20230604 第19節ホーム仙台戦

ホーム仙台戦。ヴェルディは4-1-2-3で仙台は4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は両SB晃樹と並ぶ位上がる3+3のビルドアップで稲見が少し高めの位置をとります。中央はかなり警戒させていて使うのが難しいのでサイドから前進して降りてきたWGの背後を狙う形と、後ろで落ち着かせてシンプルに背後を狙ったり阪野に当てるダイレクトな形を使い分けます。非保持はいつも通り4-4-2のハイプレスなんですけど、仙台は蹴りながらマークを剥がす動きでズレを作ってプレスを回避してくるので守備が中々ハマらない事が多いです。

仙台の保持時は右SBの真瀬を高い位置に上げて3+2になりますが、ビルドアップというより最終ラインから前線へのフィードやサイドを起点に前線に入れるシンプルな形での前進が目立ち、山田が起点になって中島が衛星のようにサポートするのが基本線のよう。押し込むとSBが上がってSHをサポートしますが左SHの氣田は外から仕掛け右SHの郷家は中に絞る形。DHはそこまで上がらずカウンターに備えます。クロスの他にスルーパスもポケット狙いで中央よりもサイド攻撃が基本線。非保持は4-4-2でCBまでは寄せに行かず構えて晃樹やサイドに出た所をプレッシングトリガーにしてきます。

まずはお互い蹴り合う展開からスタート。その後も縦志向が強い分忙しい展開で強度も高いですね。

仙台はシンプルに蹴る事も多いですけどハイプレスを引き込んでひっくり返す意図が強く、ヴェルディのCBがロングフィードの跳ね返したセカンドを狙ってる様子なのでこちらの方がチャンスメイクしやすいと判断してるようですけど、プレスを剥がす為の技術の他にマークを剥がす動きと最終ラインの認知判断がいいですし、デュエルにも強く郷家が絞ってズレを作ってるのもありヴェルディの守備が後手を踏む事が多い印象です。中央を締めるとサイドを起点に前進してくるので仙台がボールを握る時間が長くなってきてきました。

ヴェルディはクリアやクロスを跳ね返してもその先が続かずまた回収されてまうのでチャンスらしいチャンスを作れてません。ボールホルダーに寄せてはいるんですけど起点になる所を潰せないのが痛いですね。その流れの中でPKを与えてしまいました。

失点後ヴェルディのギアが上がって積極性が出てきたので押し込めるようになりました。仙台が少し構える意識が高くなってきたのもありそうですけどヴェルディの出足が良くなってプレッシャーを強められてるのもあるかなと。

ヴェルディはビルドアップが中々上手くいかないので稲見が降りてきて左SBの深澤が上がるようになり、その分空いた中盤中央左にIHが入りながらWGが降りた背後を狙うタスクも担うので必然的に運動量は多くなりますね。深澤が降りて稲見が左サイドに流れる形もあるのである程度流動的にやれてる様子です。

中央3レーンをビルドアップの出口にする所は仙台が相当警戒してるのでサイドに入れてSBを引き出した背後を狙う形が多くなってきましたが、今節はシンプルクロスを上げるので中や逆サイドの選手もやりやすそうですね。

仙台はレイオフで中央突破も狙うようになりましたがテンポを変えて縦パスを差し込む分効果的に見えますけどここはよく対応できてると思います。

ヴェルディは降りてきたWGの背後を狙いながら中央へ差し込むパスでは出し手と受け手の意図が中々合わないのでチャンスメイクのバリエーションがあまり多くない分仙台が対応しやすいのもあるかもしれません。

41分に真瀬がスペースから運んでた時に深澤が後ろで腕を組んで寄せにいってましたけどいい対応だったと思います。

左サイドでもチャンスメイクできるようになった分今までより深さを作れるようになったのでもう少しで決定機までいけそうなんですけどそこからの意図があまり合わないのは右サイドと同じなんですよね…クロスでのタイミングは合ってるので次はこちらの整備を進めてほしい所です。

展開があまり変わらなかったんですけど、仙台はシンプルに蹴って収めながら跳ね返しのセカンドボールを拾ってダイレクトに前進する形とマークを外してズレを作って受ける形の使い分けがしっかりしてましたし、プレス耐性が高かったですね。

ヴェルディはプレスがハマらなかった事とサイドから中央へ差し込むパスの意図が合わずに劣勢になってしまった印象ですけどクロスでは合ってましたし、しっかり寄せる所はできてましたし高い位置で奪う事自体はできていたと思います。

プレスは中々ハマりませんでしたけど高い位置で奪えてはいたので見た目程悪くはないと思いますが、サイドから中央を使う所が合わずに攻撃が停滞していた前半。



後半頭から阪野→山田へと交代。この展開なら積極的に深さを作っていった方が良さげなのでその交代なのかなと。

前半にも一度ありましたけど左WGの北島と左SBの深澤がスイッチするとSBの背後を使いやすい分チャンスメイクがしやすいように見えます。それと外から中へ差し込むパスやロングフィードに対して山田がポケットに流れて受けるように修正してきたようです。

この修正と晃樹と稲見がサイドで受けるようになりポゼッションが安定してきた事で中央に楔を入れられるシーンも出てきて押し込めるようになりましたし、陣形のバランスが良くなった分カウンタープレスも強力になってきました。

ただボールを持たれるとズレを作られ中央に楔を入れられるのは相変わらずで後手に回りやすい分奪い返した時の陣形が不安定でボールホルダーが孤立するシーンが目立ちます。

お互い中央でビルドアップの出口を作れてはいるんですけど中央は固いですね。

仙台がプレスラインをセンターサークル頭くらいに下げてきたのでテンポが落ち着いてきました。後半はどちらかと言うと受ける感じでしたけどはっきりセットした方がいいって判断なんでしょうか

62分に河村とバスケス→斎藤とマリオへと交代。マリオは左WGに入り北島が右WGへ移動。

マリオは元々スマートにプレーをする印象でしたけど寄せに行く所やデュエルの意識が変わってきた印象が強いですね。

64分に中島と山田→中山と遠藤へと交代。

ビルドアップはある程度安定したんですけど迂闊なロストをするとカウンターで危ないシーンを作られてます。

67分コーナーキックからのこぼれを押し込まれてしまいました。セットプレー自体はやむを得ない部分もあるんですけどその前の所でプレスを剥がされてましたからね。

仙台はプレスラインこそ変わってませんが無理をせず構える姿勢が更に強くなってきてスライドも速いのでスペースを使うのが難しくなってきてるんですけど、ロングフィードも使いながらサイドから前進はできてます。

75分に北島→小池へと交代。小池は初出場ですね。

仙台は後ろから繋がなくなったのでまずは安全第一にって事なんでしょう。それとヴェルディのプレスの出足が少し弱まってきたように見えます。

79分に氣田と郷家→フォギーニョと相良へと交代。前から順番に代えていき強度を保っていきたいのかなと。

81分に稲見→加藤蓮へと交代。

仙台は前進できればするけど時間を使うポゼッションをしながらで決して無理はしないのでゲーム運びが上手いですね。

仙台のプレス強度が復活した事でまた外回りのポゼッションになってきてスムーズな前進がしにくくなってきましたのでポケットに流れる山田が起点を作るのがメインになってきたんですけど仙台の守備が固いですね。そんな中でもクロスに逆サイドSBが入ってくる必殺の形は効いてる様子です。

87分に真瀬→キムテヒョンへと交代。左CBに入り菅田が右CB若狭が右SBへ移動。

サイドからチャンスメイクができそうではあるんですけど中央を封鎖されてるので仙台としては守りやすいと思います。

サイドに起点にクロスまではいけますがゴールを割れずに終了。



最後に、クロスでの出し手と受け手の意図は合ってましたしこの1週間で修正してきたんでしょうけど、サイドを起点に中央へ縦パスを差し込む所はにんともかんとも状態だった中、後半山田が左右のポケットで起点を作るように修正してからは良かったと思います。それと仙台が素晴らしかったんですけど中央をビルドアップの出口にできてなかったのと仙台がPKで得点した後に受けに回ってた所につけ入れなかった事に加え、マークを外す動きでズレを作られて守備がハマらなかったのが痛かったですね。

仙台のデュエルやマークを剥がす動きが上手く、連動した守備があまりハマらなかった事でいつものような試合運びができなかった大きな要因の1つだったように感じましたし、2失点目のダメージがプレスの出足に大きく影響したのもあったかなと思いますし、経験値の差は感じました。

仙台は元々守備はしっかりしてますけど、マークを剥がす動きと最後ラインの認知や判断力でプレスを剥がして前進できてたのが大きかったと思いますし、点差や時間帯を見ながら無理をしない試合運びができていたと思います。