20220824 第27節ホーム徳島戦


ホーム徳島戦。ヴェルディは4-4-2で徳島は4-1-2-3でスタート。

ヴェルディの保持時は、左SBの深澤片上げで3バックでのビルドアップ(逆パターンもあります)。宮本に入った時には左WGの杉森が寄せてくる分時間があるのでDHに渡したり内側に入ってきてプレスの剥がし、陣形が崩れたらDHが受けて前を向いたりSHへ通して前進していきます。そこからシンプルにCFやニアポケットを使ったり、ファークロスを折り返してチャンスメイクしていきます。比較的中盤で引っ掛けられてるのでショートカウンターもありますね。

徳島の保持時は、右SBの田向片上げで3バックでのビルドアップ。3センター+CFの一美はボールを受けて前を向けそうなら前を向き、そうでないからレイオフで相手を動かし空いた3センターの一角からWGへフィードしてCFへの斜めのパスや仕掛けからクロスを入れてきます。この時のSBのサポートが早いです。

ヴェルディの非保持時は、CFの片方がアンカーの櫻井を見張る4-4-1-1とDHが迎撃に出る形を状況によって使い分けます。3センターに入った時の寄せがいまいちな時はあるんですけどトランジションやデュエルの所はしっかりしてますしスペースのケアもいいですね。

徳島の非保持は、一美とIHの児玉が並んで4-4-2になる見覚えのある形。基本的に2CFはヴェルディのDHを背中で消しながらCBには制限をかける位でSBに入った所から寄せてきます。ボール周辺はマンツーですけどその他はスペースを守る意識が高めで、意図しない形でヴェルディのDHが受けると寄せずにセットする傾向が高めです。ボールホルダーに制限をかけながらスペースを埋めて秩序を保つのはポヤトス監督らしいなと。ただしバックパスには追ってきます。

徳島はヴェルディのDHが受けた時に最低でも前を向かせない寄せができているのでヴェルディは中々前進できません。なのでWGが寄せてくる分時間とスペースを得やすいSBを経由してDHに入れたり運んだりしていきます。

5分に加藤弘堅が相手を引き出して空けたスペースを西谷が使ったシーンがありましたが、こういうプレーは前進を助けてくれますし相変わらず巧いですね。

中盤での攻防が激しいですけど、トランジションの反応やデュエルの部分では上回れているかなと。

ヴェルディは斜めのパスは使えてるんですけどサイドチェンジを受けられない事が多いですね。今はWGではなくSHが受ける事になるので前に出過ぎると中盤、SBが高い位置でサポートすると背後が空く分守備との兼ね合いもありバランスをとるのが難しい所ではあるんですが

徳島は三角形を作って前進し、WGに出す形とレイオフを合図に3人目が飛び出す形を上手く使い分けられていてロティーナ監督とホワイト監督の合わせ技のようなポジショナルプレーで構造は鳥栖とよく似てますね。

右SBの宮本が杉森に寄せ切れてなかったり、ギャップを使われてしまっているシーンが目立ちます。徳島はサイドに強みがありますしここはしっかり対応してもらいたい所。ビルドアップで相手を剥がしたり、オーバーラップや斜めに入ってくる動き等攻撃ではいい所が多いのでちともったいないなと。

30分から宮本と稲見のポジションを入れ替えました。杉森の対応に手を焼いてましたからその対応なんでしょう。

ヴェルディもプレッシャーラインノ背後でフリーになりパスコースを作って前進できてるんですけど、サイドは梶川ならSBがインナーラップ、竜士なら仕掛けや加藤蓮のオーバーラップの形はありますけどまだはっきりと整備しきれてない印象はあります。ここは取り組み始めたばかりなのでやむを得ない部分はあるんですけどね。ただ中央はパスを引き出して叩いて展開する事ができてます。

45+2分の失点は杉森にフリーで打たれてしまいました。宮本はここまで杉森に手を焼いてましたけど、切るなら外より中にしてもらいたかったかなと。失点数が最も少ない相手に最終盤での失点はメンタル面にも影響出やすくなりがちですね…

櫻井や一美からサイドに展開して押し込まれる事はありましたが、デュエルと出足では上回っていて中盤で引っ掛けてショートカウンターもできていた中で最終盤の失点が痛かった前半。



後半頭から竜士と佐藤凌我と宮本→河村と染野と晴也へと交代して一気に3枚替え。中2日ですしプラン通りだったのではないかなと。

徳島はヴェルディのSBにボールが入った時のWGの寄せがそうでもなくなったので前半よりはスムーズに前進できる事が増えました。染野が降りて4-2-3-1のようになり左SHに回った梶川がサポートして加藤蓮が幅をとる形が多め。ただ制限をかける寄せはしっかりしてるので高い位置で奪われるシーンも結構ありますね。

徳島は前半からGKを使ったプレス回避はやってましたけどその頻度が増え、繋げるなら繋ぎ、そうでないならWGへ蹴るとはっきりしてきましたし、リードしてる分急ぐ事は無くなりました。

52分からアンカーの櫻井が最終ラインに降りてアンカーの位置に白井が入るようになりましたが、徳島はボールを保持しながら三角形を作ってパスコースを作ってポゼッションを安定させ守備機会を減らす『ボールを保持するカテナチオ』をやるので最終ラインを厚くしたのではないかなと。これはヴェルディも大得意なんですけど勝ってる時にできないんですよね…

ポゼッションしながらWGへフィードして仕掛けやクロスと攻撃はよりシンプルになってきた印象です。

ヴェルディが押し込めるようになりましたが、この形ならカウンタープレスがしっかり効くので再奪取する事ができてますし、2CFと梶川がエリア内で待つ形になってます。ここまで押し込めば大丈夫なんですけど、そこまでの過程でSHを前に押し出リスク管理の所のバランスが課題の様子。まあ4-4-2はカウンターがやりやすい反面ポゼッションがちと難しいんですけどね。

57分に梶川→大雅へと交代。

58分に 櫻井→長谷川へと交代。右IHに入り白井がアンカーへ移動。

徳島は杉森へのフィードからポゼッションして時間を作り、ヴェルディを片寄せになったらサイドチェンジしたり、イケそうならシュートまで行くって形になってきました。ボールを保持してシュート打ってるんですけど、秩序とリスク管理を優先させている印象です。

65分位から稲見と晴也のポジションを入れ替えました。元に戻したの方が近いのかなと。

ヴェルディはビルドアップから中盤に通るようになったりレイオフで剥がして前進できる回数が増えてきましたけど、徳島はセットディフェンスでもボールホルダーの自由を奪う所はしっかりしてますね。

徳島は保持をすればポゼッションを安定させながら楔を受けた選手がファウルを貰ったりしながら秩序を保ちますし、失点が少ない理由がよくわかります。まあじっくり前進するスタイルなので得点も多くなりにくいのはありますが

押し込めてますしチャンスも作れてるんですけど、崩すって所まではもう1つって感じで徳島を浮足立たせるって所までは至りません。この秩序を乱したいんですよね。

76分に加藤弘堅→阪野へと交代。CFに入り西谷が左DHへ移動。

阪野が収めたり背後を狙ったりして徳島を少しずつ動かせるようになってきました。

78分に西谷と安部→エウシーニョとカカへと交代。徳島は3-4-1-2のような形。

ヴェルディはニアポケットをとりマイナスやグラウンダークロスでチャンスを作っていきますが徳島も身体を張って守ります。

ロングフィードで阪野をターゲットにして河村に落として染野も絡んでいきシンプルに前進する形が出てきましたけど、シンプルかつ直線的な攻撃だとテンポが上がり秩序を保ちにくくなる分徳島はこっちの方が嫌なんじゃないかなと。

徳島はボールを持っても持たなくても守備ができるのでここを乱したいんですよね。なので押し込んで崩しにいくよりもテンポを上げたいなと感じます。

90+1分に杉森と一美→浜下と坪井へと交代。

ヴェルディはシンプルに放り込むようになりましたけどこちらの方が良さげです。

そして本格的にパワープレーへと移行。最終盤マテウスがフリーでシュートを打てましたけどこれが入ってたらドラマがありましたね。

徳島の守備を崩せずに終了。



最後に、前半は中々ボールホルダーに制限をかけられずサイドでチャンスメイクをされていましたが、抜かれるのはやむを得ない部分がありますけど寄せられてないのはにんともかんとも…ではあるんですが、デュエルや出足は良かったですし、後半はニアポケットからチャンスメイクできていたのであの失点がもったいなかったかなと。

中2日で疲労が残ってない訳がないですし、いい所もあったので相手に寄せて時間と選択肢を奪うやるべき事はしっかりやってほしいですね。