20220403第8節ホーム大分戦

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ホーム大分戦。ヴェルディは4-1-2-3で大分は4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は、大分がハイプレスに来るなら小池へ蹴りますが、基本的には逆サイドWGへのフィードがメイン。ビルドアップはWGかサイドに流れたIHから1列後ろへレイオフから背後を狙うかサイドチェンジで前進する形ですが、大分の寄せが速く中々上手くいかない事が多いです。

大分の保持時は、小林裕紀がCB間に降りてSBを押し出すビルドアップで、空いた中盤に小林成豪が降りてきます。縦パスを中に当ててサイドに叩いて運んでからクロスやシュートとシンプルに前進してきますし、詰まりそうならCF(長沢なら足元呉屋なら背後)目掛けて蹴るのも躊躇ないのでどちらかと言うと縦志向って印象です。GK含め後ろで回してプレスを呼び込みCFがライン間を使ってチャンスメイクする形も色濃く残ってます。押し込むとクロスを入れられそうなら入れダメなら戻して逆サイドを使い無理に中央突破を狙う事は無いですね。

ヴェルディの非保持時は、ハイプレスで追っていくとGK高木はフィールドプレイヤー並みの技術があるのでここで剥がされる事が多いです。ミドルプレスならGKを使えませんし、陣形が整ってるのでバックパスでGKを使われてもついていきやすい分こちらの方が良さげに見えます。

大分の非保持時は、ハイプレスは2CF+SHでヴェルディのCB+山越をハメにきますけど、抜けられたら無理に追わずセットに切り替えます。CFが理仁への門を締めながらSHがサイドで蓋をしてますし、CFがヴェルディのCBまで追っていく時は迷いなく一気にいくので連動性がいいですね。

まずはお互いトランジションが速く、前線の選手を守備をしっかりやるので中盤での攻防戦がメインで押し込んだ時にもトランジションで剥がされた方がカウンターを受ける展開。

大分は小林成豪が最終ラインに降りたDHがいた所にいるんですけど、CFからのレイオフや運んでカウンターの起点にする為に置いてるようですね。自分の所がダメならサイドの香川を使えばいいという感じ。ここに山越がついてくるなら呉屋がその背後を狙おうとしてますし、CFが降りてポストプレーをするとそのサポートに寄っていってからサイドチェンジしてスペースから前進するのでしっかり組織化さてるなと。

9分位からヴェルディはミドルゾーンでセットするようになりました。GKの高木を使ってプレスを剥がされてますし、バックパスに追っていくにも組織的に掴まえにいけるのでこちらの方が良さげな印象。

13分に佐藤久弥のフィードを長沢にブロックされヒヤリとしたシーンがありました。

佐藤久弥のコメント

前半の立ち上がりに相手選手にパスをブロックされる場面もありましたが?

あそこは純粋に判断が遅れました。(小池)純輝くんがフリーなのが見えていて、そこに蹴ろうと思っていましたが、一瞬左を見たときに長沢(駿)選手のプレスが止まっているように感じたので、もう一個運べると思った瞬間にスピードを上げて詰められました。そういった意味では勉強になったというか、試合の入りだったので、自分の中で消極的というか落ち着いてやり過ぎた部分をうまく突かれました。そこは今日の反省点です。

固さもあったかもしれませんが長沢との駆け引きの部分だったようですね。まあこういう所は経験を積んでいくしかない部分でもありますので。

ヴェルディは大分のCBが前を向ける時は寄せに行かずにセットして、大分の縦パスやその後の横パスを狙いにいくようになりました。

ミドルプレスにして守備は良くなったんですけど、攻撃は大分のセットディフェンスを中々超えられず逆サイドWGに蹴る事が多いです。別に悪い事ではないんですが、サイドに開いたIHやWGからのレイオフで理仁を使えるようになるとバリエーションを増やせそうなんですが

17分に竜士の速いクロスをGKの高木がカットしたんですけど何で足から行ったんですかね?

大分が保持する時間帯が続きますが、大分はヴェルディのSBが出てくるまで何度でもやり直しますしCFがヴェルディのCBとマンツー状態になっていてるならシンプルに使ってくるので我慢を強いられる展開。詰まりそうならGKまで戻してプレスを剥がしてきますので運動量が多くなってます。

大分が2CF+SHで蓋をしてるので、そのSHの背後でSBがフィードを受け前進する形が出てきました。そこからの佐藤凌我が縦パスを収めたり、フィードの跳ね返しを拾って二次攻撃に繋げたり、奪われてCFに縦パス入れられてもCBが迎撃して奪い返すと少しペースを掴めてきたような感じです。

25分位から大分は連戦の影響もあるのかあまりボールホルダーに寄せにこなくなったので、ボール保持が安定して間に縦パスを差し込めるようになってきましたが、そこには大分がしっかり寄せてくるのでアタックゾーンまで侵入するのはちと難しそうな感じですけど少し落ち着けるようになりました。

大分のようにバックパスでプレスを呼び込んでからWGへのフィードで盤面をひっくり返した方がチャンスを作れそうです。

大分がCBとマンツーになるCFやSBの背後を狙う事だったり、自分のポジションを守るビルドアップに慣れてきたのかプレスで制限をかけやすくなってきたんですけど、いかんせん動かされてるので優勢になったって訳ではないですね。攻撃では中央に起点を作ってサイドに展開できるようになってはきたんですが

40分に山越から梶川→小池と繋いだんですがこの2人のトラップが上手かったですね。その後のクロスに中央に佐藤凌我がいてその外に竜士と加藤蓮とここは約束事になってるんですけど縦に速い展開でよく入れてたと思います。

43分の得点は佐藤凌我がキープして時間を作り、逆サイドの梶川に拡げてハーフスペースに入ってきた加藤蓮がカットインしてからの形でしたが、ちとスリップした事でハーフバウンドになったのも大きかったかなと。右隅を狙ったコースは完璧でした。

大外の逆サイドへ展開した時にSBがハーフスペースに入ってくるのは以前からの約束事なんですが(若狭がよくやってましたね)大分ボールを保持しいくつか決定機を作ってた中で、小池が背後に抜け出した以来の決定機をモノにできました。

こうなると大分は当然前への圧力を強めてきますが、ヴェルディのセットディフェンスはボールホルダーに制限をかけ縦横にスライドして対応できてます。まあリードした事で大分のバックパスに追っていく理由が無くなったのも大きいと思いますが

大分がボールを保持しアタックゾーンに侵入されていくつか決定機を作られてましたが、途中から大分にプレスを剥がされいた所からプレッシャーラインを下げて対応するように修正して少しペースを握れた中で少ないチャンスをモノにできました。個の力のあるチームが意思統一して組織的に連動していた大分の強さを感じた前半。



後半、大分はシンプルに背後に蹴るようにしてきましたが、ヴェルディ小林裕紀が降りた3バックまでは寄せにいかず制限をかけるだけなのは変わりません。

ヴェルディのSB片上げ3バックのビルドアップに大分の2CF+SHが寄せるのは前半と同じですが、梶川がサイドに降りて小林裕紀を連れていくのでサイドCBから理仁への斜めの縦パスが入るようになった事と、理仁がサイドに降りる事で大分のCFが寄せる分2CF間の門が空くので佐藤凌我が降りてきて受けるようになりました。前半理仁が消されていたのでその修正のようですね。

それと梶川がサイドに降りて理仁が梶川がいたスペースに入るポジションチェンジもあり前半と比べると大分のプレスを剥がせるようになってきました。

ハイプレスもGKの高木まで寄せにいく時は後ろが連動して人を掴みにいくので前半より窮屈なビルドアップを強いる事もできてます。

これらの修正で大分を押し込みペースを握れるようになってきました。

48分に高い位置で奪って山越のクロスをペレイラが跳ね返したボールを梶川がボレーで狙いましたが、これが入ったらドバイカップの理仁のやつでしたね。

渡邉の寄せが遅れたので加藤蓮が小林成豪との間から運んでいきペレイラに潰されてしまったんですが、この判断が良かったですね。ペレイラが迎撃に出るという事はそのスペースを埋めるのに右SBの伊東が中に絞る分竜士を空けられますからね。

後ろが連動して最低でも数的同数ならGKまで寄せて、数的劣位になる時は寄せずにコースを切るとここのメリハリが効いてるので大分のビルドアップを阻害できてます。プレスに行く行かないの部分でベンチから誰かが指示を出してるようなんですけど誰なんですかね?

相変わらず中盤での攻防戦は激しいんですけど主導権は握れてます。大分は連戦に次ぐ連戦なので疲れがあるのも大いにあると思いますが

58分位から小林成豪が降りてビルドアップのサポートをするようになったんですが、ヴェルディは誰が見張るのか?をはっきりさせないと崩されそうな感じで、この修正で大分のビルドアップが安定してきました。ここから背後を狙うか縦パスを差し込んでヴェルディの陣形を動かして隙を突くかを使い分けしてるようです。

61分に渡邉と長沢→中川と伊佐へと交代。似たようなタイプではあるので連戦を考慮しての事なのかと

プレスが上手くハマらなくなった事でヴェルディが数的劣位でもプレスにいってしまったりして大分が前進できるようになってきました。リードしてるので無理に追う必要はないですしちともったいないですね。

67分に佐藤凌我と竜士→新井と大雅へと交代。大雅は右IHに入り晃樹がCFへ移動。

前半から走り回されてた影響なのか、ヴェルディの出足が鈍ってきて相手に寄せきれなくなってきて押し込まれるようになってきました。

大分が自分達の時間帯になった事でハイプレスを強めてきますが、そこを剥がして左ハーフスペースに降りた晃樹がフリーで受けペレイラが警告されたシーンのように剥がす事はできてるんですが。

前線からの制限がかかりにくくなってきたのでヴェルディの陣形がズルズル下がり押し込まれる形が出てきました。大分は横に揺さぶって空いた所を狙ってきます。

大分も疲れが出てきてるので空いた中盤を使ってヴェルディもチャンスメイクはできてるんですけど決定機を作る所までは至りません。

75分に小池→バスケスへと交代。いつものやつって感じですね。

バスケスが入った時にベンチから指示があったのか、数的劣位ではプレスに行かなくなったので守備が安定してきました。

76分に小林裕紀と伊東→エドゥアルドネットと松本へと交代。槍タイプのSBを入れて攻撃的にという事でしょうか。

80分に梶川と加藤弘堅へと交代。梶くんほんとお疲れ様でした。アンカーに入り理仁が左IHへ移動。

大分が保持してヴェルディがカウンターの展開ではありますが、大分のインテンシティが上がってきた中でトランジションが速く球際で戦えてますし、中盤での攻防戦まで押し戻せてます。

84分に呉屋→宇津元へと交代。

大分はシンプルに縦パスやフィードからサイドに叩いてクロスがメインなのでヴェルディが奪ったとしても前向きではない分カウンター対策にもなってます。下平監督は柏の時からそうですからね。

残り5分位から大分はパワープレーを含めて押し込んできますがヴェルディはしっかりセットしてスペースを消せてます。ヴェルディはどちらかと言うと人を掴む傾向があるんですけどここではスペースを埋める事を優先してます。

前線からの献身的なプレスやプレスバックもあり押し込まれて耐えるだけにはなってないのは素晴らしいんですけど前半から動かされてきたダメージが色濃く効いてるようですね。

何とか耐えきって終了。



最後に、大分は個の力があるのはもちろんなんですが組織としての練度も非常に高く、連戦に次ぐ連戦の影響を感じませんでしたしよく勝てたなっていうのが正直な感想です。

前半大分がヴェルディの選手間選手間を使ってプレスをいなして前進していた分ヴェルディの方がガス欠が早かった位ですからね…

決定機の数も大分の方が多かったですし、ヴェルディは縦志向で刺せましたが基本的に大分のペースだったと思います。

ヴェルディは数的同数以上ではプレスに行き、数的劣位なら行かない所の判断が良くスペースを空けなかった守備が良かったですし、ボールを持たずに主導権を握る時間帯もありましたのでここはチームとして前進していると思います。

解説の松原さんは多くの事柄を的確に解説して下さるので何が起きててどういう意図なのかが見えやすかったですね。さすがです。