20220528 第19節ホーム大宮戦


ホーム大宮戦。ヴェルディは4-1-2-3で大宮は4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は、最終ラインで回して相手を引き出してからのフィードや縦パスでライン間に入れてから横に振ってWGが仕掛けたり、同じ形からシンプルにWGが背後を狙うのが多く、盤面をひっくり返すか疑似カウンターが狙いの様子。押し込んだ時はWG-IH-SBと三角形を作りコンビネーションでポケット侵入やファークロスを狙います。ただ今節はここにSBが絡んでくる事がそこまで多くないです。縦志向な事もあるでしょうけどリスク管理の意識の所もありそうな感じです。

大宮の保持時は、町田の時程ではないですけど全体的にかなり右サイドへ寄り左SBの小野が幅(とはいってもハーフスペースまでですが)を取りロングフィードからセカンドを拾うかレイオフで前進してクロスの形がメイン。どちらかと言うと北九州の小林監督のやり方の方が近そうな印象ですけど、大宮の盾で殴る文化と近いとはいえこの短期間でそれっぽい形を作れてきてますね。もしかしたら高木監督時にNACKで北九州と対戦した時、散々ボコられ前半だけで3失点した時のアレをやるって説明でもしたんでしょうか?ビルドアップは三門が降りてSBを押し出す3+1や4+1のような形です。

ヴェルディの非保持時は、大宮が蹴る事が多いのでハイプレスのシーンはあまり無いんですが、ある時はGKまで追っていき後ろが連動して人を掴みにいきます。ただ数的劣位でもいってしまう傾向があるのも相変わらすの様子。セットした時はいつも通りの4-4-2でCFは中を切りながらボールホルダーへジリジリと寄せていきます。

大宮の非保持時は、CBまでにも寄せていきますけど基本的に4-4-2でセットしてのミドルプレス。前向きのボールホルダーに寄せていく時には奪いにいくというよりはコースを切る意識高めで寄せにいくって感じです。2CFは門を閉じて加藤弘堅をケアしてSBに出させSHが寄せ、加藤弘堅が降りた時はアンカーの位置に降りた大雅にDHがついていき前進を阻んできます。この辺りはさすがですね。

前述したように今節のヴェルディは縦志向な攻撃がゲームプランなんですが、ビルドアップの時に最終ラインがフリーなら持ち運んでコンパクトになるので問題ないんですが、相手がプレスにきてる時にも同じ形なので結果的に間延び気味で詰まりやすくなってます。

ビルドアップ時はボールホルダーがフリーなら持ち運べるスペースを提供する為に上がって受け手になれる位置をとり、プレスを受けてるなら降りてパスコースを提供するサポート

縦に速く攻めるならこれでもいいんですけどビルドアップ時ですよね。そこまで含めて使い分けを進めていってほしい所。

4:23から左上の得点表記色をオレンジに修正しました。細かいとこですけどありがたいです(^^)

大宮は右サイドに寄せて攻撃するので当然左サイドは空くんですけど縦パスを入れる事が結構あるんですが、密集してる中に差し込むと奪われる確率の方が高くなり割りに合わない事も多いのでもう少し逆サイドに振るのを組み込んでも良さそうです。

ビルドアップが上手くいってないのもありますが、大宮の追い込み方がいいので蹴らされ回収される回数が増えてきましたが、ボールホルダーにしっかり寄せ球際にもいけてますのでここまで含めたのがゲームプランなんでしょうか?元々前向きでの守備はできてましたけど、今節はしっかり戻る意識も高まってるようですね。

20分過ぎから大宮がビルドアップから持てるようになると普通の形にしてきたので使い分けをしてをしているようですが、こちらはどうやって前進して崩しにいくか?の意思統一があまりはっきりしておらず攻めあぐねてる事が目立ちますけどここはこれからなんでしょう。まあヴェルディを前に引き出してスペースを突く為にやってる可能性もありますが


27分の得点は、最終ラインに降りた三門からDHの小島への縦パスを加藤弘堅インターセプトして運び三門を引きつけてから大雅に出した決定機をモノにできました。端戸に出しても良かったと思いますが自分でいきましたね。リフレクションがありましたけど、無かったとしてGK弾かれていたとしても端戸が押し込んでいたのではないかなと。

結構な頻度で書いてるんですけど、角度の無い縦パスは後ろ向きで受ける事になるのでプレスを呼び込みやすく、前向きでインターセプトされる確率が高い分スムーズに前進されてしまうのでリスクが高いっていうのもこういうやつなんですよね。

大宮は失点してハイプレスをやるようになったんですが、2CF間が空きアンカーの加藤弘堅をフリーにしてしまっていたのであまり慣れてなさそうな様子。

ヴェルディはハイプレスはひっくり返し手数をかけずに速く前進する所と、ビルドアップはじっくり前進とここの使い分けがいいですね。端戸のキープとターンからチャンスを作れましたけど調子が良さそうで何よりです(^^)

ヴェルディのビルドアップがあまり上手くいってないのもありますけど大宮のミドルプレスでの追い込み方がいいので中々前進できなくなってきてるんですけど、リードしてるので奪いにこないなら持ってていいですし、奪いにくるならGK経由で回避してスペースを使えれば前進って感じでいいと思います。進めなければ戻してやり直して時間を使えばいいので無理をする必要は全くないですからね。

大宮の攻撃は左サイドに流れたCF目掛けて蹴ってから右サイドへの展開が多く、組織としてどうやって前進して崩すのか?はまだ難しそうな様子。

プレスを引き込んでからダイレクトや空けたライン間を使ってWGが仕掛けたり背後を狙う狙いは上手くいってたと思いますし、ビルドアップでじっくり進むメリハリは良かったんですが、じっくり進む時も速く進む時と同じ陣形で上手く進めてなかったのはこれからの課題ですね。まあこれは日本サッカー全体での課題ではあるんですが

もちろん大宮の追い込む守備が上手かったのも大きな要因ではありますよ。

今節は戻りも含めインテンシティを良くなりリスク管理にも気を配っていた中で先制点が取れたのは収穫だったなと感じた前半。



後半、引き続きお互いの狙いは変わらず中盤の攻防が激しい展開。

大宮が保持してる時にハイプレスに行くんですが、大宮は繋ぐ事に拘ってない分行くか構えるか?の判断が必要になるんですけどここが、ちと中途半端になってる印象です。リードしてるので無理にハイプレスに行かなくてもいいと思いますのではっきりセットしても良さそうなんですが

大宮の追い込み方が上手いのはありますが、ヴェルディのビルドアップがプレスをかけてくる選手にが出し手と受け手を同時に見られるパスが多くなってるのは気になります。

プレスかセットかが中途半端な分制限をかけられてないので次第に押し込まれるようになってきて、対応が後手後手になり崩されそうです。その影響でビルドアップもバタついてきましたように見えます。

大宮のハイプレスは今までやっていたミドルプレスを高い位置でやってるような印象ですね。

防戦一方って訳ではなくやりたい形も出せてますけどいまいち不安定なように見えます。

58分の失点は、大雅と竜士が中を切りながら寄せ縦に出させた所の意図が噛み合っておらず河田がフリーで抜け出されて奥抜へのパスが通った時点で勝負ありでしたね…コースを限定して出させたパスがどフリーで通ってしまうようではさすがにどうにもできません(^^;)

ヴェルディは当然前への圧力を強めていきますが、ちとバタついてる感じでパスがズレる事が目立ってきました。大宮は得点した事で落ち着けたのもあるでしょうけど安定してますね。

そしてまた押し込まれるようになってきました。連戦の疲労もあるのか出足が鈍ってきたようにも見えます。

62分に平と加藤弘堅と竜士→理仁と晴也と新井へと交代と元に戻してきました。ビルドアップの所での修正なんでしょうけど大宮の追い込み方が良かったのもあったと思います。

ビルドアップが安定してきてシンプルにWGに入れて仕掛ける形が増えてきました。大宮が中を閉めてるのでサイドからの仕掛けで崩していこうとの事なのかなと

ただ、プレスに行くのかセットするのかの判断が定まってないのは変わってないようですね。

72分に奥抜→泉澤へと交代。左SHに入り矢島が左CFへ移動。

少し引き込んでからプレスに行くようになったので守備も少し安定してきましたが、新井同様泉澤を起点にさせると枚数をかけさせられる分崩されそうなシーンは作られてしまいます。それプラス深い所からのサイドチェンジで振られるので隙を突かれそうな感じはありますね。ただ身体を張って守る所は良くなってます。

81分に河田と山田→富光と新里へと交代。

82分に端戸と大雅→バスケスと阿野へと交代。バスケスは右WGに入り小池がCFへ移動。

ヴェルディは出足は確実に鈍ってるんですが、最後の所はしっかり身体を張れてます。それと大宮を見てると「いい攻撃はいい守備から」を見せつけられてるようですね…

87分に矢島と三門→菊地と大橋へと交代。

ヴェルディレイオフで押し込んでからのサイドチェンジで揺さぶる形が出てきました。こうなるとどちらが先か?になってきますね。

最後の最後にビッグチャンスなありましたけどどちらもゴールを割れずに終了。


最後に、大宮のプレスを引き出して拡げたライン間を使ってサイドに展開して仕掛けたり背後を狙っりサイドチェンジで揺さぶって崩すプランはある程度できていましたし、速く前進するかゆっくり前進するかのメリハリも良かったです。守備でもしっかり戻ったり身体を張るの所は良くなってきてます。

ただ、ハイプレスかミドルプレスかがはっきりしておらず押し込まれて後手に回る所はまだまだありますね。

失点シーンは見事な程意図が噛み合ってなかったのでここははっきりさせてもらいたい所です。


加藤弘堅のコメント

後半、相手が前から来た中でうまく前進できなかった要因について聞かせてください。

特に、ここ最近ではヴェルディのサッカーとしてボールを動かすのは特徴ですが、前と後ろの要求しているプレーが少しズレたりする。それがあの瞬間で、それを修正しようとしているときに失点を食らってしまいました。時間帯を含めてタイミングが悪かったというのがひとつと、圧力が来たときに、前の選手は後ろの選手が持ち運ぶためにスペースを空けてくれていますが、そのときに後ろの選手としては少し前との距離が遠く感じて、前に運んだとしてもパスコースがないというのが、外から見ていてもここ数試合見られていました。それを修正しようとしていましたが、タイミングが悪かったです。ちょっとズレがあったのも事実ですし、ああなったときに何ができるかが大事だと思います。修正するつもりが自分も代わってしまったので、次に生かせればと思います。

ヴェルディに限らず日本サッカーでは散見される事なんですが、後ろはゆっくり前進したいけど前線は急ぎたいみたいな感じで意図が合わず分断されてしまっている事が多く、リージョの言う「同じ電車ではなく同じ車両で前進する」事ができないんですよね。

速く前進したいなら前も後ろも速く、ゆっくり前進したいなら前も後ろもゆっくりと進まないと相手に空いたスペースをプレゼントしてしまう事になってしまいますので

それと、ボールホルダーが前を向いてボールを持てるON状態であれば離れて持ち運ぶスペースを提供して相手のプレッシャーラインの背後でフリーでパスを受けられるコースを提供し、ボールホルダーが前を向いてボールを持てないOFF状態なら降りてサポートできるポジションをとるという所もポゼッションをやるには避けては通れない所なので時間がかかってでもやっていってほしいですね。

守備はハイプレスでもミドルプレスでも心を1つにできないとスペースを空け相手の前進を助けるだけになってしまいますので行くなら後ろも連動して人を掴んだりコースを消したりする。構えるなら前線がコースを限定して奪い所を作り後ろが回収するとここの意思統一も進めてもらいたいですね。ボールを奪えないと攻撃できませんし、意図的に奪えれば攻撃に繋げるのも容易になりますので