20230611 第20節アウェイ岡山戦

アウェイ岡山戦。ヴェルディは4-1-2-3で岡山は3-1-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は左サイドの深澤を高い位置に上げて森田と3+1でのビルドアップ。岡山がルカオ1枚なら右SBの山越も上がりますし、シャドーが出てくれば左IHの稲見が降りてきて深澤が偽SBをやりながら流動的に相手のプレス隊プラスワンを作りながらビルドアップの出口を作ろうとする所はよくできてると思いますしポゼッションに安定感をもたらしてるように見えます。サイドから運んでアーリーを含めたクロスがメインなんですけど、相手を集結させてからサイドを使った方が効果的なのでもう少し中央を経由させたいなとは感じます。非保持はいつも通り4-4-2のハイプレスなんですけど、アンカーの河井が低い位置にいるので河村がマークにいく分4-3-1-2のようになってる事も多いです。今節は蹴らせた後のターゲットへのマークやセカンドボールへのケアができるように後ろに人数を残すよう修正されてますね。特にルカオのポストプレーへの迎撃に感じますが、プレスにいくにも前向きなら強度高く出ていけますのでこちらの方がいいと思います。

岡山の保持時はサイドに流れたルカオが中央か後ろのWBに落として前進する形がメインのようですけど左右どちらのサイドにも流れてきますね。それに中央から前線にフリックして落とす形もあります。そしてサイドに起点を作って内側に落としてシャドーがチャンスメイクする形と大外からのクロスと中にえぐってからのロークロスを使い分けてきます。最終ラインから一発で背後を狙う事もありますしいつも通りダイレクト志向のようです。非保持は5-3-2のミドルプレスで横パスには前から追っていきます。サイドに出るとWB勢いよく出てきて最終ラインがスライドして4-4-2にして守るんですけどこの可変をスムーズにやれてるので普段からやってるんでしょうね。

まずはお互い蹴り合う展開からスタート。ヴェルディは中央の山田、岡山はサイドに流れたルカオに当てる事が多いです。

6分に深澤から左サイドに張る加藤蓮にパスが出た時に稲見がWB-CB間から背後を狙う事でアンカーの河井を連れていきライン間の中央にスペースを作る動きは良かったですね。

サイドに入れると岡山のWBが勢いよく出てくるので、その背後のスペースに山田を走らせるようなフィードや河村が流れて使うシーンが目立つのでここを狙い所にしてる様子。

中盤での攻防戦が激しくプレスバックもサボらないので中央を使った前進が難しそうな展開な分サイドが起点になりやすいのもありそうです。岡山は蹴るかプレスを引き出してライン間や背後を狙うのでそこまでは影響がなさそうではあります。

稲見と河井のコンタクトプレー辺りからエキサイトしてた木山監督が警告されましたが、後にして思えばここがターニングポイントだったのかもしれませんね。

19分にマテウスが保持してる時に、岡山のプレス隊3枚に対して山越以外の3枚+森田と5枚いたので深澤に上がれとマテウスが指示してましたので相手のプレス隊プラスワンまでがチームとしての約束事のようです。

20分過ぎにようやく落ち着いてきましたが、ヴェルディはビルドアップからサイドや森田がWBの背後を使ってそのまま又はマイナスに戻してからの中央やファークロスの折り返し、岡山は一発でヴェルディの背後を狙いながらフィードを収めて左サイドで細かく繋いでクロスを入れる事が多くなってきました。

岡山のコーナーキックが続きますが、ターゲットになる選手が多いのであまりセットプレーを与えたくないんですけどよく対応できてると思います。

お互いある程度チャンスは作れてますけど中央が固く中々までシュートまでいけない展開。守備がいいのはもちろんなんですけど決定機を作る所までいけないって言っても良さそうでもあります。ヴェルディは運ぶ所まではいいんですけどチャンスメイクのパスが少し雑なんですよね…加藤蓮とバスケスが被ってしまったシーンもありましたのでここはもう少し詰めていってほしい所です。

笛が鳴った後に山越がシュート打ってカード貰ってしまったのはもったいないですしいらないカードだったかなと。

ヴェルディはプラスワンを作りながら流動的なビルドアップから繋いで前進する事ができていたのはいいんですけどチャンスメイクのパスが少し雑だったのかもったいなかったですね。

岡山はダイレクトな形からWBに落として前進してムークとシャドーがゴール前に詰める得意な形は出せていたと思います。

お互いシュートや決定機は少なかったですけど、トランジションの反応がよくハイインテンシティで中盤での攻防戦が激しく、ファウルはヴェルディが5で岡山が10とかなり多めでかなり消耗する展開だった前半。



後半、ヴェルディは最終ラインへのバックパスで岡山のプレスを引き出してその背後のスペースを使って前進していく形が多くなってきましたので、こちらの方がスムーズにビルドアップの出口を作れると判断したようです。

50分に中央でバックパスを奪われて危ないシーンを作られましたが、バックパスの成功率は100%である必要があるので戻す時ははっきり戻してもらえたらなと

岡山はルカオがやってたサイドから中央に落としたり、ファークロスを折り返したりするのをバイスもやってましたのでチームとしての約束事のようです。

52分に河村のバックパスを受けた山越からのクロスは精度が高かったですし、エリア内にもニア中央ファーに入ってた選手がいていい形を作れてましたので、アーリーも含めこういう形も織り交ぜていきたいですね。

リスタート時にGKの堀田が足でボールを動かしたつもりだったようなんですけどプレーオンに見えるので山田はボールをゴールに蹴り入れても良かったかな?とは思いましたがいい反応でした。

前半左WBの佐野に背後を突かれるシーンがいくつかあったんですが、後半はバスケスが見張るようになって山越が背後をケアするように修正してきたので佐野の良さを封じ込められるようになってきた反面バスケスの走行距離やスプリント回数が増えるのでトレードオフになる部分もあるんですが隙を作らないのがチームの方針のようですからね。

56分に河村のドライブシュートの決定機がありましたが、今のやり方なら運んだりしながら相手の最終ライン前からシュートを打っていくのも効果的だと思いますのでこういうシーンも増やしていきたいですね。

57分に右WBの河野から左シャドーの仙波への斜めのパスが通り失点。起点にもっと圧力をかけたかったのと、攻撃を遅らせた後もう少し河野に寄せたかったなとは思いますが、パスの質が見事でした。

58分にルカオとムーク→チアゴアウベスと坂本へと交代。先制したので重心を下げて刺しにいくプランなんだろうと思いましたけどプレス開始位置は下げないみたいです。むしろプレスの出足を強めてきましたけどセットディフェンスと比べると連動性がいまいちなのでヴェルディとしては出てきてくれた方が空いたスペースを使って前進できそうです。

62分に加藤蓮と河村→北島と斎藤へと交代。バトンを繋ぐ交代かなと。

今節はロングフィードを岡山が跳ね返したセカンドを拾う事が多いですが、守備の修正を攻撃にも転用してるようです。

ヴェルディは最終ラインで相手を引き出しながらサイドに入れてスライドさせてクロスと自分達の形をジレずに続けてますので失点してどうこうって感じは無いですね。

逆に岡山は判定にイラついてる様子だったので、先制点が取れれば崩れていきそうではあったんですが

65分にコーナーキックの戻しをペナ角で受けた深澤からのファークロスをバスケスが折り返したこぼれを斉藤が押し込んで追いつきました。山越からのクロスで似たような形がありましたし、前に出ながらファークロスのケアをするのは難易度が高いので狙っていきたい所です。

70分に河井→高橋へと交代。左WBに入り佐野が左シャドー仙波がアンカーへ移動。

ヴェルディがビルドアップでハーフスペースから前進して押し込み、サイドチェンジを織り交ぜながらクロスでチャンスメイクしていってますしやるべき事をしっかりやれてますね。

74分に山田と谷口→阪野と奈良輪へと交代。奈良輪は右SBに入り千田が左CB山越が右CBへ移動。

アゴアウベスが立て続けにカードを貰って退場になりましたが、1枚目はボールに対して全くプレーしていなかったのでファウル判定は正しいんですけど執拗な異議、2枚目はマテウスがセーブした後ボールを蹴ってますので一発退場が妥当ではあるんですけどアンガーマネジメントができてなかったのが大きな要因かなと。岡山は4-4-1へと変更。

ここまでビルドアップからの前進はできてましたけど、WGに入れて相手のSBを引き出した背後を斉藤や阪野が使ってサイド奥をとる事が多くなってきました。この形はよくやってますしサイド攻撃はカウンターを受けにくい上カウンタープレスを仕掛けやすいのでこれでいいと思います。

84分に仙波と田中→田部井と本山へと交代。

サイド攻撃からのローミドルクロスに入っていく所がやれているので中央も狙えますし、やりたい事やるべき事は概ねできているように見えます。

判定に対してなんでしょうけど岡山の選手達に苛立ちが見えますけどヴェルディは終始落ち着いてるので水戸戦での経験値の差が活きてるようですね。

岡山のスライドが少し遅くなりヴェルディのファークロスからの折り返しへの対応が後手に回る事が多くなってきたので、もう少しで崩せそうなんですけど最後が固い…

90+6のファウル判定に佐野と河野がエキサイトしてたのを森田がなだめてましたけど、経験値があるにせよ水戸戦からの成長を感じます。

このセットプレーをニアで山越が合わせて逆転。速いクロスで精度も良かったですね。この直後に終了。



最後に、ハイインテンシティを保ちながら守備で身体を張り、流動的に動いてビルドアップの出口を作りながらサイドを起点にチャンスメイクとやるべき事を愚直にやり続けられていたのは凄く良かったですし、今までなら判定への不満でプレーが不安定になり自滅してた可能性が高かったのでメンタル面での成長を感じましたのて、そういう意味では逆転勝ちや勝ち点3より収穫が大きかったように思えますし自身になるでしょう。

岡山はおそらく高崎主審を経験してないんだと思うんですけど、その経験値の差が大きかったのは確かでしょうね。ヴェルディも水戸戦ではこんな感じでしたしアンガーマネジメントが勝敗を分けたと言ってもいいかもしれません。

あくまでも判定は審判がするものですし(なのでセルフジャッジにはガーガー言います)判定基準自体はブレてないのでそこにフィットしていくのもプロである選手の努めの1つだと思います。それに審判と戦っても何一ついい事無いですからね。

岡山もロングフィードで起点を作ってチャンスメイクしながら身体を張って守りやるべき事をやれてたと思いますが、プレーが少しずつ雑になってたのでアンガーを含めマネジメントの所が差になったのかなと。