20211003 第32節アウェイ山口戦

アウェイ山口戦。ヴェルディは4-1-2-3で山口は3-4-2-1でスタート。

ヴェルディの保持時は福村片上げの3バック+アンカーで山口の3トップのプレスを剥がしてサイドの数的優位を活かして前進していきますが、サイドCBがスライドして対応してくるのでそこからのサイドチェンジが基本線。序盤は狙いを持ってWGへフィードをしてますが、ビルドアップで進めなくなると蹴るだけみたいになってますね…

山口の保持時は奪ったら背後を狙う大槻をターゲットにしながらサイドに開いたシャドーやWBへのフィードからマイナス含めたクロスが基本線。右は池上左は桑原のようですね。シンプルに前線を使うだけでなくWBを使ったレイオフで繋ぐ形もあります。

ヴェルディの非保持時はいつも通り4-4-2。山口はDHを降ろして4バック+アンカーのようなビルドアップなので2トップ制限をかけきれないのは仕方ないです。サイドへ誘導する意図なんですが、ちと間延び気味なので受け手がフリーで前を向けてるシーンが目立ちます。

山口の非保持時は、ハイプレス時はヴェルディの最後ラインに前の3人が寄せていき、サイドを使われたらDHが降りてサイドCBをSBのようにして対応します。ミドルプレスはボールサイドと逆のWBが最終ラインに降りる4-3-3でセットすると5-4-1。間で受けようとする選手にボールが入った時は前を向かせないようしっかり寄せてくるのは徹底してますね。

序盤は山口が時間と選択肢を削るようなハイプレスなのでボールが速く進み速く戻ってくる忙しい展開。

山口はヴェルディの3バックに対して3トップをぶつけてきますが、柴崎をビルドアップに組み込こんだ時はGK-CBに3トップSBにはWBが飛び出してくるのが約束事のよう。ここはよく整備されてますね。

13分に若狹の縦パスを端戸がフリックした所から端戸のシュートのシーンはオフサイドになりましたけど、叩いて上がってシュートと組み立てからフィニッシュまで絡んでましたし、若狹が時間を作った事で深澤が攻撃に関与できました。

ヴェルディの保持が落ち着いてくると、最終ラインで回しながらWGへの縦パスや高い位置を取るSBとWGで突破を図る事が多いです。ただ、非保持時の寄せの強度やスペースを埋める所は相変わらずのよう。

19分の失点は、大外から仕掛ける高井を桑原がオーバーラップでサポートしてヴェルディの選手を引っ張って使ったスペースを大槻に使われてしまいました。ここも高井に寄せられてないんですよね…

先制して元気になった山口は強度の上がってきてレイオフで前進して押し込むようになり、ヴェルディはWGへ蹴ったりギャンブル気味の縦パスが増えてきましました。ヴェルディはボールホルダーにしっかり寄せて時間やスペースと選択肢を奪えてない引き続きの課題の影響もありますが

インテンシティに差がある分、山口はカウンタープレスやセカンドを拾う所でも優位なので堪える時間が続きます。

失点するまでは少なくとも山口のペースではありませんでしたけど、お互い最近結果が出てないのもあるのかもしれませんが得点のモチベーションは大きいですね。

ヴェルディはリズムが作れず中盤がほとんど機能してないので攻撃が単発になってますし、守備ではボールホルダーに寄せられずに動かされてるのでにんともかんとも…

山口はレイオフや壁パス、サイドチェンジで押し込み守備では受け手に前を向かせない共通認識があるので意思決定がスムーズですし、奪いたい時に奪えてるので今節も「いい攻撃はいい守備から」を実感する内容になってます。

端戸が潰れながら繋いでゴール前にも顔を出してるんで、この頑張りに周りが応えてあげてほしいんですが…

失点するまでは悪くはなかったんですが、失点後はリズムが作れず単発気味になり守備や強度に問題があるので2点目を取られなくてよかったが正直な感想の前半。



後半頭から福村→理仁へと交代。

ンドカが池上のプレスをかわした時にDHの佐藤謙介佐藤優平につき、WBの大輔が理仁、右CBの菊地が竜士についてたので、梶川が前にスペースがある状態で受ける事ができ、運んで大雅のシュートまでいけました。ここまで中盤で推進力が出せませんでしたし、ンドカがプレスを剥がした事でマークのズレを突けました。ビルドアップ時の判断や精度が良くなってきてると思います。

後半の山口はサイドからのクロスだけでなく中央に縦パス打ち込んでくるようになりました。横に揺さぶれてるのならここも狙っていこうとの事なのかと。

48分の得点は理仁のサイドチェンジから深澤と小池で相手を押し込んでマイナスクロスを梶川が決める綺麗な形でした。小池が仕掛けて佐藤謙介をかわし、山口のディフェンスの押し下げてスペースを作ったプレーが効いてました。

追いついて元気になったのか球際の所や強度が上がってきました。前半にも書きましたが、お互い最近結果が出てないのもあるのかもしれませんが、得点のモチベーションは大きいですね。

後半最初のシュートシーンもそうでしたが、ンドカの縦パスを梶川が3トップの背後で受ける事が増えたのでここをビルドアップの出口にしてきました。理仁が高い位置を取って右WBの大輔を引きつけてスペースを作ってますので後半修正してきたようです。

梶川から高い位置をとる理仁やライン間にいる佐藤優平に出したりしてチャンスメイクできるようになってきました。

若狹も運ぶドリブルをするようになったので、数的優位を作って前進できる分ビルドアップが安定してきました。ハイプレス時は背後やライン間のスペースを狙い、出てこないなら運ぶ所の判断が上がってくるとボール保持がしやすくなりますね。

54分にパススピードが遅かったので、理仁がインターセプトを狙いにいった所で大輔を削るような形になってしまいました。かなり勢いがあったので警告はやむを得ないかなと。ただ、しっかり球際を競りにいったのはいいと思います。

ちなみに、警告以上の反則を受けた選手を素早く治療が完了できる場合はピッチ内治療が認められています。

ヴェルディのインテンシティが上がったのもありますけど山口の出足が少し遅くなってきたので、暑さによる疲労が出てきたのかもしれません。

もう一回同じ動画を貼るんですが、若狹が運んで山口の2DHを引きつけてスペースを作り、そこを佐藤優平が使って梶川に出す形になり(優平さんのコメントにもありましたが、本来は左サイドの理仁を狙ってました)、佐藤謙介を引きつけて作ったスペースを佐藤優平に渡してミドルを打ち込む形。佐藤優平のシュート精度はもちろんですが、若狹が運んで相手を引きつけてスペース作った所から始まってます。「最初の前進がスムーズに成功すれば、全てが簡単になる」の典型例ですね。

64分に大輔→澤井へと交代。大輔の状態があまり良くないんでしょうか…

直後に挨拶代わりに澤井が理仁を削ると

失点して山口が強度がまた上がってきました。ヴェルディはまた寄せる所や強度が今1つになってきたんですが、リードして受けに回ってしまうと中盤で引っ掛けられてカウンターを受けたり、押し込まれたりしてきますので寄せや球際の強度はしっかり対抗していきたいですね。

山口の強度が上がってきたので端戸に当ててレイオフで前進するように変えてきました判断はいいと思うんですが、中央ばかりでは狙われますのでサイドも織り交ぜてらいけたらなと。こういうケースではゴールを奪う所から逆算されてないパス回しでも全然いいのでペース落とせれば最高ですね。

76分に大槻と高井→小松と梅木へと交代して4-4-2へと変更。もう1度プレスを強めながらゴール前の人数を増やしたいのかなと。

81分に竜士と小池→新井と持井へと交代。両WG共ちとお疲れ気味でしたので仕掛けとサイドの守備のテコ入れって感じでしょうか。

またヴェルディの強度が落ちて受けに回り堪える展開になってきました。守備に問題があると保険が効かない分パス回しで時間を使うのは難しそうな印象ですが、その中でも奪った後繋いで前進する形を作れていたのはよかったと思います。

86分に菊地と田中→島屋と神垣へと交代。

87分に大雅→佐藤凌我へと交代。かなりボールを追っていくのでプレスを強めていきたいんでしょう。

ヴェルディの中盤に空いたスペースを起点にして山口が前線に人数をかけたパワープレーに切り替えてきました。ここまでシンプルな形の方が良さげだったのもあるかもしれませんが

90+1分に深澤→戸島へと交代。左IHに入り佐藤凌我が右WG持井が右SBへ移動。

90+5分から鹿島るようになりました。佐藤凌我が身体を張ってマイボールにしたプレーが特に効いてましたが、こういう所で理仁を技術を活かせたのも大きかったかなと。

このまま逃げ切って終了。



最後に、お互い得点したら一気に元気になったので、メンタル面の影響も大きいでしょうけど、今節も守備の曖昧さが攻撃にも影響してしまっていた印象です。前線の選手がプレスにいっても、ボールが前に出される状態なら後ろは怖くてラインを上げられないので空いたスペースを使われてしまいますし、どう誘いどう奪うか?の連動性の問題が強度が上がりにくい理由の1つかもしれません。

ただ、ンドカと若狹が運べる時は中盤に運び、相手を引きつけてスペースを作るビルドアップは良くなってきましたし、柴崎を組み込む事で安定感も増してきました。

今節の2得点は共にミドルシュートでしたが、ヴェルディは綺麗に崩しきろうという意識が強くミドルシュートがそう多くないので、相手が引いてスペースが無い時は積極的に狙っていってもらいたいなと。

明確な意図を持ち、ディテールにまで拘った練習は嘘をつかないのはその通りだと思いますよ。