20230422 第11節ホーム山形戦

ホーム山形戦。ヴェルディは4-1-2-3で山形は4-2-1-3でスタート。

ヴェルディの保持時は、両SBが少し高めの2+3のビルドアップ。CBからSBに出した所への山形が寄せきれてない事があるのでヴェルディのWGがSBの背後やWG-SB間のスペースでフリーで受けて仕掛けていきます。左サイドはマリオが単独で仕掛けるか綱島がサイド奥に流れてのチャンスメイクで、右サイドは河村と宮原が連動して崩しにいきシンプルなクロスだけでなく約束事である絞った逆サイドWGが折り返す形もあるので厚みのある攻撃ができてます。

非保持は、下記するように山形がビルドアップ隊に人数をかけるんですが、基本的にはハイプレスでそれに合わせて後ろが迎撃に出ていく形。前線で数的劣位になる分もう少しセット気味でプレーの方向を限定させた良さそうではあります。ただセットしても人を掴むのかスペースを埋めるのがが曖昧になってしまってるんですがここは引き続きの課題かなと。今節はCFがCB同士又はGKへのバックパスのコースを切ってやり直しをさせない形なので中央を閉じながらサイドに出た所で奪いにいく設計のようですけどプレスがハマらず山形の3センターがフリーで前を向けてますそあまり機能してないように見えます。

山形の保持時は、SBがあまり高い位置をとらない2+4のビルドアップ。いつもこうなのがわかりませんが、ヴェルディは後ろに人数をかけるビルドアップでブレスを空転させられることが多いので対策でもあるのかなと。落ち着いてポゼッションできる時は左SBの山田が高い位置をとる3+2になります。基本的にはヴェルディのハイプレスを剥がして3センターがフリーで受け運んでからサイドに渡してチャンスを作っていきます。

非保持は、CFの藤本とトップ下の田中が並ぶ4-4-2で田中が背中で林を見張りながら中央を閉じヴェルディのSBにWGが寄せていく形ですが、田中が林についた時はWGが前に出ていきます。ヴェルディの配置と噛み合う分守備の基準点を決めやすそうですけど中央を締めるのを優先させているのでサイドは手薄になりがちです。

いきなり平→綱島→マリオのレイオフ綱島のスルーパスでチャンスメイクしましたが、山形の寄せがそうでもなさそうなのもありますが、相手を引きつけて空けたスペースを上手く活用できたと思います。

4分の失点は数的劣位で寄せに行った結果ライン間で田中にフリーで前を向かれた所からスルーパスとクロスでした。まあ数的劣位で寄せに行って相手にスペースをプレゼントして攻撃のスイッチを入れささればまあこうなりますよねっていうのが正直な感想です。

リードしたことで山形の出足が良くなってきましたのでこういうのはやはり流れですよね。ただヴェルディも球際やトランジションの所ではひけをとりませんし中盤での攻防戦はやや優勢に見えます。

山形はボールホルダーへ寄せきれておらず、ヴェルディは数的劣位で寄せにいく分プレスの剥がされた中盤にスペースができるのでバカ試合になりそうな雰囲気ではありますが、マリオは初速も速いので押し込んだ所からでも相手をズラせるのが大きいですね。

ヴェルディはエリア内に人数をかける攻撃を強調してきたんだと思いますがその反面守備が少し疎かになってる印象。数的劣位で寄せに行くのは相手にスペースをプレゼントし攻撃のスイッチを入れさせるだけになってしまいますし、ここはプレスの基本なので早急に改善してほしい所です。

攻撃がWGとSBが目立ちますが、全体的なペアリング(ポジショナルプレーでの第4の優位性である社会情緒的優位性)は良くなってきてる印象。なので余計このプレスが勿体なく映る訳ですが…

山形の外し方が巧いのもありますが、プレスにせよセットにせよファーストディフェンスが定まらないと奪い所を設定するのが難しいのでそれが前進を許している原因のようです。攻撃面を強調したら今度は守備が…はありがちではあるんですけどね。

GKのマテウスをビルドアップに組み込むと山形の2CFは数的劣位になるので奪いに行かずにセットするのだこの判断なんですよねー。ヴェルディは準備してきた形と違うのもあるんでしょうけど、行く行かない所と人に寄せるスペースを埋める所の曖昧さを山形に突かれてクリーンな前進を許してしまってるので得点より失点の可能性の方が高くなっている印象です。

山形がリードした事もありあまり手数をかけなくなってるのもあると思いますが、チャンスメイクや崩しではいい形は作れてますけどビルドアップの所では相手が出し手受け手を両方見られるパスで簡単に二度追いできる状態になってしまったりしているのであまり上手くいってません。まあ中盤の強度と引き換えに中央3レーンをビルドアップの出口にするのが難しくなってる部分もあるんですが、真の意味で強くなる為には超えていかなければいけない所なので球際切り替えのベーシックな部分を疎かにせずここの整備も進めていってほしいですね。

サイドでマリオや綱島、河村と宮原で優位性を作れますし、ファーストディフェンスが定まれば後ろも自信を持って寄せにいけますし、球際の勝負では優勢なのでここがハマれば形成をひっくり返せそうではあります。

終盤に中央に楔を入れてからサイドに叩くあわよくば中央突破を狙う形が出てきましたが、相手を動かせる分この形を優先させたいですね。

山形の寄せがそうでもないのもありますが、チャンスメイクや崩しはかなり形になってました。ただ山形の攻撃の形が想定外だったのを差し引いても守備がにんともかんとも状態で簡単に前進を許してましたので前から行くなら行くでボールより人を掴んでクリーンに前進させない所、セットするならするでしっかりスペースを消す所は徹底してほしいですね。

マリオがフィットしてきたのは収穫でしたけど、それ以上に守備がハマらず原理原則の部分で失点とあっちを立てればこっちが立たずのにんともかんともといった感じの前半。



後半頭からヴェルディ綱島と阪野→北島とバスケスへと交代。北島は左IHバスケスは右WGへ入り河村がCFへ移動。山形は後藤→河合へと交代。ヴェルディはファーストディフェンスが定まってなかった所とビルドアップで中央から運ぶ所の修正なのかなと。河合はサイドでの守備面を求められてるような感じです。

ヴェルディは晃樹が少し降りて北島が運ぶようになり中央でボールを持つ事が増えましたので修正が効いてるようです。相手をより中央に引きつけてからの方がサイドに時間と空間を渡せますし、サイドをケアしてくれば縦パスを打ち込めばいいですからね。

河村は相手が完全に前を向ける時はコースを切り、そうでないなら寄せるのでプレスのスイッチが入りやすくなり前半より守備がハマるようになってきました。ここは阪野や晃樹がどうこうというよりプレスに行く行かないの判断を整理したように見えます。

51分に山田→吉田へと交代。バスケス接触はしましたがおそらく筋肉系のトラブルのようですね。

ファーストディフェンスで制限をかけられれば後ろは自信を持って寄せにいけるので必然的に強度やインテンシティも高まりますし、ここまでやってきた形を体現できるようになりました。それに合わせてセットしてスペースを消す守備も大事ななのでどこに誘導してどこで奪うかの所も整備していきたい所です。

もちろんビルドアップからズレを作って丁寧に前進していくのも大切なんですけど、今のヴェルディは前線からプレスにいってテンポを上げた方が今何をやるべきか?がはっきりする分良さが出ますね。今節はWGが前を向いてボールが持てるシーンが多いのでここはしっかり修正できてます。

56分にスペースが無い所で北島のバイシクルのアイディアは良かったと思います。

ボールホルダーに寄せて時間と空間を奪いながら後ろが連動して人を掴み最終ラインを上げてコンパクトな陣形を保つ所はしっかりしてると思いますしチャンスも作れてるのでこの時間帯に追いつけたら一気に流れが変わりそうではあります。

喜岡がマリオを倒して警告を受けたので左サイドからの仕掛けを増やしても良さそうです。今節は左のハーフスペースに入ってくるのは左SBの深澤ではなくIHなんですが山形のWGのケアをさせるからなんでしょうか

69分の失点はまたしても数的劣位で寄せに行って剥がされスペースをプレゼントした所からでした。後ろが整ってなければ中盤が行くな!と声をかけてほしいんですけどね…隙を突かれたのは間違いないんですがプレスの原理原則ができてない2失点はにんともかんとも

71分に河村→佐川へと交代。クロスが増えてきたのでターゲットをって事なんじゃないかなと。失点したからてはなく予定通りの交代のようです。

山形はやや引き気味でセットするようになり今まで以上に球際で身体を張るようになってきたように見えます。野田のプレーの事だけではないのであしからず

77分にヴェルディはマリオ→加藤蓮。山形は田中→藤田へと交代。右DHに入り小西がトップ下へ移動。マリオは仕掛けの所で効いてましたし周囲との連携が良くなってきてますので後はシュートチャンスを活かしてほしいですね。

80分にエリア内でバスケスが倒されてPKを獲得。両サイドWGの所で優位性を作れてましたけどそれが実る形になりました。このPKをを北島が決めて1点差

PKゲットの仕事をしてくれたんですが、相手は少しでも時間をかけたいはずなのでバスケスが突っかかっりにいってしまったのはもったいないなと。

山形はセットするより前に出て人を掴む意識が強めになりましたが、セットして受けに回っても今の状態では耐えられないって判断なのかもしれませんが、どちらにせよ行くと決めたら行く!と全体の意思統一ができてます。ヴェルディはここがまだイマイチなんですよね…

86分に深澤→山田へと交代。CFに入り佐川がトップ下林が左CB平が左SBへ移動して4-2-3-1のように見えます。

87分に喜岡と藤本→チアゴアウベスとデラトーレへと交代。CFとトップ下に入り小西が右DH藤田が右SBへ移動。

サイドからチャンスメイクをしていきますが山形は人を掴む身体を張る所を割り切ってやってますしある意味死なねばもろともって感じなのでやはりなにふり構ってられないチームの割り切りは脅威です。崩しの形やアイディアもありチャンスは作れてるんですけどゴールが割れない展開なので中央も使っていきたいですね。

猛攻を仕掛けるもゴールを割れずに終了。



最後に、攻撃のバリエーションが増えてたのは良かったんですが、前半のプレスがハマらなかった事はまだいいとしても数的劣位で寄せにいってスペースをプレゼントしての2失点はさすがにいただけない対応でした。

配置が噛み合ってた分ビルドアップが上手くいかないのもありましたけど相手を動かしてどこにスペースができるのかをチームとして認知して使っていく所も進めていきたいですね。

しっかりした形でプレスのスイッチ入れられてなかったのは修正できてましたのでここはいいんですが、繰り返しになりますけど数的劣位でプレスに行き相手にスペースをプレゼントして攻撃のスイッチを入れさせるのは勇敢でもなんでもない行為なのでここの首は絶対にやってほしいですね。逆にここ以外はそう悲観する内容ではないので自信を失う必要はないと思います。

山形は寄せきれない守備は気になりますが速い時間に先制点が取れたのが大きかったんじゃないかなと。