ホーム山口戦。ヴェルディ保持時3-2-5非保持時4-4-2。山口保持時2-3-5非保持時4-5-1。
今節もまずは背後を狙っていきます。ここで背後を取れればそれでいいですし、相手が警戒してラインを下げれば中盤にスペースができるのでビルドアップしやすくなりますからどちらにしてもまずは背後の意識づけができてきてるのはいい事だと思います。
右サイドでは小池に背後を狙わせて左サイドでは潮音が降りてきて井出や端戸とのコンビネーションで突破を図り、相手を左サイドに寄せてからサイドチェンジで空いてる右サイドの小池を使ういつも通りの形。
https://www.instagram.com/p/CH7rgkQDHWW/?igshid=qx9878qgj1hc
平が河野の脇から池上-浮田間に持ち上がり1人で2人を引きつけたのは凄くいいプレーなんですけど井出が蓋になってしまいました…ボールホルダーが前を向いて持てる時は離れてスペースを作り、同じレーンにいないようにして斜めのコースを作れれば結果的にスムーズに前進できるようになりますのでここはまだ道半ばのようですね。
お互い斜め斜めのパスで前進していったりサイドでWGが幅を取り中をSBが使ってくる所はよく似てます。
山口の守備は4-5-1なので最終ラインに積極的に寄せてはきませんが、池上が譲瑠につくので中央からは前進させないという意図なんでしょう。
なのでヴェルディはサイドからの前進が多くIHがサイドに流れて相手を引っ張り端戸が降りてポストプレーをしてWGやIHに落とす、又はターンしてスルーパスでチャンスメイクする形が板についてきたみたいですね。高が佐藤についてる分通しやすいのはもありますが
山口は人を掴みにくる傾向が強い分降りて叩いて背後を狙う形が効いてます。いつもやってる形でもあるのでよくわからない部分があるんですが今節のゲームプランのようです。
不規則で突然強い風が吹いてた分お互いサイドチェンジがズレる事が目立つのはやむを得ないんですが、ハーフスペース~逆サイド大外と少し距離を短くしてもいいかもしれません。
ポケットを使ってそこからGK-CB間のクロスやハイクロス、斜めのマイナス、後ろに戻してミドルの中からその時最適なのを選んで崩しなさいみたいな形ができてきてるので判断がスムーズになってきた印象があるのでここは前進してますね。
11分に眞鍋がシュートブロックで痛んだ所からのドロップボール。吉満がプレーを待って端戸を引き出そうとしてましたけど前回対戦時にそれでスペースを使われましたから誘いに乗りませんでしたね。
山口は元々縦志向が強いチームではあるんですが左ハーフスペースで起点を作ってからのサイド攻撃が目立ちます。高井が仕掛けてアンカズや逆サイドWGやIHも中央~左ハーフスペースに入る形。ボールサイドの密集するので奪って逆サイドに展開できた時はチャンスになりやすいですが、山口はこのリスクを飲み込んだ上でやってますね。
それと、縦パス入れて前を向けそうな時は向いて更に縦パス、ダメそうなら戻すとここはシンプルにやってます。
https://www.instagram.com/p/CH7rpZljuGJ/?igshid=107y4s4cz5qvw
佐藤がヘナンに寄せにいきながら譲瑠にアンカズにつけとやっていたんですが、寄せきれないと判断してヘナンに飛び込まず中へのコースを切りながら寄せにいったのはよかったですね。これなら山口にスペースを与えずに遅攻を強いる事ができる分陣形を整える時間を作れますので。この後山口の攻撃を遅らせたご褒美が待ってました。
20分、端戸が高へのプレスバックのこぼれを譲瑠が拾って潮音へ渡し、眞鍋が届かない絶妙なスルーパスを端戸へ通してファーに流し込んで先制!奪って決めた端戸はもちろんですけど潮音のスルーパスも大きかったと思います。
前節は相手のインテンシティの問題があったので判断できない部分もありましたが、今節もやりたい事は概ねできてますし、ビルドアップ~運ぶ~崩すができてくるようになりました。この部分はクラブとしての長年の課題も含まれてるのて
積年の課題ですからね。
この後からややオープンな展開になってきましたが、これは山口の土俵で勝負する形になりますし山下がいないので逆サイドでピン止めができない分避けたい所です。
27分にもGKの吉満がボール持って待ってましたけどヴェルディはコースに切るだけで寄せませんでした。同じ手は食わない所はチームとして共有されてるようです。
山口がボールを持つ時間が長くなった分オープンな展開ではなくなりました。オープンな展開は得点しやすく失点しやすいのでリードしてる中ではリスクの方が高いですしこちらの方がいいかなと。
中西も指摘してましたけど、山口はフリーで前を向ける時にも向かずに叩いてしまうので前進が難しくなってる所がありますね。
保持時に山口は左サイドに寄りがちになるので奪った時に空いた左サイドを端戸や潮音が突くようになってきましたがこれなら人数や手数をかけなくていいのでこれでいいと思います。リードを守りきるって訳じゃなくリスクとリターンを天秤にかけたらって話しですね。
30分に佐藤がポケットへの股抜きパスを小池が折り返して潮音が合わせたシーンがありましたが、ポケットを取る所からパターンではなくプレー原則で括れてきてるように見えるんですがどうなんでしょうか。
ヴェルディは保持時に攻め急ぐって感じではないのでオープンな展開は相手のペースになってしまうのをチームとして共有されてる様子。
奪った時に大体左サイドに大きなスペースがあるのでやりやすい面もありますけど、ヴェルディってカウンター禁止なの?っていう位カウンターが下手な中で今節は綺麗な形がいくつか作れてますね。
スペースがあったので平がここまで運んでくれました。ドリブルで運べばボールと人が上がってくる分数的優位が作りやすくなるので前の選手は楽になるんですよね。
ヴェルディはパスコースを切って構えて縦のパスを出させてた所をインターセプトする所が整備されてますし狙い所にしてるんでしょう。
潮音が降りると小池が背後を狙うつるべの動きができると相手の守備を惑わす事ができますのでどんどんやっていってほしいなと。
ボール支配率は五分五分でしたけど途中から山口に遅攻を強いる事でペースを乱した分盛り返したと思います。
平均ポジションを見てもヴェルディは端戸が最前線にいる形が多くなってきましたし、潮音が降り小池も山口の攻撃が左サイドが多い分やや低めですが、全体的には綺麗な形でアタッキングサイドは佐藤→小池も多かったのでいつもよりは左サイドが少なめで、奪った所が中央が多かった分ここも多いですね。
山口は高井池上やアンカズが絡んで左サイドからの攻撃が多かったですが、速い攻撃ができなくなってからはあまり高い位置に侵入できなかった分中盤に固まりがちでした。
結果的にはワンチャンスをモノにした形ですが、ポケットを取る、そこからGK-CB間へのロークロスや斜めのマイナスクロス、戻してドーンの中から何が最適かは自分で判断しなさいとプレー原則で括れてきてるようになってきたのが何よりの収穫だなと感じた前半。
後半、頭から浮田→森へと交代。右サイドからも攻撃を活性化させたいとの事なのかと。
後半もヴェルディは端戸に当てて落とし
て前進していきます。
https://www.instagram.com/p/CH7rzqzDFss/?igshid=1i6y6ix8hoqji
奈良輪が降りて潮音が背後のつるべの動きから井出の加わってレーンが被らないように三角形を動かしてSBの背後を取りましたが、いい時は左サイドでこの形が出るんですよね。
今節は佐藤が高につかれてる事もあって井出がリンクマンになる事が多いですが、後半は仕掛けるシーンが増えてきたのでここは修正してきたんでしょう。
小池を囮にして空いたスペースを若狭が使ってポケットから折り返す形もあり徹底的にポケットを狙いながらも大枠で共有できるようになってきたのかなと。
52分、高井が突破した所を小池がエリア内で倒してしまいPK。高井が身体を入れた所に当てさせるような形でしたがこれは高井の貰い方を誉めるべきかと。このPKを決められ失点。
失点後変にバタつかずに対応できてるのはいいんですけどハイプレスを剥がされ前進されてしまうシーンが増えたので山口のペースになってきました。
60分に平の縦パスを潮音が受けスルーパスで奈良輪が抜け出したシーンがありましたが、左サイドでもこういうシンプルな形があるとポゼッションもやりやすくなると思います。
別に縦に早い攻撃を否定する訳ではないですし、スペースがあれば積極的に狙っていくべきですなんですが、カオス状態は山口の方が手慣れてるのでビルドアップは自分達のペースでやれてるのはいいと思います。
65分、佐藤と奈良輪→理仁と福村へと交代。
68分、河野→小松へと交代。
攻撃は端戸へ当てて落とし奈良輪や小池が背後を狙い山口はIHに当ててからWGを使うやりたい形が双方ともできてます。
73分、高井→田中パウロと交代。
中盤で真横のパス奪われてから背後を使われ危ういシーンを作られてますし、真縦真横のパスはリスキーな所もあるので斜めのパスをもっと使っていけたらなと。
77分、潮音と井出→松橋と晃樹へと交代。
平が運んだ時に晃樹も降りてくるので山口が人を掴みにくるので背後にスペースを作る目的なんでしょうか。
80分に端戸とのワンツーで松橋が中に切り込みシュートを打ちましたが、小池がフリーだったのでもったいなかったですね…
今節はここまでデュエルの意識が高く競り合いを怖がるような感じがありませんし、ここも良くなってきてます。
83分、祥平の縦パスを端戸が収めて譲瑠に落として若狭に渡し逆サイドポケットへのクロスを晃樹の折り返して端戸が決めて勝ち越し!若狭のクロスの前に端戸が背後を狙って山口のラインを押し下げたので晃樹がオフサイドになりませんでした。折り返した晃樹のそうなんですが起点になりスペースを作って決めると重要な所全てに絡んだ端戸は圧巻でした。
84分ここも池上→イウリへと交代。小松とパワープレーって事なんでしょう。
松橋と晃樹は晃樹がサイド奥に流れて松橋が切り込む形が多いですね。
オープンな展開での殴り合いになってますがこの時間帯では仕方ないです。
88分、端戸→クレビーニョへと交代。右WGに入り小池がCFに移動。
90+2分に晃樹がファウルを受けましたが体重が乗ってる方のふくらはぎに入ってますからね…
山口の猛攻を耐えきって何とか逃げ切って終了。
内容は五分五分でしたね。
最後に、降りて捌き前を向いてチャンスメイクして前線に入っていって決めると端戸様々でした。
ビルドアップも形になってきてますし、どうやってポケットを狙うか?とそこからどれを選択して崩すのか?が大枠のプレー原則で共有されてきてるかなという印象がありますし、球際でのデュエルも怖がらずにやれていたのは大きな収穫です。このクラブとしての長年の課題の改善が見えてきてるのは本当にありがたいです。
ロティーナイヴァン体制であぶり出された課題(もちろんこの2人が放置してた訳ではないです)にギャリーや永井監督が真っ向から立ち向かってくれた成果が少しずつ出てきたように感じます。
どうしても大きな改革は結果との両立が難しく分逆風が吹きがちなので、ここの部分は過密日程で相手の対策にかけられる時間がほとんどなく降格が無い分自分達のスタイルに拘ってやりやすい環境が追い風になってるのかなと思いました。
理仁の質疑応答
先日にはU-19日本代表候補のトレーニングキャンプにも参加しましたが、そこから刺激を受けた部分はありましたか?
代表では代表の戦術があり、ヴェルディにはヴェルディの戦術があるので、そこは自分の中で使い分けています。ただ、デュエルの部分では今日何度かスライディングでボールを奪ったところなど、そういう部分は代表の活動でも意識しているところです。そこは代表から戻ってプラスになっている部分です。
気になったんですが、スライディングは自分の身体を倒し死に体にしてしまうので100%成功させる必要がある分ギャンブル的要素が高いので奥の手にした方がいいですし、ポジショニングの改善でスライディングの必要性を低くできるのでまず取り組むべきはポジショニングの改善かなと。実際ロティーナ監督の時はファウルとスライディングは極端に少なかったですからね。もちろん怖がらずにデュエルする戦うという所は必要なんですが