20220821 第32節ホーム甲府戦


ホーム甲府戦。ヴェルディは4-4-2で甲府は3-4-2-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、加藤蓮片上げの3バックに対して甲府は前線の3人、DHにはDH、SBにはWBがついてハメにくるのでDHの背後にいる佐藤凌我や染野に当てて展開する形と、甲府のサイドCBの背後をCFやSHが狙う形を使い分け、繋ぐ時はフリックでサイドに叩いて前進しようとしますがパスがズレる事が多いです。それとスペースがあるのに前を向かずに戻したり、スペースが無いのに余裕をもって奪われたりとチグハグな所があります。ここは試合勘もあるのかなと。

甲府の保持時は、シンプルに三平に当ててくる形とWBに渡してヴェルディのSBを引き出しその背後をサイドCBやシャドーが狙う形を状況によって使い分けてきます。ヴェルディのプレスを剥がしたらシャドーを起点にしてWBが状況に応じて内か外からサポートしてクロスやカットインからのシュートを狙ってきます。サイドCBの攻撃意識が高いのは相変わらずのようですね。クロスは三平を狙うというよりファーに上げてシャドーが打ったり折り返したりする形が目立ちます。

ヴェルディの非保持時は、ハイプレス時は甲府の3バックに対して2CFと空いたCBサイドのSHが寄せていきますが、その後ろは人を掴むのかスペースを埋めるのかがあまりはっきりしておらずいつもと比較すると連動性がちと弱い印象です。セットはいつも通り4-4-2。

甲府の非保持は、ハイプレス時は上記のように人を掴んでハメ込む形。ヴェルディがサイドのスペースへ蹴る所も含めロングフィードにはCBが前向きで跳ね返す事ができているのでしっかり準備している様子で、セットすると5-4-1になります。

まずはお互いライン間にいるCFを使い行ったり来たりと落ち着かない展開からスタート。

10分位からヴェルディのプレスの連動性がいまいちな所から前進し、甲府がボールを保持する時間帯が長くなってきました。シャドーが比較的楽に受けられてヴェルディのCBが吊り出させてしまってますね。

長谷川にチャンスメイクをされてからヴェルディはWBのケアをSHがやるようになりました。SBの背後を狙われていたのでその修正をしてきたようです。ただその副作用として後ろが重たくなるんですがプレスが中々ハマらないのでやむ無しかなと。

ここ最近の傾向として中盤での攻防が激しい中で寄せる競る戦う事引き続きできているのはいいですね。

お互い縦志向で甲府はシャドーを起点にして押し込み、ヴェルディはカウンターで応酬とどっちに転ぶか?って感じの展開ですが、プレスがいまいちな分甲府の方が旗色が良さそうです。

甲府が人を掴んでハメてくるのもあるんですが、ヴェルディは時間とスペースがありフリーで受けられる時に前を向かずにバックパスをしたり、逆に時間とスペースがないのに余裕を持って奪われたりとチグハグな形が目立ってきました。この判断に関するミスはかなり痛いんですけど試合勘なんですかね?

ここまで観てる中で、大坪主審は比較的正当に見えるコンタクトプレーに対しても厳しくとりますね…

ヴェルディはここまでうまくいってませんが、プレスに行くのかセットするのか?が中途半端になってスペースを与えている事のギクシャク感が保持時にも影響を及ぼしてる様子で、それが技術や判断のミスに繋がっているように見えます。ここまで強みにしてきたものが上手くいってない訳ですからメンタル面に影響を及ぼしていても不思議ではないですからね。

ヴェルディはカウンターから決定機を作れてましたが、プレスがハマらない事でスペースを与えていた分甲府が主導権を握っていました。ただ甲府はシンプルな形以外は味方を探しながらのようなシーンが結構あったので、時間がかかってヴェルディが帰陣してくる分中々フィニッシュまでいけなかったシーンが多かった印象です。

三平を自由にさせない所はしっかりしてましたが、プレスに行くなら行く、行かないなら行かないと振る舞いをはっきりさせられず中途半端になってしまうのが一番危ない事を再確認した前半。



後半、相手との噛み合わせ上の事でもあるんですが、今節は2CFが起点を作ってそこから戻したりサイドに叩いたりするシーンが多いです。
左サイドに染野が流れ、右サイドは佐藤凌我が河村をサポートするような形がメインでSHのタイプによって対応を変えてるようですね。

甲府は深澤を引き出した背後を長谷川が使ってチャンスメイクする形を引き続きやってきます。

51分に梶川が右WBの関口をピン止めして加藤蓮とのワンツーで抜け出したシーンがありましたが、前半には無かった形なので修正してきたのかなと。それと河村の所でも起点を作れるようになってきた事と甲府が少し寄せ切れなくなってきた事もありスムーズに前進できるようになってきてボールを保持する時間が増えてきました。

ハイプレスもしっかり人を掴むようになったので甲府の前進を阻めるようになってきました。後半になって連動性が上がってきたのでやはり試合勘の部分もあったのかなと。

55分に左WBの荒木が下がって受けにきた所に深澤が寄せにいったんですが、荒木に前を向かれたのでステイしてパスコースを切るように変えたのはいい判断だったと思います。

60分に梶川と加藤蓮→大雅と稲見へと交代。稲見は右SBに入り深澤が左SBへ移動。長谷川にチャンスメイクされる事が多かったのでここにフレッシュな選手をって事なんでしょう。大雅は役割としては梶川とそんなに変わりません。

相手をスライドさせる緩い横パスと通す為の速い縦パスの使い分けは引き続きいいですね。こういう所でメリハリがあると前進しやすくなりますし、しっかり中央を使えているのもいいと思います。

65分に三平と松本→リラと石川へと交代。過密日程を考慮しての事なのかなと。

68分に佐藤凌我→阪野へと交代してヴェルディデビュー。CFが収められる展開ですから阪野としてもやりやすいかもしれません。

71:35に長島コーチが緑23白10っていうボードを上げてましたが、これはマークの確認なんですかね?

72分にマンシャ→野澤へと交代。

甲府は縦に速い攻撃の方がやりやすそうですし、クロスを入れるタイミングもかなり早いのでオープンな展開になってきました。深澤の決定機があったように4-4-2は構造上カウンターがやりやすいので、ヴェルディとしてはそう悪くはないかなと。ただ連戦になってくるとシンドイんですけどね。

大雅がミドルシュートを打ったシーンは周りを見てる様子ではなかったので自分で打ちにいくつもりだったようですね。今までなら周りを見てパスを出そうとする事が多かっただけにいい傾向だと思います。

80分に関口と鳥海→フォゲッチと飯島へと交代。オープンな展開になってるのでWBと前線にフレッシュな選手を入れてきました。大雅を入れた分甲府側の右サイドは守備力が下がったのでそこを狙おうという意図もありそうです。 

83分に晴也→加藤弘堅へと交代。ちと判断のミスが目立ったので修正していってほしいなと。

83分に加藤弘堅→晃樹の落とし→加藤弘堅→大雅の落とし→加藤弘堅から大雅の背後にできたスペースへ入ってきた晃樹へと繋がったシーンがありましたが、相手を動かしどこにスペースができるか?を共有できていたと思います。

オープンな展開ではあるんですが、ペースダウンする所はしっかりしてますね。もちろん前にスペースがある時にされるのは困りますが

前半からそうなんですが、三平やリラに起点を作らせない対応が終始できていたのはとても良かったです。

行って来いの展開でお互いチャンスは作れてますがスコアレスドローで終了。



最後に、前半はスペースと時間があるのに前を向かずにバックパスしたり、スペースと時間が無い時に余裕を持って奪われたりしてギクシャクしてましたし、守備の連動性がいまいちだった所からリズムを作れず技術や判断のミスに繋がっていたのかな?という印象でしたけど、後半は良くなってきてたので試合勘の部分もあったのかなと思います。

CFが起点を作る所狙いはできてましたし、大雅が思い切りのいいプレーをしていたのと阪野の復帰は収穫だったかなと。

甲府はSBの背後をシャドーやWBが使ってサポートする所はできてましたけど、ヴェルディの対応もあってCFが時間を作れなかったのが痛かったように見えました。