20220918 第37節アウェイ町田戦


アウェイ町田戦。ヴェルディは4-4-2で町田は4-2-3-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、SHが中に入ってSBが幅をとる4-2-2-2から前進したらSBが上がって2-2-4-2のようになり、密集を作って前線に当ててからの落としを受け縦志向で速く前進する形と、CF目掛けて蹴ったセカンドを拾ってからサイドに展開とシンプルな形を使い分けてますので、自陣からしっかり繋いでって感じはあまり無いですね。スタイルの変化もあるでしょうけどピッチコンディションも考慮してる様子。

町田の保持時は、右SHの太田の突破や左SHの山口に入れて左SBの翁長がサポートして起点を作ってからのクロスや戻してからDHが中島へスルーパスを出したり、フリックで横に叩いてシンプルに前進する形がメインの様子。それと中盤で引っ掛けてショートカウンターも明確な狙いにしてますね。

ヴェルディの非保持は、CBにも寄せてはいきますけどあくまでも制限をかけるのが狙いのようで、そこからの受け手に強く寄せていきます。ただ、寄せにいくのかスペースを埋めるのか所がいまいちはっきりしてない部分があり相手にスペースを与えてしまっているシーンが結構ありますね。中盤でデュエルに挑めてるのはいいんですけどやらずに済む時にもやるようになってしまうというか

町田の非保持は、中島と長谷川が並ぶ4-4-2でのミドルプレス。CBには制限をかける位で出した先から寄せていきますが、形が噛み合う分やりやすそうですけどここはお互い様な部分ではあります。ただバックパスには追っていきます。

まずはお互い蹴り合う展開。このピッチコンディションではそうなるでしょうね。


2分の得点はスローインからだったんですが、右サイドに7人が寄ってダイレクトに縦方向に繋いでからのシュートの跳ね返しを逆サイドSBの深澤が押し込む形でした。SHが中に入りSBが幅をとる形を意識してやれてるからこそ深澤があそこに詰めてたんでしょう。

ヴェルディは先制してからは後ろで回してファーストラインを越えた辺りから無理をしなくなりました。町田はここから先が固いですし、リードしてるのでこれでいいと思います。前進できればサイドに入れてシンプルにクロスを入れる形なら相手は前向きで奪う事が難しくなるので被カウンター対策にもなりますし、中央に人がいてこぼれに反応できる人も置けてるのでチームとしての約束事でもあるんでしょう。

ヴェルディは前線が収めたらSBが上がってくる分町田はその背後のスペースを狙ってきますので、行ったり来たりの展開になっています。このピッチコンディションではかなり早い時間帯で疲弊していきそうな印象。

13分の失点は翁長と安井に長谷川も関わって左サイドを崩されてからのクロスを中央で山口がフリックしてファーの中島に詰められた形でした。綺麗な崩しでしたし中島のフリックで勝負ありって感じでしたね。

失点後はテンポが少し落ちてバックパスが増えてきました。もちろんバックパスが悪い訳ではありませんが、相手のプレスを呼び込み詰まるようになってしまっているシーンもありますので、相手を引き出してから背後を突くとか明確な狙いをもった上でやってもらいたいですね。

それと縦パスを奪われてスムーズなカウンターを受けてしまう事も増えてきました。密集を作ってそこから出させない!くらいでないとリスクばかりが目立ってしまうのでここも擦り合わせを進めていってもらいたいなと。

町田としては中盤で引っ掛けられる事か増えた分太田の突破に頼らなくても良くなった感じはあります。

ヴェルディはSBが上がった背後をDHが埋めてリスク管理をやってたのはいい対応だと思うんですけど、リスク管理の部分をもう少し詰めていってほしいのと、サイドに叩いてクロスを入れる時等ボールが前進する時はそれに応じて全体的にポジションを上げないとカウンタープレスが効きにくくなるのでここも擦り合わせをすすめていってほしいてすね。

飲水タイム後バックパスで町田のプレスを呼び込んでひっくり返して前進する形がありましたが、こういう意図があるバックパスはいいと思います。

町田もレイオフで縦に速く前進する形がありますが、ここは以前から取り組んでた所ですからね。

町田はこういうスタイルに慣れているのも大きそうではありますが、やや押し込まれるようになってきました。町田はこのスタイルをしっかり作りあげてきたのでここはやむを得ないかなと。

大雅が相手との駆け引きからチャンスを作れましたが、戦術やタスク等の制約の上に自由というか『ヴェルディらしさ』を乗せられるともっともっといい方向にいくでしょうね。ある程度制約があり選択肢を絞っている方が判断を速くできる分自由な発想が活きやすいくなると思います。例えば美味しいものが食べたいと焼き魚が食べたいでは作り手もイメージがしやすいでしょうし

後は城福監督も言うようにクロスの選択肢の部分かなと

まだまだ作りかけのプログレッション(縦に速く前進するスタイル)で町田に挑むと主導権を握られやすいのはやむを得ない中で、序盤や大雅の発想からいい流れを作れました。

SHが絞ってCFとポジションチェンジをしたり、SBが幅をとりCFが背後を狙いながらもポストプレーで起点を作る所は連戦の中である程度形が見えてきたのが一番の収穫だったと感じた前半。



後半頭から奥山→祥平へと交代して3-4-2-1へと変更。CB-SB間を使われていたのでその修正なのかもしれません。

48分の失点は、前節にもあった密集を作られマンツーにつきづらい状態を作られ後ろから入ってきた太田に合わせられました。密集を逆手に取られてしまいましたね。

リードしたら町田は3(5)バックにした事が活きてきます。非保持は5-3-2〜5-4-1と中央をより固めてきます。

ヴェルディの最終ラインが町田の1列目の枚数プラスワンを作れるように稲見がポジションの上げ下げをやれているのはいいですね。

中盤で密集を作れてる分引っ掛けて奪い返してカウンターのような形を作れてますので少しずつ形になってきたかなと。

町田は形が変わった後の方が幅を有効に使えてるように見えるので、レイオフで相手を引き出して背後を狙う形もより活きてくるようになった印象です。

55分に小池と稲見→河村と奈良輪へと交代。奈良輪は左SBに入り深澤が右SB晴也が右DHへ移動。

56分に中島→アラウージョへと交代。当初のプラン通りだったと思うんですけど、中島年齢を感じさせない機動力がありますね。

相手が出し手と受け手の両方を見られる縦パスは受け手に全ベクトルが向くので、降りて受けたりパススピードを上げる等工夫をしないと受け手を危険に晒す事になってしまいますのでもう少し使い方を整理していきたいですね。もちろんピッチコンディションの問題があって難しい所はあるでしょうけど

ンドカとアラウージョ接触プレーの後に祥平と何が話してましたが、祥平はよくわかるでしょうね(笑)

町田は後ろが3枚になった事でWBがフリーで持てる事が増えた分前への推進力が上がってきたので、ヴェルディはひっくり返しにいこうとしますが町田の方が上手くいってる印象。

63分に晃樹が間を突破して奈良輪がシュートを打ったシーンはオフサイドの判定でしたけど、映像でははっきりはわからないので副審の判定を尊重するしかないかなと。

66分に長谷川→晴山へと交代。

サイドのスペースを突かれる事に加えロングフィードでの競り合いで分が悪く陣地回復をされてしまっていて中々手立てを見いだせてませんが、今は我慢してやり続けるしかないでしょうね。

68分に染野と大雅→阪野と西谷へと交代。西谷は左SHに入り河村が右SHへ移動。

ブロックの外からクロスを入れられるようになってきましたが、押し返せてるって所までは難しい状況。

76分に深澤→平へと交代して3-2-3-2へと変更。前への推進力を強めていこうってことなのかなと。中央が厚くなった事でサイドからチャンスメイクできる事が増えてきました。

町田は比較的シンプルに前進するのでひっくり返されそうな所はありますがやむを得ない部分はありますね。

88分に山口→ドゥドゥへと交代。サイドから前進できているので中央にフレッシュな選手をって事になんでしょう。

ATに入ったらンドカの前線に残るようになりました。ここからパワープレーに移行しましたけど町田の中央が固いですね。

90+5分にフリーキックからンドカが岡野が競り合ったこぼれが岡野が上げた腕に当たりPK。不自然に上げた腕に当たってるのでこれはやむ無し。

間が空いた最終盤のPKを右上に打ち込める阪野のクレバーさは凄いですね。

この直後に終了。



最後に、まだまだ作りかけの状態で序盤に主導権を握って得点できたのは収穫だったと思います。

トランジションはともかくインテンシティの部分はまだまだ粗削りなのは間違いないですが、少しずつよくなってきてますので続けていってもらいたいですね。

もちろん終盤の時期なのでチームの完成度に違いが出てしまうのはやむを得ない部分がありますし、連戦が続く中で少しずつ進めていってもらえたらなと。

江尻さんはオシムさんのようなスタイルをやりたいようですし、それに合わせてスカウティングを進めてきた中で(このスタイルはとにかく走力とフィジカルが求められます)前々体制からチームを混乱させないように(まあここまで色々な事がありましたが)ソフトランディングさせながら移行してきたので、江尻さんが実質的に手腕をフルに発揮できるようになってから日が浅いので今の完成度に関してはやむを得ないと思ってます。

晃樹のコメント

個人的にはあまり考えすぎずに感覚でプレーできる方が良いプレーができるという感覚でしょうか?

低い位置というか自分が真ん中でゲームを作っているときは考えながら頭をフル回転でやっていますが、ペナルティーエリアの近くでは何も考えない方がいいかもしれないです。ゴール前に行くと本当にいろんな選択肢が見えてしまって、それで迷ってしまった結果、チャンスを潰してしまうことが多いので、ゴール前では何も考えずにやった方がいいのかなと感じています。

もちろんチームとしての約束事もありますので中盤までは頭をフル回転させながらプレーする必要がありますが、アタッキングサードでは考えられる程時間やスペースが無いので感覚的な部分が大きくなってくるのは自然な事だと思います。実際ゴール前でのストライカーは感覚でプレーしてるように見えますし

城福監督のコメント

前半は失点後に少し攻撃が停滞したように見えましたが?

もちろんバックパスがいけないわけではないですが、バックパスをしたときに前に引き出す動きを作ることが大事です。今日はバックパスが少し多かったと思います。そのバックパスという単語が選手にとってあまりにも大きな存在にならないようにしましたが、やはりこのチームはバックパスを先に選択してしまう傾向があって、特に横パスのところで縦パスを出すチャンスを逃しているという部分に関しては、ハーフタイムに映像を見せて、ここで前につけられないとという話をしまいた。またここで前につけて失うぶんには問題ないとも言いました。ここで下げないというところは、中盤の構成を含めてやはりそういう状況になってしまい、もったいなかったと思います。

多くのファンサポーターが首を捻挫する程頷く所ではあるんですが(^^;)そこはクラブに深く根付いている部分なので、結構な時間がかかると思いますけど少しずつ改善していってもらいたいなと。