20220724 第28節ホーム横浜FC戦


ホーム横浜FC戦。ヴェルディは4-1-2-3で横浜FCは3-4-2-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、左ポケットへのフィードに河村を走らせそこに左WGの竜士と左IHの梶川に左SBの加藤蓮が絡んで崩しにいきます。その時右IHの晃樹がCFに入りアンカーの加藤弘堅と右SBの奈良輪が中央で非カウンター対策兼セカンドの回収を担ってストラクチャーを維持します。右ポケットを狙う事もありますが、こちらはバスケスに落として仕掛けられそうなら仕掛け、そうでなければ奈良輪に落としてクロスと比較的シンプルな形。ビルドアップもGKのマテウスを含め低い位置で廻して相手を引き出して背後を狙う意図もあるようなので盤面をひっくり返すのを狙いながらスペースを作ってポゼッションしていこうとの事なのかなと。ビルドアップからSBやWGに入れながら(IHへ差せそうなら差していきます)浮いた加藤弘堅やIHを使って中央から前進してからWGを使っていきたいんだと思いますが相手の寄せが速い事もあってそこまで上手くいってません。サイドからサイドだと相手も出し手と受け手の両方が見えるので対応しやすく負荷が少ないですが、中央からサイドだと目線が切れてしまう分対応しにくく負荷をかける事ができますので

横浜FCの保持時は、WBが運んでからのクロスを小川に当てたりディフェンスラインを引っ張ってシャドーにシュートを打たせたりとバリエーションはありますがかなりシンプルな形ですね。本来ならビルドアップで前を向いたDHを使ってからシャドーやWBへ展開させたいようですがヴェルディは出し手に寄せ受け手は迎撃に出てくるのであまり上手くいってません。

ヴェルディの非保持時は、いつも通り4-4-2のハイプレスなんですけど、横浜FCの浮いたWBを捕まえる意図もあるんでしょうけど、受け手を迎撃できているので横浜FCの前進を阻害できてます。なので今までより守備の連動性が上がってますね。

横浜FCの非保持時は、CFの小川と右WGの渡邉が並んで左WGの斎藤と左WBの亀川が1列ずつ降りて4-4-2でセットし、CBには制限をかける位に寄せて出した先で迎撃に出る形。河村が降りても岩武がついてくるのでこちらも受け手を迎撃する意識が高そうです。

横浜FCは攻撃時のコーナーキックで守備ですか?って位相手を押さえつけて空いた選手を使う形のようなんですが、これだとインピード(旧オブストラクション)を取られやすくなると思うんですけどね

両チームとも中盤に前を向かせてプレーさせないように人を掴む意識が高いので中盤の攻防戦が激しいです。

15分くらいからヴェルディ横浜FCのDHのマークを剥がしたIHからの落としやフリックのようなレイオフで相手の陣形を崩して前進できるようになってきましたし、横浜FCも隙あらばシャドーへの縦パスを狙ってきます。

今節はビルドアップからでも河村にポケットを狙わせる事が多いので、GKのカバーが届かない背後を狙うのがゲームプランのようです。

ヴェルディはダイレクトなレイオフでIHを使えるようになってはきましたけど、横浜FCには一発があるのでお互い主導権を握る所までは至ってませんね。

拓也が左SBの位置に降りるようになりましたが、右のWGやWB目掛けて蹴る事が多いのでヴェルディの陣形を寄せてから右サイドを使いたいのかなと。

ここまで谷口が何回かやってるんですけど、来たパスをわざと泳がせるようにして渡邉を引き出してからパス出ししてるんですけど、これは受け手に多くのスペースと時間を渡して前進を助けてるいいプレーだと思います。

トランジションは引き続き速いんですけど、いい形でインターセプトできた時にもパススピードが弱く相手が寄せたり陣形を整える時間を与えているのは気になります。相手を引きつける弱いパスと勝負する為の速いパスを使い分けていきたいなと。

お互い守備が良く対策がしっかりできていて、前線がいい形で受けられずがっぷり四つの展開なんですが、横浜FCのセットプレーが多い分シュートが多い印象。やむを得ないシーンもありますがヴェルディとしてはファウルを減らしていきたいですね。

相手を片方のサイドに寄せて逆サイドに展開したいのもお互い様なんですけど守備のスライドが速くここも上手くいってません。

336分に谷口から晃樹に勝負の縦パスが通りチャンスを作れましたけど勝負のパスはこれ位のスピードが欲しいですね。ターンして前を向く所まではパーフェクトでしたけどその後少し迷いがあってタイミングを逃してしまったのはちともったいなかったかなと。

37分に大外に流れた梶川にハイネルがついていたのでレイオフ加藤弘堅に落として中央にできたスペースから運んでバスケスへフィードしたシーンがありましたが、本来はこれを狙っていきたいんでしょうね。無論亀川がバスケスのケアにいけば中央に差したでしょうけど

ヴェルディの3センターと横浜FCの3トップに前を向かせない所とサイドチェンジや仕掛けへの対応がしっかりしててお互いの良さを消し合う守り合いのような印象でした。

ただ中盤の攻防戦は激しくトランジションも速いのでがっぷり四つの展開でしたが横浜FCの方がセットプレーが多かった事がシュート数の違いになったかなと感じた前半。



後半頭から竜士→新井へと交代。前半から山下と中村へのケアで飛ばしてましたし、元々のゲームプランだったのかもしれませんね。

後半は横浜FCも後ろで廻してヴェルディを引き出し背後を狙う形を使ってくるようになり、ヴェルディ横浜FCが食いついてくるのでレイオフで空けたスペースを使って前進するようになりました。お互いビルドアップが上手くいってなかった所を修正してきたようです。

河村と新井の所でタメを作れるようになったので押し込んで厚みのある攻撃ができるようになりましたので後半序盤の時間帯は主導権を握れてます。

横浜FCはDHを使って前進し、そこからサイドに出してから逆サイドに振ってのクロスがスムーズでしたので本来やりたい形なんだと思います。

ヴェルディレイオフで剥がして前進するようになったからなのか横浜FCの寄せが少し遅くなってきたのでボールを受けて前を向けそうなシーンが増えてきましたので後は仕掛けや勝負のパスの所かなと。

58分にバスケス→佐藤凌我へと交代。CFに入り河村が右WGへ移動。佐藤凌我と河村が共存する時は4-4-2になる事が多いんですが今節はそのままですね。

59分に斎藤→松浦へと交代。

今節は晃樹はデュエル勝率がかなり高い印象です。ボールと相手の間に身体の入れるタイミングがいいですね。

67分に山下と渡邉→イサカとサウロミネイロへと交代。山下は脳震盪の疑いがあるので交代枠を使うのは1つだけになります。サウロミネイロはCFに入り小川が右WGへ移動。

山下はアクシデントなので仕方ないんですがその直後に飲水タイム。ヴェルディ的には対策をする時間がとれました。

この後横浜FCがポゼッションをする時間がありましたが、陣形をスライドされる為の横パスと通す為の縦パスのパススピードがしっかりしてていいですね。ヴェルディもここは詰めていきたい所です。

72分に加藤弘堅→晴也へと交代。晴也はどちらかと言うと小川番がメインの様子。

77分の失点は磐田戦と同じようにフィジカルの部分押し負けた形ではあるんですけどちとミスマッチではあったかなと。

先制した事で横浜FCが落ち着いてきてヴェルディはちとバタついてて動揺が見られます。気持ちはよくわかるんですけどいいチームから強いチームになる為には切り替えるのも大事になってくるのではないかなと。

80分に梶川→染野へと交代して4-4-2へと変更。確かにタイプ的に佐藤凌我と染野のバランスはいいと思います。

失点したので当然ヴェルディは前への圧力を強めていくんですけど、クロスを入れたりシュート打ったりする所をもう少しシンプルにしてもいいかなと。クロスのタイミングが分かりにくいと中で待ってる選手も対応が難しくなりますので

87分にハイネル→高橋へと交代。

ヴェルディは何とか中に差し込もうとしますが中々上手く繋がりません。サイドありきでのパス廻しではいけませんがもう少しサイドとの使い分けをしても良さそうな印象なんですが最終盤はここのバランスが良くなってきました。後は仕掛けや勝負のパスで相手の陣形を崩せるか?の所かなと。

横浜FCの守備を崩せずに終了。



最後に、トランジションの反応やデュエルと走る競る戦う部分で全くひけをとってなかったのは凄く良かったと思いますし守備の連動性も良かったです。

後はパスの精度やパススピードとプレッシャーラインの背後でフリーになってパスコースを作ったり、相手を動かしてスペースを作る為の横パスと勝負の縦パスのメリハリや打つなら打つ等のディテールの部分を詰めていきたいですね。

内容は良かったので概ね満足してますけど、このディテールの部分が差になっていたように感じますのでいいチームから強いチームになる為に乗り越えなければいけない所なのかなと。

ところで横浜FCが喪章してたのは何だったんですかね?