20230618 第21節ホーム群馬戦

ホーム群馬戦。ヴェルディは4-1-2-3で群馬は4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は右SBの山越が少し上がって森田と降りてきた稲見で3+2のビルドアップ。WGが大きく降りてきて相手SBを引きつけてレイオフやCFへ渡したり、偽SBでWGへの空けて相手SBの背後を狙うでいつもの形が多いんですが今節は左サイドから前進する事が多いです。右サイドはバスケスが仕掛け右SBの山越がサポートする形で、そこからアーリー気味を含めファークロスをシュート又は折り返して決定機を作っていくのがメインのよう。非保持はいつも通り4-4-2のハイプレスなんですが、ボールサイドはマンツーで逆サイドはゾーンで守る形なので体力を温存しやすい夏仕様にしてきたようですね。サイドに追い込みながら受け手を限定できるので背後からのインターセプト(アンティチボ)がかなり効いてます。

群馬の保持時は蹴る事もありますけどどちらかのSB少し上がって2DHと3+2のビルドアップ。この5枚の位置が結構低いので盤面をひっくり返す意図もあるかなと思ったんですけどここからのフィードはそんなに多くはないです。ただヴェルディのハイプレスでコースが限定されてる分受け手が前を向けずに少し苦労してる様子なんですが、ビルドアップの出口を作れてる時にも前を見ずに戻してしまってるシーンがあるのは気になりました。左サイドへのフィードは左SHの川本が受けて左CFの高木が寄ってサポートにいくヴェルディと似たような形で前進しながらあまり手数をかけずにシュートまでいきたいようです。非保持は前線から人を掴みにいくハイプレスでセットすると4-4-2のゾーンになります。

お互い相手の右SBの背後狙いのようですが、ヴェルディの方がインテンシティが高い分優勢になってるように見えます。

群馬のビルドアップに制限をかけられているので受け手に背後からのインターセプトで奪えるシーンが目立ちますが、横パスのミスでカウンターを受けると一気に2人が置いていかれて非決定機になるので横パスやバックパスのミスは減らしていきたいですね。

ヴェルディの方が蹴る事が多いくらい群馬は後ろから繋いて前進する事を重視してるようだったんですけど10分過ぎからCFやSHへのフィードが増えてきたのでビルドアップでの手応え次第で判断しなさいって事だったのかもしれません。それとバックパス以外では最終ラインまで追ってこなくなりました。

ヴェルディは前線がボールホルダーに寄せながら1人で2人を見張るケースではコースを切る判断がいいので(剥がされるシーンもありますが)受け手に後ろから寄せてインターセプトできるシーンが目立つんですけど群馬は後ろに人数がいるので決定機を作るまでは至りません。おそらくビルドアップの位置が低いのはミスをケアする為の保険なのかもしれません。

群馬はバックパスには追ってくるんですけど、ヴェルディはライン間に降りた山田がビルドアップの出口になって前進できてますし、空いてるとこを使う共通認識が深まってきてるように感じます。

背後からのインターセプトは引き続きできてるんですけどヴェルディのプレスに慣れてきたからなのか群馬が運ぶドリブルで陣形を歪めたりゾーンになってる逆サイドから前進できるシーンが出てきました。

29分のフリーキックでニアで武が合わせたこぼれを川本に押し込まれてしまいました。回り込む川本にもう少し寄せたかったですね…いい流れを断ち切られてしまった格好ですけどセットプレーは流れとは関係ないですからね。

そういえば今節の実況は長坂哲夫さんなんですけど、川本がこぼれを拾った時の実況がこぼれているーーーおかのーーー!!!を思い出しました。

群馬の重心が少し下がりましたけどボールホルダーに寄せる所とスペースをカバーするスライドがしっかりしてますし、相変わらず守備が固いですね。後ろで回してヴェルディのプレスを引き出してライン間を使ってチャンスメイクとリードした展開で効率よく攻撃をするようになりました。

ただヴェルディは押し込んだ中でも斜めのパスでブロックの内側に楔を打ちポケットもとれているのでもう少しでシュートまでいけそうではあります。


39分にバスケスのクロスからのこぼれを稲見が強烈なミドルシュートを決めて追いつきます。群馬からしたらあの状態で前に出るのは難しいと思いますけど、稲見は逆足であのコースを突けるシュートを持ってたんですね。群馬にバスを置かれる前に追いつけたのが大きかったかなと。

山田が右DHの天笠へのコースを切りながら右CBの酒井に寄せる事で1人で2人を見張る状況をなくしてハメにいった所からバックパスを山田が回収して運び、押し上げを待ってからポケットに入ってきた北島に差し込み、北島が少し待って相手を引きつけて山田に出して崩せました。山田の守備からが始まりでしたしボール奪取から得点まで理想的な形でしたし前半の内に逆転に成功しました。

リードしたらある程度時間を使いながら前進できる時は前進するのでそこまでセーフティーにって感じではなさそうに見えます。

前線からのハイプレスがかなり効いてましたので後ろは受け手を絞れてた分背後からのインターセプトが終始できてましたし、チャンスメイクまでは中々至りませんでしたけどビルドアップでサイド奥をとって前進し、逆転できたのは大きかったと思います。

ヴェルディは前半寝かして後半勝負の展開が多いのでこんなに動きがあるのが珍しかったなと感じた前半。



後半頭から佐藤→山中へと交代。

後半も群馬は低い位置で回すんですけど、ヴェルディはフィードを警戒してるからなのか前半程は勢いよく寄せなくなりました。

ビルドアップのみミスからあわやのシーンがありましたけど、中央への縦パスを奪われるのは致命傷になりかねないので減らしていきたいですね。

後半は両SBが高い位置をとりアンカーの森田と2+3や稲見が左サイドに降りる3+1のビルドアップを使い分けますが、ビルドアップにマテウスを組み込めるかどうかで判断してるように見えます。GK-CB−アンカーで菱形を作って群馬の2CFを囲んで谷口が運ぶ形はよくできてました。

52分に左CBの畑尾から右サイドへのフィードを左SHの山中が折り返してポケットに入ってきた右SBの岡本と武のワンツーで背後をとられて失点。ボールホルダーに寄せられておらずスペースを埋められてなかったのでどうにもなりませんね…

追いつかれたらスピードが上がってきたんですけどこれを後半立ち上がりからやってよって話しなんですよね(^_^;)まあリードしてたので相手の出方を伺うのもアリなんですけどそれならそれでしっかりセットしてほしいですし

55分に一発でひっくり返されて決定機を作られましたけど、エリア内に侵入してくる選手を全然捕まえられてなかったのでにんともかんとも状態で、その直後のコーナーキックも含め逆転されてもおかしくなかったですね。

ようやく本来のインテンシティが戻ってきましたけど、前半動かして後半勝負の試合が多かったのでいつもとのギャップみたいなのがあったんでしょうか?

61分に河村と北島→斉藤と加藤蓮へと交代。

前半の形や加藤蓮が大外で起点を作って斉藤がハーフスペースから前進する左サイドからのチャンスメイクする形もありますけど、サイドチェンジでバスケスが仕掛けたり斉藤が背後を狙ったり右サイドから前進するいつもの形が増えてきました。

69分に山田→阪野へと交代。

前から行く所に連動した押し上げがやや足りない分中盤が間延びしてきたのでロングフィードの受け手に寄せきれずスムーズに前進される事が増えてきました。

71分に高木と風間→北川と内田へと交代。

群馬はヴェルディのプレスに応じて繋ぐ所と1つ飛ばす所の判断がいいので効果的に前進ができてるのでよく作り込んでる印象です。

77分に川本→平松へと交代。左CFに入り北川が左SHへ移動。

79分に稲見とバスケス→宮原と甲田へと交代。

押し込む時間帯が増えましたけど中々ポケットを使えてませんし、群馬は中央を締めて守っていてスライドもしっかりしてるので相変わらず守備が固いです。

90+1分に武→城和へと交代。CFを下げてCBですか…押し込まれて猛攻を仕掛けられているので敵地で引き分けならよし!と判断したんでしょうけどほんとリアリストですね。

群馬は5-4-1なんですけどいさとなったら6-4-0のアラダイスブロックにもなるのでほんと割り切ってバスを置いてる印象。

押し込んで猛攻を仕掛けますがゴールを割れずに終了。



最後に、ハイプレスで制限をかけ受け手の背後からインターセプトできてたシーンが多かったですし、逆転できた所までは良かったんですけど後半立ち上がりに行く行かないの判断がはっきりしない中での失点がもったいなかったですね。

後半は前線が寄せに行って制限をかけるなら後ろは押し上げ、そうでないならスペースを埋めてセットするとそこの意思統一がはっきりなかった事で最終的にバスを置いてきた相手を崩せず逃げ切られてしまいましたので、引いた相手を崩す事も大事ですけどコンパクトな陣形を維持するのは今のやり方では根幹の部分になりますのでここははっきりさせたいですね。

群馬も繋ぐ所とダイレクトを使い分けて決定機を作れてましたし引き分けは妥当な印象です。

群馬は丁寧に繋いて前進する所の整備はまだ道半ばだったように感じましたが、ダイレクトや1つ飛ばすパスを使い分けるようになってからはスムーズに前進できてましたし、連動した守備の固さも維持されてました。


今節で前半折り返しになりますが正直あまり強いって感じはしないんですけど、やるべき事を全力でやりきりながらコミットする強くなる為に当たり前にやらなきゃいけない事をやってきた結果が3位なんだと思います。最終的な順位がどうなるかわかりませんが向かってる方向性は正しいのでここは必ず続けていってほしいですね。