20211205 第42節ホーム相模原戦

ホーム相模原戦。ヴェルディは4-1-2-3で相模原は3-4-2-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、噛み合わせ上サイドで数的優位が作りやすいので、SBとWGにサイドに流れたIHで前進する形がメイン。最後ラインにDHの川上が寄せてきた時はそのスペースを佐藤凌我が使って叩きサイドから前進する形もあります。ここからポケットを狙ってからクロスで崩しにいきます。CBが平松の脇から運んで前進できてますし、福村が降りてきた時は理仁が空きやすくなるのでここを使うとビルドアップの形が板についてきたようですね。

相模原の保持時は、CFの平松に当ててWGに落とすダイレクトな形と、ビルドアップは3バック+左DHの川上が左SBの位置に入り右DHの成岡がアンカーのような形でヴェルディの1列目を越えたら高い位置をとるWBに渡して前進するかシャドーへの縦パスからサイドに叩いたりDHに落としてサイドに展開してからのクロスがメイン。

ヴェルディの非保持時は、いつも通り4-4-2でハイプレス時は2CFが制限をかけて後ろが人を掴みにいきます。今節も球際でしっかり競れているので相模原の前進を許さないシーンが目立ちますね。カウンタープレスも引き続き効いてます。

相模原の非保持時は、5-4-1で平松が2CBに制限をかけ、後ろからDHの川上が寄せに出てきた時は平松が理仁を背中で消すのが約束事のようです。シャドーを引き出されたくないんだと思いますが、運ばれた時にサイドの数的不利になりやすいジレンマはありますね。

相模原はハイ~ミドルプレスくらいで非保持時は5-4-1。CFの平松が2CBに制限をかけるのはオーソドックスですが、最後ラインに寄せにくるのが左DHの川上なのでシャドーを外に残してヴェルディのサイド攻撃を警戒しながらも平松が背中でパスコースを消したり川上がついたりしてアンカーの理仁を見張ろうとの事なのかと。

ただそうなると空いた所を降りてきた佐藤凌我が使ってポストプレーからサイドに叩いてり、1つ飛ばすパスで川上が出られないようにしてからヴェルディのSBと外に開いたIHとWGで相模原のWGとWBに数的優位を作って前進していきます。

晴也がCFの脇から前進した時に佐藤凌我が降りてきた時に下がってと合図してましたし、(佐藤凌我は左WGの新井へのフィードの囮になりにきたようにも見えますが)余裕を持ってビルドアップできるようになってきましたね。

相模原は勝つしかないので実質1-0リードみたいな状況ではあるんですが、実際リードしてるような余裕ある感じでビルドアップからパス回しができてますし、相手の間に動いてパスコースを作ってサポートするのもスムーズにですし、空いたポジションを埋めてストラクチャーを維持する形もできてます。

相模原の強度がそれほどでもないのはありますが、空いてる所から前進して相手の間でパスを受けて崩しにいき、奪われた時もカウンタープレスやマンツーの強度もあってボールを奪い返せてます。相模原に攻撃らしい攻撃をさせておらず理想的な序盤戦。

サイド奥からハーフスペースに戻して逆サイドポケットから折り返す横の揺さぶりもありますし、後はいつ取れるか?って展開が続きます。

17分の先制点はクロスの跳ね返しを深澤が拾って新井に渡し藤本をかわしてファーに打ち込む綺麗な形でした。あのスピードであのコースではGKはノーチャンスですね。

失点後の相模原はプレスラインを上げてCBに寄せにくるようになりましたがまだプレスが噛み合ってない分強度がそこまでは上がってこないですね。攻撃もWBの所で詰まるので背後に蹴る形が目立ちます。

飲水タイム後に相模原が落ち着いて持てた時のビルドアップは3バック+左DHの川上が左SBの位置に入り右DHの成岡がアンカーのような形。ヴェルディの1列目を越えたら高い位置をとるWBに渡して前進するかWGへの縦パスからサイドに叩いたりDHに落としてサイドに展開してクロスが主な形。

25分に晃樹がトラップした所を奪って少し運んでから小池へのスルーパスはピンズドでした。

相模原は1CFなので2CBが脇から運ぶのと、SBが降りてきてシャドーを引き出して理仁やIHに渡す形もあるのでほんとビルドアップのバリエーションが増えましたよね。

30分くらいから相模原が持つ時間帯が増えますが、ボールホルダーに寄せて時間と選択肢を奪えてるので問題なさそうです。ヴェルディがマンツー気味についてくるので空いたスペースに誰かが入ってくる形があれば状況が変わりそうではあるんですが

誰かが動いて空けた所を後ろが埋めてたり、佐藤凌我が降りた時に梶川がCFに入ったりとストラクチャーを維持できてますし、パスが入りそうなシャドーやWBの所もケアできてるので申し分ないですね。相模原の寄せがいまいちだったり個で剥がせたりできているのも大きいんですが

相模原は前からハメにいく形にしてきたのでヴェルディのビルドアップがここまで程スムーズには
いかなくなりましたけど、そうなったらレイオフや理仁が降りて数的優位を作って前進と相手のプレスに合わせて対応できてます。

45分に川崎が頭で繋ぎ鎌田がアウトで合わせたのは綺麗な形でしたけど出てましたね。

終盤に相模原にゴリゴリこられましたけどこういう状況では難しくなる部分はありますね。これで受けに回るようになるとヴェルディの場合は脆さが出るので積極的にいきたい所。

ビルドアップのバリエーションが増えて前進しやすくなったのもありますが、空いた所を使いながら中間ポジションをとって崩しにいったり、前に合わせて後ろがレーンやポジションを使い分けてストラクチャーを維持しながら攻撃できてました。カウンタープレスの反応もよく守備の強度を保ちながらボールホルダーの時間や選択肢を奪う事ができてましたので全体的にインテンシティが高く申し分なかったです。

正直これが3月4月だったらなーと感じる前半。



後半頭から藤本と中山→安藤と児玉駿斗へと交代して両シャドーを代えてきました。もう少しライン間を活かしたいんだと思います。

後半の相模原はシャドーの安藤がタメを作って深澤を引き出してその背後をWBの夛田が狙う形にしてきました。ここまでライン間をあまり使えてませんでしたからその修正なんだと思います。

平松も絡んで左サイドから崩したんですけどオフサイドでしたね。

守備もスペースより人を掴みにいくようになってヴェルディのビルドアップを引っ掛けられるようになってきたので守備の強度や運動量を上げる意味合いもあったんでしょう。ほんと高木監督は相手の良さを消したり弱みを突いたりするのが上手い!

ヴェルディは相模原がマンツー気味に修正してきたので後ろで回して引き出してからその背後で佐藤凌我が受け盤面をひっくり返して前進していきます。前からくるなら背後が空くよね?って感じで修正できてる所はほんとチームとしての成長を感じます。

https://www.instagram.com/costoros_verdy/reel/CXL2lzrjTHM/?utm_medium=copy_link

ゴールキックからの繋ぎで平松が寄せてきた所の脇からンドカが運び、成岡が反応してマークが外れた時に理仁を渡してプレスを剥がして前進できました。持ち上がって相手を食いつかせれば1人で2人を引きつけられるのでフリーな選手を作れますし、ビルドアップは本当に良くなりました。

相模原もデュエルでは負けてないのでロングフィードから前への圧力を強めてきました。かかってるモノがある相手に及び腰になっていないのはいいですね。

58分に相模原は平松→児玉澪王斗へと交代。左シャドーに入り安藤がCFへ移動。もう少し運動量を上げて圧力をかけたいのかなと。

同じくヴェルディは新井→山下へと交代。相模原が前から圧力をかけてくるのでその背後を突こうとの事なんでしょう。

61分の得点は、福村のロングフィードを佐藤凌我→山下が頭で繋いでCBの背後に落として佐藤凌我がニアに打ち込む形で盤面をひっくり返す交代の意図がズバリはまりました。

ただ山下の所がオフサイドだと思うんですよね…

追加点が取れてプレッシャーから解放されたのかまた前半のような自信と躍動感が戻ってきました。ホームで勝ててなかったのも影響してるのかもしれませんね。

逆に相模原は一発で盤面をひっくり返されて失点した分出足が鈍くなってきました。

相手に捕まらない中間ポジションをとってシンプルに叩いて持ち過ぎず独力で相手を剥がせていて晃樹が躍動してますね。組織の中で個を活かす事ができてます。

72分に相模原鎌田→梅井へと交代して4-4-2へ変更。放り込みとロングスローのパワープレーって事なんでしょう。

同じくヴェルディは小池と晴也→竜士と富澤へと交代。前線からの強度を維持しながらも富澤入れてクローズドにも備えると。

最後ラインから運んだり、相手が出てきた背後のスペースへのフィードでプレスを剥がして前進して崩しにいく前半のような形が戻ってきました。

77分の得点は、梶川のシュートのこぼれを深澤福村深澤で押し込みました。ポケットに差し込むスルーパスからのシュートはここまでやってきた形ですからね。

78分に梶川と深澤→加藤と若狭へと交代。加藤はアンカーに入り理仁が右IHへ移動。梶川は今節もかなりの距離を走ってましたし深澤もプロ初ゴールおめでとう!3点差になってクローズドって印象。相模原からするとエグい!

さすがに相模原は捨て身の特攻で襲いかかってきますが、サイドに蓋をしてクロスを入れさせないようにしてますし、球際で競って戦い対抗できてます。

83分に成岡→窪田へと交代。

ロングスローを跳ね返して球際で競ってと気持ちのぶつかりになってますが、集中して対抗しながらボールを保持した時は繋ぎながら崩しにいく形は継続してます。

これだけ登り調子になってきてるんですけどこれ最終節なんですよね(´・ω・`)

攻守や切り替えも含めほとんど隙がない状態を保ったまま終了。



最後に、スペースがあったら運び相手の中間ポジションに顔を出してパスを受けてサイドからポケットとって崩しにいき、守備もカウンタープレスや寄せの強度を維持しながらパスコースを切ったり使いたいスペースを使わせなかったりして隙がなかったです。

組織としての連動性がしっかりしてて組織の中での個を活かしながら皆が躍動してたんですけど特に晃樹が良さを発揮してました。

晃樹がそうエゴを出さず組織の中で自分の良さを存分に発揮できてたのが今節一番の収穫かなと。

今が3月4月だったらなーっていうのが正直な感想です。

今期はお家騒動やパワハラ報道等ピッチ外で色々あったので選手や指導陣フロントスタッフやファンサポーターまで大変なシーズンでした。

サッカーに限らずスポーツってメンタル面に大きく左右されるので戦術的な部分の総括が難しいんですけど、守備の約束事や寄せの強度が散々で、攻撃は蓋をされたら詰まり背後を狙うモビリティが減って停滞してた所からよくここまで立て直してきたなっていうのが正直な感想です。

ビルドアップや崩しの形はありましたけど、終盤にかけてバリエーションが増えて連動性も増してきました。

守備はほんと散々でこれはもう無理かも…と思ってた時期がありましたけど、寄せの強度が上がり後ろも連動してついてくるようになって改善していきました。

攻守と切り替えが繋がって高いインテンシティを保てるようになってきたのが今期一番の収穫だったかなと。

来期の事はまだ何もわかりませんが、寄せの強度と押し込まれた時に受けに回らずに対抗する所や、攻撃で無駄に人数をかけたりボールタッチを増やしたりしない所は継続してやっていってもらいたいなと。

今期終了。皆さんお疲れ様でした!