20210905 第28節アウェイ大宮戦

久しぶりにTHE GLORYをフルで聞いたアウェイ大宮戦。ヴェルディは4-1-2-3で大宮は4-2-1-3でスタート。

ヴェルディの保持時は、大宮がかなりの勢いで寄せてくるので迫力に押されてるのもありますが、4-1-2-3に対して大宮が4-2-1-3なので、中盤の逆三角形に正三角形がきっちり噛み合うので真ん中を使っての前進が難しい分攻撃の手札が少なく相手に読まれてる印象です。ただアンカーが比較的受けられますし、プレスを外した時の横のスライドと、縦も若干間延び気味なので付け入る隙はありそうです。

大宮の保持時はポゼッションというより縦に速く攻め、ワンサイドアタックと相手を寄せてサイドチェンジからの速いクロスが基本線。後ろでポゼッションしてる時もビルドアップで繋ぐより相手を引き出してWGが背後を狙ったりオーバーラップしたSBを使う意識の方が強そうな印象。

ヴェルディの非保持時は4-4-2なのはいつも通りなんですが、前線に出すIHが佐藤優平ではなく梶川になりました。ファーストディフェンスで制限をかける所を変えてきたようです。ただ、相手をどう誘導したいのか?とボールホルダーの自由を奪い選択肢を削れるだけの強度が足りないのは相変わらず

大宮の非保持時はハイプレス時は上記した噛み合わせを活かして中央を封鎖しながら寄せてきてサイドへ誘導、ミドルプレスではこちらもヴェルディの陣形に合わせた4-3-3でセットしてサイドへ誘導しWGに出させてSBとDHで奪いにいく形。アンカーにボールが入った時は河田のプレスバックとボールサイドのWGで挟みにいきます。セットした時は黒川が下がって4-4-2になります。

序盤の大宮はかなりの勢いでハイプレスをかけてきます。山口の監督時もそうでしたが、この思い切りの良さが霜田監督らしいですね。もちろん前節完勝した勢いもあるんでしょうけど

お互いSBが高い位置をとりたい様子なので、どれだけ相手のSBを押し込められるか?が鍵になりそうな展開です。

11分の失点は奥抜のクロスを菊地がスルーしてマークを外したのも大きいんですけど、ボールホルダーの自由を奪い選択肢を削る為の寄せができてませんでしたね。このアリバイ守備みたいなのは長年の課題ではあるんですけど、ここはサッカーとは何か?守備とは何か?の部分なので取り組んでいってもらいたい所。

先制点を取ったからなのか最初の10分15分は全力でみたいな時間制限があったのかはわかりませんが、大宮がミドルプレスに切り替えてきました。ただ、他所の事は言えませんけど守備が怪しい分端戸への縦パスが結構入りますね。ただここからチャンスメイクするまでには至らないんですけど、選手同士の意図が合ってないように見えます。コーナーキックの連続で押し込むシーンもありますけど中々シュートまでいけないですね。

奪われた時に河田に預けここで収まってから展開されるのが厄介なんですが、リードしてますし大宮としてはこれでいいんだと思います。

29分にここまで機動力を活かして効いていた山口がハムストリンクを痛めてしまったようです。軽症だといいんですが…

32分に山口→大雅へと交代して右IHに入り、佐藤優平がアンカー理仁が左SBへ移動。

佐藤優平が相手の背中に隠れてしまう事が増え、中央を使える事が減ってきました。比較的自由に動くタイプではありますがあまり調子がよくなさそうにも見えるんですよね。

ただこの辺りから球際で競れるようになってきました。ボールホルダーにしっかり寄せて自由と選択肢を奪い球際で戦うのは基本なので、常にこれくらいの強度は欲しいですね。ただセットディフェンスはどう誘導したいのか?がはっきりしておらずいるだけになってる所は変わってません。

38分の失点は菊地の背後を狙う動きが素晴らしかったんですけど、小島がフリーでしたからね…

2失点とも守備がズルズル下がる所からきてますし、セットディフェンスの精度の問題もあるのでここは早期に修正してもらいたいなと。

約束事はあるんでしょうけど、攻撃の形が中々作れず奪われてカウンターを受け、守備もどうやって時間や選択肢を奪いどのように誘導するのか?がはっきりしておらずいい所がないまま前半終了。



後半、大宮は一瞬ハイプレスでしたけどミドルプレスで待ち構えるのは前半と同じです。

山下のフリックと端戸がタメて櫛引を相手を引きつけてから梶川へスルーパス→梶川も馬渡を引きつけてからパスを出し竜士がフリーで打てました。相手が食いついてくるならワンタッチ、そうでないならタメて相手を引きつける判断が良かったです。

49分にンドカが佐藤優平から横パスを受けた時に理仁に上がれとやっていたのは良かったですね。前を向いてフリーでボールを持てる時は離れてスペースを作って全体を押し上げるのはボールを保持するスタイルでは必須になりますし、中盤に運ぶドリブル含めビルドアップ時の判断が相変わらずしっかりしてます。

50分に河面も膝?を痛めてしまったようです。大事に至らなければいいんですが…

52分に河面→山田へと交代右SBに入り馬渡が左SBへ移動。

ハーフタイムの修正なんでしょうけど、早い内に1点返した影響もあるのか攻撃時にモビリティが出てきてパスコースが作れるようになりましたし、守備も連動してしっかり寄せられるようになってきました。

ビルドアップでも相手を引きつけてスペースを作ってプレスを剥がして前進するシーンも出てきましたし、奪われた時に前線の受け手になる河田を潰す所も徹底してきたようです。

大宮のプレスの連動性が怪しい部分はあるんですけど後半はうって変わってボールを保持し押し込む時間が長くなり、奪われてもカウンタープレスが速いので蹴らせて回収のターンが続きペースを握れてます。

62分に奥抜と菊地→芝山とイバへと交代。イバはCFに入り河田がトップ下へ移動。河田の他に前線のターゲットを増やしてきました。

保持時はかなり流動的なんですが、カウンターの局面で山下が中央にいると相手を押し下げられますし、これもアリなんじゃないかなと。

パス回しもスペースで受けたり楔を入れてサイドに展開と楔以外は斜めのパスが多いのはいいですね。斜めのパスは相手にスライドとラインコントロールを同時に強要できる分負荷をかけやすく、ダメージを負わせやすくなりますの
で。

65分に竜士と梶川→小池と新井へと交代。運んで仕掛けられる選手を入れて勝負って感じでしょうか。

ここまで端戸が楔を受けられる事が多いですが、フリーの時にダイレクトに戻して寄せられてる時に前を向こうとするシーンがあるのは気になってます。

大宮は奪ってもイバ河田と黒川か柴山を前線に出す位であまり人数をかけてこない分押し込めるのもありますね。霜田監督はリードを守りきるような事をあまりやらない印象があるんですけど、尻に火がついてる分現実路線なんでしょうか?

ただ、ヴェルディもどうやって崩しにいくか?が山下と理仁のクロス位で全体像があまり見えてこないので現状では共通理解がはっきりしてない様子。まあたった2~3日でどうにかできるものではないんですが。

77分に大宮は馬渡と河田→河本と中野へと交代。CBを入れ守りを固めながら隙あらば刺しにいくって感じでしょうか。

ヴェルディは端戸と浜崎→佐藤凌我と阿野へと交代して阿野は右WGに入り山下が右SBへ移動。ヴェルディは逆にパワープレーに出てきました。こうなると戸島の不在が痛かったかもしれません。

左サイドの理仁と竜士(小池)とは大外内と大外外やハーフスペースとレーンの住み分けができてるんですが、右サイドは阿野と山下で大外レーンで被る事が結構ありますね。スクランブルなのでやむを得ないんですが、ボールを持ってない方がハーフスペースに絞る所はやっていってもらいたいです。

ヴェルディが押し込み大宮が跳ね返す展開が続いてる中で攻撃の形はよくわからないんですが選手達の熱量は感じます。

マテウスが最終ラインに入ってンドカを押し出すパワープレーから新井の惜しいシュートがありましたけど、大宮の守備を崩せずに終了。



最後に、ポゼッションはあまりはっきりしてませんでしたが、相手を引きつけて前進する縦に速い形はしっかりしてましたし、後半はボールホルダーに寄せて時間と選択肢を奪う所は改善されていたので前半がもったいなかったですね…

後半はほとんどありませんでしたが、セットディフェンスの問題はまだありますね。

ただ選手交代のタイミングや意図はわかりやすかったですし、選手達の熱量を感じましたので次節どうなっていくか楽しみにしてます。