20230826 第32節ホーム岡山戦

ホーム岡山戦。ヴェルディは4-1-2-3で岡山は3-1-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は、ライン間を狙うフィードで起点を作って後ろの選手が追い越して前進し、サイドを起点にチャンスメイクする形と、岡山のプレス隊が3枚なんですけど両SBを降ろすのではなく奈良輪片上げの3バックにGKのマテウスやアンカーの森田が頂点の菱形でのビルドアップなのでこちらの方が中央でボールを持ちやすい(又はサイドにスペースを作りやすい)と判断してるのかもしれません。WGが岡山のWBを引き出してIHと数的優位を作ってチャンスメイクするのを使い分けます。非保持は長谷川がアンカーの輪笠を見張る4-4-1-1のような形なんですが、サイドCBやWBをどう見張るのががいまいち定まってないのでプレスのスイッチやプレー方向に制限をかけられてない状況が前半中盤位まで続いてましたが、サイドCBにはSH、WBにはSBがつくように修正してからは高い位置で奪える事が多かったです。

岡山の保持時は、ダイレクトに背後を狙う形とサイドCBやWBから斜めのパスで3センターに渡してサイドに展開して前進していってのクロスを使い分けますが、序盤はヴェルディの守備がハマっていない事もあり比較的スムーズに前進できています。非保持は基本5-3-2でヴェルディのSBが持つとボールサイドのシャドーが出てきて5-2-3へ可変してプレスのスイッチを入れた時にWBが2列目の脇のケアをして最終ライン4枚がスライドする形。

最序盤、中原と右サイドに流れた染野でサイドを崩した時に染野はもう少し切り込んでからクロスを入れれば前線に人数をかけられますし、マイナスクロスの破壊力も増しますのでもったいなかったかなと。

ヴェルディはビルドアップ時に自陣ペナルティエリアラインより少し高いくらいの位置にボールがある時に前線がフィードに備えてるからなのか間延び気味になってるシーンがありますね。幅と深さをとりながらもコンパクトな陣形を作らないと前線に無理目なキープをしてもらう必要がありますし、奪われた時のリスク管理がしにくいので攻撃面とのバランスですね。どちらかに力を入れるともう片方は…になりやすいですし難しい面があるのは確かなんですけど修正していってもらいたいなと。

アンカー森田にアンカーの輪笠がつく時もありますが、そうなるとライン間にスペースができて味方のIHがフリーになりますので、直接ライン間又は3トップからの落としを上手く使っていきたい所。ここで起点を作れると後ろから選手が追い越してきて前線に人数をかけられるようになってきてるのはいいと思います。

岡山のサイドCBに対してSHが出ていくと降りてサポートにくるWBをどうしましょう状態になってるのでプレスがハマらず受けに回ってるような印象。攻撃に焦点を当ててトレーニングすると今度はこっちって感じにはなりがちではあるんですけどね。

上記した理由で岡山がヴェルディのプレスを剥がして押し込み主導権を握るようになってきました。ミドルプレスでもボールホルダーに寄せにいった所のカバーが曖昧になってるのでこれならはっきりゾーンにした方が良さげに見えます。

中央に起点を作られ押し込まれる展開が多くなってからは最終ラインが運んでも降りてくる前線が相手のプレスを引きつけてポストプレーをするシーンが増えてきたんですが、おもいっきりプレスのベクトルを向けられる形ではキープするのは難しいのでレイオフできる状況でなければ背後を狙ってもいいかなと感じます。

ここまで良くない時のヴェルディ感満載なんですけど後ろはしっかり耐えられてます。まあ岡山の前線が押し込む中ではそこまで良さが出にくいタイプだっていうのもありそうではありますが

12分に右サイドCBの本山に入った時に染野がCB間、加藤蓮が外切りで寄せて中に出させて稲見がインターセプトしたプレーは岡山側の判断はありますが上手くボールの誘導して奪えたと思います。

ボールは持たせてますが中央は固く守れてますのでアーリークロス等でスピードアップをさせなければ展開としてはそこまで悪くはないんですけど、プレスがハマらないのが要因で持たせてる訳ではないんですよね。

アゴアウベスのシュートブロックでマテウスが傷んで少し時間ができた後、ヴェルディはサイドCBにはSH、WBにはSBが迎撃に出ていくようにしてプレスが噛み合うように修正してきましたので、岡山は今までより前進が難しくなってきました。できればもう少し早いタイミングでやりたかったなとは思います。

意図的にボールを奪えるようになった分必然的に攻撃がスムーズになり五分五分まで押し返しました。やはり守備が定まらないといい攻撃はできませんからね。これはロティーナ監督も言ってた事ではありますが

ようやくボールを持てるようになり宮原が森田の脇から持ち上がったりしてチャンスを作れるようになりましたが、奈良輪や宮原の特長を活かしやすくする意図もあるんでしょうけど今までよりSBの役割分担がはっきりしてる印象です。サイドからのパスをCFの染野や両IHが受けて前を向きチャンスメイクできるようになり主導権を奪い返しました。

ヴェルディが保持する時間が長くなるとバックパスには追ってきますけど岡山は無理せず構えるようになりましたのでここの切り替えはさすがですね。まあ元々持たせてカウンターで刺すゲームプランだった可能性も大いにあるんですが

前からそうなんですけど、背後を狙う選手を使わず横パスを選択する割合が多い気がするんですよね。深さとれてるからこそポゼッションが活きるので、34分にあった谷口→染野みたいなシンプルに背後に入れる回数をもう少し増やしてもいいかなとは感じます。

決定機手前まではいいんですけど…ってシーンが目立ちますけどここは引き続き擦り合わせを進めていってほしいですね。

岡山がチャレンジ&カバーをはっきりさせて縦パスの受け手を潰しにくるようになったので今までよりヴェルディの前進が難しくなってきた中でライン間で受けた長谷川から染野へのスルーパスはモノにしたかったですね…

ライン間を使ってスムーズに前進できるようになりましたけどその先がもう1つ状態ではありますが、ボールの運び方や崩しのアイディアは増えてきたように見えます。

プレスがハマらず後手を踏んでましたが中央を締めて耐え、プレスを整理してからはボールを保持して主導権を握り返しましたし、空いたラインを使ってスムーズに前進でき決定機も作れてましたのでシュート数は少なかったですけどそこまでネガティブな内容ではなかったですね。

ただもう少し早いタイミングでプレスを修正したかったのと無理目な縦パスでキープを要求するようなシーンがいくつかあったのは気になりました。

失点しなかったからこそ押し返せた部分はありましたので守備は良かったですし、ボールの運び方崩し方も良くなってるなと感じた前半。



後半頭から加藤蓮→斉藤へと交代して右IHに入り長谷川が左WGへ移動。

ヴェルディはシンプルに背後を狙ってくるようになり岡山は5-3-2でセットする意識づけが上がったように見えます。

前半同樣スムーズに運んで前進できますけど岡山の2CFは背後にスペース。あった方が活きるタイプなのでお互いの思惑通りではあるかなと。

ヴェルディはサイドへのフィードが増えてきたように見えますが、起点を作れればよしそうでなくてもWBを押し込めればいいって判断なんでしょうか?

50分に横パスをインターセプトされてチアゴにアウベスに左サイドを突破されて失点してしまいました。横パスをインターセプトされると出し手受け手両方が置いていかれる事が確定するので慎重に出してほしかったのと、非カウンター要員がいた中で止めたり遅らせたりできなかったのが痛かったですね…

先制できれば無双の勝率を誇りますがホームで勝ててない中での失点もあり少し攻め急いでパスがズレる事が増えてきましたし、プレスも相手を見て寄せられてないシーンが出てきましたのでスポーツはメンタルが大きく左右するのを実感する部分ですね。

岡山は背後を狙うフィードが増えてきましたのでライン間が空いてきました。岡山からすれば守備の人数を割かずに追加点をとれれば尚良しって事なんでしょう。

53分に中盤で奪って数的同数のカウンターになったシーンはモノにしたかったですね…

岡山は守り方は変えてませんが5-3-2から2列目がSBへ寄せ方が奪うや方向に制限をかけるというより前進を阻む形になってきました。まあ当然ですね。

ヴェルディは繋ぎはしますけど背後に蹴る事が増え岡山もそうなのでオープンな展開になってきました。

ヴェルディは前線に人数をかけるのはいいんですけどリスク管理が少し疎かになってきて奪われて30mくらい戻るこのクラブで1兆回くらい見た事ある守備対応になってきました。こういう時にいい事がおきた試しがないんですよね(^^;)

オープンな展開なので当然といえば当然なんですけどお互いチャンスが多くなってきました。後はどちらに転ぶかなんですけどリードしてる中で岡山はこれでいいんですかね?

ヴェルディは前線全員が自陣を向いてるシーンが結構あるんですけど、ファンマくらい収められるのならわかりますけど誰かが敵陣を向いて深さを作る所はしっかりやってもらいたい所です。

58分に坂本→ルカオへと交代。

オープンな展開なのである程度差し引く必要はあるんですが、攻め手がシンプルになってきたのでこういう形も織り交ぜていきたいですね。ただ前線に人数をかけてリスク管理が…の問題が大きくなってきたのでヴェルディにとってプラスかどうかは怪しい所ではありますが、ここまでのヴェルディの得点は速い攻撃からが多いのは確かなんですよね。

62分に長谷川と中原→新井と河村へと交代。時間帯を考えると予定通りだったのかもしれません。

63分に高橋と仙波→高木と河井へと交代。

岡山が時間をかけるようになってきたのでベンチからするとハイテンポなオープンな展開は避けたいのかもしれません。

ヴェルディは相手が戻ってくる前に攻撃を完結しようとする意識づけが高いんですが、繰り返しになりますけど普段から織り交ぜてほしいんですよね。

71分に田部井とチアゴアウベス→バイスとムークへと交代。

72分に稲見→綱島へと交代。

73分にセットプレーからシュートブロックはできてたんですけど跳ね返す事が中々できずフリーてクロスを上げさせてしまい空けてしまっていたファーポケットから崩されてしまいました。タッチに逃れて一旦立て直す時間をとりたかったですね。

76分に前がかりになり過ぎた所をひっくり返されて失点。おそらく2失点目が効いてたんでしょうけどこれはやってはいけない形でしたね。

78分に谷口→千田へと交代。

フィジカルにモノをいわされると劣勢になりますし、ここまで4CBでやってきた理由がわかる側面はありますね。

79分に新井のサイドチェンジから宮原のアーリークロスをニアで斉藤がスラして新井が頭で合わせて得点。どこまで狙ってたのかはわかりませんが、クロス時にニアに入り逆サイドが中に入ってくる約束事が前提にあったので上手くいった面は間違いなくあるでしょうね。

クロージングしようとしてた中での失点が効いたのか岡山の守備がリアクションで反応するようになって少し乱れてきましたのでまだチャンスがありそうな展開。これもスポーツはメンタルが大きく左右するのを実感する部分ですね。

岡山が時間を使うようになりましたけどこの展開ならまあ当然でしょう。

疲れもあるんでしょうけどパスが緩くてインターセプトされるシーンが立て続いてますので、相手を引きつける為の緩いパスと通す為の速いパスを使い分けていきたいですね。

画面には映ってないんですが、87分に柳のクリアボールがベンチに当たってピッチ内に入りそうだったのをボールパーソンが滑り込んでキャッチするスーパープレーがありました。ありがとうございます!

90分にコーナーキックを平がスラすような形になりファーの河村が押し込みます。得点してからはメンタル面では逆転できてるんですよね。

岡山は今までよりは露骨に時間をかけるようになりましたけど繰り返しになりますかこの展開では当然ですね。

後1点が取れずに終了。



最後に、前半の序盤はプレスがハマらず劣勢でしたが、修正してからは高い位置でボールを奪えてましたしボールホルダーを追い越して前線に人数をかけて崩しのアイディアの擦り合わせも進んでましたので内容は悪くはなかったんですけど失点して少しバタつき傷口を拡げてしまったのが痛かったですね…

もちろんやるべき事が疎かになって失点するのはいただけませんし、オープンな展開ではありましたが岡山がクロージングに入る前に反撃して2得点できたのは良かったと思います。

中々ホームで勝ててない事が結果的に自分達を追い込む形になってしまいましたが、先制点を取れてれば逆の展開になってたと思いますのでメンタル面で展開が大きく左右するのを実感する試合ではありました。

以前から奈良輪が思ってたようにこのクラブはボールホルダーにしっかり寄せて時間と選択肢を奪って球際で闘い緩さを見せない所には確実に前進してますので個人的には悲観はしてないんですよね。内容に徹底的に拘るからこそ結果がついてくるのであってそこを疎かにするとリソース頼みのつまらないサッカーになってしまいますので。

岡山はハイラインハイプレスをひっくり返す布陣だと思うんですが骨格は前後でパワー中盤で展開力を発揮するいつもの形なんですけど、リードした後オープンな展開を許容するような形だった理由は何だったんでしょうね?