20210516 第14節ホーム北九州戦

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ホーム北九州戦。ヴェルディ保持時2-3-5非保持時4-4-2。北九州保持時3-1-6非保持時4-4-2。佐藤優平と梶川が逆配置。

ヴェルディのビルドアップはアンカズ片上げの3バックはいつも通りですが、北九州が4-2-3-1なのでプレスが噛み合う分アンカズはそこまで高い位置はとりません。ただ、加藤とンドカが開き気味なのでいつもの3+1というより2+3のようになってるので北九州のプをス回避する為の対策だったんじゃないかなと。

アンカズも中盤に絞ってプレーをする事もありますが、縦に仕掛ける時は左WGの山下が幅をとりインナーラップが多いです。

小池が運び深澤と佐藤優平で作った三角形を回して相手のマークの基準点をズラす事で数的同数の中でも優位性を作っていく形はよかったと思います。

その直後に佐藤優平が永田をかわしてポケットにいる小池に渡した時はフリーだったのでダイレクトで佐藤優平に返してしまったのはもったいなかったですね…

お互い元気にハイプレスにいくので落ち着かない入りになってます。

ただ、北九州は数的不利な時でもハイプレスにくる事があるので剥がして前進しチャンスメイクしていけてます。シンプルにWGを使う、佐藤凌我が収めて展開、IHから逆サイドポケットへのクロスがありますがこれらはチームとしての約束事ですからね。

ネガトラ対応なのかもしれないんですが、深澤はSBというよりは梶川と並んでDHのような所にいる事が比較的多いですね。

アンカズが最終ラインに入り深澤片上げのビルドアップでは佐藤優平が梶川の横に降りてきて3+2になったので北九州の2列目までの4人に対してプラス1を作るで共有されてるようです。

佐藤勇人の解説は初めて聞いたんですが、どちらかと言うと個人戦術に関する指摘が多いですね。

北九州が人を掴みにくるプレスを強めてきたのでバックパスでゲームを落ち着けて北九州のリズムに付き合わなかったのは良かったと思います。ただ北九州はハイプレスの時は奪いにいく強度が高いんですけどセットすると寄せが甘くなる事があるので結構押し込む事ができてます。

北九州のビルドアップは井澤がCB間に降りてSBを押し出す形。左サイドは永田が高い位置を取る分永野が少し降りてきます。

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井澤が持ってる時はヴェルディの2トップは高橋を挟む形のまま最終ラインにまではプレスに行かず、サイドのCBに出したらWGが寄せていくんですけど、この時佐藤凌我が横パスを遮断しにいきました。今まで最終ラインの横パスに制限をかける事はなかったですね。後ろは人を掴んでるので蹴らせて回収するプランなんだと思います。

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北九州が押し込んだ時の6トップは健在のようです。

20分くらいからヴェルディのパスが弱く受け手が時間とスペースを得られなくなってきたので中々前進できなくなってきました。相手を食いつかせる為の弱いパスは有効なんですけど通すパスとのメリハリをつけていけたらなと。

深澤と梶川が並ぶだけでなくアンカズと深澤の両サイドが中盤に絞る形もあるので、3センターを活かしながらSBが中盤の守備強度を補助しながらネガトラ対応もする形もありますね。前線のプレスバックや中盤が身体を当てるシーンが多くなりましたし守備のテコ入れをしてきたようです。フィジカル勝負で勝てる事が多いのも大きいんですが。

両SBが中盤に絞る時はWGが幅を取る分IHやSBのインナーラップでハーフスペースを使う事が増え、深澤が幅を取ると小池が絞るのは共有されてるようです。左サイドは山下が幅を取る事が多いですけど井出がサイドに張った時は山下が絞るのでこちらも同様のようです。

北九州はサイドチェンジやクロスのスピードが速く迷いが無いのでこの部分は積み重ねを感じます。ただ徐々に佐藤亮へのロングフィード以外の攻め手が少なくなってきました。

右サイドは北九州のSH-SBに対して深澤、佐藤優平、小池で数的優位を作って突破を計るシーンは再現性がありますので準備してきたんでしょう。

ンドカは持ち上がりやパスが安定してきましたのでビルドアップで詰まる事が減ってきたように感じます。攻撃の起点になるプレーにも積極的に取り組んでくれているようです(^^)

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ボールを保持してやりたい事は概ねできていたと思いますが、決定機を作れたのは序盤の逆サイドポケットへのクロスを佐藤優平が合わせたシーンくらいでした。平均ポジションは永田が高い位置を取る分小池が少し低い位で綺麗な形でしたし、アタッキングサイドを見ても北九州のSH-SBをWG-IH-SBで数的優位を作って前進するのがメインでした。

北九州はショートカウンターとサイドチェンジから折り返したり、ロングフィードやクロスの跳ね返しを狙っていてヴェルディの陣形を揺さぶりスペースを突くのがゲームプランだったようです。平均ポジションは永田が高い位置を取り左サイドで作って永田の突破や右SHの前田を使ってからのクロスや佐藤亮に当てて展開する形が多かったです。アタッキングサイドを見ると本来はもう少し永田を活かしたかったんじゃないかなと。

ビルドアップや守備は安定してましたしやりたい事はできてましたけど崩しの所の共有は今1つだったかなと感じた前半。



後半頭から前田→野口へと交代。

序盤に梶川から山下が受けて絞った時にアンカズが大外を上がってきましたが、この形は前半にはありませんでしたね。

前半よりも背後を狙う意識が強くなってきたように見えるので背後や広げたライン間を使ったチャンスメイクをもっとやっていこうとの事なのかと。

ヴェルディオフサイド数1位なのは知りませんでしたが、WGが背後を狙うのはチームコンセプトの大きな部分ですし偽9番はここが無いと機能しませんからね。

北九州はハイプレスではなくCBには持たせるようになったんですが、ハイプレスよりセットディフェンスの方がボールを取れてるので修正してきたようです。

51分に井出が仕掛けた時に山下とレーンが被りそうになってましたが、死角になる分後ろに合わせるのは大変なので、大外なら大外で背後抜けして井出にスルーパスかカットインかを選択させる方がいいと思います。

右サイドで小池に当てて佐藤優平へ落としのパスを合図に深澤が背後を狙うレイオフの形が出てきました。初めての出場になりますけど深澤はSBの忙しいタスクをしっかりこなせている印象です。

WGの左右が入れ替わるのはいつも通り流れの中で替わっていてベンチからの指示ではなさそうです。

55分、右サイドでアンカズ→小池→佐藤優平へと落として井出に横パスを出した所でポケットを狙う小池へのスルーパスで抜け出してGKの高橋を引き付けてからのグラウンダークロスを山下が合わせて先制!井出が受けた時に佐藤凌我が降りて深澤が背後を狙うつるべの動きも含めてチームとしてデザインされた崩しでした。

ウォーミングアップでやってた時にも思ったんですが、出し手と3人目の動きの時の2人目(このケースでは佐藤優平)は出し手と並ばずにもう少し降りてギャップを作ってディフェンスを引っ張れば小池へのスルーパスを塞がれた時にもアンカズへのコースができますし、井出が佐藤優平に渡して逆サイドポケットへのクロスも選択できる分攻撃の幅が広がるんじゃないかと思ったんですよね。それに井出が奪われた時のカバーリングにもなりますので

失点したので北九州は前への圧力を強めてきたので中盤で奪ってショートカウンターとライン間に縦パスを入れてシンプルに前進する形が増えてきました。ヴェルディは縦志向の方が機能する事が多いんですけどこのスタイルはかなり走る回るので、リードした時は少し落ち着けられる時間を作りたいんですけどセットディフェンスが得意な訳てはないのでゴールからの逆算がされてない最終ラインからのUの字パスでもいいと思うんですが

64分、佐藤優平→大雅へと交代。

65分、生駒→六平へと交代。ここで出てくるのが六平ですか(^^;)

ヴェルディのセットディフェンスは跳ね返した時やバックパス時にラインの押し上げが遅いのもあるんですけど、スライドした時に中央にスペースができる事があるんですよね。北九州のスタイルと噛み合う部分もあるんですけど狙われてるように感じます。

72分、梶川と深澤→晃樹と若狭へと交代。

深澤が計算できるのは収穫でしたけどWGはジャイルトンがいないと回せないんですよね。ここも台頭を求むって感じです。

北九州のプレスの出足が揃わなくなってスペースを使えるようになったのでパスを回してゲームの落ち着かせる事ができるようになってきたんですけど中盤で奪われてショートカウンターを受ける事もあります。

77分、アンカズと井出→山口と端戸へと交代。

押し込まれているので散らしと受けと仕掛けでボールを保持する時間を増やしたい意図がはっきりしてますね。

81分、佐藤亮と永田→狩土名と乾へと交代。

ボールを保持する時間は増えましたがある程度押し込んでも無理をせずにカウンターを受けないようにしながらあわよくば追加点を狙いにいくような印象ですがリードしてればこちらの方がいいと思います。

ヴェルディは3-4-3に変えて非保持時は5-2-3にしてきました。中盤中央とサイドを埋めるように修正してきたようです。

84分に山口のカットインからの逆足シュートがありましたが、この形があると縦の仕掛けもより活きてきますので引き続きやっていってもらいたいなと。

86分、富山→平山へと交代。

スローインを端戸が受けて山口へスルーパスを出した時に山下がゴール前に入っていって北九州のディフェンスを押し下げた前のスペースにグラウンダークロスを入れ佐藤凌我がファーに蹴り込み追加点!GKの高橋は佐藤凌我が難しい体勢だったので小池が打ってくると思ってた分タイミングがズレたように見えました。山口も空いたディフェンス前のスペースをよく見てたと思います。

ヴェルディはボールを持つと今までより無理をしないようになってきましたが、前線はサボらず背後を狙う動きをしてますね。

気持ちはわからない訳でもないですが井澤のカードはいらないやつでしたね…

落ち着いた展開のまま終了。



最後に、CBが開いて北九州のプレスをズラして前進しサイドで数的優位を作っていく自分達のやりたい事が概ねできていたと思います。背後を狙う攻守に渡ってハードワークする所も良かったですね。

北九州のポジトラがはっきりしてなかった事やセット時にボールホルダーに寄せきれてなかったのは考慮する必要はあると思いますが

今節は押し込まれた時に並びを変えて中央やサイドを埋め、ボールを保持してゲームを落ち着かせるようなベンチワークも良かったと思います。

お前達が言うなって言われるでしょうけど、これだけ選手抜かれたら小林監督も辛いですよね…