20230401 第7節ホーム大宮戦

ホーム大宮戦。ヴェルディは4-1-2-3で大宮は4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は、アンカーの林が2CF間、深澤が本来のアンカーくらいの位置をとり、降りた時には梶川が大外に降りて加藤蓮がハーフスペースに入り、阪野が背後を狙う又はライン間を空けながら梶川or加藤蓮が横に運んで右WGの河村へ出し、宮原が内外からサポートして河村がクロスを入れたり仕掛けるのが基本線のようです。梶川と加藤蓮はポジションを変えながらプレーしてますし、WGが引いた時は阪野が流れてスペースを使う約束事のようなので、左サイドで作って右サイドへ展開するプランのようですね。それとシンプルにボールを入れて奪い返してからのショートカウンター狙いもあります。

非保持は、いつも通り4-4-2のハイプレスなんですが、今節は左WGと左IHを入れ替えるのでその時によって阪野の相棒が変わります。大宮のSBが降りて数的劣位になる時はスペースを埋めるようにシフトしますので行く行かないの判断は引き続きいいですし、相手が完全にボールを支配下にしてる時は手を伸ばせば届く位まで寄せ、そうでない時は奪いに行く意思統一もしっかりしていて今までより隙のない守備ができているように見えます。左DHの小島が2CF間にいる時は入れさせないというよりもそこからの受け手を潰す形のようでしたが途中から掴むようになりましたので本来は使わせたくなかったようですね。ネガトラの反応も前向きにボールホルダーに寄せられる選手が寄せていきプレスバックで挟む所も徹底されていますので今までより寄せやインテンシティが上がったように見えます。

大宮の保持時は、左DHの小島が低い位置に降りて左SBの茂木がかなり高い位置をとる3+1で左SHの高橋が絞るんですが、かなり速いタイミングで茂木や右SHの芝山に入れるのでビルドアップというよりサイドに入れてスピーディーに運ぶのが基本線のようなので、ヴェルディのブロックの外側を起点にクロスやSBのオーバーラップからチャンスメイクするのと、2CFが収めてサイドに叩いたりシンプルに背後を狙ったりする形を使い分けますけど優先順位はあくまでも背後の様子。

非保持は、最終ラインまでは寄せず出した所からプレスのスイッチを入れる敵陣のセンターサークルを頭にしたミドルプレスなんですけど、SHはセットというより最終ラインにプレッシャーをかける意識が強めに見えます。なのでヴェルディのWGが降りるとDH脇で受けられてしまいますのでDHがスライドして対応するのが約束事のようです。ただしバックパスには前から追ってきます。

今節は大宮の2CFへのフィードにCBが迎撃に出てくる意識が高めに見えますので、背後を使われてたり起点を作られる事にかなり警戒をしているようですし、対アンジェロッティを想定してたんでしょう。

上記したようにヴェルディの守備の連動性が良くなってるので、大宮は前の4人が収めてからの攻撃がほとんどでクリーンに運ばれる事はほとんど無いです。まあ大宮がそういうスタイルではないのももちろんありますが

10分過ぎから林が最終ラインに降りてきて宮原も高い位置をとり、河村がサイドで受けた時にアンダーラップで背後を狙うシーンが出てきたんですが、ビルドアップは色々な形を仕込んてるみたいですね。CBが本職の林が降りた時に奪われても強度に影響は出ないのでそこまで計算されているみたいですね。

18分に中野→室井へと交代。中野は直近に接触プレーは無かったのでハムストリングス?に問題が出てしまったのかなと。アンジェロッティが外れてる中では痛いでしょうね…

ヴェルディはサイドに張った河村と梶川にシンプルに入れる事も多く、マテウスも蹴るのでまずは敵陣にボールを入れるのを優先して奪われたら奪い返してショートカウンターを狙いながらもリスクヘッジをしている様子。ビルドアップからの前進は今の所あまり上手くいってませんし、後々取り組んでほしい所ですけど、まずは隙を作らないユルさを許さないのを優先してこのクラブ伝統の悪癖の改善に取り組んでもらえてる訳ですからね。

背後のスペースを使われて押し込まれる時間帯が長くなってきましたが決定機を作られる所までは至ってはいないんですけど、狙い通りの形で奪い返せてないもあってポジトラがあまり機能しておらず奪い返されてしまう事が多いです。

大宮は降りてきたCFやSHからのレイオフをDHが受けて背後を狙う形も出てきました。中央を割られてる訳ではないんですけどあまり使われたくはないですね。

左サイドは加藤蓮が背後を狙ったり降りた時は阪野が流れるタスクはしっかりしててチャンスメイクから崩しはデザインされているようなので、後はここまでどうボールを運ぶか?って所かなと。とはいえこの守備の強度とインテンシティありきからになりますのでちと時間がかかる分先制点を与えるのは避けたい展開。

守備の強度やインテンシティは開幕時より更に上がってますけどビルドアップから相手を動かしてスペースを突く所はまだまだと強み弱みがはっきりしてる展開が続きます。ただジレてる感じはないのでボールを持てない事でストレスを感じなくなってるのが活きてるのかなと。

44分に宮原のポケットへ差し込むパスを梶川がヒールで落として林のシュートと崩しのバリエーションは色々あるようなので、カウンターの他にアタッキングサードでの崩しも整備されてきてるのはわかりました。

ヴェルディはボール奪取位置が低く奪って反撃に転じる事が少なかったですし、大宮の方がやりたい事をできてましたが、前半の途中に守備の修正をできたのは良かったですね。

守備の他にカウンターやアタッキングサードでのデザインされたチャンスメイクや崩しがあるのがわかったのが個人的な収穫だった前半。



後半頭から阪野→バスケスへと交代。右WGに入り河村がCFへ移動。

後半のビルドアップは縦パスをつけて大宮の陣形を寄せさせたり、バックパスで引き寄せてから降りてきてレイオフから空いた味方を使うようになりましたのでまずは落ち着いて相手を動かしていこうって事なのかなと。河村が大宮のDHの背中に降りてきて起点を作ろうとする動きもあります。相手に当てたスローインや引っ掛けて前進してサイド奥まで運び、右サイドはバスケスの仕掛けもありますがけどWGとSBのコンビネーションでIHが後方から支援をしてポケットを狙いにいきます。河村がCFになった事でプレスの出足が速くなってるので今までより高い位置で奪えるシーンが増えてきたのもありますね。

両チーム共クロスに逆サイドWG(SH)が入ってきてフィニッシュに絡んでくるんですけど、大宮はポケットのファー寄りでヴェルディはもう少し内側まで入ってきます。

55分にCBが大きく開いてGK-CB-アンカーで菱形を作るようになったので大宮の2CFをピン止めして高い位置からビルドアップができるようになってきました。それとバックパス時以外にも大宮が縦パスを阻む位まで最終ラインに寄せてくるようになったんですけど、SHのプレスが斜めのコースを消しきれてないのでCBからパスを受けたSBがフリーで前を向けるようになりました。

大宮は富山が少し降りて起点を作ってから落としたり直接サイドに叩くんですが、SBに入れる分全体を押し上げるので前線に人数をかけられてますね。

59分に平から降りてきた梶川に当ててのレイオフで背後をとった所から決定機を作れましたが、敢えて真っすぐ降りる事で相手にプレスのスイッチを入れさせその背後を使って前進できました。相手を動かし空いた所を使えるようになればビルドアップがもっとスムーズになってくると思います。

60分に梶川→斎藤へと交代。梶川と加藤蓮は役割を入れ替えてましたが斎藤とは固定気味のよう

斎藤がアンカー脇で起点を作る事でビルドアップがスムーズになってきました。落とした後バスケスが降りて左SBの茂木を引きつけその奥を斎藤狙うので仕込んでる形なんでしょう。現時点での完成度はそこまで高くはないですけどビルドアップにもデザインされた形があるようで何よりです。

65分にバスケスの仕掛けから宮原に落としてファークロスを大外から入ってきた深澤が合わせて先制します。逆サイドポケットに侵入してくる形はずっとやってるんですけどWGの加藤蓮でなくSBの深澤でしたので約束事が浸透してきてるんでしょうね。

この直後に高柳と富山と柴山→泉澤と栗本と大山へと交代。これで前線4人が代わったんですけどDHの小島が最前線に上げてDHとSHを代えた形なのでSBを上げて人数をかけ厚みを出したいのかなと。

68分に加藤蓮→綱島へと交代。左IHに入り斎藤が左WGへ移動。リードすると中盤をゴツくしてモウリーニョみたいにしてきますね。

この時間帯でもネガトラの反応や寄せの強度は落ちませんので固い守備は継続できてます。

リードしたからなのか、サイドからポケットを狙うコンビネーションで急がなくなったのでいける時はいくけどダメなら時間使えばいいじゃん位の余裕が出てきたのもかもしれません。

大宮はアンカーを消しながらプレスの強度を強めてきましたので、攻撃の厚みを出す他にヴェルディに蹴らせて回収あわよくば奪ってショートカウンターを狙う意図のようです。

79分に河村と晃樹→マリオと山田へと交代。大宮はハイプレスに移行してきたので盤面をひっくり返そうって事なのかなと。

泉澤からすればビハインドで残り10分なら小島に打ってほしかったんでしょうね。まあそれはよくわかりますが

押し込まれるようになりましたが崩されそうって事はそう無いですし、我慢して耐えてる印象も感じないのでインテンシティや身体を張る所はストレスなくできているようです。

映ってないんですけど警告された山越はバスケスが倒された時に何が言ったんですかね?

マリオは推進力がありますし、フィットしてきたらもっと大きな戦力になりそうです。

87分に石川→新里へと交代して両SBを上げ3-4-2-1へ変更。起点を上げて中央を厚くしてきました。

1点差ですし5バックにしてくるのかな?と思ったんですけど今節はやらなそうです。ボックス内にはそうそう侵入されてないので相手をゴールから遠ざそうって事なんですかね

特に危ないシーンを作られる事はないまま終了。



最後に、ボールホルダーにしっかり寄せて自由と選択肢を奪いながらハイインテンシティと身体を張る守備は今までより更に強度が増してましたし、エリア内に侵入される事も少なく決定機はほとんど作らせてなかったですね。

ただブロックの外から手数をかけずに前進されて押し込まれ、意図した奪い方ができてなかった分すぐ奪い返されて主導権を握られてましたけど前半途中に修正できたのはよかったと思います。

後半は守備と崩しの他にビルドアップにもデザインされた形や相手を動かしスペースを突くのを少しずつ体現できるようになってきてるので、隙を見せない守備ありきになる分劇的に変化!にとはいかないでしょうけど整備を進めていってほしいですね。

大宮の伝統的な守備の固さがあり、あまり手数をかけませんがSBを押し出して厚みのある攻撃ができていて攻守に渡ってハードワークしてましたので自分達の時間帯でモノにしたかったんじゃないかなと。