20200627 第2節ホーム町田戦

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初のリモートマッチとなったホーム町田戦。

ヴェルディ保持時3-2-5非保持時端戸と佐藤が並び奈良輪が最終ライン小池が2列目に降りる4-4-2。町田保持時3-3-4非保持時4-4-2。

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開始早々のこのシーンからすると、町田の両CFとSH4枚で寄せてくるから3CB+2DHで数的優位を作ってビルドアップをする予定なんでしょう。

この直後に平から潮音に通った所で外に動く井出を髙江、端戸を佐野が掴みにいくのは想定内なので、この中盤にできたスペースを佐藤に使ってほしかったなと。

町田は奪ったら縦に速いのは変わってませんが、相馬監督時のようなワンサイドアタックではなくサイドチェンジで相手を揺さぶって前進する形で前進してきます。

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それと、相手のSHが1枚又は両方が寄せて来ない時も同じ形なんですが、後ろに人数をかけ過ぎると当然前の人数が足りなくなって進めなくなってしまうので、相手が寄せてくる枚数プラス1でビルドアップできるようになればもっとスムーズになると思います。

サイドで相手を寄せてから逆サイドに振って前進したい意図やロングフィードで裏を使いたい意図は感じるんですが、単騎突破できるのが右の小池だけなのでそこまで相手に怖さを与える事はできていないように見えます。

3分。平戸に起点になって吉尾に落とした所からのサイドチェンジがジョンチュングンに通って若狭を引っ張り裏のスペースを平戸が使ってサイドに流れた外をジョンチュングンがサポートして小池が引っ張りスペースから平戸の見事なミドルで失点。平戸のミドルやジョンチュングンの縦パスと外を廻るサポートが素晴らしかったので得点も平戸とジョンチュングンで0.5点ずつかなと。難しい対応でしたが後手に廻ってしまいフリーで撃たせてしまいましたね…

ここまで書いてまだ3分しか経ってない…(^^;)

得点した町田は無理する必要が無いのでミドルゾーンでのブロック守備に切り替えてきます。DHが町田の2トップ裏にいるのはいいんですけど、2DHを配置するならシャドーへの縦パスに反応してレイオフ(落としのパス)を受け相手がリアクションで空けたスペースを狙う意図もほしかったなと思いました。

それと、HV(3バックの両端)に2DHの1人が寄ってしまいHVが前進するスペースを潰してしまうシーンがありましたが、これだとスムーズな前進ができなくなってしまいますしのでここは修正かなと。

それに2DHだと4+4ブロックに対して5枚しか配置できないので片方のDH(狭い所でも前を向ける潮音の方がいいかな)を前に出し、譲瑠が2トップ間でピン止めしてHVに時間とスペースを与えて前進させられればもっと楽になると思います。去年アウェイ横浜FC戦でやられましたよね?

こういう展開だと攻め急いで無理やり縦パスを入れて奪われ逆襲を喰らうパターンになる事が多かったですが、縦パスを入れられる時は入れるって感じで落ち着いたゲーム運びができていたのはよかったですね。

町田の寄せが速いのでワンタッチツータッチで廻して構いませんが、そうでない時に前を向いて運んだりと使い分けができるかどうかはまだわかりません。

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ここが気になったんですが、奈良輪がクリアボールの競り合いで中に入った後に代わりに幅を取る選手がいないんですよね。奪われたらスムーズにカウンターに移行できてしまうのでここは徹底してほしいです。

それと、HVが時間とスペースを得て前進できた時にボールホルダーに寄ってしまうシーンが出てきますが、ボールホルダーがフリーで持って運べる時は離れてスペースを作ってあげる事が真のサポートになるのでここもやっていってほしい所です。

町田のコーナーキックの守備で、ヴェルディはサイズがある方ではないのに真ん中に2枚ストーンを置くのは珍しい形。

祥平から平に出した所に吉尾が寄せにいったスペースを井出が使い、運びながら端戸に出して井出がいたスペースにいた潮音に落としGKの前でバウンドするいいシュートまでいったとこなんですが、監督が反対に廻せといってるので左に寄せ小池が突破するのがゲームプランの1つだったようですね。井出が中を向いて同サイドへ縦パス入れたのは失点シーンでジョンチュングンが入れた縦パスとほとんど同じでした。

ある程度町田を押し込めると潮音が井出や端戸が動いたスペースに入っていき選手間を使っていくので序盤ほど持たされてる感は無くなってきました。奈良輪のクロスに小池がポケットに入っていったり、幅を取る小池に入った時に奥山が寄せていきCBSB間が拡がった所に佐藤が入っていくシーンはあるんですが崩す所までは至りません。

下村さんがブラッシングについて解説して下さいましたが、これは数的優位を作るものなんですが有料で販売してる書籍なので触れません。岡田メゾットの本を持ってる方はP29を参考にしてください。狭い所を打開するのに効果的なので監督から指示が出てたんでしょう。中継では聞こえにくいので、SHを引っ張り出せも含め監督の声を解説してもらえるのはありがたいです(^^)

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早いうちに先制し無理をする必要がない事でボールを保持する時間が長かったですけど決定機はあまり作れませんでした。

平均ポジションは奈良輪と小池が幅をとり他の選手は4-4-2の内側に入り楔を受け、相手を寄せたらサイドチェンジで小池を使う形で、町田はジョンチュングンと流れてきた平戸が起点になるのがほとんどでした。これはアタッキングサイドにもよく表れてますね。

ビルドアップに人数をかけ過ぎてる印象があり、もっとレイオフ(デカラって言った方がいいんですかね?)を効果的に使ってもいいかなと思いましたが、失点後にバタつかずに攻め急ぐ事が無かったのは収穫ですし、ネガトラ(攻→守の切り替え)にアラートを効かせて譲瑠や平が潰したり回収ができてました。

それにある程度押し込めた時は敵や味方が空けた所を使って相手を動かしダメージを与えられてた時間帯もあった思います。

お互い早々にゲームプランが変わったので何とも言えない所はあるんですが、そう悪くはなかった前半。



後半頭から井出→寛也と小池→山下へと交代して寛也は右シャドーに入り佐藤が左で山下はそのまま右WB。ハーフタイムは交代回数を使わずに済みますからね。

若狭が運んだ時に山下が積極的に裏を狙っていきましたが、こういうプレーは相手を押し下げスペースを作れますし、譲瑠も前半より寄らなくなったので若狭が高い位置まで運べてます。

47分にボール持ってる平に向かって寛也がかなり降りてきたんですけど、こういう時は潮音が寛也がいたスペースに入っていくんじゃないんですかね?ここの所はよくわからないんですけど、前半はある程度進んだ後はシャドーやトップが動いた所に潮音が入っていってましたので

平から潮音への縦パスはちと急ぎすぎましたね。柴崎が上手くカバーしてくれましたけど今までのヴェルディはこういう形での失点が目立ってるので気をつけてほしい所です。

コーナーキックを柴崎が弾いたボールを佐藤が右サイドに繋ぎ、山下が運んで寛也に預けてから一気にスピードを上げてスルーパスをポケットで受け中央の端戸へのグラウンダークロスで決定機。右サイドからの3レーンだけを使い、時間をかけずにリバプールのようなカウンターを仕掛けられたのは大きいんですけどもったいなかった…

攻撃時に密集してるので、ボールを失った時に当然味方の距離が近くすぐ切り替えて奪い返すシーンがここまでいくつかありますけど、これは元々こういう設計なのかどうかわかりませんがいい反応だと思います。奪われても密集を突破させなければ相手は攻撃できませんからね。

60分に平戸にアフターで足が入る形になってしまったんですけどこれノーファウルですか…確かにフィジカルコンタクトの判定をもう少し甘めにしてほしいとは以前から思ってましたけどこれはカードが出てもおかしくないんじゃないかなと。

平も運べる時は運ぶシーンが出てきました。両HVがこれをやってくれるとビルドアップが楽になるのでありがたいです。それによってロングフィードも活きてきますので

佐藤と奈良輪のコンビネーションでの崩しがありましたけど、端戸とのマリノストリオはユニット優位(阿吽の呼吸のような連動性で作れる優位性)が作れるので左サイドからの攻撃も活性化してきました。

ここまで端戸は結構サイドに流れての起点作りや中央にスペースを空けるプレーが目立つんですけどこれって陵平の得意技なんですがどうなんでしょうか?

75分に祥平のバックパスの処理がミスになりましたが、ここは連携の問題だったのでしっかり擦り合わせをしていってほしいです。

縦パス入れてターンできればそれで良し。ダメなら戻して逆サイドを使う形は見えてるんですが相手を振り回す為にもここはもう少しパススピードを上げていきたいですね。そうなれば左はマリノストリオユニットや右は山下の突破がもっと活きてくると思いますので

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78分に潮音→河野へと交代して4-3-3に変更。

83分に吉尾→中島へと交代。中島に山下を見張らせるんでしょう。

残り時間が少なくなってきたからなのか攻撃が単調になってきましたね…

88分に譲瑠→クレビーニョへと交代。右WGに入り河野が右IHで寛也が左IH佐藤がアンカーへ移動。

ここからの町田の交代は疲労した選手を代えていった感じです。

90+1分。奈良輪のフィードを左サイドに流れた端戸が受けて起点を作りポケットにカットインしてきた山下がエリア内で倒されPKゲット!それを寛也が決めて追いつきます。

なんとか追いついて引き分け

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ボールポゼッションが74%でパス本数は900本近く、マリノストリオや山下をもってきて後半は左サイドを使う事も増えました。



最後に、潮音はカチッとハメるといまいちなんですが遊びの部分があると躍動しますね。規律と自由の塩梅がよかったんでしょうか。

これから過密日程で暑くなっていく中ではボールが持てると省エネサッカーができるので目指してる方向が追い風になるかもしれません。

今日は失点して沈んだり攻撃を急ぎすぎてバランスを崩す事が無かったのでクラブとして積年の課題に取り組めてきてる印象がありましたけどここはしばらく様子を見てみましょう。

それとネガトラの反応が良く町田に密集を突破されずに奪い返す事ができていたのは大きな収穫ですね。

HVに時間とスペースを渡して運ぶ事がもっとしっかりできると人数をかけずにビルドアップが安定すると思います。

まだ粗削りな印象はありますが、色は出せたと思いますので永井監督的には半分成功って感じなんでしょうかね?

最後になりますが、リーグ戦再開に向けて多くの方の努力と助けがあったと思います。本当にありがとうございます!