20191012 第36節アウェイ琉球戦

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4審が渡辺康太さんだったアウェイ琉球戦。ヴェルディは近藤と若狭が逆配置

ヴェルディ保持時2-3-5非保持時ジャイルトンが前に出る4-4-2。琉球保持時2-3-5非保持時山田と上門が並ぶ4-4-2。

開始早々に潮音がサポートに降りようとした所で小池が降りてきた事に気づいてサイド奥に入っていきましたが、この場面では4vs3になっていて人数は足りてましたし、風間が奈良輪に寄せていった時に自分へのコースが切られていたので小池に任せてサイド奥を使うのはいい判断だったと思います。戦術面で不安定な所があったのでここは前進なんじゃないかなと。

今日は高い位置からプレスにいき裏を狙う意識も高く琉球を押し込める事ができているんですが、前からプレスをかける事で琉球にパス回しをさせずにリズムを狂わせロングボールを蹴らせても向かい風で戻される分精度が落ちますし(もちろんあわよくば奪ってカウンターを狙いますが)、追い風でボールが伸びる分裏を狙いやすいので追い風エンドがとれた事も大きいんでしょう。

ヴェルディは4-2-2でブロック作って戻させたらラインを上げるんですが、カルバハルまで戻した時にプレスにいかずに陣形を整えて待ち誘いに乗らずにロングボールを蹴らせてたので繋がせない事はゲームプランの1つなんでしょう。

10分からはあまり高い位置から行かずにセンターライン位の所で待ち構えるミドルプレスになってきます。まあハイプレスをやり続けるのはシンドイですし、ゲームが落ち着いてきたのでという事なんでしょう。ロングボールでサイド奥に起点を作られる事はありますが中に入れさせずにバランスよく守れてます。

非保持時の琉球はボールホルダーへの寄せが緩くポジショニングも曖昧なのでライン間を使う事ができてますし、WGが裏抜けしてポケットを使うシーンもありますので支配率は低いですが自分達のペースで試合運びができているかと。

今日の4-4-2は少し横長なんですが、サイドチェンジで前進されるより相手の縦パスを潰して反撃に転じた方がいいという判断なのかなと。琉球にモビリティがない事もあって特に危ないシーンを作らせてないですし、自分達がされて嫌な事は相手にもやってあげようみたいな。

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琉球の非保持時の形が間延びしてるのはありますが、梶川が2トップ間にいる事で中を締めさせる事でサイドからの前進をサポートしてWGがサイドに張り裏を狙う事で幅と深さをとってCFがライン間に降りる形がとれてますし裏が狙えるなら裏、ダメならライン間と敵陣に近づく為の形はここの所の中で一番できてたと思います。


25分。小池がサイド奥で起点を作って潮音からクレビーニョ→澤井と経由した戻しから梶川の左ポケットを狙ったクロスを小池がボレーで沈めて先制!梶川がフリーの小池を見つけてそれを感じた小池もふかさずに上手く撃ったと思います。


得点直後、上福元からのフィードを小池が降りて叩いた所にSBが食いついてきて、空いた背後を潮音が使ってジャイルトンを狙ったアーリークロスまでのシーンなんですが、これだけスムーズだと鳥養が背後を空けやすい事はスカウティング済みだったんでしょうね。

30分の近藤からのフィードを小池が潮音に落とした所でも潮音に食いついて晃樹が空いたので左サイド寄りにいるのはこの為なんでしょう。

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そう考えればクレビーニョが中央にいる事やここで2人して呼んでる事が辻褄が合いますので

右サイドの澤井からとゴールシーン、ジャイルトンから逆サイドのポケットへのクロスに小池が入ってくる形は以前からやってましたが、琉球の右サイドに問題があるので徹底して狙っていこうという事のようですね。


41分。クレビーニョからのフィードでサイドから裏をとった小池が抜け出しGKとの1vs1を沈めて追加点!琉球の非保持時にボールホルダーを自由にしやすいという問題点を突けましたし、山田と富所の関係性で崩された直後だったので流れ的にもよかったですね。


続けて44分。若狭からの縦パスをクレビーニョがライン間で受けて福井を引っ張ってからのスルーパスで晃樹が抜け出してファーに流し込んで3点目!上手く抜け出して落ち着いて決めたと思います。

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支配率では劣りますがボールを持たれてたという印象ではありませんでしたし、アタックゾーンでモビリティが少ない琉球と裏を狙って相手を押し下げるヴェルディという所の差はあったかなと。

平均ポジションやアタッキングサイドからすると琉球は徳元が高い位置をとる事が多かったので左サイドが多めでヴェルディは左サイドから鳥養の裏を狙う事が基本線だったので圧倒的に左サイドが多かったです。

非カウンターと山田と富所の関係性と風間にかわされた所で危ないシーンはありましたが、非保持時に相手に寄せる所やカバーもよくなってきましたし、追い風を生かしてやりたい事はおおよそできたと思いますし、ポンポンと追加点がとれた事でメンタル面でも楽になったんじゃないかなと思った前半。



競り合いや両足を使えるビルドアップ能力からしても瀬古はロティーナ監督の好みだろうなーと思って後半、アタックゾーンでの琉球にモビリティが出てきたのでここは当然修正してきますね。非保持時のヴェルディはまだまだ不安定な所はありますが中を使わせずに対応できてます。

49分に富所から奪った後ジャイルトンに渡して仕掛けたシーンなんですが、ここはカウンターの局面になりますので早く届ける事でアタッカーに時間を渡せるのでパススピードは意識してほしいですね。1点目も澤井へのパスが遅くて相手にスライドされて対応されてしまっていたので

52分にジャイルトンと小池のポジションを入れ替えます。スパイクを換える為の準備なんでしょうか。琉球の寄せが緩いというのはありますがビルドアップ時に引っ掛かって逆襲を食らうというシーンがほとんど無いので自信を持って持ち上がる事ができているように見えます。


54分、ビルドアップのパスがズレたのを富所に拾われて上門に渡されファーストタッチで前を向きエグいドライブシュートをぶちこんできて失点。追い風なのでおもいきって撃ったんだと思いますが、これはどこの翼くんやねん!ってやつなので仕方ないですね…

その直後に押し込まれて上福元のパスを富所に奪われてシュート撃たれたのは少し無理な体制でしたし、失点の影響があったのかもしれませんが、あれはもう事故みたいなものなので切り替えてほしい所です。


58分。スローインからのこぼれを梶川がクリアしたボールをジャイルトンが拾って仕掛け、晃樹へのパスがクレビーニョに当たった事で結果的にジャイルトンが中央で持てる形になりサイドの晃樹に渡しシュートフェイントで福井を剥がしてファーへ撃ちこみ4点目!落ち着いてましたし失点してバタついてた中で得点できたのは流れを変えられたという面で大きかったかなと。

琉球の2枚代えのタイミングでジャイルトンと小池のポジションを元に戻します。

ヴェルディはファーストディフェンスでコースを限定できておらずプレスバックも減ってきてるのでそのまま運ばれてしまっている事が増えてきます。押し込まれる原因にもなりますのでアラートをかけてやっていってほしいですね。琉球は当然前に出てくるので退いて誘きだして背後を狙うというのであっても奪う形の安定性が必要になりますので


69分。近藤からの縦パスを潮音が梶川に落として左サイドの小池へフィードしてポケットに入ってきた晃樹からオーバーラップしてきた奈良輪に渡した所からのクロスを潮音が落とし小池がボレーで撃ち込んでハットトリック達成!前を向いてる選手を使いながら前進してダイアゴナルランで相手を引っ張ってスペースを作りながらの綺麗な形でしたし選手同士の呼吸がぴったり合った得点だったと思います。

琉球は追い風を利用してロングフィードでサイドを使う事が多くなってきます。これは本来琉球の形ではないのでリズムを狂わせる事ができているようです。


73分。クレビーニョに当たったボールを潮音が拾いクレビーニョ→梶川からジャイルトンに渡して仕掛けて晃樹→クレビーニョから潮音に落としてシュートまでのシーンなんですが、これも前に向いてる選手を使いながら前進してフリーの選手に撃たせるとやりたい事が体現できていたと思います。

ペースを握られてた時間帯もありましたがここまで気持ちよくプレーできていたからなのか非保持時の強度も上がってきましたのでメンタル面が大きく関わっているのかもしれませんね。

77分に負傷した晃樹に代えて新井を入れてそのままCFに入る。

点差もあるんでしょうけど残り10分きっても保持時には人数をかけるので後は守りぬこうという意識はないようですね。

86分に奈良輪→平へと交代してそのまま左SBに入る。保持時のオーバーラップ等の参加面を見ておきたいという意図もあるのかもしれません。

90+1分に潮音→藤田へと交代してそのまま右IHに入る。

気持ちよくプレーできたまま終了。

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支配率で下回りましたが、非保持時にしっかり耐えてからデザインされた形で得点を重ねて実質ゲームを支配できていたと思います。



最後に、今日は前半にポンポンと追加点をとれた事で楽になった事でデザインされた形を出せた事が非保持時のプレスやカバーにも影響したのかなという印象です。

逆に自信を持つとか気を抜く時があるとかメンタル面に大きく左右されてしまう事が多いという証明にもなりましたのでナイーブな所があるんだと思います。なので、やりたい事ができず我慢しなきゃいけない時や失点後に「ここを耐えれば必ずチャンスがくる」とか「絶対返せる」という精神状態にもっていけるかという所がクラブとしての長年の課題なんだろうなというのは感じました。相手の守備が緩かったのはありますが、気持ちよくプレーさせればこれだけできるんですから