アウェイ大宮戦。ヴェルディはジャイルトンと潮音が逆配置。
大宮保持時3-2-5非保持時5-4-1。ヴェルディ保持時2-3-5非保持時レアンドロとジャイルトンの4-4-2。
大宮はWBが幅を取りシモビッチに当ててセカンドを拾う為に近くにシャドーを近くに配置してきます。ヴェルディは高さが無いので上から殴るのが効果的だという事なんでしょう。
5分まででポストプレーで収められ、フリーキックコーナーキックでシモビッチにヘディングシュートを撃たれているのでセットプレーを与えないようにしていきたい事もそうですが、ゾーンディフェンスはボールホルダーを瞬間的にフリーにしてしまうので打点の高い選手にはマンマークつけるというのもありかなと。それとサイドから中に入れる時に奪われて内側から前進させてしまっていたのは気になりました。
【TOP】本日の大宮アルディージャ戦の試合レポートと監督・選手コメントを公開しました。こちらからご覧ください。
— 東京ヴェルディ公式 #緑パートナー募集中 (@TokyoVerdySTAFF) 2019年9月22日
→ https://t.co/aoOW7HfmFn #verdy #ardija pic.twitter.com/qGqZY9GzoG
永井監督のコメント
相手の守備ブロックの攻略を図る中でどのあたりが攻略の鍵になると考えていましたか?
我々の戦術の中で5バックのうちの3バックの両端2人をいかに引き出すか、というところが今週取り組んできたテーマでした。まだまだと言いますか、なかなかそこは賢く崩せなかったことは非常に悔しく課題であります。
ヴェルディはCB2枚で数的優位を作りシャドーの脇にSBと間にアンカー、DHの脇にIHを配置してHV(ハーフバックの略で3バックのサイドCBの事です)を引っ張り出して幅をとっていたWGがこのスペースを使うのが狙いのようです。それといつもやってるサイドで収めた時のパラレラ(サイドラインと平行のパスを受ける動きの事です)は後ろが5枚だとWBとHVに捕まりやすい反面食いつせられてスペースを作れるのでここも生かしていきたい所です。
大宮のクロスはシモビッチかファーからWBが折り返す形が多く、真ん中に絶対的なターゲットがいる分サイドが空きやすいのでここで2択を迫るのが狙いのようです。大宮のストロングポイントなので当然ではありますがしっかり整備されてるなと。
21分に高い位置で奪われた所から三門の枠外シュートを上福元が触ってコーナーキックになりましたが、ここまで危ない場面を作られてたプレッシャーもあったんでしょうね。出来るだけ自陣でセットプレーを与えたくない筈なんですが数が多いんですよね…
このコーナーキックを直接決められて失点。ここまでシモビッチ狙いとショートコーナーだったのでニアに速いボールは難しかったというのはあるでしょう
クレビーニョの意外なタイミングでのシュートを止めたのは笠原を誉めるべきなんですが、中央に密集して細かくパス回しをしていたのは気になりました。これでは奪われた時にサイドを使われて簡単に前進を許してしまいますし正しい位置をとれていない事になりますのでネガトラも想定して人数をかけてもらえたらなと。
この後から大宮はトランジションで奪えなければ自陣に退いてブロックを作ってきます。リードした事やヴェルディのネガトラを狙う方が効率的という判断なのかなと。高木監督はボールを持たない事を苦にしませんしヴェルディの縦パスでスイッチを入れ奪いにくるようです。
36分にレアンドロ→新井へと交代。左WGに入りジャイルトンがCFで小池が右WG、クレビーニョが右SBに下がり潮音が右IHに移動。クレビーニョとレアンドロがスペースの潰し合うようになっていたので変えたのかなと。レアンドロはハムストリングかな?長引かなければいいんですけど…
ジャイルトンが中央で相手を引き付けCBHV間に潮音が裏抜けして小池が酒井と勝負できるお膳立てをしていたので両WGは相手と1対1になった時は仕掛けてクロスやカットインシュートが約束事のようです。
ジャイルトンの裏抜けとWGの仕掛けで今までとは違う形はできてるんですが、サイドから中に入れた所を奪われカウンターを受けるのは同じでしたね…
ボール支配率が6割超えでチャンスは大宮の方が多く大宮ペースで試合が進んでいきました。平均ポジションでは大宮はシモビッチに当ててシャドーが拾う形とイッペイシノヅカが高い位置をとりシモビッチやファーの奥抜や酒井を狙い、ヴェルディはWGが深さをとりレアンドロが降りるいつもの形で小池やクレビーニョがいる右サイドから前進してましたがブロックの内側に中々入れなかったですね。
ヴェルディのウィークと大宮のストロングが噛み合っている事もあり大宮のペースだった前半。
後半、大宮は先制してからと同じく自陣でブロックを作って待ち構えてきます。リードしたので無理をせずカウンターの機会を伺えばいいというのは徹底されてるようですね。ヴェルディは横パスをインターセプトされ数的同数以下でカウンターを受けてしまっていますので、こういう所のリスク管理は整備していってもらいたいです。
大宮はカウンターやサイドチェンジで前進する事が多く、サイドチェンジ時にWBの外をHVが上がっていく形は両サイドともありますのでクロスで高さを生かす事やWBがポケットを狙う事、なんならコーナーキックがとれればOKといった割りきりもあるように見えます。それと奪われるのがサイドになりやすいのでこれが非カウンター対策も兼ねてるのかもしれません。
ヴェルディのビルドアップ時にシモビッチの脇まで運んで2列目を引っ張り出してリリースする事ができていないので前線に時間とスペースの貯金を渡せずに中々前進できません。雨でピッチコンディションの問題もあるんでしょうけど単純な放り込みはほとんど効果が期待できないので空いてる所を使う為にも相手を動かしたり目線を振り回す所はやっていってほしいです。それと闇雲にブロックの外からミドルを撃てとは言いませんが、新井のいい仕掛けもありましたしエリアの少し手前くらいからなら狙っていってもいいかなと思います。
65分にシモビッチ→ファンマへと交代。これだけのターゲットマンを使い分けできるのはエグい…
CFは降りて受け起点作ってサイドに展開する偽9番(ファルソヌエベ)が主な仕事でしたが、ジャイルトンなら裏抜けしてCBを押し下げたスペースを使う方がいいんでしょうけどここの共通理解の切り替えが難しい面があるのかもしれませんがいまいち機能してないかなと。
73分に右サイドで小池と酒井が1対1になった所で逆足カットインからのシュートがありましたが、こういうプレーがらあると縦と中で相手に2択を迫っていけますのでいい判断だったと思います。
74分に潮音→晃樹へと交代。そのまま右IHに入る
この直後のコーナーキックのこぼれを酒井に押し込まれて失点。
ヴェルディはワンタッチパスが多くて相手を動かせていませんし今まで取り組んできた事が出せてません。
84分に小池→姜修一へと交代。そのまま右WGに入る。
姜修一が逆サイドからのクロスに外から入ってきてましたが中々合いませんでしたね…
大宮のブロックを崩せず終了。
最後に、大宮は危ないと思ったらエンドラインに出してコーナーキックにする事を苦にしてないように見えましたし、怖さが無ければ対処も余裕をもってできるのでセットプレー時に高さが無い分どうやって点を取るかという工夫はあった方がいいでしょうね。
大宮の寄せが早い事もあり上手くいかない焦りやメンタル面の影響もあったのかもしれませんが、今までやってきた事が出来ていない部分が目立ったのでここの再構築もやっていきましょう。