20211103 第37節アウェイ山形戦

アウェイ山形戦。ヴェルディは4-1-2-3で山形は4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は、今節はロングフィードを佐藤凌我に当ててセカンドを拾ったり、後ろで回して相手を引き出してからWGが背後を狙うのがメイン。ロングフィードを佐藤凌我に当てて競り勝てなくてもセカンド拾えればいいので、ここは晃樹がよく対応してます。その分ビルドアップは少なめですが、CFに当ててからサイドに展開しながら寄せがそうでもない時は前を向いて仕掛けるのはいいですね。

山形の保持時は、ビルドアップ時に左SBの吉田片上げや、両方上げて秀仁がアンカーや降りてくる形。ヴェルディの非保持時とミラーになるのでマンツーで捕まり中々前進できないシーンが多いです。半田が絞るとDHの藤田が代わりに幅をとって右SHの中原の三角形を動かして前進し、左サイドは左SHの加藤が背後を狙ったり、キープして左SBの吉田が状況に応じてインナーとオーバーを使い分けてたりするのは約束事のようでここからのクロスが基本線。

ヴェルディの非保持時は、ハイプレス時はGKまでは寄せにいかず2CFがCBに寄せてサイドに出させ、WGが寄せマンツーで対応します。GKまで寄せにいく時は秀仁を背中で消すか、1列目の片割れがマークにつく形。山形に中央を使わせなくないようです。

山形の非保持時は、4-4-2でハイプレス時は2CFがCBに制限をかけてサイドに出させてSHが掴む形なんですけど、いまいち寄せきれてないのでヴェルディとしてはそう苦にしてない様子。1列目が寄せにいっても後ろが連動しておらずスペースがあるのは気になります。

ファーストチャンスは理仁からボールを受けた梶川が斜め後ろに下がって相手を引き出してからライン間の佐藤凌我へ渡しましたが、この動きは寛也が得意としてますね。(千葉戦で開始早々増嶋が退場になったのもこのプレーからでした)

GKまで佐藤凌我が寄せていくと最終ラインに制限をかけにくくなるんですが、序盤に半田と中原の所から簡単に前進させてしまってたので気をつけてもらいたい所。

ネガティブトランジションの所はお互いプロフェッショナルファウルをしてでも止めるのははっきりしてますね。

非保持時に山形と噛み合うのもあるんですけど、寄せの強度があるのでバックパスでやり直させるシーンが目立ちます。バックパスはプレスのスイッチになりますけど、背後にスペースを空けそうな時は行かない判断がいいですね。

佐藤凌我がプレスにいく時、バックパスを切るように寄せにいってボールホルダーに剥がされファウルで止めるシーンがちらほらあるので、このシチュエーションなら中を切るように寄せにいった方が良さげに見えます。

ヴェルディは自陣で相手に寄せにいく時は制限をかけきれておらず最終ラインを高く設定できないシーンがあるのと、スペースを埋めたりカバーしたりする所がちと曖昧になってるのは修正かなと。山形も押し込むとカウンタープレスが効果的なので波状攻撃を受けるシーンが出てきました。

19分に佐藤凌我がライン間で受け反転してのシュートが左CBの山崎の腕に当たりましたが、ボールの方向に腕が動いているので判定は正しいんですけどここまで二転三転します。こういう時に審判を守る為にVARがあるんですけどJ2にはありませんからね…

人間である以上一定の割合で誤審は起きてしまうのはやむを得ない事なんですけど、審判団での協議に時間がかかったとしでも自信を持って判定しないとゲームをコントロールするのが難しくなってしまうので、誤審だったとしても毅然とした態度でやってもらいたいですね

すったもんだがあった末のPKを小池が決めて先制。

飲水タイム明けのヴェルディは、安定して保持できる時でも蹴って回収される事が多く攻撃が単発になってきました。プレスを受けてミスになるのはある程度やむを得ないんですけど、奪った後のデザインはもう少し詰めていきたいですね。

ただ、守備は縦を切ってしっかりボールホルダーに寄せて前進させない対応はできてますので、山田やヴィニシウスが受けに下がってくるシーンもありますし、秀仁が降りてきたりSBが入れ替わったりしてもストラクチャーを維持できる仕組みを作れてるのはさすがだなと。

解説の越智さんも指摘してますけが、小池の竜士へのスルーパスのタイミングもそうなんですけど全体的に攻め急ぎ過ぎてる印象はあります。

ボールを持たれる時間が長くクロスを跳ね返す事が多いですし、リードしてるのでゆっくり保持してリズムを落とし息を整える時間を作りながら隙を窺うようにしたいんですけどね。

41分の得点は、梶川が持った時に佐藤凌我がサポートにきてから背後に抜けた小池のクロスに対して再度上がってボレーを決めるフリーマンストライカーの理想的な形。CFが下がって組み立てに参加する分前線には遅れて入るので相手が下がったスペースを上手く使えました。

敵陣でのプレスは申し分ないですし、中央を使われる事がほとんど無いので守備はしっかりしてますが、自陣でのボールホルダーへの寄せの強度と、奪った時にどうするか?の整備はもう少しといった感じです。まあ短期間でここまで作ってきたのは凄い事なんですが

もちろん山形の攻め手がほとんどクロスなので前向きでボールを奪えないのはありますけどね。

ATに入ってから後ろで保持してから背後の形がまた出てきましたが、2点リードしてますしリズムを落とせるので引き出して背後を狙うの方がよさそうに見えます。

意図的に縦に速い攻撃をしてる時はいいんですけど、ポジトラから無理目に急いで奪われたりしてたシーンは結構ありましたが、ボールホルダーにしっかり寄せて制限をかけ時間と選択肢を奪って中央を使わせずに身体を張る所もできてますし、ヴェルディとしてはチャンスを決めて理想的な展開を作れた前半。



後半もハイプレスは相手の時間と選択肢を奪う所や、バックパスで相手を引き出して背後を狙うのは継続できてますし、押し込まれて奪ってもカウンタープレスを受けて再度失ったり、蹴らされて回収されてと耐える時間帯が続きますが、前進を阻んだり攻撃を遅らせる事はできてます。

守備はかなり良くなってはきてるんですけど、寄せにいったスペースのカバーが曖昧で空けたスペースを使われ前進させているので、ボールを保持した時にもう少しリズムを落として時間を使いながら攻めたいなとは思いました。

まあ山形がセットディフェンスが曖昧な所を突いてライン間を使うように修正してきたのが効いてると言った方がよさそうですが

ヴェルディが中々ボールを奪えず奪ってもすぐ奪い返される展開が続く中でボールホルダーに寄せきれなくなってきたので身体を張って耐える割合が多くなってきました。奪い所やタイミングを共有できるようになってくればポジトラが安定してくると思うんですが、ここは守備の整備の先にあるものですからね。

保持できた時に急ぐ傾向があるんですが、オープンな展開にしてしまうと追いかける方からするとありがたいので避けたい所ではあります。

59分に山田のシュートをンドカが側頭部に当たった時に西山主審がインプレー中に止めましたが、こういうケースは脳震盪の疑いもあるのでゲームを止めたのはいい判断だったと思います。

ヴェルディにちと焦りみたいなのが出てきて落ち着かない感じなんですが、現段階ではやむを得ない部分もありますのでなんともといった所。

66分に山田康太と中原と吉田→國分とマルティノス山田拓巳へと交代。前線2枚とSBを代えて圧力を強めていこうとの事なんでしょう。

67分に小池と竜士→山下と新井へと交代。両WGの運動量を考慮したんでしょう。新井は今節も順足の右サイドですね。

両チーム共次の試合に向けての意味合いもあるでしょうけど

70分のPKになったシーンは、ンドカが不用意に広げた腕に國分のシュートが当たってますので仕方ないですね。

このPKをヴィニシウスアラウージョが決めて1点返されます。

後半頭からほとんど展開が変わりません。前述しましたが現状では手札が足りないのでやむを得ない部分ではありますが、身体を張って耐えてます。

繰り返しになるんですが、なのでボール保持でリズムを落としてゲームを落ち着かせたいんですよね。

(展開が変わらないので書く事がないのは正直あります)

85分に晃樹と佐藤凌我→大雅と戸島へと交代。2人共ほんとよく走りましたしお疲れ様でした。

新井が2つ程見せ場を作ったシーンがありましたが、右サイドでも特にストレスなくやれてるのは収穫ですね。

87分に加藤→林へと交代。CFに入り國分が左SHへ移動。

ブロックが低過ぎるとマルティノスのミドルが飛んでくるのでボールホルダーに寄せにいきたいんですが難しそうです…

90+6分に加藤→平へと交代。

最後まで山形の攻撃を耐えきって終了。



最後に、ボールホルダーに寄せて身体を張るハードワークが引き続き継続できていたのはよかったです。

ボールホルダーにしっかり寄せて時間と選択肢を奪いながら制限をかける所や、縦を切って前進を阻む守備はしっかりしてましたが、セットした時にボールホルダーに制限をかけきれなかったり寄せにいったスペースのカバーが曖昧でそこを突かれて劣勢になると守備の収穫と課題がはっきりしてました。

攻撃はセカンドを拾ったりやライン間や背後を狙う事でチャンスメイクする形はしっかりしてましたし、この結果が自信に繋がってくれればいいですね。