20211107 第38節ホーム長崎戦

ホーム長崎戦。ヴェルディは4-1-2-3で長崎は4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は、最終ラインで回してSBやアンカーを経由して長崎の2DH脇のIHを起点にして前線が背後を狙う形がメインでシンプルに最終ラインから背後もあります。

長崎の保持時は、CBからSB→SH→戻してDHに差し込んでからもう一度サイドに叩く形とCFに当ててSHを走らせる形が多いです。縦パスを入れると一気にスピードアップしてきますね。

ヴェルディの非保持時は、2CFに制限をかけてSBに出させてWGが寄せていき、縦を切る意識が高いのは前節と同じですが、セットディフェンスでスペースを埋めながら前進を阻む所は長崎とは差を感じます。まあ和製ロティーナ松田監督のチームとの比較は酷ではあるんですが

長崎の非保持時は、2CFがCBに制限をかけてサイドに出させてSHが寄せにいき、アンカーの理仁に入るとDHの鍬先が寄せにきます。その背後は圧縮して斜め後ろのポジションをとるディアゴナーレもしっかりしてますし松田監督らしい綺麗なゾーンディフェンスですなんですが、ゾーンに慣れ親しんでる問題点として相手に寄せる意識がそんなに高くないですね。

ゾーンに慣れ過ぎてマンツーというか寄せる意識が低下傾向になるのは欧州の育成でも起きてる事なんですが

序盤の長崎はかなりの強度でハイプレスにいきますが3分程で落ち着いてきました。松田監督のチームらしく綺麗な4-4-2のミドルプレス。

序盤のヴェルディは最終ラインで回して背後と3センターやCF経由で背後を狙いますが、長崎に蓋をされて中々前進できないシーンが目立ちます。

お互い最終ラインでゆっくりしたポゼッションから縦に入れてテンポアップするので落ち着いたゲーム展開です。長崎はプレスで時間と選択肢を奪うというよりセットするのでヴェルディが保持してる時間帯の方が多いですし、IHが長崎の2DHの脇でポイントを作れてますがここからの崩しがもう1つといった印象。分析がハマってるようにも感じますが、時間的余裕があるので空いた所を見れてるのかな?って感じもあります。

13分に福村のアーリークロスを小池がボレーで合わせたシーンがありましたが、スライドするのが難しい速いサイドチェンジやクロスとダイレクトプレーはゾーンディフェンスの天敵ですし、狙いはよかったですね。

ウェリントンが前に出てくる背後のスペースに梶川が流れて起点を作れてますし、やりたい事が概ね体現できてますけど長崎は持たれる事をそう苦にしてないような感じはあります。

ボールの失い方なんですが、長崎はサイドから中央に打ち込んでくる時なので相手は横を向いてますけどヴェルディは縦パスで相手は前向きなのでカウンターのリスクはヴェルディの方があります。

飲水タイム中に映ってましたが、ベンチにタブレットがあるようですね。

飲水タイム後の長崎はボールホルダーに寄せて制限をかけてくるようになりました。ボールの奪い所がいまいち定まってなかったのでその修正なんでしょう。

敵陣でマンツーでハメにいったりネガトラでのカウンタープレスで蹴らせて回収ができていて主導権は握れてますが、崩しの所で意図が合わなかったりしてチャンスはあまり作れてないですね。この流れの内に得点できると楽な展開にできそうなんですが

カイオに抜け出された決定機を深澤が絞ってよく対応しましたが、長崎はこういう一発がありますからね。

終盤にハイプレスでハメられて奪われるシーンがありましたけど、ヴェルディも意図的に奪えてるのでほんと後は崩しが…なんですよね。

やりたい事が概ねできていましたし主導権を握れてましたけど、決定機はそんなに作れてなかったので、崩しの所で中々合わなかったのがもったいなかったなと感じた前半。



後半、長崎がCBまで寄せてこないのは変わりませんが、2CFがアンカーへの門を閉じながら制限をかけ後ろが連動して寄せてくるようになりました。ここまでライン間を比較的自由に使われていたのでその修正なんでしょう。

中央突破の所で奪われてカウンターを若狭が止めて警告になりましたが、全体的に前に行き過ぎて中盤にスペースができてましたね。得点が欲しいのはわかりますけどバランスを考慮してもらいたい所。

50分くらいからはライン間までは進めますけどその先が…と前半と同じ展開になってきました。

ここまでは順調だったんですけど、理仁の縦パスが植中に当たって鍬先に渡った所を後ろから倒してしまい退場。数的同数だったんですけどもったいなかったですね…まあ全体的に前がかりになってて中盤にスペースがあったのでチームとしての責任なんですが

ヴェルディは4-2-3で守備は4-4-1になりました。

数的不利になったので守備ラインはロープレスになったんですけど、ヴェルディはセットディフェンスに難があるので前線がCBまで寄せにいって制限をかけにいきます。佐藤凌我はシンドイでしょうけどセットするよりこちらの方がいいでしょうね。

56分に澤田→名倉へと交代。数的有利になり押し込めるようになったので守備的なSHから攻撃的なSHに代えてきました。

押し込まれる中耐えて前3枚で逆襲を狙う形になります。

62分に竜士と小池→新井と山下へと交代。この展開ではWGが走って死んでになりやすいのでフレッシュな選手を入れてきました。今節の新井は逆足サイド。まあ1人で何とかしてになりやすいですからね。

66分に加藤→都倉へと交代。押し込めるので高さをプラスしてきました。

押し込んだ時に何とかエリア内に入ろうとするんですけど、長崎は勝つしか道がない分スコアレスの時間が長くなるのは嫌なはずなので、セットプレーをとりながらも急がずに息を整える時間を作って焦れてスペースができればアタックするみたいな感じでもいいかなとは思いました。

長崎は都倉が入った事でシンプルにクロスを入れてくる回数が増えてきましたがまあ当然ですね。

76分の失点はサイドチェンジで毎熊がフリーだったのもありますけどついに決壊してしまいました。

長崎は自陣深い所の最終ラインで回しヴェルディを引き出して陣形を間延びさせてきました。ここは試合巧者ですね。

80分に福村と佐藤凌我→大雅と戸島へと交代。前線にポイントを作りながら運ぶ選手を入れてきました。晃樹が右SB深澤が左SBへ移動。

長崎は非保持時は自陣でブロック作ってくるだろうと思ってましたけど最終ラインまで寄せてくるのでバーティカルな攻撃で刺せそうな感じはあります。

数的不利なのでサポートがないのもありますけど、中々戸島の所でポイントが作れないので押し上げが難しそうな様子。

86分にウェリントンと植中→加藤聖と山崎へと交代。

88分に梶川→加藤へと交代。梶川も疲弊してますからね。

ヴェルディは最終ラインで回してからWGを狙っていきますが、この時間帯では長崎が前に出てこないので難しそうな印象。

90分の失点は江川に奪われた所からのロングフィードでひっくり返されて都倉に運ばれカウンターで刺された形。運ばれて切り返しからのマイナスクロスだと対応が難しいのでやむ無しかなと。

ヴェルディはかなり前がかりになってきて特攻体制。吉と出るか凶と出るか。

90+5分に凶と出ました(^^;)

ここまでカイオのケアがなかったのはあるんですが

この直後に終了。



最後に、敵陣でマンツー気味にハメて縦を切る守備がしっかりしてましたし、長崎の寄せがそうでもないのもありましたけど、やりたい事が概ねできていたのでもったいないなとは思いました。

ただ、崩しの所での意思統一がいまいちだったのと、後半に長崎がブロック作ってヴェルディを誘き出させるような形にのってしまってバランスを崩した所から流れがガラリと変わってしまったので攻撃しながらの守備はまだまだでしたね。

まあ勝ち点をとれるかどうかが命取りみたいな昇格残留争いにいる訳ではないので、数的不利でも点を取りにいく判断自体は悪くなかったんですけどバランスの取り方がこの差になってしまったのでここは修正してもらいたいですね。