20200927 第22節ホーム北九州戦

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ホーム北九州戦。ヴェルディ保持時3-3-4非保持時4-3-3。北九州保持時3-2-5非保持時4-4-2。

北九州は相変わらずプレスから奪って素早く縦に攻めてきますのでリズムが速くパススピードが遅いとまず相手を背負う形なりますね。

ヴェルディは奪うと繋ぐよりも蹴って山下や小池に背後を狙わせるか、そうでなくても前進が最優先のようです。背後を取れればそれでいいし、そうでなくても2本の槍を突き立てて北九州のプレスの出足を鈍らせたい意図もあるんだと思いますね。

今節のヴェルディの守備は4-3-3。北九州は両SBが高い位置を取って横幅を作りDHがアンカーのような中途半端な位置にいるので潮音がつくようにしてます。前回対戦した時は浮いたポジションをとる加藤からいいようにやられたのでその対策なんでしょうね。それにこの形なら奪ったらそのまま攻撃に出れますし小池山下を前線に残せるのでカウンターの起点にもできてますし、北九州は中央から攻めるのが基本線でダメな時にはサイドという順番なので中央の守備を厚くする意図もあるのかなと。

お互いハイプレスで(ヴェルディの場合は潮音の役割がアンカー番なのでWGが行き、理仁にマークを受け渡したら前に出る形です)インテンシティも高く縦志向なので忙しい展開ですね。北九州はちとミスがあるので奪ってショートカウンターもできてますし、中央を閉じてサイドからの前進を強要させてリズムを狂わせ出鼻をくじけてるように見えます。

北九州がロングボールを拾うとすぐに中央を使ってきますが、中央からサイドを使うとスムーズにSBを使えてるので中央を閉じるのは北九州対策では必須なんだなと。

17分の河野から逆サイドへのフィードを若狹が頭でクリアしたのを福森に拾われて仕掛けから決定機を作られましたが、若狹はフリーだったのでマテウスが声がけしてもよかったかなと。

ヴェルディのビルドアップは右は大外に理仁が開き譲瑠がハーフスペースで受けて大外の山下へ、左は大外に佐藤が開くか小池が降り、ハーフスペースで福村か佐藤が受けて小池の突破か潮音がサイド奥に流れる形。高い位置をとるSBの背後を使いCBをサイドに引っ張り出してその背後を狙うのが基本線のようです。それと今節は縦に速くても繋いで前進できている分コンパクトな陣形を保ててるのでカウンタープレスが効いてます。

北九州のビルドアップは加藤が左HVの位置に降りてSBで前進してクロスかカットインを狙う形。本来はSBの背後を使いたいんでしょうけどヴェルディが中央を使わせないので絞ったSHから外を使う形が中々作れません。

23分、山下がタメを作ってから理仁→譲瑠へと繋ぎ中央にいた小池がファーストタッチで河野の背後をとって倒れながらも流し込み先制!右サイドからスムーズに運べたのと譲瑠のパススピードもあるんですが狭い所での小池のファーストタッチで勝負あったかなと。

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中央に人数をかけてコンパクトな陣形作ってここは絶対使わせねーぞ!って感じですね。北九州がSBを使っても位置が低い分ヴェルディのSBではなくIHが寄せてくるので前進に苦労しているようですね。

35分に楔を受けてからの斜め斜めのパスで決定機を作られましたが、中央を使わせてしまうと北九州のSHが絞ってる分スムーズに運ばれてしまうんですよね。

平から大外の福村→佐藤のレイオフから平のフィードで小池が大外の潮音に落とし中央の理仁を経由して右の山下が引っ掛けたこぼれを譲瑠がシュート。福村がオーバーラップして三角形を2つ作って落としのパスを使いながら決定機まで狙い通りの形だったと思います。

ヴェルディのゲームプラン通りに進んでる印象ですが、エリア内やその手前くらいからの仕掛けやシュートの意識は北九州の方が上回ってます。

42分、小池が高い位置で奪ってからのシュートカウンターで福村から中央の潮音を使って北九州の選手を引き付けてハーフスペースで佐藤がフリーで抜け出してのシュートを永井にブロックされましたが、これは飛び出してから冷静に止まって面を作った永井を誉めるしかないですね。潮音はノールックで佐藤に出してますしこの2人もユニット優位(数的同数だったとしても阿吽の呼吸で作れる優位性の事です)が作れる様子です

最終盤に北九州はヴェルディのSBの背後にCFが流れてくるようになり起点を作るようになりました。本来はSBがやりたいんでしょうけどここまで高い位置まで運べる事がほとんど無かったので修正してきた所から押し込まれました。

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ボール支配率は圧倒的ですが、前進できずにCBが持ってる事が長かったので脅威に感じる事はあまりありませんでしたけど、そんな中でもシュート9本枠内3本はさすがだなと。

ヴェルディの平均ポジションは小池と山下がSBの背後を使うので高めの位置で潮音が浮いたDHを見張り理仁に受け渡すのと左サイドでの繋ぎに多く参加してました。それと今節は縦に速い攻撃が多いので横幅いっぱいを使うシーンはいつもより少なかったですね。アタッキングサイドは繋ぐのは左、ショートカウンターは中央、山下が背後を狙うのが右の割合がそのまま出ている感じです。

北九州の平均ポジションは町野が前線に張ってSBが幅を取り中央密集といつもの形。アタッキングサイドは福森の方が高い位置をとるんですが、ヴェルディは福村が高い位置をとる分右サイドが圧倒的でショートカウンターが中央なのは同じですね。

解説の佐藤が言ってるように北九州のやりたい事をヴェルディができたのでしてやったりといった感じの前半。



後半、小池の仕掛けから若狹のシュートをキャッチした永井が新垣へフィードしましたが、SBの背後を狙うのは北九州の基本形ですからアラートを効かせておきたいなと。

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ヴェルディは若狹も絞るようになったのでお互い中央の人数が凄い事になってます(^^;)

小池のレイオフから佐藤が福村へ渡して潮音に落としポケットに差し込むパスを小池が折り返して山下へ。レイオフで前進しながらポケットに差し込むパスで完全に崩せましたしこれも狙い通りの形ですね。

中央で密集してる分トランジションが起こるとあっという間にゴール前まで到達するのでスリリングな展開になってきましたが、インテンシティに差が出てきたように見えます。

53分、鈴木→池元へと交代。

ボールホルダーへ寄せきれなくなってきて押し込まれる事が増えてきました。行くのかセットするのかがはっきりしてない感じですし、SBが高い位置をとるのが北九州のやり方ですが福森を見張りに山下が降りる分中央が薄くなるので北九州に使われてしまっているのもあります。

61分、理仁→晃樹へと交代。

64分くらいからマイボールにしたらボールを大事にしてリズムを落とそうとしますけどパスが引っかかってしまうのでうまくいってませんが、奪ってから山下が運んで時間を作ってファウルを貰いセットプレーで一息つけてるって感じです。ロティーナ監督の時は幸輝がこの役割を担ってましたね。

68分、新垣と河野→佐藤と椿へと交代。CBを1枚削り加藤が降りたのでビルドアップを優先してきたようです。

サイドから猛攻を受けコーナーキックが続き我慢の時間帯が続きます。押し込まれても最後の所は中央を使わせてないので耐えられてる状況です。

75分、小池と佐藤→澤井と松橋へと交代。

北九州のクロスを跳ね返して奪ってもサイドで前を向けないのでカウンタープレスで奪われ二次攻撃を受け耐え忍ぶ時間帯が続きます。

81分、野口と國分→新井と川上へと交代。

しっかし北九州は終盤にかけてインテンシティを上げられるのは本当に凄いですね。まあこれが北九州のパワープレーなんでしょうけど

83分、福村と潮音→近藤と大久保へと交代。コーナーキック前に近藤を入れられたのは助かりました。

近藤と澤井で守備固めをして、大久保は背後にスペースがある状態なら前を向いてプレーができ押し返せてるので、大久保と松橋が役割をこなす事で後ろを楽にさせてます。

89分に大久保のクロスに澤井が合わせたのを永井がキャッチして素早く左サイドへスローしたのを譲瑠が予防的カバーリングで奪ったプレーがありましたがリスク管理の質が良くなってますね。

この後また猛攻を受けますが中央を締めて守りきり終了。

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後半は圧倒されましたがよく耐えたと思います。



最後に、4-3-3で中央を固めてサイドからの前進を強要させてからIHが寄せる事で北九州が使いたいSBの背後を使わせなかったり、レイオフを使い速いながらも繋いで前進してた分コンパクトな陣形を保ててカウンタープレスを有効的に使えてた事。何より自分達の時間帯で得点できたのが大きかったですね。

北九州の猛攻で中央からサイドを使われたりしましたが、最後の所は締めてたのでCFにボールが入るシーンはそうなかったのでクロスをメインにさせてたのも勝因の1つだと思いますし、ボール支配率で下回りながら自分達のやり方ができたのは引き出しを増やせたんじゃないかなと。

北九州の強烈なインテンシティは脅威でしたしディサロがいたらどうだったかとも思う所はありますが、前回対戦時は浮いたポジションをとる加藤を捕まえきれずにいいようにやられたのを今回は4-3-3で中央を締めて北九州のゲームプランを壊してやり返せましたね。選手の頑張りはもちろんですが今節はゲームプランの勝利だったと思います。

それと、試合のほとんどが本蓮沼側だったので自由席ゾーン2のチケット買われた方々も勝者だったと思います。おめでとうございました!