20230416 第10節アウェイ千葉戦

アウェイ千葉戦。ヴェルディは4-1-2-3で千葉は4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は、最終ラインからWGに当ててビルドアップをしようとするんですが、千葉は人を掴む意識がかなり強くSBが迎撃に出てきますし、IHがサポートしようとしてもそこにDHのがついてくるので中々前進できない事が多く、ポジトラ時もファーストパスの受け手に千葉の選手がついてくるので繋がらずに奪い返されてしまい中々攻撃の形を作れないシーンが目立ちます。

非保持は、今節は千葉がSBやDHの降ろして人数をかける事もありハイプレスより構える意識が強めでいつも通りの4-4-2なんですが、ファーストディフェンダーが定まらずに受け手にプレスをかけきれずに前進を許してしまう事がありますがここは千葉が蹴る事も多いのが影響してるのかもしれません。ネガトラは引き続き速いんですけど千葉のプレス耐性が高い事もあって今までよりも奪い返すまで至らない事が多いですね。

千葉の保持時は、最終ラインからSHへ入れてSBがオーバーラップでサポート(流れてきたブワニカが担う事も多いです)してDHへのレイオフでサイド奥やポケットへの侵入する形と、最終ラインの背後やブワニカに当てるロングフィードを使い分けます。ブワニカに当てる場合は見木がセカンドを拾いDHへのレイオフでチャンスメイク。押し込むと左右へ振りながらポケットへの侵入を狙いシンプルにクロスを入れてくる事は少なめです。

非保持は、4-4-2ですがかなり人を掴む意識が強めでボールホルダーを自由にさせない事を再優先されてるように見えます。リードした後はスペースを埋めるようになりましたが、左SRの椿は少し高めで山越と宮原を同時に見張るような意識が強めなので深澤を上げる分同数でプレスに行けるようにしている様子。

いきなり縦パスを椿に前向きでインターセプトされ綱島が倒す形になりましたが、角度のない縦パスは相手を背負うだけでなくこういうリスクもありますので使い方には気をつけてほしい所。

お互いビルドアップではサイドに入れるんですけど、受け手の自由を奪いきれてない分劣勢になってますが千葉のDHはプレス耐性が強いのでそのケアの為にサイドに出るのが遅れてる印象です。

ヴェルディは中々前進が上手くいかないので対角線のフィードしますけどWGが孤立気味で2人のマークを受ける事が多いのでここからチャンスメイクするのは難しそうに見えます。

パスワークというよりパワーで押し込められてるような展開で耐える時間帯が長くなってるんですが千葉は清水を参考にしたんですかね?

少しモタついて奪われてしまいましたが、ゴールキックで2CFの間の通してアンカーへ通したのはいい判断だったと思いますし、千葉の2CFが絞らないなら狙っていきたいですね。

千葉が人を掴む傾向が強いので剥がす動きも大事なんですけど、パススピードが少し遅く二度追いで対応されやすくなってるのもあるように見えます。

今節はあまり展開が変わらないのでいつもより書く事も少なめになりがち

千葉はたまに守備がルーズになることがあるのでこういう所を突いていきたいですし、バックパスで引き出した背後を狙うとビルドアップの出口を作れそうです。

ビルドアップで深澤がかなり高い位置をとりマリオが降りてきますが、マリオに梶川のようなチャンスメイクを担ってもらうようです。これは藤枝戦でもやってましたね。

プレスの圧力を感じで中々前進できないのは清水戦でもそうでしたが、千葉はタイトに人につく分シュートチャンスまでもいけない展開です。それとWGとSBが同レーンで並ぶシーンが目立つんですが、それなら縦パスからボールホルダーに近づいてレイオフを受けて展開やIHがサポートして三角形を作ってほしいなと。まあWGとSBが列ばなければいいっていうのもありますが

ヴェルディバスケスが運んでクロスが増えてきましたが、大外からのクロスだけではちと難しそうですしもう1つ中をとりたいんですけどサポートしきれてないですからね…

河村への縦パスを奪われた所から4vs4の数的同数で見木に運ばれてシュートのこぼれをブワニカに押し込まれました。CB2人のベクトルが向いてる所への縦パスはさすがにリスクが高すぎたかなと。

千葉は自分達のベースで先制できた事でプレスの圧力が強くなってきましたのでDHの脇へフィードするようになったんですけど、ここにもDHが迎撃に出てきますし、ハイプレスを受けると蹴るしかなくなってきて厳しい展開。ヴェルディがプレスに行くとSHへ蹴られて前進されてしまってますしにんともかんとも…といった所

千葉はゴールキックやセットプレーで時間をかけて密集を作るのでデュエル勝率が高いのを最大限利用してる印象です。

左SHの椿が山越と宮原の両方を見える立ち位置をとって人数合わせをしてるのもあるんですけど、数的優位の中盤が受けられそうな時にも戻してしまう事もありビルドアップの出口が作れてませんね。ここは元々懸念材料ではあったんですけど先制された事で如実に現れてしまっている印象で、深さをとる動きも少なくなってきました。

千葉がヴェルディに持たせてはっきりセットするようになりました。ヴェルディは運ぶドリブルで相手を引きつけ陣形を歪ませたり、パスに緩急をつけてリズムを変える事ができてませんし千葉とすれば守りやすいですね。

中々攻め手を見い出せないのでサイドチェンジからのクロスで攻めようとしますが、陣形が間延びする分拾われた時に逆襲を受けて大きく後退して守ると今までのヴェルディで嫌と言う程見た形が散見されるようになってきました。

コーナーキックマテウスがハンチングしたこぼれをマリオが拾って起点になりバスケスが運んでからシュートしましたが、千葉の人数が十分足りていたので決定機とは言えなかったかなと。

前の選手が降りたり絞ったりはしてるんですけど後ろから時間と空間を運べてないので最終ラインでパス回し大会になるのも嫌と言う程見たやつですね…

千葉が後ろに人数のかけたり蹴る事が多い分構えるのはわかるんですけど、受け手を潰せずにサイドで起点を作られてチャンスメイクされる事が多く、中盤より高い位置で奪ってからは形になってましたが、ビルドアップからでは時間と空間を運べずサイドに入れて戻す事の繰り返しでチャンスらしいチャンスを作る事ができませんでした。

デュエルで劣勢になった事が攻守に渡って影響してるようでしたし、ほとんど何もできなかった前半。



後半頭から山越→斎藤へと交代。右IHに入り晃樹が左IH林が右CB綱島がアンカーへ移動。数的優位なはずの3センターでボールを引き出せてなかったのでその修正なのかなと。

千葉は福満→田中へと交代。前半途中から足を気にしてましたからね。

後半はビルドアップでは斎藤が入った事もありIHが降りて叩いてから上がったりして人を掴む傾向が強い千葉の陣形を動かせるようになってきましたけど空いたスペースをあまり活かせておらず前進が中々上手くいかない事が多いです。スペースやターゲットへのロングフィードで繋げれば前進できますけど千葉がしっかりついてくるのでその先からは難しそうな展開ではあるんですけど背後で受けて起点を作れるようになったのは一歩前進かなと。

千葉はブワニカに当てるんですけど基本的に後ろ重心なのでサポートする意識は低めなので収められれば前進するけどねって位な印象です。

50分に林が少し運んで陣形を中央に寄せてからバスケスに出しましたけどこういうプレーを増やしていきたいですね。

千葉はバックパスには追ってきて人を掴むのでその背後のスペースを使えればビルドアップの出口を作れそうなのは前半と同じなのでここを狙っていければスムーズに前進できそうです。

ビルドアップは中々上手くいきませんが敵陣に入り込めるようになってきました。

GKの新井が露骨に時間を使うようになりましたが、なりふり構ってられないチームがリードしたら普通こうなるでしょうからここはやむを得ない部分ではあります。仮に逆の立場だったら同じ事をしてたと思いますし

河村が流れて他の選手と被ったりしてるのでボールを引き出す仕組みはまだまだ未整備な様子で前半と同じような対角線のフィードを拾われるようになってきました。

バスケスが斜めに運んでマリオへフィードして前進できましたが、横や斜めに運んで陣形を動かしながらの斜めのパスも効果的なので使っていきたいですね。

敵陣でポゼッションできれば間で受けたり降りたり背後を狙ったりするシーンが多くなり、アイディアもありますのでビルドアップの整備を進めていってほしい所です。

レイオフやSBからの斜めのパスでアンカーが受けられるようになりましたけど、素直にサイドに出すより中央を見せて相手を密集させてから出すと時間と空間を届けられるようになりそうです。

65分にヴェルディは河村とマリオ→加藤蓮と阪野へと交代。マリオはフィットするのにもう少し時間がかかりそうですね。

千葉は西久保→松田へと交代。

千葉は敵陣で保持すると繋いで背後を狙ったりはしますけど、追加点よりカウンターを受けないようにするのを優先させてる印象。まあ当然ではありますし十分理解できるんですけど、これなら尹晶煥監督を代える必要なかったんじゃないかなと

背後を狙うにせよ前線に当てるしせよ選手が被ったり動いて空けたスペースを見れてないシーンが目立つんですけど、ビルドアップがまだまだ未整備なので受け手がプレスのターゲットになりやすいのもあると思いますが、ビハインドでの焦りというより千葉のプレス強度が影響してるように見えます。現地で感じたよりモビリティがあるのは良かったんですけど出し手と受け手の意思疎通が合わずそこを使えてないんですよね…

72分にブワニカ→呉屋へと交代。

ビルドアップしたくても角度の無い縦パスで簡単にプレスのターゲットにされてしまいフリックで何とかするみたいになってきましたが、こうなると得点より失点の可能性の方が上がってきますね…

75分にバスケス→楠へと交代。

千葉は敵陣ではボールホルダーに寄せにきて自陣ではセットから寄せにいくとプレスを使い分けてヴェルディの前進を阻むようになりより前進が困難になってきました。

78分に晃樹→山田へと交代。山田はトップ下のような位置にいて4-2-3-1のように見えます。

背後を狙って深さを作る動きはあるんですけどそこにあまりボールを出てきませんね。千葉はセットプレーにもかなり時間をかけるようになってきましたが残り10分ではこうなるかなと。

千葉はロングフィードで手数をかけずにセーフティーに攻めながらもプレスは継続してるので、ヴェルディは蹴って何とか収めてって感じのラフなフィードが増えてきたのでこれでは苦しいですね。

千葉はセットプレーにたっぷり時間をかけ戻りも速いんですが、これはこれで理想と現実の差を思い知ってるような感じではあります。千葉は前線に蹴るかサイドに蹴り出すか対応がはっきりしてきました。

90+1分に見木と椿→風間と矢口へと交代。

ヴェルディもシンプルに前線に蹴るようになりましたけど、縦より角度をつけた所から放り込んだ方がチャンスを作れそうですし、ここは前節対戦した秋田と比べるとさすがに見劣りします。

放り込み続けましたけど決定機を作れないまま終了。



最後に、千葉のプレスをプレッシャーに感じてたのも大いにあると思いますが、課題であるビルドアップからの前進がほとんど上手くいかず決定機を作る事ができませんので完敗だったと思います。相手を動かす緩いパスと通す為の速いパスのメリハリが無く折角作ったスペースを活かせてませんでしたね。

現地で観た印象よりボールを引き出したり背後を狙って深さを作ったりはしてるんですけど、プレスを受けて時間を削られる分スペースを知覚できてなかったのもあったと思いますので時間と空間を前線に運ぶ所に関してはまだ先になりそうですね。ここは清水戦に続きプレス耐性の所からの問題でもあったように感じました。

まあヴェルディに限らず日本サッカーでの前進手段はほとんど前線が収めて押し上げる時間を作るか、無理目の縦パスをトラップやフリックで何とかしようとする形がほとんどで時間と空間を運べてないんですよね…

千葉はこのスタイルなら間違いなく残留以上の結果は出るでしょうけど、これなら尹晶煥監督から交代した意味が無いと思いますので勝ち点3以上の価値があったかというと…というのは感じました。なので理想と現実の差を痛感した試合ではあったかなと。