイクする形は引き続きできてます。なのでどれかをモノにしてメンタル面に負荷をかけたい所ではあります。

山口は守備に関してはやり方を変えた感じはしないんですけど、それより保持する時間を増やして守備機会を減らせばいいじゃんって感じのクラブですからこれでいいと思います。

森田の素晴らしい守備から平が持ち運んだ所までは良かったんですけど少しタッチが大きくなってしまいカードを貰いましたがいいプレーだったと思います。

55分に前→野寄へと交代。元々4-4-2と3-1-4-2を行ったり来たりしてましたけど3-1-4-2に代えてきました。

噛み合わせ上3-1-4-2はポジションを守る事で4-4-2の急所に選手を配置できるので山口が保持する時間が増えてきました。新井がまだ守備では不慣れな部分があるのもありますけど、ヴェルディは人を掴む傾向が強いのでなおさら効いてる印象です。山口は左サイドで作って右に展開して野寄を使って前進する形が多くなったのでヴェルディは横に振り回される事が増えました。

染野がタメて新井のシュートのこぼれを稲見は打った積極性はとても良かったと思いますけど、森田が空いてたのでゴール前では難しいのは確かですけどその前に周りを確認できるといいですね。

63分に梅木→皆川へと交代。ボールが持てるようになったので起点と高さをって事なのかなと。

お互い非保持時がいまいちになったのでボールを持ったもん勝ちみたいな感じになってきました。まあ相手の土俵に上がってるって事になるんですが

66分に斉藤と平→山田と千田へと交代。千田は右CBに入り谷口が左CBへ移動。もちろんバトンを渡す意味合いなんでしょうけど前がかりになってきた背後を狙うのと、左サイドでやられる事が増えてきたのとカードの関係なのかなと

ここまで何回か深くエグッてからのマイナスクロスがあるんですけど、みんなで深さをとりにいってステイしてコースを作る選手をいないシーンが目立つのでここの整理をしたいですね。

77分に五十嵐と吉岡と神垣→池上と沼田と佐藤へと交代。一気に前線を代えてきました。

80分に加藤蓮→奈良輪へと交代。

ボールを持ってる方が優勢って展開の中、山口が保持する時間が長いので山口のペースになってますね。なのでヴェルディはシンプルに背後を狙おうとしてるんですけどあまりにもわかりやすくボールを運ぼうとしてるので上手くいかないシーンが目立ちます。

86分に染野→河村へと交代。背後をとって一刺しを狙いながらあわよくば前から奪おうって事なんでしょう。

河村と山田が並び守備強度が上がったので中央を使われる事が減りましたし、パワープレーにも対応できてますので押し込まれてもそこまで怖さは感じない印象です。

山口はポゼッション時にヘナンを上げたままにしてる割には繋ぐ傾向が強いんですよね。

ひたすら耐えるって展開ではなく一刺しできそうなシーンもあった中無失点で終了。



最後に、山口の終了が行くか行かないかの判断かいまいちはっきりしてなかったのはあるんですが、空いた所を使って中央から前進して相手を寄せてからサイドを使ってニアゾーン〜ポケットを攻略できてましたので2-0は少しもったいなかったなっていうのが正直な感想です。

守備は前半はマークをはっきりしやすかった事もあるんですけど、チャンスらしいチャンスを作られてなかったですし、パーフェクトと言って良かった所思いますが、山口が並びを代えた所に中々対応できなかったのは気になります。3-1-4-2は山口が元々持ってる形ですし、4-4-2では噛み合わせが悪いのでもう少し工夫はほしかったなとは思います。

どの方向に誘導するか?の寄せ方や身体の向きは改善が必要な部分はありますが、ボールホルダーにしっかり寄せて時間と選択肢を奪いながら球際で闘い身体を張る所は継続できてましたので守備意識を継続できてるのは良かったと思います。

山口は攻守に渡っていまいちはっきりしてなかった事がトランジションにも影響してにんともかんとも状態になってましたけど、後半並びとシステムをはっきりさせて押し返せてましたのでもっと早く修正できてたらと思うと少しもったいなかったなって印象でした。



前も感じましたけど、勇介の解説はどこにスペース(フリーの選手)を作って前進するかの解説が特に論理的でした。戸田もそうなんですけど、どちらかと言うと脳筋タイプだった選手の方が解説としては論理的なのは何でなんでしょうね?そういえばシメオネや今の所のガットゥーゾも指導者として成功してますし