20210327 第5節アウェイ新潟戦

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アウェイ新潟戦。ヴェルディ保持時2-3-5非保持時4-4-2。新潟保持時2-4-1-3非保持時4-4-2。優安が左WGで小池が右WG佐藤優平は右IH

今節の保持時もSBが中盤に絞って3バックを形成し、右は小池、左は井出か優安が幅を取る形で序盤はシンプルに背後を狙う事が多いです。後ろを3+2にするのはいつもの形ですが、新潟の前線4人に対して数的優位を作って前進していこうとの事なのかと。

新潟はヴェルディのハイプレスに対してシンプルに蹴ってくるのもありますが、外切りプレスを外されてサイドに出されてるシーンが立て続けにあったので制限をかけきれてないのと、前線が制限かけて後ろが人を掴みにいく意図はありますが間に合ってないのは変わってませんね。

善朗が前を向ける位置で受けてるのはありますが、サイドに流れた所をヴェルディは捕まえきれてませんね。かなりサイドを使われてしまってますし、外切りプレスで中央に誘導するよりビルドアップの起点になってる千葉にマンツーをつけて舞行龍に持たせるようにした方が良さげに見えます。

ハイプレスでロングボールを蹴らせても鈴木やロメロフランクとの競り合っても分が悪く前線に起点を作られてしまってますし、ファーストディフェンスが制限かけても後ろが連動できてません。だからといってミドルプレスでも陣形がコンパクトになってない分ライン間をスコンスコン使われるのでにんともかんとも(^^;)

新潟は押し込んだ時に2-4-1-3のようにして中央から3レーンのみに選手がいて逆サイドを空けてる事が多いですね。片方のサイドでの崩しになりますが中盤が厚い分セカンドを拾えてます。これはいつもの事なんでしょうか?

17分、縦パスを堀米にインターセプトされ若狭が中盤に絞っていて空いたサイドのスペースを本間に使われ仕掛ける所でサイドに流れた善朗に渡しファーに決められ失点。SBが中盤に絞っていて寄せきれない所で奪われたのが痛かったですね…

善朗がサイドに流れる事と2DHが縦関係になった時に守備陣形がズレたスペースを使われてます。新潟はビルドアップから崩しの所までディテールからしっかり作り込んでる印象です。まあ千葉が加入した事で体言化できるようになってきたのも大いにあるかなと。

新潟はキーパーを組み込んでプレスを剥がしていきますがヴェルディは頑なにやらないんですよね。ボールを大事にして攻撃をするならこちらの方が前進しやすいと思うんですが

22分、本間が中央で仕掛けてから左サイドを上がってきた堀米に渡し、そこからのクロスを善朗に合わせられ失点。善朗にアンカズが被ってしまった分反応できませんでした。やってる事は新潟の方が上なんですけど正直不運な面はありますね…

最終ラインで保持してビルドアップしていくにも相手を動かしてスペースを作る事ができてませんし、2失点した事でバタついてきた印象です。逆に新潟は落ち着いてきました。

新潟は保持時に奪われた時も考慮してカバーリングが効く配置になってるのでカウンタープレスをかけやすく、スペースを埋めるリスクマネージメントもできてますし、ボールホルダーにしっかり寄せて自由と時間を奪ってきますのでボールを保持しながら圧倒するスタイルの基礎がしっかりしてます。ほとんど同じスタイルなのにこれだけロジックが違うとにんともかんとも…

前線が背後を狙う意識はしっかりしてるので後ろで回しながら相手を引き出して背後を狙う疑似カウンターの方が機能しそうな気がします。

ヴェルディはブロック作ってもボールホルダーの自由を奪えておらず、奪っても味方を探しながらなのでその間にカウンタープレスを受け再奪取されてしまってます。

38分、井出→梶川へと交代。善朗との接触プレーで痛めたようですね…

新潟はパラレラ(サイド奥に流れる動き)に合わせて中央に人が入って三角形をズラして崩していく形が整備されてます。誰がどこに入るというよりパラレラと三角形を作る原則で共有されている様子。

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正直もっとボール持たれてると思いましたけどプレーエリアは大体こんな感じでしたね。

アンカズが中盤に絞ったり上がったりする事が多かった分新潟はロメロフランクが攻撃に絡む事が多かったですが、善朗がサイドに流れて起点を作るのでバランス良く攻めてました。

ヴェルディはサイドに張った優安やアンカズを使う事が多かった分左サイドが多め。

ボールを前進させる所もありますが、何よりボールホルダーにしっかり寄せて自由と時間を奪う所や後ろの連動性、寄せても奪えそうにない時にはスペースを埋め行く行かないの判断がしっかりしてますし、攻撃しながら奪われる事を想定してカバーリングを置いてカウンタープレスで再奪取とロジックとインテンシティに差を感じました。

2失点とも不運な形ではあるんですが、ボールを保持して圧倒するスタイル同士でこれだけ差があるとほんとどうしましょうと感じた前半。



後半頭から加藤→理仁へと交代。ここまでバランサーとして効いてたんですけど前重心で行くという事なんでしょう。

後半立ち上がりは連動してハイプレスにいきセカンドに対する反応や挟みこむディフェンスが改善されて攻撃では縦志向が強くなってきました。ヴェルディは基本的にプログレッションの方が機能するんですよね。

46分、中盤で奪われた所から鈴木が運んでタメを作ってから右サイドを上がってきたロメロフランクに渡し、藤原に落としたファークロスを本間に決められ失点。奪われ方もありますが運も無かったですね…後半の立ち上がりは良かったんですけど出鼻を挫かれる格好になってしまいました。

立ち上がりに失点してちとバタついてきました。パスミスが多いのはここの所ずっとなんですけど共通理解がはっきり定まってないんでしょうか?

ファーストディフェンスが行っても後ろがまた連動できなくなってきて前半の同じようになってきました。行く行かないの判断の所が合ってないんですよね…

52分、中盤で島田に奪われて善朗のクロスの跳ね返しを島田に決められ失点。後半の2失点は選手の特長と与えるタスクに齟齬がある所を狙い打ちされてるように見えます。

地が出てきたといいますか前後分断状態なってきて中盤がいなくなる現象が出てきましたね…前線の選手は相手を背負って受ける事になりますし、奪われても近くに味方がいないのでカウンタープレスも効かずに空いた中盤のスペースを使われるようになってきました。

攻撃面でも選手間が遠いのでレイオフも効果的に使えてませんし割りきって疑似カウンターの方がチャンスが作れそうな感じです。

新潟は点差もあるので落ち着いてパス回しをしてますし、無理をしないので変な失い方もしません。

60分、若狭と優安→福村と山下へと交代。福村は右SB山下は右WGに入りアンカズが右SB小池が左WGへ移動。

中盤に選手がいてもプレッシャーラインの背後で受けられる位置にいない事が多いのでスムーズに前進する事ができませんし、中盤で引っ掛かってショートカウンターを受ける回数が増えてきました。

70分、ロメロフランク→星へと交代。

奪われて善朗がプレスを剥がして運び晴也と福村を引き付けてからフリーの鈴木に出した所を決められ失点。善朗に剥がされた時点で2vs3の数的不利でしたからね。

浮き足立ってきたのかまともに繋げなくなってきたのでシンプルに背後を狙った方が良さげな感じです。

76分、島田と鈴木→ゴンザレスと谷口へと交代。

点差があるのでかなりの余裕があるのを考慮する必要はあると思いますが、新潟は前線からのプレスでボールホルダーに寄せてパスコースを切る所とスペースを埋める守備をこの時間帯でもしっかりやりますね。

78分、アンカズ→佐藤凌我へと交代。3-3-4にして後ろを削ってきました。この点差でやる意味はいったい…(^^;)

80分に本間がエリア内で倒されましたが、笛が鳴らなかった事に対するアピールをする事無くすぐに起き上がってプレスにいく姿勢は凄く良かったと思います。

その直後エリア内で善朗の足を蹴ってしまいPK。3人で行った所をかわされてしまいましたからね。これを決められて失点。そもそもこの点差で後ろを削って前を厚くする意味がわかりません。

83分、本間と藤原→三戸と田上へと交代。

中盤から前に運べなくなってきました。後ろと前の距離が空き過ぎてますし、DFに難しいプレーを強要してるので奪われてカウンターを受ける要因になってます。この時間でも新潟の強度が落ちないのでメンタルにも効いてくるでしょうね…

90+4分、セカンドを三戸に拾われてニアに決められ失点。もうどうにもならない様子。

この直後に終了。



最後に、不運な失点があったのは間違いないんですが、外切りプレスでCBに寄せて蹴らせて回収するプランなら受け手となる鈴木を確実に潰す必要がありますが、それができる選手をベンチに置いたままで蹴らせても回収できずに起点を作られていたら普通は連動して前に出ていくのを躊躇しますからハイプレスに連動できずにスペースを与えるだけになってしまいますよね。

同じようなスタイルで戦術や選手に与えるタスクをディテールから作り込んでる地力の差が色濃く出ていた印象です。それに選んだゲームプランを含めればこのような結果になってもなんら不思議はなかったです。

それと可変をやり過ぎて装甲や機動力が落ちていってるように見えます。可変してる間は無防備になるので相手に隙を与える事になってしまいますし、回数や形が複雑化してれば尚更なんじゃないかなと。

後半頭から加藤→理仁はわかるんですけど、5点差で後ろを削って前線に人数をかける意味が全くわからないんですよね。リーグ戦では得失点差も大事になりますし、ここまでバランスを崩し後ろの選手に難しいプレーを強いてまでやる必要があるんでしょうか?別にそれは逃げる事や自分の信念を曲げる事にはなりませんし、マシンガン構えた相手に竹槍で突撃するように見えました。

監督はヴェルディの再建と自分の理想どちらが大事なんでしょうか?

誰を選びどう戦うかを決めるのは監督の専権事項ですし、理想を追求するのもいいんですけど練習や試合に全く関われないスタッフさんにこういう事を言わせてしまうのはどうなんでしょうか?

監督は内容や結果だけでなくチームを支えて下さってるスタッフさん達に対する責任も負う事を考えてもらいたいなと。