20220427 第12節アウェイ甲府戦


アウェイ甲府戦。ヴェルディは4-1-2-3で甲府は3-4-2-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、甲府がCFの三平と右WGの鳥海が並びますが、その背後の間に梶川がいて両SBが高い位置をとり2+1のような形でのビルドアップ。アンカーの梶川の脇に晃樹が降りてきてDHを引き出してその背後を佐藤凌我が狙う形もありますが、WGを引き出して高い位置をとるSBからチャンスメイクをするのが基本線ですがシンプルにWGやSBを使う形もあります。そこからファーやマイナスクロスと戻して逆サイドポケットへのクロスが多いです。

甲府の保持時は、右CBの須貝がインナーラップして前線の枚数を増やし、サイドに開いたWG又はWBがヴェルディのSBを引き出した背後をWGが使ってクロスと、シンプルにヴェルディの背後をWGが突いてくる形がメイン。リラがいないからなのかCFが収める形はあまり無いですね。

ヴェルディの非保持時は、ハイプレス時に数的劣位でも寄せにいって剥がされてしまうのはまだあります…ファーストディフェンスが中々嵌まらなので難しそうですね。劣位で寄せにいくのは相手にスペースをプレゼントするだけになってしまうので避けたい所です。はっきりセットする事はそう多くないですけど人を掴みにいく傾向なのは同じです。

甲府の非保持時は、バックパスにはCBまで寄せていきますが、基本的には制限をかけるだけでGKまでは追っていきませのでここは整理されてますね。セットはCFの三平と右WGの鳥海が並ぶ5-3-2で3センター脇を使われそうになると鳥海が下がって5-4-1になりますが、5-4-1ありきって感じではないです。

ヴェルディは上記のようなビルドアップからの前進もありますが、シンプルにWG(主に竜士)に背後又はWGが絞ってSBを使ってチャンスメイクする形が目立つので甲府のWBや須貝を押し込めたいのかなと。今まで右サイドを使う事がかなり少なかったですけど今節はこちらも使えてますね。

甲府がハイプレスならGKを使って数的優位が作れますけど、ヴェルディはセンターサークルを頭にしたミドルプレスでも2CBでビルドアップするんですよね。加藤蓮が高い位置をとれば鳥海が背中で消そうとする分下がって5-4-1になるからOKという事なんでしょうか。ただ鳥海は簡単に下がる訳ではないので前を向いてボールを持てる事が少ないのでビルドアップは苦戦気味です。

ヴェルディはインナーラップしてくる須貝をどう見張るのか?がはっきりしてないので人数が足りずに押し込まれる事が多いです。中盤がついていっても良さそうではあるんですが

ヴェルディの選手がやたら足をとらせる(甲府の選手もありますが)のが目立ちます。パスがズレる事も結構ありますけどピッチへの適応の部分なんでしょうか?

甲府のWGを釣りだしてSBを使って前進するのは意図的にやってますのでその餌巻きなのかもしれませんが、ビルドアップが窮屈になってるのとのリスクとリターンがいまいち合ってない感があります。その為に3センターの人選をしてるのかもしれませんが、どちらかと言えばライン間でのチャンスメイクを得意なタイプなのでゲームメイクの所が少し難しくなってる印象。

甲府は最後ラインやDHオープンになった時に積極的に背後を狙ってきますけど、甲府のバックパスでラインを上げた時にプレスが嵌まってないので前を向かれてます。ラインを上げたいのならボールホルダーが前を向けない状況を作ってもらいたいなと。

15分に甲府の前線3枚が寄せてきてる中でもCB2枚でパス回ししてるんですよね。これではパスコースが無いので進めませんので最終ラインでは数的優位で安定させてもらいたいです。それに前に行ってる分CBから距離が遠く、そこからわざわざ降りて受けにくるのでマーカーを引き連れてきて詰まってます。

相手のマーカーを引き連れ空いたスペースを使っていきたいのはわかるんですけど、レイオフから空いたスペースを使えてる感じではないので低い位置から一発で背後を狙う形が多くなってます。

17分の失点はゴールキックでSBが釣り出された背後を宮崎が使って時間を作ってヴェルディのディフェンスを引きつけた所からのヒールを起点に綺麗に崩されました。

プレスが全然嵌まらず甲府に走らされるようになってきました。守備が後手後手になるのはここの所多いんですけど、奪えそうもないならセットしても良さそうです。

その後甲府が無理せず後ろ重心になった事もありますが、ボールを保持しても中々進めず持たされるような形になり、奪われるとSBの背後を狙われる悪循環になってます。

ヴェルディの数的劣位になってるプレスを剥がして前進し、サイドからチャンスメイクと先制した事で余裕が出てきたのもあるのか甲府は伸び伸びプレーできている印象。

甲府のWGを引き出してSBへ通してWGが絞り3バックをピン止めする意図はわかりますし、サイド奥から戻して逆サイドポケットへのクロスや最終ラインから梶川に通してDHを引き出したりIHへ縦パスを差し込めたりはしてるんですけどそこから先が中々上手くいきませんね。右サイドを使う事が増えた事以外ではここまであまりいい所が無いですね…

CBが保持してる段階でSBが高い位置をとり数的同数になっているので縦に速く攻めた方がいい陣形にですし速攻の方が良さげに見えます。実際最終ラインや梶川から背後を狙う佐藤凌我やWGを使った方がチャンスが作れそうになってますので

SBを上げてWGを絞らせて甲府のWBにどちらを見張るか選択肢を突きつける形があまりできてませんのでビルドアップからの遅攻が収支マイナスになってる印象。

甲府はバックパスにはプレスに行きGKまでは行かないとはっきりしてるのでスペースを空けてしまう事はあまり無いですね。

技術的なミスは基本的に言及しないんですけど、今節はパスミスやトラップミスがやたら目立つんですけど要員は何なんでしょうね。

ヴェルディがシンプルに背後を狙ってくる事が増えると甲府はセットしてスペースを消してきます。こうなると厳しいんですけど、結果的に遅攻になる分高い位置をとるSBを活かしやすくなったのでシュートまでいけるようになってきました。まあ中を締められてるのでチャンスを作る事自体は難しいんですけどね。

甲府のWGやDHを引き出して背後を使う意図はわかりますけどあまり上手くいっておらず、速攻の方がやりやすそうな陣形で数的同数の窮屈なビルドアップになっておりあまり機能してませんでした。それと数的劣位でハイプレスに行って剥がされスペースを使われてしまうのもまだありますね。

甲府はプレスに行く行かないの所がはっきりしてますし、インナーラップする須貝を効果的に使い宮崎がタメを作るのも効いてました。

入りは悪くなかったんですけど、プレスと攻撃の狙いが上手くいかず、甲府がやりたい事をできていて主導権をほぼ握られていた前半。



後半、頭から晃樹→理仁へと交代。アンカーに入り左梶川がIHへ移動。晃樹がどうこうと言うより3センターのタイプが被っていてあまり上手くいってませんでしたからね。

後半の甲府はWGが最終ラインに寄せずSBを、DHがIHを背中で見張る形にしてきました。リードしたので無理せずゲームを安定させようって事なんでしょうか。

ヴェルディのハイプレスが最低でも数的同数で行くようになった分連動性が出てきました。本来こうあってほしいんですけどね(^^;)

甲府もプレスを剥がして前進できますし、須貝をどう見張るか?がいまいち定まってないので押し返されるシーンが結構あります。

ヴェルディは深澤の位置が低くなり宮崎がボールホルダーに制限をかける所を牽制するようになってきたので相手選手間で受けて前を向きボールを持てるようになってきました。ここからWGがスペースを突いたりSBが高い位置をとりWGとのコンビネーションやアーリークロスでチャンスを作りにいきます。IHに縦パスを差せるので中央経由でサイドを使えてるので効果的です。

甲府がGKまで寄せてくる事もあり縦に速い形の方が崩せそうです。もちろん甲府が引いてスペースを消してるのも大いにあるんですけどね。

甲府はボールを保持して主導権を握るスタイルに転換してますけど、ボールを持たれる事をネガティブに捉えないクラブメンタリティがあるので走らされてはいますけどストレスに感じてるようではないように見えます。

55分過ぎると甲府がハイプレスに代えてきましたけどGKを使って回避しながらスペースを使える分こちらの方がやりやすそうですね。

これは前半からそうなんですけど足をとられたり技術的なミスが目立ちます。なので低い位置で繋ぐのはリスクになりそうな感じはあります。

63分の失点は中盤でスリップした所からのカウンターでした。足がかかっていたのでPK判定はやむ無しかなと

64分に宮崎と鳥海→荒木と飯島へと交代。連戦中ですからね。

交代は得点したからかシャドーを代えたからなのか元気になって強度を上げて前から寄せてきました。このピッチコンディションの影響も考慮してるのかもしれませんが

プレスを剥がしてスペースを使って前進しようとした時のファウルはアドバンテージをとってほしいですね…

68分に竜士→新井へと交代。

甲府のセットが人を掴むようになってきました。技術的なミスが目立つのでプレッシャーをかけた方がいいという判断なんでしょうか?そこから後ろで保持してプレスを呼び込みひっくり返せばいいみたいな感じに見えます。

75分に小池→バスケスへと交代。

スリップしたりパスがズレるリスクはありますが、ハイプレスを剥がしてスペースを使った方がいい形が作れそうなのは変わりませんし、ビルドアップから前進しようとすると後ろに人数がいないので苦しくなるのも同じです。

甲府は押し込んだ時にDH-WG-WBやサイドCBでサイドを崩してクロスとやる事はそう変わりません。得点できればいいしそうでなくても前向きで奪われなければいいみたいな感じですね。

81分に加藤蓮と大雅→山越と
阿野へと交代。連戦を考慮しての事なんでしょう。山越は右SBに入り深澤が左SBへ移動。

パスがズレるのもあるんですがヴェルディらしいサッカーに引っ張られすぎてるのかな?と思う所はあります。チャンスメイクができてないって訳ではないんですけど決定機はほとんど無いですからね。

87分に小林→ブルーノへと交代。CFに入り三平と荒木が1列ずつ降ります。

90+3分に三平→中山へと交代。

ヴェルディは押し込むって感じでもなく甲府も敵陣で時間を作れる展開のまま終了。



最後に、SBが高い位置をとってWGと数的優位を作りたかったようですが、縦志向の配置のまま遅攻をするようになってるので数的同数でのビルドアップになり窮屈になってましたので中々そこまでボールが来ませんでしたし、数的劣位でハイプレスにいき剥がさせてしまうシーンもありました。それと須貝をどう見張るのか?が最後まではっきりしませんでした。

甲府はWBやDHがヴェルディのSBを引き出してWGがその背後を狙う形が機能してましたし、フリーマンの須貝を上手く使えてましたので完敗と言っていいかなと。

失点はミス絡みなんですけど、パスがズレる事がかなり多かったのがピッチコンディションへの適応なのかメンタル面からなのかはわかりません。ただそれより縦に速く攻めたいのかパスを繋いでじっくり攻めたいのかのチームとしての意思統一がはっきりしてなかった方が影響が大きそうな印象です。

右サイドの小池や深澤を効果的に使えてたのは良かったですし、今節は降りてきて後ろ向きで受ける事が多かったので、パスを繋ぐ時は前を向いている又はターンして前を向ける選手を使っていこうとするだけでもかなり機能するようになると思います。今節はゲームプランやヴェルディらしいサッカーに引っ張られ過ぎてたような印象でした。