20210320 第4節ホーム金沢戦

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金鍾成さんのJリーグ解説デビュー戦となったホーム金沢戦。ヴェルディ保持時2-3-5非保持時4-4-2。金沢保持時2-4-3-1非保持時4-4-2。金沢は両SHが逆配置。

金沢は瀬沼をターゲットにしたロングボールで前進をはかってきて守備はマンツーとここはお馴染みですね。

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金沢がビルドアップ時にSBがサポートもしますけど基本的にCBとDHの2+2で回してきます。2トップが中を切りSBに出たら寄せていくのはいいと思うんですが、ロングボールを警戒してなのか2列目と距離がある分寄せきれないのでサイドで奪えませんしビルドアップの出口を容易に作られてしまってます。

ヴェルディレイオフ(落としのパス)を使って前進していく様子なんですが、落としのパスを合図に3人目が背後を狙う所までの意識づけがはっきりしてないように見えます。ホワイト監督時ははっきりしてましたし、マンツーを剥がすのにレイオフは有効な手段の1つなので上手く使っていけたらなと。

4分、佐藤優平の縦パスを端戸が井出に落としDHCBの真ん中を抜けるスルーパスに抜け出した小池がファーに流し込み先制!決めきるのはもちろん大事ですが、2DH2CB間を通した井出を誉めるべきかなと。

中々ボールを奪えないのは変わらないんですが、金沢がカウンターから失点した事で金沢が背後を埋める意識が高くなってきた事もありボールの持てるようになってきました。金沢からしても瀬沼に当ててチャンスメイクもするので悪くないプランだと思います。

今節のビルドアップは福村が高い位置を取って幅を作って小池が絞り若狭がアンカーと並ぶ事が多く理仁が最終ラインに降りて井出と若狭が並ぶシーンもあります。

それとコーナーキックの守備は完全にゾーンですね。

スローインを受けた加藤が金沢の2トップを引き付けてから逆サイドの平へフィード→平がスペースを上がっていき大谷を引き出し端戸に当てた落としを井出が受ける為のスペースを作る→反転して相手を引き付けてから逆サイドの山下へフィードと時間とスペースを前線まで渡してチャンスメイクできました。

9分に端戸の落としのパスを佐藤優平が背後に出して福村がオフサイドになったり、直後に山下に出したりとレイオフで背後を狙う意図はありますね。

井出が相手を剥がせるシーンが目立つのもあって大分前進が楽になってきました。

バックパスには金沢は追ってきますのでプレスを剥がすだけでなく蹴るのも選択肢の1つなんですが、ヴェルディの前線はエアバトルに強いタイプではないのでセカンドボールを回収するには味方の落としより相手の跳ね返しを想定したポジショニングの方が良さそうです。

金沢はヴェルディが後ろ3枚で回してる時に前線4枚でフィルターをかけるようになってきました。これだと一度サイドを使えば中央を使いやすくなりますしその意図もあるように見えるのでお互いやりたい事はできている印象です。

ここまで何回かあるんですけど、マテウスが相手を1枚引き出してからスローするのはその分味方に時間とスペースを渡せるのでいいですね。

ポジションチェンジで金沢のマンツーをレイオフで剥がせるシーンが多いんですが、近くで落としを受ける事は共有できてるようです。

飲水タイム後は金沢に持たれる時間帯が多いですが、ゴール前でブロック作って中央を固める守備が安定してますので、セットしきってしまえば我慢してるって感じではないですね。

なので金沢は縦志向を強くしたり一旦下げてヴェルディのラインを上げさせてからクロスを入れる等の工夫をしてきたのでコーナーキックが増え耐える展開になってきました。ここの修正は見事ですね。

43分、左サイドで山下と若狭の間を通してポケットで丹羽が受けマテウスの股を抜かれて失点。左SBの渡邉がオーバーラップしていった所でのマークの受け渡しが上手くいきませんでした。

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比較的固い展開かと思ってましたが金沢はシュート10本も打ってたんですね。

ヴェルディの平均ポジションはどちらかと言えばボール保持時というよりはポジトラ時の形ですからそれだけボールを持ててませんでした。アタッキングサイドはサイドチェンジで山下や佐藤優平がチャンスメイクに絡む事が多かった分右サイドが多め。

金沢の平均ポジションは全体的に高めで押し込んだ時の形ですし主導権を握れてたと思います。アタッキングサイドはCFが左サイドに流れてくる事が多かったのでこちらが多め。

守備は不安定なんですが、耐えきれずに金沢の時間帯に失点してしまい流れを持っていかれたかなと感じた前半。



後半、端戸が3センターに落として山下へ展開する形は継続して狙っていきますが、プレー強度が落ちてきて球際で勝負しにいけなくなってきたように感じます。

51分、低い位置で奪われ瀬沼に当てて嶋田に戻してからのスルーパスを受けた瀬沼がニアを打ち抜き失点。低い位置で奪われるのはトレードオフになる部分はあるんですけどその後嶋田に寄せられてないんですよね…

逆転されてしまったので前への圧力が強くなるのはわかるんですけど、攻撃でも守備でも陣形も乱れるシーンが目立つようになってきたので奪えないのはもちろん攻撃も噛み合わなくなってきました。

何より積極性がなくなってきて受けに回ってしまうのでにんともかんとも…

58分、端戸と佐藤優平→佐藤凌我と晴也への交代。佐藤凌我はそのままCF、晴也は右CBに入り加藤がアンカー理仁が右IHへ移動。

真縦のパスが増えてきたんですけど、これは受け手は相手を背負いながら受ける事になってしまい自由を奪われるので避けたいなと。もちろん相手を背負ってもまず競り勝てるって言うなら話が変わりますけどそうではないので

ポジトラ時にボールを持ってゲームを落ち着かせて息を整える時間を作りながらになってきたように感じますが、ここまでバタついていていたので自分達のペースにするのに効果的だと思います。

67分、福村→アンカズへと交代。前にもありましたけど、何故相手が選手に対策を伝えられる飲水タイム直前に代えるんでしょうか…

69分、嶋田→力安へと交代。

71分、瀬沼の落としを力安が競ったセカンドを大橋が拾って前進し瀬沼へのスルーパスからのシュートをマテウスがブロックしたんですがこぼれを大谷に押し込まれて失点。瀬沼には多少乱暴なボールでも当てても良さそうだなとは思ってたんですが…

リードされてるのでやむを得ない部分もあるんですけど、攻撃時のバランスが崩れてるので奪われるとスムーズにカウンターを受けるようになってきました。

後が無くなり割りきって前に出てくるようになった事と疲れもあるんでしょうけど金沢の寄せがちと緩くなってきたので徐々にボールが持てるようになってきました。

79分、丹羽→杉浦へと交代。

83分、杉浦から瀬沼へのスルーパスを若狭が身体を入れてブロックしてたんですが瀬沼に触られ押し込まれ失点。若狭とマテウスがお見合いしちゃいましたね…

83分、若狭と小池→奈良輪と優安へと交代。

押し込むんですけどバタついてる分中々合わないですね…

87分。松田と瀬沼→高安と島津へと交代。

90分、フリーでボールが持てたので平が中盤に運んで山下へのサイドチェンジを起点にして理仁、奈良輪、佐藤凌我が関わり山下のシュートで1点返します。フリーで持てる時は運んで数的優位を作って選択肢を増やせれば相手が対応しにくくなるのを上手く活かせたと思います。

反撃及ばず終了。



最後に、いかんせん守備組織が曖昧でボールを奪えないのでボールを保持して圧倒するスタイルが絵に描いた餅状態になってるのもあるんですが、前半の内に追いつかれたのが痛かったですね…

ただ、チームとしてこの時どのように振る舞うのか?が曖昧な感じでモビリティが無くなっていたのでこのままだと難しいかなと。

金沢は基本的に難しい事をしない分迷いなくプレーできていたので余計対照的に映りました。