20201101 第30節アウェイ新潟戦

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アウェイ新潟戦。ヴェルディ保持時2-3- 5非保持時4-4-2。新潟保持時3-2-5非保持時4-4-1-1。

マイボールでのキックオフ時はいつも最終ラインまで下げてから蹴る事が多いんですが、今節は譲瑠の脇に若狭が絞り福村が上がって2-3-2-3になって最終ラインから繋いでいきます。鄭大世の1トップなので後ろは2枚でいいという判断なんでしょうけど変化をつけてきました。

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ヴェルディのビルドアップに対して新潟の両SHが両SBを見張り(ここではSHの中島は福村と理仁の間にいますが)善朗が譲瑠につきDHの福田が理仁について降りる端戸を島田が見るので佐藤が余る形。佐藤の技術と判断力を生かそうというプランなんでしょう。

開始早々にマテウスのパスを中島にインターセプトされて善朗のポスト直撃のシュートまでもっていかれたシーンがありましたが、平から福村へのコースを切りながら中島が寄せてきたのでマテウスまで戻すのはいいんですけど、福村だけを見て蹴ってるので中島からすれば予測しやすいですよね。平を見てから福村に出すとか相手と駆け引きをしていってもらえたらなと

新潟の非保持時は4-1-4-1~4-4-1-1。ヴェルディの崩しはブロックの前からサイドチェンジを折り返すか左サイドから右サイドポケットを狙い左で作って右で仕留めるのがメイン。前線のプレスバックがそうでもないのでビルドアップの出口を使えた後は比較的楽に持てます。

今節の非保持時はバックパス以外ではGKまでプレスに行きません。そしてDHが降りて両SBが上がって絞りSHが幅を取りますのでアンカーのような位置にいるDH福田を理仁が見張り4-3-1-2で構えそこから4-4-2に移行する形です。

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中島が外を切りながら寄せて鄭大世が中、理仁に福田がついてきたので蹴るしかなくなりました。中央に追い込む守備が整理されてますね。

繋ぐサッカーをやるのにGKからのビルドアップは必須なんですが、まだマテウスと最終ラインとのコミュニケーションが上手くいってないシーンが目立ちます。ここで時間と空間をたっぷり作れないと詰まってしまうのでもっと進めていってほしいなと。今節で言えば佐藤が余り気味になるのでここにつけられればスムーズに前進できると思いますので。そこから先の左で作って右で仕掛ける形はしっかりしてるのでもったいないなと。

今節のコーナーキックの守備は大きい選手(マウロと舞行龍)にマンマークをつけるゾーンは同じなんですが、本間がマテウスの真ん前にいて飛び出させないようにしてきますね。

12分に本間と中島のポジションが入れ替わってしばらくすると元に戻りました。ここはある程度自由にやってるんでしょうか

新潟のプレスにハメられて中々前進できずに押し込まれ前線に人がいなくなり背後を突くのも難しくなるここ最近のパターンになりつつもありますが、前節程プレス強度がキツくない事もあるんですが、剥がして前進できた時はSB背後のスペースを使えてますが回数が少ないですね。

21分に平が運んでから降りてきた井出に渡して中島の外切りプレスを外して押し込めましたが、若狭が上がってくるこの形を作れるといつも通りの攻撃ができますね。

22分、平からライン間の端戸に当てて左サイドの福村に叩きポケットに差し込むようなスルーパスを井出が折り返して小池が飛び込んだこぼれを譲瑠が押し込み先制!譲瑠本人が「入った?やったー!」って言ってる位ですから逆サイドのゴール裏からはわかるはずもなく「選手が戻っていくから入ったんかな?」ってなってました(^^;)

初出場初ゴール共にビッグスワンでしたね。

先制した後は最終ラインにプレスに行かない事もあって新潟に持たれる展開になりました。今までにもありましたが耐え忍ぶって感じではないので先制した時のゲームプランなんでしょう。

善朗に楔を入れられてしまったりSBを引き出してその奥を善朗や田上が狙うシーンもありますが基本的にUの字に回してるのでそこまでは怖さはないですね。そして奪ったら小池と端戸で完結してしまおうといった感じです。

鄭大世が背後に抜け出してボレーを打たれましたが、これは中島が顔を上げた瞬間に合図して動き出したので出し手もやりやすかったと思います。こういう所はさすがですね。

31分にあったんですが、マテウスはキャッチしたら速く攻めたいけどフィールドプレイヤーはそうでもないと意識が噛み合ってない時があるんですよね。ビルドアップ時に数的優位にも関わらず空いてる選手を使えてない所にも繋がってるのかもしれませんがここはずっと気になってます。

善朗がライン間ハーフスペースで叩いて起点作ってるのはいいプレーなんですけどそりゃあ潰される事もありますって。正直アルベルト監督になってからもっと序列が下がると思ってたので成長してますしそうカリカリしなさんなって✋

36分、コーナーキック鄭大世に合わせられて失点。ゾーンで守る分選手間にピンズドで合わせられると難しいんですがマテウスが飛び出させないように本間を置いてたのもこういう事だったんでしょうね。

新潟のプレスがしっかりしてるのもあるんですが失点後もビルドアップを奪われショートカウンターを受ける事が多いですけど空いてる選手を使えてないんですよね…押し込んでしまえばやりたい事がやれるんですけどビルドアップの所を狙われてますね。これはつい最近からって訳でもないんですが…

新潟のプレスは一度ハマらないとバラバラと寄せる傾向がありますし、セットされてしまえば比較的楽にボールが持てて押し込めは自分たちのやりたい事ができるので付け入る隙はあるんですが

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GKの小島がわざわざこの距離で島田に出したんですが、こういうプレーをするってのはGKには足元の技術が乏しいと自ら問題点を晒す格好になるんですが怪我だったそうですね。余談ですけど高校サッカーでもフィールドプレイヤーがゴールキック蹴ったりする事があります。

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平が持った時外切りされて引っ掛けられてたので佐藤がこの位置に降りてきました。これならスムーズに前進できますがチームとしてもっと早く修正してもらえたらなと。

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ボール支配率は先制した後は新潟が持ってる事が多かったですね。お互い綺麗にビルドアップから崩すのは難しいようですが、カウンターの数がそのままシュート枠内シュート数に出てました。

新潟は島田が降りて両SBが絞りSHが幅、鄭大世が深さを取ってましたがショートカウンターが多かったので全体的に中央寄りで中島や田上のいる所に善朗も絡んでって形が多かったです。

ヴェルディは福村が高い位置を取るのはいつも通りですが、平が孤立気味でビルドアップを引っ掛けられてましたし組織で前進できたシーンがほとんど無かったので全体的に間延びしてます。やはり小池が高い位置でボールを触れないと難しいですね。

新潟のプレスが良かったのはもちろんですが、上手くいかない時の修正が遅かったなと感じた前半。



後半頭から理仁→山下。新潟は小島→藤田へと交代。左WGに入り井出が左IHへ移動。小島は怪我だったようで

新潟がポゼッションしますが前半と同じようにブロックの外側で回す事が多いです。

後半のヴェルディは中島がハーフウェイに立ってる背後の福村に早いフィードを使って前進していき山下が突破する形に変えてきました。前からくるならこの試合はこれでいいと思います。

48分、GKのフィードを平が譲瑠に落として佐藤→右サイドの小池へと繋いでGK-CB間へのグラウンダークロスを端戸が合わせて勝ち越し!佐藤が端戸を見て舞行龍を引きつけてから腰を捻って小池に渡し、小池も中を見てからクロスだったので藤田も出られませんでした。目線で相手を動かし完璧に崩せました。

ビルドアップでもこういうのをやってほしいんですよね。はい

この後はお互い長いボールや縦に早い攻撃が増えて陣形が間延びしオープンな展開になってきました。ヴェルディはSBの田上早川が中盤に絞るのでWGに背後を突かせる事を徹底してます。相手の弱みを突きながらビルドアップの形を破壊できますので一石二鳥。

新潟は中央突破も織り交ぜながらサイドでのコンビネーションでSB裏を取りクロスがメイン。

こうやってスペースがあると佐藤や善朗は生き生きプレーしてますね。GKの藤田は意図的に端戸を引き出してから蹴ってるのでやはり間延びさせたいようですが新潟もそうなんですよね。

お互い繋ぐ事も多く狙いははっきりしているので超絶カオスなオープンにはなってませんが、永井監督アルベルト監督共に本来やりたい形なのかなとは思いました。

66分、新潟は善朗→ロメロフランクへと交代。ヴェルディは佐藤→晃樹へと交代。

新潟はボールの運び方は基本的に同じなんですけどハイクロスを入れてくる回数が増えましたがこれが交代の狙いなんでしょう。

69分、コーナーキック田上が折り返して本間が押し込み追いつかれます。失点してからは鄭大世にもマーカーをつけてたんですけど田上でしたね。

ベンチに下がった善朗が執拗な異議で警告されましたが、審判は基本的に反則を受けたチームにとって有利になるような判定をしますので得点を認めるのとPK+10人のどちらかなら時間帯を考えても前者でしょうね。

お互い狙いはありますがオープンでスペースが空いてるのでテクニックを存分に発揮できます。

77分、中島→シルビーニョへと交代。割りきってフィジカルで殴るという事なんでしょう。

79分、福村→近藤へと交代。これはフィジカルで殴る新潟への対抗策であって守備的になったという訳ではないですが、新潟は思ってたより繋いできて蹴ってきませんね。

ヴェルディは背後を取った後のクロスはシンプルに入れてくるようになったのは改善してますね。後はGK-CB間のグラウンダーの他に状況を見てマイナスクロスを織り交ぜていけばもっと決定機を作れるんじゃらないかなと。

85分、本間→堀米へと交代。

85分過ぎからの新潟は繋ぐよりは割りきってフィジカルでゴリゴリ押すようになってきました。

90+2分、小池→松橋へと交代。

譲瑠から逆サイドポケットへのクロスを松橋→山下が頭で繋いで晃樹のボレーはサイドネット。ゴール正面での決定機だったんですが…

試合終了と共に座り込む選手が続出しました。まあこれだけオープンな展開で走り回ってたんですからそうなりますよね…



最後に、時間と空間があればヴェルディの選手達はテクニックやターンが上手く実力を発揮できるのはわかってるんですが、プレスを受け時間と空間を奪われると周りを見れずにワンタッチで叩いたり、味方がいない所に出して奪われるケースが多いのでビルドアップ時は数的優位なので「こういう時はここが空く」を共有できるようになってくればプレスを外したり背後を狙いやすくなると思います。個人戦術や認知判断の所を上げていければもっと上に行けるでしょう。

ヴェルディの強み弱みがわかりやすく出た試合でした。過密日程ではありますがこの問題点はずっと抱えてる状態なのでもっと進捗が見えてくるといいんですけどね。