20220501 第13節アウェイ岡山戦


アウェイ岡山戦。ヴェルディは4-1-2-3で岡山は4-2-3-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、2CB+SB1枚でのビルドアップ。今節は両SBが上がってCBが孤立する事はないですね。中間ポジションをとるIHを使う事もありますが、シンプルに背後を狙う小池を使ったり後ろで廻して岡山の守備陣形を歪ませてから逆サイドへ展開する形が多いです。そこからは左サイド新井が単独で仕掛けるか深澤梶川の三角形を回してマークをズラしてファーサイドへのクロスが基本線のよう。サイド深い所まで入れれば仕掛けやマイナスクロスを使っていきます。

岡山の保持時は、ロングフィードをデュークに当てたりSHが運んだり背後を狙う縦志向が強めであまり手数をかけてきません。繋ぐ時は右SBを上げて3枚+右DHの本山や左DHの河井も最後ラインまで降りてくる事もあります。ビルドアップからレイオフで前進する形もありますが、基本的にはプレスを引き出してからデュークやSH、高い位置を取る右SBの河野を使いたいようです。そこからサイドに揺さぶってクロスやポケットへ侵入して崩しにくる形。

ヴェルディの非保持時は、4-4-2でCBまでは積極的には追っていかずにセット気味なので盤面をひっくり返されるのを警戒してるんでしょう。そこからサイドに出たらプレスをスタートさせます。人を掴む意識が高いのはいつも通りなんですけど連動性がいまいちなので剥がされてしまうシーンも結構あります。岡山は対人が強い選手が多いですけど球際はしっかり闘えてますね。

岡山の非保持時は、積極的なハイプレスって訳ではありませんが、4-2-3-1でデュークが2CBに制限をかけムークが理仁を見張りSHがSBのケアをするオーソドックスな形。セットすると4-4-2になります。

岡山の高い位置でのスローインは基本的にロングスローで高さ強さを活かしてきます。木山監督は力ずくでっていうのも結構使ってきますからね。その割にはタッチラインにタオルを置いてないのでピッチに散水してないのかもしれません。

序盤にGKからのパスをデュークに奪われて危ないシーンがありましたけど、このスタイルをやるには仕方ないとはいえビルドアップの起点になる訳ですし相手が勢いよくハイプレスにきてるのであればひっくり返し、そうでないなら繋ぐと中盤や背後のどこにスペースがあるのか?で判断してもらいたい所です。実際岡山のSHが寄せにきてる時にその背後をSBやサイドに流れたIHが使えてる時はスムーズに前進できてますので

デュークの脇を晴也が運んでからサイドに展開したり佐藤凌我への縦パスをレイオフでIHへ落とす形が出てきました。相手がマークをつけて出せる所が無ければどちらかのCBがフリーになってるはずなのでいい判断だと思います。

ビルドアップで2CBはデュークに対して数的優位なんですけど、CB同士での横パスがワンタッチが多いのは気になります。デュークを引きつけて空いたCBを起点にする所はもっと取り組んでいってもらいたいなと。ただデュークを警戒する所やデュエルはしっかりしてます。前節のゲームプランもこんな感じを想定してたんでしょうね(小声)

前節からは減りましたけどパスがズレるのはまだありますね。低い位置で時間的な余裕がないなら盤面ひっくり返してもいいと思うんですが。スペースが背後にある時に繋ぎ中盤にある時に蹴るみたいにどこにスペースがあるのか?を見れてない印象はあるんですよね。

ヴェルディはフィジカルを活かして殴ってくるチームにはほぼ間違いなく苦戦するんですけどデュエルを挑めてるのはいいですね。競技の性質上デュエルを避ける事はできませんし逃げてたら何も始まりませんので

プレスの連動性はまだまだですし、保持時の判断はいまいちですですけどトランジションは良くなってますし球際でも闘えてるのでそこまでネガティブな印象ではないですね。まあ今までが…ねえ(^^;)

24分に晴也が高い位置まで持ち運んだプレーは良かったんでけど周りがポジショニングを取り直す所があまり上手くいきませんでしたね。

ビルドアップは中々上手くいきませんけど、縦志向ありきの時はシンプルだったのがもう少しボールを大事にしたいって所からどこにスペースがあるのか?を判断して選択していくって部分がまだ足りてない印象です。もっとボールを大事にしたいのは自分達の都合であって、攻撃は相手がどう動いてくるか?に合わせるリアクションでないと前進できませんからね。

デュエルは果敢に挑めてますけど岡山の選手が強いので中々奪えませんね。まあここはやむを得ない部分ではあるんですが

41分に寄せきれずに数的劣位で決定機を作られました。掴みに行くなら行くではっきりさせたいですね。

基本的に岡山に押し込められてましたが粘り強く対応できてましたけど、お互いトランジションが速い中で奪い返した後にバタついていたのが差になっていたのかなと。

繰り返しになりますけど、ビルドアップの判断がいまいちなのでフィニッシュまで中々行けませんでしたけどデュエルでは果敢に挑めてたのでそこは良かったと思います。

確実に良くなってきてるのでそこまでネガティブな印象は無いんですけど、上手くいかないながらもしっかり耐えられた前半。



後半、頭から左右のWGを入れ替えてきました。

長島コーチのコメント

後半から小池選手を左サイドに、新井選手を右サイドへ立ち位置を入れ替えた狙いを聞かせてください。

新井のドリブルの良さと(小池)純輝が内側の足(右足)を使うという部分。あとは相手に対して変化を与えるという意味で、一旦あの形にしました。

いきなり縦に速く前進してからのミドルシュートがありましたが、ここまでの流れを変えていきたいんでしょうね。

後半は相手が寄せてきて中盤にスペースがある時はそこを使えてましたし、シンプルに背後を狙うWGを使ってくる回数が増えました。この時はどうやって前進すべきか?の所を整理してきたようです。

岡山の選手の対人が強いのもあるんですけど、木村に運ばれ時間を作られるのはシンドイですね…

52分にバイスのバックパスがあわやオウンゴールになるシーンがありましたが、岡山の選手やファンサポーター皆さんはよくご存知ですよね(^^;)

54分の失点は木村の粘り勝ちではあるんですが、その後のアクションが遅かったのは悔やまれます。後ろで廻して相手を動かして空いた中盤や背後を使う事ができてきていた中だったのでもったいなかったなと。

58分の失点も木村が時間を作った所からなんですけど、ロングカウンターからのサイドチェンジで崩されてしまいましたね…

58分に小池と佐藤凌我→河村とバスケスへと交代。バスケスは右WGに入り新井が左WGへ移動。

2点を追いかけなければいけないからかパススピードや縦の意識が上がってきたので攻撃の意思統一が計りやすい分スムーズに前進できるようになりました。良くなってきてはいるんですけど攻撃時の意思統一がボトルネックになってるのかもしれませんね。

61分に深澤→竜士へと交代して3-1-3-3へと変更。この陣形はここの所よくやってますからね。

リスクを取るのは全然いいんですけど中盤で引っ掛かる事が多いのは気になります。それでは収支マイナスになってしまいますのでチャレンジしていい所とミスをしてはいけない所をもう少しはっきりさせられたらなと。

65分に木村→阿部へと交代。ロングカウンターでチャンスは作れてますので守備を固めながらって事なんでしょう。

わかりやすいメッセージな分岡山のブロックの位置が下がったので押し込んでからクロスとミドルシュートが増えてきましたけどロングカウンターも受けますね

72分にデュークと河井→チアゴアウベスと喜山へと交代。河井はおそらくハムストリングを痛めてしまったようです。

攻撃の形は悪くはないんですけど中盤の攻防戦でのデュエルで競り負けて押し返されるのが痛いですね。しっかり競って挑めているので仕方ない部分はありますが

75分に山越と梶川→ンドカと阿野へと交代。

河井や山越が大事に至らなければいいんですが…


79分の得点は、新井からポケットへのスルーパスを受けた竜士からのマイナスクロスをバスケスが上手く合わせました。チームとして狙っていた形が出せましたね。

82分のセットプレーで高木和と理仁が接触しましたが、予期せぬ所からぶつかる形でしたからね…大事に至らなければいいんですが

86分に理仁→加藤蓮へと交代。既に5人の交代枠を使いきってますが、脳震盪の疑いがある場合は特例でもう1人交代が認められます。

展開としては変わりませんが球際での攻防が激しくなってきました。

88分に田中とムーク→白井と成瀬へと交代。

岡山は5-4-1でセットするようになったので押し込むヴェルディとクローズドしようとする岡山とわかりやすい展開になってきました。

木村もそうですが、白井も1人で陣地回復ができるのでこういう選手がいると楽になりますね。

岡山の守備はシンプルにプレーを切ってきますけど高さ強さに自信があるからなんでしょう。

かなりオープンな展開になってきましたけどまあ仕方ないかと。

最後までゴールを割れずに終了。



最後に、ハイプレスの連動性とスペースが中盤か背後か?で縦に速く攻めるかじっくり攻めるか?の判断とポジトラ時の振る舞いはまだまだ課題ではありますが、トランジションの反応とポジショニングは改善されてますしデュエルに臆せず挑めてたのは良かったと思います。

もちろんデュエルで競り勝てれば1番いいですけど、岡山のデュエル強度はJ2屈指なので難しい部分はあります。ただそれで避けたり逃げたりせず挑めてたのはこれからに繋がるでしょう。

メゾットに沿ってハイインテンシティの方向に舵を切ったばかりなので上手くいかない時に弱さが出る事は監督も事前にわかっていた事ですし、トントン拍子にいくとは思ってないのでこのシンドイ時期をどう乗り越えていくか?というのが今なんだと感じてます。

課題や修正しなければいけない事は多いですけど方向性は間違ってないのでそこはブレずに進んでほしいですね。