20220313 第4節アウェイ群馬戦

f:id:costoros_verdy:20220314222509j:plain

アウェイ群馬戦。ヴェルディは4-1-2-3で群馬は4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は、深澤が群馬の2CF脇で偽SBとなり山越はサイドに張る形でのビルドアップ。そこからCBが持ち運んだりIHに当ててWGに出して前進します。左WGの新井が担う事が多くそこからクロスや仕掛けで崩しにいこうとするんですが、群馬のブロックが堅く内側に中々入っていけません。

群馬の保持時は、ハイプレスもやりますけど基本的にはCBには寄せないミドルプレスで、奪ったらシンプルに背後を狙うかサイドに展開してのクロスがメイン。ビルドアップは降りてきたCFの加藤や右SHの田中に当てレイオフで前を向いた選手に落とす形もあります。左サイドはSHの山根のポジショニングに応じて左SBの光永がオーバーとインナーラップを使い分けをしてますし、右サイドは右SBの小島が上がって深澤をピン留めして右SHの田中が降りて起点を作る形はよく整備されてますね。

ヴェルディの非保持時は、群馬の2DHがかなり低めなのでCBまでは寄せずにサイドに出したらWGが寄せ、それに連動して押し上げていきます。バックパスに追っていく時はプレスが間に合わない事はありますが形としては良くなってきてますね。

群馬の非保持時は、2CFでアンカーの理仁を挟んだ所からSBに出ると理仁へのコースを消しながら寄せていきます。ハイプレス時も片方は理仁を見張りCBに寄せる時は理仁へのコースを消しながら寄せにいくのでここも整備されてますね。セットした4-4-2はスライドやラインコントロール(スカラトゥーラ)や寄せにいく選手の斜め後ろのスペースを埋めるカバーリング(ディアゴナーレ)がしっかりしてて強固です。ここはさすが組長だなと。

序盤はお互い蹴り合いで始まりました。

f:id:costoros_verdy:20220314222545j:plain

ゴールキックからのビルドアップでフィールドプレイヤーがGKと並ぶのは珍しいですね。一度相手を中央に寄せてからサイドを使いたいのからなのかもしれません。

ヴェルディは山越からサイドに開いた大雅への縦パスがいくつかありますが、角度が無い分自陣を向いて受けるのでプレスを受けて中々前進できません。これなら山越がレイオフを受けてサイドにチェンジの方が良さげな感じではあります。

群馬は最終ラインから加藤や田中に当てレイオフで前を向いた選手に落として前進するのと(もちろん前を向ける時は前を向いて仕掛けますが)、後ろで回してヴェルディを引き出して背後を狙うのを併用しながら前進してきます。

7分シュートは佐藤凌我が降りたり流れたりした時に空いたCFのポジションに梶川が入ってくるのは以前からやってましたからね。

12分の田中のゴールシーンなんですが、まず佐藤主審はゴール判定。副審はペナルティエリアの先位で佐藤主審と同じ位の高さにいたので佐藤が寄っていって協議をした上で判定を変えたんだと思います。その時ビジョンでゴールシーンを流してたんですが2人共ビジョンを背にしているので映像は見てませんし(通信で4審が関与してたかどうかは知る術がないので触れません)手続き上では問題ありません。

ヴェルディの選手達の気持ちはよくわかるんですが、J2ではVARが無く審判団は映像を見て判断してはいけないので、もし審判団が映像を見てしまうと手続き上誤審を承知の上でゴールを認めるしか方法が無くなってしまうので絶対に止めるべきです。これは以前マリノスの仲川のゴールシーンでもありましたよね。

手続き上で問題があると天皇杯での名古屋vs奈良みたいに再試合(このケースではPK戦のやり直しでしたが)をせざるを得なくなってしまいますので

大槻組長が抗議してますけど、納得いかないのはわかります。

深澤の偽SBでギャップを作って前進したいんですけど、群馬のマークの受け渡しがスムーズなので中々上手くいかないんですが、ここは群馬の組織力を誉めるべきですね。

ヴェルディトランジションは引き続きしっかりしてますけど、今節は縦パスのスピードが速いので群馬のブロックの内側で受けられてるシーンがいくつかあるのはいいですね。この形もあるとサイド攻撃がより活きてきます。

今までなら押し込んだ時に狭いとこ狭いとこに行ったり、サイドに人数をかけ過ぎて肝心の中央に誰もいないんだけど…(^^;)みたいなのが散見しましたけどこういうのが無くなったのはクラブとして前進してきてるなと。

ヴェルディは逆サイドへのロングフィードでWGを使う事が増えてきました。ここまで中々クリーンに前進できていないので攻め手を変えてきた様子。

そうなってくると群馬はプレッシャーラインを少し下げて対応して背後のスペースを消してきます。対応が速いですね。

この試合とは関係ないんですけど、解説の佐藤勇人も前節の深澤のゴールはラモスだと思ったようです。

背後にスペースが無いのでサイドチェンジで新井が逆足で(とは言っても利き足ですが)斜めのクロスを入れるのがメインになってきました。意図はわかりますし中の選手達も感じてるようなんですけど群馬の守備が堅いです。

群馬がプレッシャーラインを下げてから展開があまり変わりませんが、カウンターの起点になりそうな所はしっかり潰せてますね。

ヴェルディはバックパスから背後を狙う形も出てきましたけど群馬がそれほど追ってこないのであまり陣形が動きません。サイドチェンジや背後、バックパスで引き出すと崩しの形を色々やれてますし、流動的ですけど誰かが空けたスペースを誰かが埋める所もできているので悪い印象はないですね。

チャンスメイクできた数はあまりありませんでしたが、前進の仕方や崩しの形の意図はわかりますしネガティブな印象は無いんですけど、開幕戦の長崎戦もそうでしたが相手がハイプレスというよりセットしてきた方が良さを出しやすいなと感じた前半。



後半、群馬はプレスのかけ方や少しプレッシャーラインを下げた所は変わりませんが、奪ったら後すぐサイド奥を狙うフィードが増えクロスを入れられる数が増えてきました。もう少しシンプルに攻めきりたいようですね。

ヴェルディは深澤がサイドで高い位置をとるようになり、その分IHが低めになりました。理仁が消されていたので配球の所で変化をつけたいのかなと。実際ライン間に縦パスが入るようになりました。

ヴェルディが低い位置で保持してる時はその分群馬のラインが高くなるのでシンプルに背後やサイドでのワンタッチプレーで前進する形が出てきました。これだとオープンな展開になりそうなんですが兵站の差が出やすくなる分ヴェルディからしたら優位性が作れそうです。

ヴェルディが押し込んだ時は簡単にクロスは入れずにポケットをとろうとしてますが群馬の守備が堅いんですよね…

ハイプレスに関しては後ろが連動できるかどうかでプレスのスイッチを入れるかどうかを判断してるようなので改善されてますね。

57分くらいから流動的ではあるんですが3センターが反時計回りにポジションを入れ替えるようになりました。逆足IHはシュートを見せながら逆サイドへのフィードも使えるのでサイド奥をとるバリエーションが増やせますし、特に逆サイドポケットへのクロスはGKはシュートを警戒しなければいけない分どうしても反応が遅れてしまうので上手く使えるとエグいです。

58分に山越→加藤蓮への交代してJリーグデビュー。左SBに入り深澤が右SBへ移動。群馬がシンプルにサイド奥を狙いにきてるので機動力をって事なんでしょうか。

ビルドアップで引っ掛かってショートカウンターを立て続けに受けましたが、スタイル上こういうリスクはつきものなんですがちとビルドアップが雑になってきたかなと。

61分に理仁のポケットに差し込むパスのこぼれを佐藤凌我がスルーして梶川にフリー打たせた崩しは良かったですね。これはブロックに入ったCBの城和を誉めるべきかなと。

群馬もマイナスクロスを受けた風間が2人を引きつけてから岩間に落としてチャンスを作れましたし一進一退の攻防になってます。

ヴェルディが押し込んだ時に人数をかけるようになったので奪われてサイド奥を使われるシーンが出てきました。群馬も中央に人数をかけられてないので大事にはなってませんがリスク管理の所がちと甘くなってきたかなと。もう少しミドルシュートを増やしても良さげに見えます。

69分に深堀→平松へと交代。長身選手を入れてターゲットにする形に変えてきました。

ヴェルディがボールを保持して押し込み群馬がカウンターを狙う展開が続きます。

75分に群馬は山根と加藤→天笠と高木へと交代。

ヴェルディは小池と佐藤凌我と大雅→バイロンと竜士と阿野へと交代。どちらも機動力の補強といった印象です。

この交代の後しばらくしたら梶川と理仁がポジションを入れ替えました。

ヴェルディは後ろで回して相手を引き出してから縦パス縦パスで前進する形が増えました。背後を狙うフィードに制限をかけると同時にブロック作られる前に攻めきるようにしてきたようです。

ヴェルディが縦志向になれば必然的にオープンな展開になってくるんですが、上記したようにヴェルディの方が優位性が作れそうです。

80分の得点は、深澤からバイロンに出した時に群馬のSHとSB2人が食いついてきたので理仁がサイド奥のスペースを使って前進し、えぐってから城和と櫛引の股を通したシュートでしたが、阿野が中央にいて跳ね返しを拾える位置に深澤がいたのも大きかったんじゃないかなと。

群馬は平松に当ててくるかなと思いましたが攻め手は変えてきませんね。守備はCBには寄せないのは変わりませんがSBに出た所への寄せが早くなりました。

83分に田中と光永→川上と山中へと交代。川上は右SBに入り小島が左SBへ移動。

ヴェルディは敵陣で落ち着いてパス回しをするようになりました。群馬はハイプレスで奪いにくるタイプではないですし、この時間帯ならゲームを落ち着かせる方がいいと思います。群馬はパワープレーではなく相手を動かしてスペースを作ろうとします。川上を入れた事でセットプレーでのターゲットも増えました。

オフサイドでしたけど川上に危ういシーンを作られました(^^;)群馬としては狙い通りだったと思うんですが

88分に新井と河村へと交代。前線からの強度を上げたいのかなと。河村はCFに入り竜士が左WGへ移動。

デュエルでの攻防が激しくなってきましたが当たり負けをしてる印象はないですね。

ATに入っても群馬は平松がサイドで起点を作るのでシンプルなパワープレーはしてこない様子。

90+3分に高木和が高木と交錯して頭から落ちる形になりましたが大丈夫でしょうか…

球際での競り合いが激しくお互いに特長が出ていたまま終了。



最後に、ヴェルディはサイドチェンジや背後とバックパスで引き出すと崩しの形を色々工夫していたのは良かったですがとにかく群馬の組織的な守備が堅かったです。

ヴェルディはちと危ういシーンはありましたが、トランジションの反応は引き続きしっかりしていてカウンターの起点を潰せてましたし、群馬は堅いブロックからサイドを使ってクロスとお互い特長が良く出ていて見ごたえのある試合でした。

群馬はここまで無失点なのも納得できる位守備が堅かったですし、新しい練習場の落成をJ3で迎える訳にはいかない!みたいなのもモチベーションになっているように感じました。後は速攻と遅効の使い分けの整備が進めばもっと結果がついてくると思います。