2ヶ月半ぶりのホームゲームとなった松本戦。ヴェルディは4-1-2-3で松本は3-4-2-1でスタート。
ヴェルディの保持時は最終ラインからWGに対角線へのフィードでWG-HV(3バックの両端のCB)間を狙って起点を作り、そこからコンビネーションで崩しにいくか戻してクロスが基本線で、ライン間をCFやIHが起点を作るのが2番手のよう。
松本の保持時は奪ってWBが運び、シャドーがSBの背後に流れてクロスやWBのアーリー含めたクロスが多い印象。繋ぐ時は河合が起点を作る形が目立ちます。それと奪った時にボールホルダーが孤立してしまう事が多いのでスムーズにカウンターへ移行するのが難しそうです。
ヴェルディの非保持時はいつも通り4-4-2。ハイプレス時にサイドに出させてWGが寄せていくんですが連動した押し上げが足りない印象。中央からグラウンダーのパスをWBに出されたシーンもありまだまだ不安定です。
松本の非保持時はハイプレス時は伊藤とシャドーのどちらかが最終ラインに寄せてDHの平川がアンカーの佐藤優平をマークする5-3-2。もう1人のシャドーは最終ラインとIHの間にいるんですけど、IHへのコースを切る目的なんだと思いますが、最終ラインに寄せきれずSBに出されて剥がされたりしてますし、WBが前線に連動して寄せにいくのかWGのケアをするのかがはっきりしておらず、ここの所の整備がいまいちな印象。セットディフェンスは5-4-1なんですけどこちらも整備されてないようで人に食いつき気味でスペース(特にライン間)が空く傾向があります。途中からDHがヴェルディのIHへのコースを切るシーンもあったんですけど決まり事って感じではなさそうですね。
松本のプレス強度は正直それ程でもないんですけど、開始早々ビルドアップの横パスを奪われてシュートを打たれます。ビルドアップ時のボールの動かし方がいまいち定まってない様子。
松本はボールホルダーへの寄せがそうでもないので前を向けるシーンが多く、WGが背後を狙うのをメインにしながらCFやIHがライン間を使い押し込んでいきます。あまり時間をや選択肢を削られてない分アイディアを活かして伸び伸びプレーできてるようです。押し込んでる時のカウンタープレスは引き続き効いてますのでボールを保持して主導権を握れてます。
ヴェルディも人数が足りてた中でセルジーショにフリーで打たせてしまってましたし、松本も守備組織や強度に不安があるのでボールを保持して守備の時間を減らす方が良さげな感じ。お互い中央に縦パスを通されてるシーンも結構ありますけど失点数ワースト1位と3位ですからね(^^;)
お互い中々奪えないのでトランジションが少なくターン制みたいになってる感じはあります。
飲水タイム直前に小池がンドカからのフィードを上手くトラップして橋内をかわしてシュートまでいきましたけど、ここの技術はさすがです。
開始早々にもありましたけど、低い位置のパスミスを奪われる怖いシーンがいくつかあるのは気になります。
飲水タイム後はボールを奪えない事もありボール支配率が減ってきて一進一退になってきました。
🎦 ゴール動画
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) 2021年9月11日
🏆 明治安田生命J2リーグ 第29節
🆚 東京Vvs松本
🔢 1-0
⌚️ 30分
⚽️ 小池 純輝(東京V)#Jリーグ#東京ヴェルディvs松本山雅FC
その他の動画はこちら👇https://t.co/JUEMOXumQp pic.twitter.com/W3HrqoBIbN
寄せの強度やボールウォッチャーになってたのもあるんですけど、エリア内で8人が関わり綺麗に崩して貴重な先制点をゲットできました。プレッシャーをあまり感じなければ技術とアイディアを活かして伸び伸びプレーできるんですよね。
梶川はロティーナ監督時を思い起こさせるような味方を助けるポジショニングができてますし、パウサ(相手と相対して時間を作るプレー)も効果的に使えて凄く効いてますね。
35分のセルジーショのフリーキックからの守備はボールホルダーにしっかり寄せて時間と選択肢を削れてましたし、この強度をスタンダードにしていってもらいたいです。その直後に常田に誰も寄せておらず、フリーでセルジーショに出されてましたので、継続して自分達がされて嫌な事をやっていきましょう。
低い位置で奪われて危ないシーンを作られて流れを渡してしまったり、守備強度は…ですが、保持してる時は伸び伸びプレーできてるのでメンタル面での影響はここまで感じませんね。
解説の渡邉さんは結構マイルドな言い方をしてますけど、お互いボールホルダーに制限をかけ時間やスペースと選択肢を奪う守備の基本中の基本が…なのでいまいち締まらない展開のまま前半終了。
後半の立ち上がりは松本がボールを保持しますが、前半同様河合が降りてパスを引き出して背後を狙ってと大忙しです。本来もっと前めでセルジーショをプレーにさせたいんでしょうから、孤立気味だった伊藤とセルジーショのサポートがタスクなんだと思います。
ヴェルディが保持する時は幅を使いながらパスを回して相手を動かし、ポケットを使って崩しにいく形。松本がボールウォッチャーになる事が目立つので縦パスやスルーパスがよく通ります。
奪った後のヴェルディは繋ぐかシンプルに背後を狙い、松本はWBが運んでクロスがメインの様子ですが、お互いトランジションが起きるのが相手のミスが多く奪うシーンが少ないのは前半と変わってませんね。
松本は足が重そうな印象があるんですけど、火曜日に試合やってましたしその影響が残ってそうな印象です。
58分に宮部と河合と伊藤→外山と鈴木と山口へと交代。外山は左WBに入り下川が左WBへ移動。
64分に奪ってから佐藤優平のロングシュートはGKのポジショニングをよく見てましたね。
その直後に小池と大雅→竜士と持井へと交代して持井がトップ下の4-2-3-1に変えてきました。中央に起点を作りやすくするのと松本のシャドーへのパスコースのケアや守備の安定させる為なんでしょうか。
お互い前線を代えてから高い位置からプレスにいくようになりインテンシティが出てきました。できればこれを最初から(^^;)
75分に平川→米原へと交代。
松本がハイプレスになったので蹴る事が増えてきましたが、苦し紛れではないんですけどCFとサイドのスペースの使い分けがもう少しはっきりたいなと思う所。
80分に佐藤優平→新井へと交代。トップ下に入り持井がDHに移動。モビリティを上げたいように見えます。
ここまで徹底してCBがニアに走ってたので、松本の選手がここを見てた分マークが外れた所にンドカがドンピシャで合わせられました。貴重な追加点をゲット!
松本は前半はかなり遠めからミドルを打ってくる事が多かったですが、後半はWBを押し出して幅を使って攻撃してくるようになりましたし、縦パスを差し込んできたり丁寧に攻撃するようになりました。これが本来やりたい形なんでしょうね。
84分に下川→田中パウロへと交代。
85分に堀監督が停まるな!離れろ!と言ってましたが、足元足元になってモビリティが無くなっていくのはヴェルディの悪癖の1つですし、ボールホルダーがフリーの時は離れるのが真のサポートになりますからね。
86分に端戸と深澤→佐藤凌我と加藤へと交代。加藤は右CBに入り若狭が右SBへ移動。前線の強度を上げながら守備固めをするって感じでしょうか。
ヴェルディは保持した時に上手く時間をつかいながら隙あらばって印象。
お互い一進一退のまま終了。
最後に、低い位置でのミスで怖いシーンがいくつかありましたが、ボールを保持して繋いで前進していくスタイルをやる以上隣り合わせのリスクではあります。ただ余裕を持って保持できた事での緩みのようにも感じましたので、ここのミスは減らしていきたいですね。
相手の強度がそうでもなければ技術とアイディアを活かして伸び伸びプレーできたのも大きな要因の1つだと思いますが、外的要因や監督交代でのメンタル面への影響は感じなかったのでここは良かったです。
ただ、こちらの守備強度も同じ位そうでもなかったので、前線を交代した後の強度を最低限にしていかないと残りのホーム2連戦はかなり不安です…
深澤のコメント
ビルドアップ時に僕のところには相手の左ウイングバックの下川選手が来ていましたが、そこで食いついてきた時に、前半からもう少し上手くやれれば良かったと思います。僕の立ち位置が少し高い位置になり過ぎていたので、相手が出てきやすいという自分のポジショニングミスがありました。 後半に関しては下川選手を引き出すなり、食いついてこなければ、自分のところから(端戸)仁君へのクサビのパスや(石浦)大雅に出すことを意識していました。相手があまり前からガツガツ来ないというのは想定内でしたが、僕らはビルドアップが目的にはなっていないので、(小池)純輝さんが一発で背後を取るなど、そういった形からの崩しで1点目も良い形で取れたと思います。ビルドアップからその先のゴールへの道筋という部分を、堀さんになってから背後へのランニングやクロス、シュートで終わるという意識が高まっています。
噛み合わせ上相手の大外にはWBしかいないのて、SBは相手から離れて受け、運んでから背後や端戸に楔やIHを使って攻撃を組み立て、WBが食いついてくるならアンカーやIHとのコンビネーションで剥がせれば山下がフリーで受けられますからね。ビルドアップとはゴールを奪う為の手段の1つであって目的ではない所も含めしっかり言語化されてるのはとてもいいと思います。