20220806 第30節ホーム長崎戦


ホーム長崎戦。ヴェルディは4-4-2で長崎は4-2-3-1でスタート。ヴェルディは左CF佐藤凌我で右CFが染野、左SH梶川で右SHが河村、左DH晃樹で右DHが晴也の並び。

ヴェルディの保持時は、加藤蓮片上げ3バックの形ですが、ビルドアップというより2CFや河村へのフィードや長い縦パス目立ちますし、セカンドや落としを他のCFやSHが拾って前進する事が多いです。そもそも4-4-2は三角形ではなく正方形が多い形なので斜めのパスが多くなる分速攻向きではありますからね。晃樹が前を向いてボールを持てるようになってきたらサイドに展開したり縦パスを差したりする形も出てきました。

長崎の保持時は、右SBの村松片上げの形からアーリークロスや右SHの澤田に背後を狙わせるか、ロングフィードのセカンドを拾ってからサイドに広げてクロスがメインの様子。カイオがセカンドを含めキープできるので厚みのある攻撃ができてます。ビルドアップは外経由でクロスの形が多くあまりブロックの内側を使ってくる感じではなさそうなんですけど、ヴェルディインターセプトを狙ってきたこぼれにはしっかり反応しているのでセカンドを拾うのを狙いにしてるのかもしれません。

ヴェルディの非保持時は、いつも通りハイプレスの4-4-2で前線に合わせて連動して人を掴みにいく形。長崎の陣形と噛み合うのでマッチアップする回数がかなり多いですけどデュエルやインテンシティでよく対抗できてると思いますがカイオはまあ…ねえ…(^^;)セットした時はサイドに出させた所で寄せにいくんですけど長崎の選手は個人能力が高い分難しさはありますし、カイオに起点を作られたり潰されたりはしてますけど、上記したように対抗できていると思います。

長崎の非保持時は、ハイプレス時はエジカルと植中が並んで4-4-2になりますが、深澤への寄せの準備の為に左SHの米田が少し高めにいるので4-3-3に見える事も多いです。CFが寄せにいくと後ろが連動して人を掴むにきます。セットしてミドルプレスになると2CFはボールホルダーから2DHのコースを切りながら制限をかけてきてサイドに出させた所をトリガーにして寄せにくる形。ただ後ろで廻してDHへのコースが空いてパスを通した時やSBからの斜めのパスには寄せの強度がそうでもない印象。

ヴェルディロングフィードにCBが出ていく事が多いんですが、山越はしっかり対応できている様子。

お互いシンプルに裏へのロングフィードが目立ち中々落ち着かない展開の序盤戦ですが、長崎はアーリークロスも結構使ってくる印象がありますのでこういう展開は慣れているように見えます。囲まれても1人で何とかできるカイオがにんともかんとも(^^;)

4分に河村と佐藤凌我がチャンスシーンで被ってしまいましたが、この後も斜めや縦パスの精度にちと難があるようなのでまだ難しい所はあるかなと。

5分に山越とマテウスがお見合いする形になってしまいましたが、ここの連携は詰めていってもらいたい所。

お互い守備ブロックの内側にスコーンとパスを入れられてしまうシーンがあるんですが、プレスかセットかの狭間のようになってる時に隙が生まれてそうな感じですね。

長崎が人を掴んでくるのでフリックでかわそうとするんですけど中々合いませんね。CFに当てる時はフリックより受け手が前を向けるレイオフをもっと使っても良さそうな感じです。

10分くらい長崎がセット気味になってきたのでボールを保持できるようになってきました。中盤でボールを受けられてるんですけどもう少し前線のモビリティ(というよりマークを外す動き)が欲しいですね。ただポゼッションで前進できた時にはモビリティが出るので、片野坂監督のような疑似カウンターを狙ってるのかもしれませんが


染野がインターセプトを晃樹に落として時間を作ってから晴也に渡し、染野への鋭いパスでチャンスを作れました。晴也への緩いパスで相手やその目線を引きつけてからの通す為の速いパスでメリハリを作れてましたし、染野も斜めに走り込んでいて意図がしっかりしたいいプレーだったと思います。

15分くらいからパス廻しに対して長崎がどういうリアクションをするのかを見るようになりました。配置が噛み合っているのでどこをどう動かしてスペースを作れるのか?は大事になりますからね。

ゴールに向かう気のないパス廻しは息を整える時間を作ったり、リードを守りきる為の時間の浪費の他相手のリアクションを見るには有効ですからね。まあこれは攻撃ではなくボールを保持する守備なので、明確な意図がないと観ていてほんとつまらなくなるんですが

長崎はセットした所から奪うとカイオやエジカルが中央でタメを作ろうとするんですが、エジカルは比較的潰せてましたけどカイオはにんともかんともな所はありますね…

ここの所守り合いのような試合が続いてますが、今節は配置が噛み合う分より強く感じます。

確かに2CFと河村+誰かくらいエリア内に入れてますが、ボールの入れ方や中での受け方と動き方の所はまだまだ荒削りな印象です。まあここはやむを得ない部分ではありますが

ヴェルディが晃樹を起点にサイドに差し込んだりサイドチェンジをして長崎の陣形を動かし少し中央を使えるようになってきました。ポゼッションで相手のリアクションを観察した成果が出てきたのかなと。

長崎もサイドチェンジを織り交ぜてくるようになりました。まあお互い中央が固いので狙いも似たような形になりますよね。

33分にエジカルを起点にしたカウンターのシーンで、誰でもいいからまず危険なスペースを埋めながらボールホルダーに制限をかけて長崎の攻撃を遅らせたのは連動した対応ができてました。守備に関してはチームとしてもかなり手応えを得られてるのではないかなと。

お互い縦に速いので選手達の消耗が多きそうです。これでオープンな展開になってきたら不利になりそうでなので避けたい所ではあるんですが、ちと難しそうな感じです。

ヴェルディはボールは持てた中でアタッキングサードをどう攻略するか?の部分はありますけどトランジションや起点を作らない守備対応は良かったと思います。

お互いインテンシティが高く人を掴んでデュエルが強い分思うような形が中々作れませんでしたけど、相手をどう剥がして前進するか?が少しずつ見えてきたような感じはありました。全体的にはがっぷり四つで五分五分の内容だったなという印象の前半。



後半、長崎はセット時にパスコースをしっかり切ってスペースを消すようにしてきました。晃樹や梶川に起点を作られていた修正なのかなと。それに村松と澤田に加えてDHも絡んで右サイドで起点を作るようになったので加藤蓮を攻撃参加させない意図もありそうです。

これは両チームともそうなんですけど、前半より前線が背後を狙う回数が増えたので、背後を狙いながらライン間を広げていこうとの事なのかなと。

長崎はエジカルやカイオが起点を作るだけでなくSHが運んで時間を作るようになったので、SBのオーバーラップが増えたきた分ポゼッションでも前進できるようになってきました。

お互いシンプルに背後を狙う事が増えたので中盤にスペースができるようになったんですが、2DHと梶川を使いやすくなった反面長崎の2DHも同様なのでプラマイゼロ感はあります。


61分の得点は、中央の大混戦から染野のシュートブロックがサイドに流れた所から加藤蓮のクロスに染野が合わせた形。ニアがちと薄かったので、2人とも意図的にニアを狙っていたように感じました。

65分に澤田と二見と村松とエジカル→クリスティアーノと加藤聖とクレイソンと山崎へと4枚交代。山崎がCFクレイソンが左SHクリスティアーノが右SH加藤聖が左SBに入り米田が右SBへ移動。

インターセプトからのトランジションでもエリア内に人数をかけられているので、アーリークロスやシンプルなクロスも効果的です。配置が速攻向きであるのもかなり大きいので城福監督の狙いなんでしょう。

長崎のパワーや推進力が上がりハイプレス&ショートカウンターにエリア内に人数かけてクロスと狙いもヴェルディと似たような形になってきたんですけどその中でもしっかり対応できてます。

69分に梶川と深澤→竜士と稲見へと交代。サイドに入った長崎の交選手にフレッシュな選手を当てながら盤面をひっくり返していこうって事なのかなと。

圧力を強めてきた長崎に押される事が増えてきましたけどここはある程度やむを得ないですし、パワーを出さなきゃいけない所で出せているのは前節から修正されてますね。

77分に植中→都倉へと交代。中のクロスターゲットを入れライン間やサイドをもっと効果的に使っていこうって事なのかなと。

79分に染野→バスケスへと交代。右SHに入り河村が右CFへ移動。

ヴェルディは受けに回ってるって感じでもないんですけど、いかんせん長崎の圧力が強いのでゴールキックやファウルをもらった時にようやく一息つけるって感じです。

疲労困憊でパワーで殴られるのは正直シンドイんですけどデュエルや身体を張ってよく耐えられてますし、寄せられなくはなってきてますけど連動して寄せる所はできてます。

87分に加藤蓮→加藤弘堅へと交代。CBに入って稲見が左WBに移動して5-4-1に変更。わかりやすいメッセージですね。

バスケスがサイドで時間をかけながら耐える展開が続きます。マテウスがボールを離して都倉が追ってきた時のフィードがタッチラインを割ってしまったのはもったいないですね。

何とか耐えきって終了。



最後に、まだ急造気味の4-4-2なので縦パスや斜めのパスの精度はもう少しって感じでしたけど、どうやって相手のマークを剥がして受けるか?って所は考えながらできていたと思います。

守備陣形と同じ形になった事でより守備が安定してましたし、2DHになった事でセカンドも拾いやすくなったように見えます。

何よりも個人能力が高い長崎の選手達を相手にしてもデュエルやインテンシティで引けをとらなかったのは凄く良かったと思います。

今節の個人的MVPはラインダンスにアカデミーの選手達を連れてきた江尻さんだと思います。

それと城福監督とクリスティアーノが談笑してたのは甲府時代の繋がりなんでしょうけど、カリーレ監督とマテウスもどこかで繋がってたんですかね?