20210523 第15節ホーム磐田戦

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ホーム磐田戦。ヴェルディ保持時3-2-5非保持時4-4-2。磐田保持時3-2-5非保持時5-4-1。ヴェルディのWGは逆配置。

勢いよく最終ラインにまでプレスにいくのはいいんですけど、数的不利でもいってしまうので簡単に剥がされてライン間を空けてしまうのは気になりました。最低でも数的同数でないと相手にスペースを与えて攻撃のスイッチを入れてしまうだけになるのでここの確認はしてもらいたいなと。

ヴェルディのビルドアップはいつも通り左SB片上げの3バック。磐田は最終ラインまでは寄せずに3トップがアンカーとIHへのコースを切るように立ちサイドへ誘導してきます。

ヴェルディは若狭が中盤に絞り佐藤優平が大外に出てギャップを作って前進しようとするシーンもありますが、パススピードが弱く時間とスペースを届けられてないのでサイドで詰まる事が多いです。

磐田はフォーメーション通りからルキアンに当てたりWBがSBの背後を狙うシンプルな形とWBに出してルキアンやDHが受けてから展開していきます。ヴェルディは2トップとSHの3枚でCFがボールサイドのDHを見張ってサイドに誘導する形。

ヴェルディは磐田のボールホルダーに寄せきれてないのが目立ちます。いまいち自由を奪えてないのに加えてデュエルでも分が悪いんですよね。

ンドカはルキアンと激しくマッチアップしてるので頼もしいです。

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磐田がセットディフェンスに切り替えた時に磐田の2列目までの前に6人もいるんですよね…これでは前線の人数が足りずに進めませんし、CBが持ち上がるれるスペースが無いので押し上げも難しくなってしまいます。

磐田は対人が強い分プレッシャーを感じてボールに寄り味方が使いたいスペースを消してしまったるように見えますね。

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加藤がルキアンの脇から持ち上がろうとしても味方がスペースを消してしまってるんですよね…

ボールを運んで相手を引き出したりして陣形を動かせてないので受け手に時間とスペースを作れずに(パススピードの問題もありますが)詰まって戻すシーンが続きます。そもそも相手の目の前でボールを受けたらモロにプレスを受けてしまいますからね。

磐田はバックパスには追ってきますけど連動性はいまいちなので、これで引き出して空いたスペースを使って前進したようが良さげに見えます。

ヴェルディのハイプレスの方が連動性は良さげですけどズレてる事も結構あります。

いつもと比べて運ぶ事ができてませんし、プレス耐性の問題が大きいように見えます。相手のプレスに対応できるだけのプレス耐性が足りないとテクニックを活かす事が難しいですからね。

上記しましたが、32分に理仁が奪って山下が運んで左に展開して小池の決定機があったように、ある程度引き込んでからの方がやりやすそうです。

39分、遠藤のFKを理仁が跳ね返したこぼれを伊藤はボレーで合わせたと思うんですけどこれが鈴木の所にいき、こちらにもボレーで合わせられ失点。まあこれは鈴木を誉めるべきではあるんですけど、理仁がスパイクを履き直してた後のFKを後ろからプレスを受けてしまうように出してしまったのは悪手だったかなと。

失点後山下が仕掛けにいくのはいいんですけど、中央で前向きで奪われるとルキアンに起点を作られて逆襲を受けてしまうのでスムーズに出しにくいサイドの方がよかったかなと。

加藤がルキアンに向かって運んでいって引き付けてスペースを作ってからンドカに出し時間とスペースをたっぷり渡して前進できました。相手を引き付けてスペースを作ってからパスを出せたのはこの試合で初めてですね。

45+1分にンドカの横パスをルキアンにインターセプトされて決定機がありましたが、こういうスタイルをやる以上あり得る事ではあるんですけどここもパススピードの問題なんですよね。

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ボール支配率では上回りましたが、どちらかと言うと持たされてた感が強かったです。決定機の数はお互いそう多くはなかったですけどハイプレスでバタついたのがもったいなかったですね。まあ0-2にならなかっただけよかったんですが

ヴェルディの平均ポジションは保持時のポジション通りで中盤で詰まってる形。アタッキングサイドは山口が高い位置を取って小池や井出が絡むのと、中央~右サイドで運んで左へ展開する形がかなり多かったです。

磐田の平均ポジションは大森がルキアンと並ぶ事もあるのでその分高めで山本と遠藤が縦関係になって理仁を見張る形でルキアンがサイドに流れて起点を作る事も多かったです。アタッキングサイドは松本だけでなく伊藤も上がってきて攻撃に絡むのでその分左サイドが多かったです。

やりたい事はわかるんですけど、プレス耐性の問題で運んだり相手を引き出して陣形を動かしたりできてなかったので、対応できるだけのプレス耐性がないとテクニックを活かすのは難しいなと感じた前半。



後半頭から理仁→晃樹へと交代。右IHに入り佐藤優平がアンカーへ移動。理仁はここの所前半で交代が多いですね。それと両WGが入れ替わってます。

磐田の対人が強いからなのか相手を引き付ける前にパスを出しかつパススピードが弱いので時間とスペースを渡せず簡単に捕まってしまいます。バックパスで引き出してからの方が良さそうなのも前半と同じですね。

磐田はルキアンが収めて展開する形が多くなりましたが、ヴェルディはハイプレスでない時にも間延びしてる分ライン間が空き気味なのが気になります。

ヴェルディはサイドでレイオフで前を向いてからのサイドチェンジで前進していくんですけど、その後がアーリークロス位であまり効果的にエリア内へ侵入できません。レイオフを落とすのにフォローに寄ってくる選手の背後にCFが流れたりしてもいいかもしれないですね。

52分に山口が山下の落としを受けてインナーラップしたシーンがありましたが、遅攻の中ではここまででは1番いい形が作れました。

磐田が保持してる時にボールホルダーに寄せられてないのが目立ちます。もちろんボールを完全に支配下に置いてる時に寄せにいくとかわされてしまいますが、そうでない時にはもっと寄せて自由を奪えないと難しいですね。ここもフィジカルの差を感じます。

ヴェルディの3バックの横パスを磐田のシャドーが狙ってるのにプレッシャーを感じてるように見えるので若狭をシャドー脇の大外に出してルキアンと大森の間に晃樹を置いてもいいんじゃないかなと。

61分山下の手にボールが当たって尋常じゃない程痛がってましたけど骨折してたようで…

ヴェルディの3バックに磐田の3トップとプレスが噛み合っているので前進する事が難しいんですけど、自陣サイド奥でも相手のプレスが噛み合う状態で受けてしまうんですよね。ここはプレーできる範囲が90゚しかなく奪われてたらほぼ間違いなくシュートまでいかれてしまうので剥がせる自信がなければクリアしてしまった方がいいと思います。

飲水タイム前に井出から佐藤凌我がサイドに叩くシーンがありましたが、中央に起点を作ってサイドを使えたのはここまでほほ無かったですね。

75分、加藤→深澤へと交代。右SBに入り若狭が左CBへ移動。

深澤が高めの位置をとったり中盤に絞るようになるように形を代えてきたんですが、加藤を下げた事でビルドアップがあまり安定しなくなってきました。ハイプレスにいくと磐田はルキアン目掛けて蹴ってきて盤面をひっくり返してくるのでその対策だったんだと思うんですけど差し引きマイナスになってる印象です。

78分、小池→端戸へと交代して4-2-3-1に変更。佐藤優平と晃樹が並んで2DHになり山下が右SH井出が左SHで端戸がトップ下のような形。

前線が降りたり中盤がサイドに開いたりするんですが動いた所のスペースを使ったりする動きが無いので磐田の選手を動かせずあまり効果が出てない様子。再三書いてるようにパススピードもありますが、どうやってギャップを作りどうやって使うかをディテールまで作りこめられてないようにも見えます。磐田の対人の強さも関係してると思うんですけどね。

ボールを持ててはいるんですけど…って展開が続きます。

86分、大森→藤川へと交代。

89分、ヴェルディは山口と井出→アンカズと阿野へと交代。
磐田は遠藤とルキアン→今野と小川へと交代。

磐田に押し込まれますが、奪った時にどうするか?がいまいち定まってないような印象です。

磐田はプレス耐性が高いのでサイドでキープして時間を使ってきます。

90+4分、サイドで時間を使いながら中央へ斜めに戻し山田のシュートを1度はブロックしたんですが、山本にセカンドを拾われてニアに決められ失点。あれだけしっかりキープされるといつマイナスがくるかわかりませんからね。

90+5分、山田→大津へと交代。

このまま終了。



最後に、これはプレーオフで対戦した時からそうなんですけど、相手の強度に対応できるだけのプレス耐性が無いとテクニックを活かせないのをまじまじと見せつけられました。パススピードや組織戦術のディテールも足りませんでしたし、対人が強い分相手を引き出したり引き付けたりして陣形を動かす事もできてませんでしたので文句無しの完敗でした。

手首を骨折してる選手を起用するのはまあとはなりますけど、晃樹は満足にスプリントできてない状態で怪我を悪化されてしまったように見えました。

インタビューで山下が骨折しながらプレーしてる事を気持ちや熱量の話しにしてしまうのはどうなんでしょうか?

気持ちや熱量はメゾット、プレーモデルプレー原則、ゲームプラン等のロジックの隙間を埋めるものではないと思います。

精神論を否定するつもりはありませんが、うまくいかなかったり負けたりした時の要因にしてしまうのは逃げの姿勢だと感じてしまいますね。