20210626 第20節ホーム栃木戦

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ホーム栃木戦。ヴェルディ保持時2-3-5非保持時4-4-2。栃木保持時3-4-3非保持時4-5-1。ヴェルディはWGが逆配置。

ヴェルディのビルドアップは2CB+3なんですが、ジュニーニョが加藤にマンツーでつく4-4-1-1のような形で矢野が2CB、SBにSHをつけてハメにきます。栃木のSHがCBに寄せにきた時にSBに出した時はそのまま二度追いするか、SBが出てきてその分最終ラインがスライドして対応します。

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戦術ボードを目の前に置いてた事は今まで無かったと思うんですが、状況に応じて用意してたプランを使い分けていくって事なんでしょうか?

4分までにマテウスからSBを狙ったフィードが2つありましたが、ここで栃木のプレスをひっくり返せればビルドアップの出口どころかシュートチャンスまでもっていけるので積極的に狙っていきたいですね。

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栃木はビルドアップというより矢野に当ててセカンドを拾うのが主な攻め手なので意識して密集を作ってます。このシーンも左SHの森(10番)がいるのがここですからね。

5分に若狭が矢野を引き付けてからンドカに出して時間とスペースを渡して運び、降りてきた端戸のレイオフを加藤が受けジュニーニョと佐藤祥を引き付けてから右サイドに展開して前進しました。噛み合わせ上栃木の2DHはヴェルディの2IHを見張る分端戸がフリーになりやすいですし、時間とスペースを渡しながら相手を動かせました。

佐藤優平や加藤から山口に展開して仕掛ける形が多い分WGには中に絞ってプレーしてもらう形になるので小池を左にもってきたんじゃないかなと。

栃木は奪われた時に矢野を狙ってくるのでここの起点を潰すのも準備してますね。ユニフォームが破れたりボールがない所で若狭と交錯して倒れたりとちと申し訳ないと思う所もありますが

9分の栃木のコーナーキックショートコーナーで大島に出して山下を引き付けてから菊地に戻し、また大島にリターンを返しポケットへのスルーパスの形は面白かったです。セットプレーでの得点数1位だそうなので色々なパターンを仕込んでるんでしょうね。

栃木は前節SBの背後を執拗に狙われてたのもあるかもしれないですし、ヴェルディのWGを警戒してかあまり前から来ないのでボールの保持は楽にできてます。ただヴェルディとしては栃木のSBが果敢にプレスにいくからWGがその背後を狙うのがメインだったので押し込んた事で背後のスペースを消される展開になると勝負の縦パスを入れるタイミングが早い印象はありますね。この時点でファーストプラン通りにはいかないのでこれが私が相手を見てプレーできてないと感じたのかもしれません。

16分、中盤で奪われ森→ジュニーニョ→佐藤祥→畑と繋がれフリーの状態でミドルを打ち込まれ失点。まあこれは畑を誉めるべきですが、前からハメにきたからひっくり返そうとした所を奪われてしまいましたね。

ファーストプランが外れて失点と今までならバタバタしてもおかしくないんですがそうでもないですね。失点して縦パスが減りバックパスが増えてきたんですけど気落ちしてる感じではないですし、ここまで連勝してる自信がリバウンドメンタリティになってくれてれば凄く嬉しいです(^^)

栃木のセットディフェンス時は攻めあぐねてますが、最終ラインとマテウスを含めてパス回しして栃木を誘き寄せてから背後を狙いを狙いにいきます。

飲水タイム後はンドカに畑が寄せにきたら山口の降りて受けフリーで運ぶように修正して噛み合わせの優位性を上手く使えました。右サイドでも同じように福村が降りて加藤や佐藤優平に渡せるようになりました。

ボールを触ってリズムを作りたいんだと思うんですが、山口が運んでる時に端戸が結構低い所まで降りてくるのはちと気になります。栃木はジュニーニョが加藤、2DHが佐藤優平と井出を見張る分IHが開いた時にその間に降りてきてもらえたらなと。

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と書いてたら降りてきてくれました。

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ここもそうですね。ほんと申し訳ないですm(_ _)m

栃木は保持時に密集を作りポジトラで刺すのを狙いにしてるのでヴェルディとしてはここを抜け出したいんですけどいざとなったらファウルで止めてきますので徹底されてます。

ヴェルディは栃木がハイプレスでくる事を想定してトレーニングしてきてたのもあるんでしょうけど、待ち構えられた時にどう動かしてどう崩すか?がいまいち共有されてないように見えます。

ピンズドのタイミングで降りてきた端戸の所で起点を作れました。3センターがマークにつかれてるので端戸に楔を入れて起点を作ってもらうのが大事になりますね。

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戦術ボードが映ってましたので…やはり加藤にジュニーニョをつかせて4-2-3-1のようにするのがプランだったようです。

栃木のミドルプレスでセンターラインを越えるのも難しくなってきて今節のプランAが機能してないのでボールを保持しながら耐えるみたいな展開でロングフィードで何とか前進する感じ。終盤は佐藤優平と端戸のパス交換から逆サイドポケットへのクロスで加藤や山下を狙ってチャンスメイクできたくらいでした。

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ボール支配率とパス本数は多かったですが、序盤は山口が仕掛けて押し込めましたけど中々アタッキングサードに入り込めずチャンスはそんなに作れてませんでした。

ヴェルディの平均ポジションは保持時の形ですが中々進めなかった分少し低く右WGより左WGの方が高いのもいつも通り。アタッキングサイドは山口が高い位置をとる事が多かった分左サイドが多めですが右サイドが少なかったですね。

栃木の平均ポジションは中央矢野を起点にする形がメインなので縦長ですが、ジュニーニョが加藤に張りつく分畑の位置が高かったです。アタッキングサイドは畑が高い位置をとる分右サイドが多めでした。

序盤は山口の突破で主導権を握れましたけどそこから中々進めなくなりショートカウンターで失点とどちらかと言うと栃木ペースで矢野は結局破れたユニフォームを着替えなかった前半。



後半、両WGを入れ替えて福村が最初から中盤に絞る形にしてきました。加藤を見張るジュニーニョが引いても中盤で数的優位が作れますし、左SHの森がマークにくれば右WGの小池が左SBの菊地と1vs1が作れますのでここで生まれたギャップを活かしていこうとの事なんでしょう。

マテウスと2CBの三角形で矢野を剥がして若狭が運んで逆サイドの井出へのフィードから山口が運ぶ形はここまで無かったですね。

ンドカが矢野の脇から運んで降りてきた井出に西谷がついてきた時に山口が上がって畑を引き付け、つるべの動きで降りてきた山下に大島がついてきたので山下のレイオフを井出が受けて大島が空けたスペースを山口が使って前進しようとしました。前半山下は足元で受ける事が多く良さを出せてなかったので使い方を少し変えてきたようです。後半は右SBの大島の背後を使えそうですし、実際端戸も意識的に使うようになりました。

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福村が絞るので畑が福村をマークすると小池がクリーンな状態で受けられるので仕掛けられますし、畑が小池をケアをすれば福村がフリーで受けられます。偽SBの定番ではあるんですが効いてるように見えます。

ロングボールを起点にする栃木とWGへのスルーパスを狙うヴェルディとボールが行ったり来たりしてきました。

51分に山口が受けた時に端戸と井出がサイド奥に走って中央のスペースに佐藤優平がいたので使っても良かったかもしれません。

右サイドでも攻め手ができた事で栃木の選手を振り回せるようになってきました。この修正が確実に効いてますね。

ビルドアップでもワンタッチで簡単に剥がせて前進できるようになりました。栃木が想定してなかったとは思えないですし、永井監督もここまで効果があるとは思ってなかったんじゃないでしょうか

完全に押し込めるようになりましたし、栃木は奪ってもカウンターにいく距離が長いのであまり形が作れてません。後半は確実に主体的に動かせてますのでスタミナだけでなく認知判断にも負荷をかけられてます。頭への負荷は消耗が激しく回復が難しいのでここの部分も大きそうな気はします。

ビルドアップで前進したり小池に当てて戻し逆サイドの山下に振ったりして左サイドポケットをとれる回数がかなり増えてきたので得点まで後1歩といった所。

後半が始まってまだ10分くらいしか経ってないんですが栃木は奪ったら前線に大きく蹴り出すシーンもあるので頭に負荷をかけた分気力を削げてきてるような印象があります。

主導権の握り続けた中での58分、加藤が前を向いた瞬間に小池が走り出し、菊地が対応しようとしたのでCB-SB間(チャンネル)を遠し福村には佐藤祥が寄せにいくんですが福村がスルーして小池が背後で受けGK-CB間にグラウンダークロスを山下が合わせて同点!ここまで左サイドポケットを使うシーンが多かったですがここは右でした。 守る方からするとこの形はGK-CB間とマイナスを警戒しなければならないので対応が難しい分得点になりやすいですし完璧な崩しができました。

59分、畑→吉田へと交代。右SBに入り大島が右SHへ移動。

栃木はボールを追いかけるようになってきましたが状況はあまり変わりません。

63分、ンドカから大外の山下へフィードを山口に落としてポケットへカットインしてGK-CB間へのクロスが柳に当たってゴールに入り逆転。GK-CB間への速いクロスは誰に当たっても入ってしまうので柳を責めるのはあまりにも酷なので実質山口の得点でもいいと思います。

栃木はロングボールで矢野を狙うパワープレーのような攻め手になってきて、スタミナなメンタル面に効いてきたのかヴェルディのボールホルダーにあまり寄せられなくなってきました。

66分、西谷と菊地とジュニーニョ→松本と面矢と上田へと交代。疲れが見える選手を代えてきた印象です。

67分、山下→ジャイルトンへと交代。本来は足元で受ける事が多かった分ジャイルトンがスタメンで山下へ交代の方が良かったと思いますけどこればっかりは仕方ないですし、実際後半に結果出しましたからね。

フレッシュな選手が入った事で栃木のプレスが復活してきたので今までのようにスムーズに前進するのは難しくなってきましたけど前半と違って密集を突破できるようになってきました。

73分、佐藤優平と端戸→梶川と佐藤凌我へと交代。前後を繋ぐレシーバーを置きたい展開ですからね。

75分にジャイルトンが逆サイドポケットを狙う小池に合わせてきた形は千葉戦での得点シーンと同じですね。

中盤で奪われて栃木に押し込まれるシーンが出てきたんですが、ヴェルディのポゼッションが安定してる時はハイプレスという程は寄せてきません。スタミナの問題もあると思いますし、一発で盤面をひっくり返されるリスクを警戒してるのもあるのかなと。

85分、ヴェルディは小池と山口→持井と理仁へと交代。理仁はアンカーに入り加藤が右CB若狭が右SBへ移動。

栃木は佐藤祥→小野寺へと交代。右CBに入り柳がCFへ移動。パワープレーですね。

持井がエリア内で切り替えして剥がしていき持ち味が出てました。

理仁を入れて加藤を降ろすのはパワープレーを耐えるというより保持する時間を増やして機会そのものを減らしていく選択したようです。

セットプレーでのパワープレーは受けにならざるを得なくなるので自陣に近い所でのファウルや相手のスローインの回数を減らしていきたいですね。

起点になりそうな矢野と柳へのマークはかなり意識してる様子。

パワープレー対策でほとんどチャンスを作らせずに終了。



最後に、前半は栃木のトンチキハイプレス(誉めてます)を想定して3センターの所で数的優位を作り両WGがSBの背後を狙うプランだったのがそんなに出てこなかった分密集した中でプレーする事が多く栃木のペースだったんですが、後半WGを入れ替えて福村を中盤に絞らせて右サイドからもチャンスメイクできるようになって主導権を握り返しポケットを攻略して逆転勝ちと前後半で全く違う展開になりました。

修正を伝えられる飲水タイムまでに逆転できたのも大きかったですね。

田坂監督はSBの背後を狙われてるのはわかってたけどヴェルディのWGや山口を1枚で対応するのは難しかったという事なんでしょうか

前半のヴェルディは思ってたよりボールが持てた分やりたい事が出過ぎて無理目の縦パスを前向きで奪われていた印象がありましたけど、5連勝してる中で課題が見つかったのは(永井監督以前からありましたが)ありがたい事だと思いますので一戦一戦を大事にしながら修正していってもらえたらなと。

いつも来てる方々には遠い所からや夜遅くというのは「ん?」ってなりますけど、世田谷区民DAYで年間観戦数3回以内って方々も多かったと思いますし、山口のインタビューでの気遣いがありがたかったです。