20230226 第2節アウェイ大分戦

アウェイ大分戦。ヴェルディは4-1-2-3で大分は3-4-2-1でスタート。

序盤のヴェルディは後ろから繋ぐよりGKのマテウスが左ハーフスペースへ降りてくる阪野を狙って蹴り、左WGの竜士へのフリックして突破をはかりながら中央で右IHの斎藤がサポートする形で大分のハイプレスをひっくり返す準備をしてきたようです。ビルドアップは大分のハイプレスを剥がせず前進がままならないのでフィードを基本線にせざるを得ない状況になってます。

非保持は斎藤を前に出す4-4-2は変わらずですが、大分の最終ラインが3枚なので追うというより間を詰める感じでジリジリ寄せていきます。右DHの野嶽がアンカーのようになる3+1を2人で見ながら寄せるのはちとキツいですからね。バックパスには竜士も寄せに行くんですけどそうするとGKの西川を使って回避してきます。ここは片野坂監督の頃からやってるお馴染みの形ですからね。

大分のビルドアップは上記しましたが、右サイドでWBの茂に右シャドーの野村と右DHの野嶽かCFの伊佐が絡んで三角形を作ってサイドから崩しにきて3人で大外の内外とハーフスペースを共有してる様子。左サイドは左シャドーの梅崎にサイドに流れますがこちらはシンプルに突破やクロスを狙う形のよう。ヴェルディのプレスを剥がした時はCFの伊佐が背後を狙ったり降りて起点になったりして効いてますね。

非保持はCFと2シャドーで中央を塞いでサイドに誘導してWBが迎撃しにきて2DHがヴェルディのIHを見張る事でサイド奥へのコースを塞ぎにきます。ヴェルディがオープンな状態で持ってる時はWBが最終ラインに降りて5-2-3になりますがここの判断がいいですね。

大分のビルドアップが上手いのももちろんありますが、ヴェルディが数的劣位でもプレスに行ってしまったり配置が噛み合ってないので後ろが連動できずに後手後手になってる事と、降りてくる野村に最終ラインがついていくか2列目に受け渡すかがはっきりしておらず起点を作られてしまっているので、大分としては前進に苦労してるの感じはなさそうです。守備では大分は空いてるSBにはWBが迎撃に出る守備の基準点がはっきりしてるので迷いなく飛び出して来れるのでヴェルディは前進がままならない状態です。

内容が被りますが、ヴェルディはハイプレスに行きたいんですけど噛み合ってない分後ろが押し上げられないので中盤にスペースができ、大分のフィードと跳ね返してもセカンドを拾えない悪循環に陥っているので、数的劣位で寄せに行かないのを徹底するかセットしてスペースを埋めても良さげに見えます。ハイプレスは心を1つにできないと相手にスペースを与え攻撃のスイッチを入れるだけになってしまいますからね。セット気味にすると大分のサイドCBが持ち上がってきて野村が間で受けるセット用の形は持ってますけどヴェルディとしてはどちらかはっきりさせた方が安定しそうです。

西川と同じようにマテウスもフィード能力が高いので開幕戦くらいビルドアップに関わるか、加藤弘堅か晃樹が降りてきて数的優位を作ってポゼッションを落ち着かせてもいいかもしれないなと思いました。IHがサイドに流れ大分のプレスから開放された時は起点を作ったりスムーズに前進できてるんですけどいかんせん回数が少ないです。

ロングレイオフでプレスを剥がす準備はしてきてるんですけど精度が落ちる分苦し紛れ感が否めず、いい守備ができなのでいい攻撃ができない状況ですね…

15分を過ぎると大分はポゼッションするようになったのでリズムが落ち着いてきたのと、ヴェルディが4-3-3で大分の最終ラインをハメにいくようになったので序盤よりは状況が良くなってきたんですけど23分位からまた押し込まれる展開。サイドからのクロスに関しては大分は上背のある選手がいない分そこまで脅威にはなってませんけど耐える時間が長いです。

ここまで押されてる展開ではあるんですが、大分は決定機を作れる所まで至ってないのでスタッツはヴェルディの方がいい数字が出てますがこれはあるあるですね

ハマらないプレスで前線の運動量だけが増えているので30分過ぎには前線の選手に疲労の色が見えてきたのでこのままではジリ貧になりそうです。

藤本のクロスを野村が合わせて決定機を作られましたけどマテウスのビッグセーブに助けられましたので何とか踏ん張りたい所。ヴェルディは中盤から降りてきてビルドアップ隊を増やして何とかしようとしてるんですけど組織としての練度が乏しい印象です。

大分としてはプレスを剥がしたりひっくり返したりしながら野村が降りたり間で受けてチャンスメイクとやりたい事が概ねできていた割には決定機をあまり作れてなかったのが悔やまれるって感じでしょうね。ヴェルディはプレスが全然ハマらないので後ろが押し上げられず中盤にスペースができている所を大分にひっくり返され、セットもはっきりしないのでサイド攻撃を耐える時間帯が長く、前線の選手の疲労が濃そうでした。マテウスのビッグセーブに助けられましたけどこの内容でスコアレスなら万々歳と呼んでもいい内容だった前半。



後半頭から竜士→加藤蓮へと交代。左サイドをほとんど使えてなかったのでそのテコ入れなんだと思います。

ヴェルディはビルドアップ時に多くの選手が低い位置に降りてサポートするように修正してきました。繋げればそれでいいですし、ロングフィードも活きやすくなりコンパクトな陣形を作れる分トランジションも改善したんですけどこれを試合中に修正できるようにしていきたいですね。それとシンプルに大分の3バック脇を使うようになりました。

ヴェルディも押し込むとWGIHSBが大外からハーフスペースとサイドに人数をかけてポケットを攻略していきます。4-1-2-3では定石ではあるんですけどね。

守備ではGKの西川には寄せに行かなくなり外を切るように構えながら距離を詰めていくようになりました。3-4-2-1は中央が厚いんですけどWBよりマークをはっきりできるからなんじゃないかなと。

修正して流れを取り戻しそうになってきた中54分のコーナキックから失点してしまいました。マークが被ってフリーになったペレイラのヘディングシュートをマテウスがセーブしたこぼれを藤本に押し込まれたんですけど試合の中で2回マークを離してしまうと難しいですよね…

ヴェルディはまた中盤が空いてきてビルドアップが引っかかるようになってきました。守備は数的劣位では寄せに行かないのは継続できてるんですけどビハインドになってしまいましたのでどこかで無理をせざるを得ないので難しい所ではあります。

59分に阪野と加藤弘堅バスケスとマリオへの交代して4-4-2へ変更。並びを変えて大分のプレスにギャップを作りながら前半から最終ラインをひっくり返せそうな感じでしたのでここにフレッシュな選手を入れたって事なんでしょうか。

実際並びを変えて中央でレシーバーを増やしてビルドアップの出口を作れた事で晃樹が開放され前進がスムーズになってきたんですが、クロス時に前に行き過ぎる傾向が強めな印象です。

69分に梅崎と藤本→中川と高畑へと交代。

大分のプレスにズレができた事と、選手に疲労の色が見えてきて寄せきれなくなってきた事で中央から前進できるようになってきましたのでそこからサイドに展開してチャンスメイクをしていけてますし、コンパクトな陣形を保って前進できているのでカウンタープレスを効果的です。リードした大分が無理をしなくなったというより流れを引き戻したの方がしっくりきますね。

73分に河村→北島へと交代。流れを引き戻したのでさらに機動力を上げていこうって事なのかなと。北島はマリオと縦関係になり4-2-3-1のようになってます。

大分はフレッシュな選手を入れてプレスに行きたそうな感じなんですけどスタメン出場の選手達がついてこれてない分前半のヴェルディのような状況になってますのでヴェルディとしては狙い所な時間帯であまり急がなくても良さげに見えます。

80分に斎藤→林へと交代。

大分は自陣でセットする事が増えましたが、スコアやスタミナと相談すればこちらの方がいいでしょうね。という訳でヴェルディは大分が戻りきる前に前線に当てる回数が増えました。

82分に伊佐→宇津元へと交代。

前半からありましたけどロングレイオフで前進できるようになりました。サイドからの平行orマイナスクロスまで整備されているので用意してきた形なんでしょう。

中央からサイドに展開してポケットから決定機を作る所まではいけてるんですけどゴールが割れない時間帯が続きます。

90+1分に野村と野嶽→町田と羽田へと交代。

前進してチャンスメイクはできてますがゴールを割れずに終了。



最後に、大分が疲労で寄せきれなくなってきたのもありますが、4-4-2に変えズレを作り中央から前進してチャンスメイクできるようになった修正は見事でしたけどこういう試合で勝ち点を獲得できるようにしていくのが当面の課題かなと。

寄せに行く行かないのとこを整理して守備が機能するようになったんですけど、ここは試合中に修正できるようにしていきたいですね。

大分は相手のプレスを見てどこが空いてるかを見てボールを前進させていたのは確かなんですがそれ以上にヴェルディのプレスがにんともかんともだったので判断が難しい所はあります。まあ野村が列を降りたり間で受けたりして前進を大きく助けていたのは間違いないんですが

ヴェルディは4-1-2-3をやるには現状スカッドが足りないんですけどそれ以上にプレス回避の手段が乏しかったのでこちらの判断も難しいんですけどね。


晃樹のコメント

相手は立ち位置や選手のクオリティも高かったので、自分たちの守備が今日は中途半端だったところがが大きく、わりとどこにでもパスを出せる感じにしてしまったのが、よくなかったです。

今節はこれが全てだったかなと。