20220306 第3節アウェイ徳島戦

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アウェイ徳島戦。ヴェルディ徳島共に4-1-2-3でスタート。

ヴェルディの保持時は、徳島のハイプレスを剥がす意図もありプレスに来た選手の背後にミドルパスを入れてシンプルに前進し、中央からサイドに展開してチャンスメイクしていきます。

徳島の保持時は、丁寧に繋いでビルドアップというよりシンプルに左WGの西谷に入れて仕掛けさせる形が多く、そこからサイド奥深くからGK-CB間やマイナスクロス、右サイドからはシンプルなクロスが多いです。

ヴェルディの非保持時は、いつも通り4-4-2で2CBに制限をかけサイドに出させたらWGが勢いよく寄せていきます。前節と比べてWGが引き過ぎてないのでプレスが間に合わないってシーンはあまりないですね。

徳島の非保持時は、ハイプレス時は前線+IHの4枚でプレスをかけてきてCBにCFの藤尾、白井が理仁、WGがSBに寄せていく形。そこからWGがCBへ寄せる時はSBへのコースを切りながら寄せていきます。セット時は4-1-4-1なんですけどヴェルディのSBをどう見張るか?があまりはっきりしてない印象。

今節は谷口と晴也がしっかり距離をとっているので前節程窮屈なビルドアップの形にはなっていないのと、相手SBにボールが出た時にWGの距離が遠すぎた所は改善されてますね。

ハイプレスを剥がせた時は中央を起点にサイドから前進できているので、プレスを剥がせた時にお互いチャンスになりそうなのでプレスに出た背後へのミドルパスが多めになってきましたが、徳島の出足がよくデュエルのが強いので後手に回ってしまっている様子はあります。

ヴェルディは意図的に徳島のプレスを呼び込んでいるので疑似カウンター(カタノサッカー)が今節のゲームプランのように見えます。

徳島もゴールキック時にエリア内でCBが開いて受ける割には繋いで前進する感じではないので似たようなプランなのかもしれません。


晴也からの横パスを受けた時にWGの浜下が深澤を気にして寄せに来なかったので、谷口がその間から持ち運んでビルドアップの出口を作りました。パスを出す前にスピードダウンして白井を引きつけ梶川にスペースを作ったのも良かったです。

ビルドアップから中盤で引っ掛かかるようになってきましたけど、パススピードがちと遅いのもありますが、徳島が1つ飛ばした所にプレスをかけてくるようになり相手を背負う形になったので前を向けなくなったのが大きいかなと。まだ10分ちょっとしか経ってないんですけど徳島の修正は速いですね。

その修正があってヴェルディの守備時間が長くなってきました。ただ徳島はアタッキングサードからどう崩すか?がそこまではっきりしてないんですけどここは去年からの課題ですね。

ヴェルディは後ろに人数をかけないといけないので中盤が空き気味ですし、デュエルで分が悪いので中々押し返せない展開が続きます。ゲームプラン通りにいかなかった時の引き出しに差があるかなと感じる所もあります。

ビルドアップでも徳島は位置的優位を上手く使えるので前進自体はそんなに苦労してなさそうです。こうなってくるとクロスだけでなく背後を狙う形も出てきました。

デュエルで分が悪くパススピードがちと遅いのと、徳島のプレスが連動してるので中々前進できないんですが、ロングフィードが増えてきたからか中盤もちと前にいきがちになっているので距離感が遠いのもありそうです。


深澤から晴也→谷口へのバックパス時に晴也が斜め後ろに下がってサポートしながら藤尾を剥がして持ち運んで大雅に展開しました。ここでボールホルダーの谷口から離れてなければ藤尾のプレスを剥がせてなかったのでCB間の距離感は改善されてますね。このプレーは28:43にもありました。

26分に出たスタッツでは支配率は徳島49%ヴェルディ51%なんですね。そんな印象なかったんですが(^^;)

長崎もハイプレスはやってきましたけど基本ゾーンでセットだったのでやりたい形を出せてましたが、その後2試合はハイプレスでハメにくるのでそれを剥がすのはまだ難しそうな様子。

深澤は大外とハーフスペースを使い分けた攻撃参加や中盤での起点もやったりするので現代的なSBになりましたね。本職はCBなんですが実況の榎本さんがSBだと思うのもわかります。

32分の失点は後ろからゾーンの隙間に入ってきた内田にピンズドで合わされてしまいました。ゾーンで守ってる以上やむを得ないんですが


36分の得点は、徳島のプレスに苦しみながらも佐藤凌我が櫻井を剥がし中央にスペースにいた梶川を起点にして理仁→竜士のフリック→深澤のループと綺麗に崩せました。


ほんとラモスみたいなループシュートでした。

徳島は繋げる時は繋ぎますけどシンプルに盤面をひっくり返す事も多いのでポゼッションに拘るって感じではないですけど、ポジショニングを守る事を徹底してるのは去年と変わりませんね。

谷口が持ち運ぼうとしてる時に竜士が降りてきてしまっていたのは良くなかったですね。結果的に前線の人数が足りなくなってしまいました。ボールホルダーがフリーで前を向いてる時に離れるのはしっかりやってもらいですし、持ち運んだ時に前の選手がその場に立ちっぱなしでポジショニングを取り直せておらず受け手になれてなかったり効果的にスペースを作れなかった所は修正していってもらいたい所。

徳島はコーナーキックで密集して数的優位を作るのはゾーンで守る相手にはオーソドックスな対応なんですけど準備してきたようです。

サイドで優位性を作られていた事や風下だったのはやむを得ないんですが、デュエルで分が悪く1つ飛ばすパスにプレスをかけてくるように修正してきた対応に苦労した中で追いつけたのが大きかった前半。



後半、ヴェルディは風上になった事もありロングフィードを背後に入れてくるシンプルな形も出てきましたが形勢は変わりません。徳島のロングフィードを跳ね返してもハイプレスに行ってる分中盤が空いてるのでセカンドを拾えず押し込まれます。そしてそこから後ろに人数をかけて守る形になるので陣形が乱れているので奪っても窮屈になりまた失う展開が続きます。受ける選手が相手ゴールに背を向けてわかりやすく降りてくるので徳島のプレスを呼び込んでる印象もあります。

徳島はヴェルディと同じように4-4-
2で守るようになりました。SBを誰が見張るの?になっていた所を対応なんだと思います。

後半になってSBが保持した時にIHがサイドに流れて徳島のWGが出てきた背後で受ける形が出てきましたが、徳島のIHに捕まり中々前進できません。ただ前半と比べるとデュエルで競れるようになってますね。

上手く前進できない展開ですが、晴也と大雅の仕掛けで安部と櫻井にカードを貰わせる事ができたのは牽制になりますし良かったと思います。

56分に竜士→小池へと交代。右WGに入り新井が左WGへ移動。理由はわかりませんが竜士は時間制限があるような感じですね。

57分のヴェルディのカウンターのシーンで小池を櫻井が抱え込んでしまったのは警告にされてもおかしくなかったんですが、これでもうファウルはできなくなりました。

徳島はそこまでハイプレスには来なくなったんですけど、ヴェルディのSBにWGを噛み合わせたのでCBから出した先でハメ込む形にしてきた様子。ただSBへの寄せが間に合ってないのでヴェルディも前進できるようになってきて押し返せるシーンが出てきました。

61分に安部と櫻井→カカと長谷川へと交代。1枚貰ってる選手を下げてもう1度プレス強度を高めようとの事なのかなと。

徳島は風下になったらミドルパスロングフィードが増えてきたんですが、ヴェルディの陣形が間延び気味になっていたので狙いを変えてきたように見えます。

68分に藤尾→バケンガへと交代。徳島はここまで勝ててないのもあるんでしょうけどCFにターゲットにもなれるストライカータイプを入れプランBに切り替えてきました。

引き続きになりますが、徳島はセットプレー時にヴェルディのゾーンに対して密集を作って数的優位を得る所は徹底してますね。

ヴェルディもそうですが、徳島もゆっくりと前進すると相手を動かしてスペースを作る所はいまいちな印象。徳島がプレスの形を変えて前進しやすくなった事とデュエルで競れるようになってきたので前半よりは良くなりました。

77分の速いリスタートから大雅が抜け出した所は自分でいってほしかったですね…

78分に高木和から1本で佐藤凌我が背後に抜け出した所をカカが後ろから倒してしまい決定的な得点機会の阻止(DOGSO)で退場。

・反則とゴールとの距離
・全体的なプレーの方向
・ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性
・守備側競技者の位置と数

ゴールまで近く
ゴールに向かってプレーしていて
ボールをコントロールできる可能性が高く
守備競技者は内田はカバーしきれてないのでGKのみ
となり全ての条件を満たすのでDOGSOになります。

82分に渡井と浜下→石尾とサンデーへと交代。CBを入れなければいけないのでWGを下げるのはやむを得ないのでその分少ない人数で攻められるようにしてきました。徳島の形は保持時はバケンガとサンデーがCFの4-3-2で非保持時は4-4-1へ変更。

ヴェルディは数的優位になった事で形勢逆転となり一転して押し込むようになりました。縦志向の時は戻す時も相手を引き出しその背後を狙う意図があってポケットを狙いながらも中央に入っていく形もありますがいまいち意図が噛み合ってない印象。

88分に大雅→加藤弘堅へと交代。アンカーに入り理仁が右IHへ移動。バランスを整えたい意図はわかるんですが得点を狙いにいくのかゲームを落ち着かせたいのかはよくわかりません。

安定してボールを保持できるようになったんですが、どう前進してどう崩すのか?の共通理解がいまいちはっきりしておらず数的優位を活かしきれてない様子。徳島の前線がバケンガ1枚なので後ろを削って攻撃的な選手を入れても良さげなんですが

数的優位になり押し込むも効果的なシュートが打てないまま終了。



最後に、サイドで優位性を作られていてデュエルでも分が悪かったので劣勢になるのはやむを得なかったんですが、1つ飛ばすパスにプレスをかけてくるようになってからも受け手がわかりやすくもらいにくる所を潰されていたのと、どう運びどこにスペースができてどう突くかの共通理解が合ってないシーンが散見したのでここは修正してもらいたいなと。

ただ谷口と晴也の距離が離れるようになった分徳島の1列目を運ぶドリブルで超えられていた事と、後半はデュエルで競れるようになったのは良かったです。


堀監督のコメント

試合を振り返ってください。

前半は我慢の展開が長くなりましたが、しっかりとそこのところで粘り強くやってくれた選手たちに感謝したいと思います。セットプレーから失点してしまいましたが、そこからうまく追いつき、後半に向けてハーフタイムに整理するところは整理した上で、後半はうまく修正して進められたのではないかと思います。相手が1人少なくなったところで、もう少し自分たちがゴールに向かって何か出せる部分があったところは、自分自身の反省として持っています。ただしっかりと選手たちが戦ってくれてポイントを取れたし、徳島さんも非常に強いチームなので、そこはポジティブに捉えて、次に向かいたいと思います。

数的優位になったとはいえ降格してきた力のあるクラブとのアウェイ戦ならゲームを落ち着かせて勝ち点1を持ち帰るのもアリだと思いますが、攻め筋が整理されてなかったので相手がゴールに向かって何かを出したかったのであれば、攻撃的な選手を入れたり後ろを削って3バック化してメッセージを発しても良かったんじゃないかなと。

深澤のコメント

今日の試合では馬場選手や谷口選手のセンターバックの持ち上がりで局面を変えていましたが、今日のような相手との対戦ではああいったプレーが必要でしたか?
相手のワントップに対して、自分たちのセンターバックが2枚というところで、そのどちらかが(相手を)剥がして前に運んで、相手の中盤の選手が止めに出てきたところのスペースを使っていこうと話していました。ドライブで相手が食いついてきたところでターンすれば、逆のセンターバックが空くので、その形は少なかったですが、今日は(馬場)晴也が運んで良いシーンを作っていたので、今日に関してはドライブをチームとして意識していました。

このドライブは上記の動画にある運ぶドリブルで相手のプレッシャーラインを超える事を指します。