20220605 第20節アウェイ横浜FC戦


アウェイ横浜FC戦。ヴェルディは4-1-2-3で横浜FCは3-4-2-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、奈良輪片上げの形ではありますが、2CFと長谷川も前に出てきて深澤を牽制するので奈良輪が降りてサポートする事も結構ありますね。2CFが加藤弘堅への門を閉じようとするのでその脇を使ったり、右DHの手塚が出てくる分その背後のスペースを端戸が使ってサイドに展開していきます。それと今節は右CBのンドカから左WG竜士、左CBの平から右WGの小池への斜めのフィードが目立ちますが、おそらく横浜FCの最終ラインを押し下げたり広げたりしたいのかなと。もちろんサイドを崩せれば1番いいでしょうけど

横浜FCの保持時は、左CBのカブリエウを上げDHのどちらかが降りてビルドアップ。サイドはWB1人で数的劣位になるのでサイドCBが後ろからサポートしますが、どちらかと言うと後ろから丁寧に繋いでじっくり前進というより1人飛ばして相手を動かしながらサウロミネイロを起点にしたいようです。なのでヴェルディが前がかりの時はシンプルに入れてきます。

ヴェルディの非保持時は、CBまで寄せにいくハイプレスなんですけど、後ろがはっきり連動できてない事が多くスペースを前進されてしまっているシーンが目立ちますが、ロングフィードを収めて何とかできる選手がいるので果敢に行かなくても良さそうな感じです。セットはいつも通り4-4-2なんですが、スライドやデュエルと守備でしっかり戻る所は良くなってきてますね。

横浜FCの非保持時は、バックパスには追ってきますけど基本的にはCBまでは追わないミドルプレスで、セット時は左WBの亀川が最終ラインに降りて4-4-2になるザッケローニ仕様。ただ、最終ラインが持ってる時はサウロミネイロと小川が加藤弘堅への門を閉じようとする分長谷川が牽制に出てきます。1列目を突破されると人を掴みにくる傾向が強いです。

開始直後は小池とサウロミネイロを狙うロングフィードで様子見といった感じ。


加藤弘堅から小池へのフィードを亀川が跳ね返したんですが、首を振ってフリーである事を確認しながら梶川がその跳ね返しを拾えるポジショニングをとって前進し、プレッシャーラインの背後でフリーになりパスコースを作れるポジショニング(パスを受ける前に首を振ってフリーである事を確認してます)からサイドチェンジで決定機を作れました。ボールがどこにこぼれてくるか?やどこを使えば前進できるか?をしっかり認識しているとスムーズに前進できますね。

中盤での攻防戦が激しいですけど、しっかりボールホルダーに寄せてデュエルしたり守備に戻る所は良くなってますね。ただ中盤で不用意なパスを奪われると1人で運べる選手がいるので相手が網をかけてる所へのパスは避けたい所。

ヴェルディは基本的にハイプレスなんですが、端戸は数的劣位では寄せにいかないのでここの判断はいいですね。数的劣位で寄せにいってしまうと相手にスペースを与え攻撃のスイッチを入れてしまうだけになってしまいますので

10分に中村と竜士がやりあってましたけどこれでお愛顧。まあこの2人はこういうとこよく似てますからね

ビルドアップで2CB+深澤3枚で横浜FCの2CFに対して数的優位は作れてるんですけど、深澤には長谷川が近い位置で牽制しているので奈良輪がはっきり降りてしまった方が良さげに見えます。噛み合わせ上浮くポジションですし、右WBのイサカを引き出してもらった方が竜士(井出)が空きやすくなるので前進するのが楽になるんじゃないかなと。

13分から深澤を上げて奈良輪を降ろすようになりました。長谷川が牽制して蓋をしてくるのでその対応なんでしょう。これで1列目を超えやすくなってきて右DHの手塚が加藤弘堅を見張る形になった分スペースができるので、IHや竜士を使いやすくなってきました。端戸が降りて使う事が多いですが中央CBの岩武が迎撃に出てくるので、井出がレイオフを受けられる所にいるか井出が受けて端戸が最終ラインを中央にピン止めしWGが背後を狙う形の方が良さげに見えます。もちろんCFのポジションにいる端戸に差せるのであればこれが1番いいです。

SBが運んでIHが外に流れWGが絞り旋回するのが約束事のようですけど、レーンが被り真縦のパスを背負って受ける事が結構多いんですよね…それならワンツーからのサイドチェンジの方がいいかもしれません。1列前と同じレーンに並ばず隣のレーンにいる事と2列前は同レーンにいて三角形を作る所はもっと詰めていってほしい所です。

セットする時間が多くなってきましたが、1つサウロミネイロに差し込まれたのはありましたけどサイドに誘導して蓋をする対応はできてますね。ただ奪った後背後を突くカウンターはまだ意思統一がはっきりしてない様子。プレスもそうなんですけどカウンターも心を1つにできないと難しいですからね。

そういえば、最近はクロスを入れる前に変にコネていつ入れてくるかタイミングが掴めないって事がほとんど無くなってきましたね。こちらの方が前線の選手は合わせやすくなるのでいいと思います。

飲水タイム後ビルドアップでハメられてから横浜FCが自信を持ってボールホルダーに寄せてきて後ろも連動してくるようになりました。なのでひっくり返したいんですけどあまり上手くいってない印象。加藤弘堅がビルドアップの出口を作ってくれてるので剥がす事はできるんですけどそこから先がにんともかんとも…

どこにスペースがあり(作り)前進するか?の所はプレスを受けてる事もありあまり見えてない様子。解説の佐藤悠介さんも言ってますけどレーン被りでパスコースを減らしてしまっているのも大いにあるんですが

これはお互い様なんですが、ビルドアップで崩しきるよりシンプルに背後を狙った方が可能性が高そうですね。それを撒き餌にできるかどうかはその次の話しになりますし

横浜FCは人を掴みにくるのでもう少し列を降りたり登ったりしてもいいかなとは思うんですがプレッシャーがキツいのもあってそういう動きはそんなに多くないですし、最終ラインからシンプルにWGを狙う事も減ってきましたので中々前進できません。

43:58にハイプレスに行った井出に後ろが連動してない事にアピールしてましたけどそういうのはどんどんやっていきましょう。

WGへシンプルにフィードしたり浮いた加藤弘堅をケアをする形によってできたスペースを使って前進する所はできてましたが、プレスでハメられてから寄せの強度が上がった事もあり前進できなくなってきました。守備はハイプレスの連動はまだいまいちでしたけど、セットはスライドやデュエルとしっかり戻る所は良かったと思います。

横浜FCはビルドアップというよりはサウロミネイロに当ててシャドーを使ったりする形が多かったですが、自力でキープして前進できますしやはり来ないでJ2レベルでした。守備も方向をはっきり限定できない時はそこまでではなかったですが、限定できる時は自信を持って迎撃に出てきました。

お互い決定機を作れてませんでしたけどやりたい形はある程度出せていた前半。



後半、横浜FCは直接又はレイオフでサウロミネイロに入れ前進しようとする形は変わりませんけどよりシンプルになってきました。おそらく風上になった事で変えてきたのかなと。守備は中を閉めてくる意識が高くなってきたようですね。

ヴェルディはセンターサークルのにちと後ろ位に頭がくるようなセットなので低めのミドルプレスになりました。サウロミネイロへのケアなんだと思いますが空中戦よりは背後の方が怖いという判断なのかなと。

両チームとも相手を広げながら前進はできてませんが、横浜FCは個で何とかする事もできるのでちと劣勢な様子。ヴェルディのビルドアップはサイドに誘導された所でスイッチを入れられて回収される回数が増えてきました。

長谷川が出てきますし、サイドで全部ハメられているので4枚でビルドアップを始めて時間を作り、手前と背後のスペースどちらを使うか?を選択しながら進めた方が良さそうなんですが

狭いとこ狭いとこに追いやられるとデュエルで分が悪い分難しくなりますね。端戸がサポートが少ないシーンでも時間を作れるのでそれで何とかしてるって印象です。

竜士がプレスバックで奪って端戸に預けてから加藤弘堅に落としてポケットへのスルーパスは綺麗な形でしたけどここまで無かったですからね。

54分の得点はこの流れで得たコーナーキック加藤弘堅と平がくっつき平が加藤弘堅を回り込むようにして加藤弘堅がニアにいく事で平のマークについていた岩武を剥がしてフリーになってニアポストで合わせました。梶川のボールもピンズドでしたけど平が回り込んで加藤弘堅がニアにいく事で岩武をブロック(バスケで言うスクリーン)で上手く剥がせたのも大きかったかなと

55分、直後のキックオフでガブリエウからのフィードでサウロミネイロと平が競り合ったボールがこぼれてイサカに打ち込まれました。油断してた訳ではないんですけどこぼれを信じて詰めていたのが大きかったのかもしれません。

横浜FCはWBからハーフスペースを抜け出すシャドーからクロスとビルドアップからアタックゾーンまで進めるシーンが出てきました。

ヴェルディはビルドアップの形が変わらないので、横浜FCからしたらIHがサイドに流れてきてもDHが捕まえればいいよね?って感じで慣れてきた分スピードが上がってきました。

中盤で奪われサイドに展開されクロスを入れられる事がかなり増えてきて我慢の展開が続きます。梶川が降りてきてマンツーを剥がそうとしてるのでここや背後を狙うWGを使っていきたいんですが、どうやって前進するのか?の意思統一がはっきりしてない印象はありますね。

66分に深澤が長谷川を引き出しながら横にドリブルしてサウロミネイロを引きつけンドカ経由で平がフリーで持ち運べたシーンがありましたが、クリーンに前進する為のプレー原則は詰めていってほしいですね。

69分にイサカ→山下へと交代。右サイドでのマッチアップで優位性を作れてるのでここにフレッシュな選手をって事なんでしょうけど、相手チームがよく知ってる選手を何故飲水タイム直前に入れたんでしょうね?

73分に奈良輪と端戸と竜士→谷口と佐藤凌我と新井へと交代。谷口は右SBに入り深澤が左SBへ移動。左サイドの対策とハイプレスのスイッチを入れクリーンに蹴らさない所の強化なのかなと。こちらは飲水タイム後でしたね。

直後にハイプレスで追い込みあわやのシーンがありましたので効き目があるようです。

右サイドでは深澤が受けた時に長谷川に蓋をされてましたが、左サイドではそういうタスクは無さそうなので比較的クリーンに縦パスが入るようになりましたし、ハイプレスになった事で横浜FCは今までよりはクリーンに蹴れなくなってきたので少しミスが増えてきました。

セットディフェンスはここまで特に問題ありませんでましたが、より安定してきた印象です。持たれる事を苦にしてないというか

79分に長谷川とサウロミネイロと手塚→松浦と渡邉と拓也へと交代。この時間帯でこういうカードがあるんですよね(^^;)

横浜FCがプレスラインを上げてきましたけどそこまで制限をかけきれてなかったり、佐藤凌我の所で収めて盤面をひっくり返す形が出てきた分中盤にスペースができるのでヴェルディの前進がスムーズになってきました。佐藤凌我が降りてきてのポストプレーでも効いてますね。前進して新井に預け仕掛けからファークロスとお馴染みの形もよく出てくるようになりました。

83分に井出と梶川→大雅と晃樹へと交代。

ちとオープンな展開になってきたのでどちらに転ぶか?という展開ではありますが、IHの所にスペースがあると仕掛けやパスが活きてくる分ヴェルディの方がちと優勢かなと。

88分に中村→高木へと交代。

終盤立て続けにチャンスを作れましたし、横浜FCにもチャンスがありましたけど両チームともゴールを割れずに終了。



最後に、ハイプレスは揃ってない事がありましたが、セットディフェンス時のスライドやデュエルとしっかり戻る所の守備面は良かったですしサウロミネイロにもよく対応できていましたのでここは改善した部分だと思います。

ただビルドアップでは誘導されて刈り取られていたシーンが散見していて個人の頑張りに委ねられて部分がかなりありましたのでここの所の柔軟性はまだまだといった感じでした。交代で長谷川の牽制をかわせるようになりスムーズに前進できるようになったのは良かったんですけど、柔軟性を持たせてピッチ内で修正していけるようになってもらえたらなと。

力のある相手に臆せず挑めてましたのは良かったですし、やるべき事をしっかり詰めていってもらいたい所です。