20191124 第42節ホーム岐阜戦

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5得点したのに完全に柏の影に隠れてしまったホーム岐阜戦。ヴェルディは両WGと梶川藤田が逆配置。

ヴェルディ保持時2-3-5非保持時4-4-2。岐阜保持時3-2-5非保持時4-4-2

前節と同じく最終ラインからのロングフィードを使い裏を狙って深さを作るのは継続してます。

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今まで構造上CFが降りるのもありクロス時に中に人がいないシーンが散見されましたが、IHCF逆サイドWGでニア・中央・ファーとバランスよく配置できてますしここは改善されてますね。

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奈良輪からのフィードで梶川が裏をとってからのクロスからレアンドロのヘディングシュートでの決定機でも同じでした。

序盤に藤田がボールと相手の間に身体を入れたのと縦パスのインターセプトでカウンターの芽を潰すプレーが2つ続きましたが、中盤で刈って直ぐに味方に預ければ2次攻撃がしやすくなるのでペースを握りやすくなるんですよね。ボール支配率8割で相手を圧倒する為には奪い取る形やスキルは必須になるのでここの強化はしていってほしいかなと。

右サイドのクレビーニョがレアンドロに当てて溜めてから戻したり、クレビーニョが持ってる時に梶川がハーフスペースに走り込んだり狙いの形は出せてはいるんですがまだタイミングが合ってないですね。最前線の選手にオープンな状態でボールを持たせる所まではデザインしてほしいので目を揃える為の整備をしていけたらなと。

ヴェルディのネガトラ時の出足が良く奪えてるのはありますけど、岐阜の安易なパスが目立ちます。寄せや球際が甘く非保持時の約束事もいまいち定まってない様子ですし北野監督のチームらしくないですね…

アタックゾーンで押し込んでのパス回しはまだまだ中央に密集してしまいますが、サイドチェンジで幅を使ったり裏を狙って深さを作る意識は上がってきてる様子です。今まではこういうシーンではモビリティが少なく足元足元ワンツー大会になる事が多かったですからね(^^;

中盤ラインの前でジャイルトンが受けるシーンが多いですが、落としを奈良輪が裏に狙う他にも4-4-2は構造上アンカーが空くので保持している時にDHが寄せてくればIHが空きSHが寄せてくればSBかWGが空くので空けたスペースから前進する形もできたらいいなと。もちろん初スタメンの藤田くんにそこまで要求するのはどうかと思ってますがあくまでも骨格に肉付けしていく部分としてやっていければ武器になりますからね。

いい流れの時に取れないと相手のターンになってしまう事が多いので田村の縦パスをレアンドロがフリックして梶川が抜け出した決定機は決めてほしかったですね…

ヴェルディのネガトラや非保持時も決して安定してはいないんですが、岐阜のインテンシティがあまり高くないのが助けになってる部分はあります。ここは監督がどうこうではないんですが少しずつ進めていくしかないですからね。

岐阜の保持時はカウンター以外では密集作ってパス回しで突破を計る形なのでその分サイドにスペースができるんですけどこれはヴェルディでもありがちなんですよね。ただ、リアクションが悪いので保持時もチームとして共有してる形がはっきりしてない印象が強いです。


レアンドロが阿部へのコースを切りながらビクトルに寄せる事でパスコースを限定して晃樹に手で合図して當間に寄せさせてロングボールを蹴らせたシーンなんですが、レアンドロはこうやってコースを切って相手にスムーズに前進させないプレーが上手いんですよね。


ボールを保持してペースを握りながらも点が取れなかった中での39分。縦パスを藤田がカットしたこぼれを梶川がスルーパスで小池に通し、落ち着いてビクトルの股を抜いて先制!裏を狙う小池に梶川がピンズドのタイミングで出しました。これでループシュートの分帳消しですね。

岐阜はリードされたので前から奪いにくるんですが後ろが連動しておらず中盤にスペースができていた中での44分、ゴールキックを平が跳ね返した落としを晃樹が拾い、スペースを持ち上がってフレデリックを引き付けてからジャイルトンに渡し、グラウンダークロスを梶川がフリックしてフリーの小池がファーポストを巻くシュートで追加点!逆足で技ありのゴールでした。

続いて45+1分、川西のパスをインターセプトしたジャイルトンがそのまま駆け上がりキックフェイントで相手を引き付けてフリーのレアンドロに渡してファーに流しこんで3点目!まああの位置でレアンドロをフリーにすればそりゃあこうなりますよね(^^;

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岐阜の約束事やインテンシティに疑問符がついたのは確かですが、支配率62%シュート11本枠内8本とこれ以上ない内容でした。

前節同様平均ポジションも保持時の綺麗な2-3-5でしたし、アタッキングサイドを見てもバランスよく使えてました。

アタックゾーンで51%ってそうそう見る数字ではありませんが、それだけ押し込んでボールを支配し非カウンターから決定機を作られたシーンもほぼありませんでした。

得点はカウンターでしたが、永井監督のサッカーはポゼッションではなく空いてる所から前進するスタイル(プログレッション)なのでカウンターやパス数が少なくても問題ありませんし、中央に密集する所があった以外はパーフェクトな内容と言っていい前半。



後半、岐阜のインテンシティや連動性に難があるのはありますが、最終ラインにSHが寄せていったスペースにIHが流れて受けたりシンプルに裏を狙いスペースを見つけて前進する形は整備されてきてます。


レアンドロが降りた時に代わりに晃樹が中央に入り、大外でジャイルトンが起点を作ってハーフスペースに奈良輪が進入しクロスの形は良かったです。相手が最も警戒する中央に人がいないとハーフスペースやポケットを使う効果が半減してしまいますのでここはテコ入れしてきたようですね。これで懸念材料だった立ち上がりでペースを掴めました。

ちなみにレアンドロがいない時に逆サイドWGが入る事も多いのでここは共有されているようです。

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この後藤田がインターセプトしてカウンターになるんですが、パスを出せるコースが無いんですよね。意図的に出させて回収するような配置は今まで見られませんでしたのでどうなんでしょうか?

岐阜が2枚代えで守備の連動性を高めにきましたが、サイドに流れるIHを掴まえられてないですし寄せが緩く連動性も高くはないので前進はスムーズにできてます。最後の崩しの共有に課題はありますが自分達のやりたい事が体現できてる時はほんと伸び伸びプレーしてますよね。

保持時の岐阜に連動性が少なく単発になっているので対応ができてるんですが、北野監督のチームらしい躍動感がないんですよね…メンタル面での影響もあるでしょうけど

62分にクレビーニョ→佐藤へと交代して左IHに入り晃樹が右SBへ移動。小池もそうですが前線で効いている選手を降ろすのはもったいないですしここは補強ポイントになるでしょうね。(もちろんサイドバックを軽んじてる訳ではありませんが)

幅をとってポケットを狙ったり中央に起点を作って相手を寄せてからサイドを使ったりシンプルに裏を狙ったり深さと幅を作れてるので押し込みながらも停滞感はないですし、カウンターの芽を潰せているので安定して保持できてます。

前田はプレスのスイッチを入れるのが上手くライン間で受けてチャンスメイクもフィニッシュもできるので効いてますね。何でもできるので個人的には欲しいなと思ってる選手の1人です。

74分、平からSHが前に出ていたスペースでジャイルトンが受けて佐藤が大外に流れてSBを引っ張りチャンネルを拡げた所をジャイルトンがパワーとスピードで突破しグラウンダークロスを小池が合わせてハットトリック達成!

その直後の75分に梶川→潮音へと交代。そのまま右IHに入ります


カウンターにいこうとした所を三島にカバーされたんですが、レアンドロはビクトルに真っ直ぐ寄せずにCBの阿部へのコースを切りながら曲線を描くように寄せてロングボールを蹴らせます。直線的に寄せていたらフリーの阿部につけられて簡単に前進されてしまいますしレアンドロのインテリジェンスが垣間見えたシーンでした。

84分にレアンドロ石浦へと交代してJリーグデビュー。右IHに入り潮音が左IHで佐藤がCFへ移動。キャプテンマークは田村の腕へ


石浦が奪って左サイドのジャイルトンに渡して時間を作り、その間に石浦がポケットに走り込みスペースを作ったタイミングでジャイルトンのカットインからのシュートが決まって5点目!相手のSBCBのマークの受け渡しのピンズドのタイミングでしたし、崩しの形の共有が進んでいけばこういうシーンも増えていくんじゃないかなと。

その直後に馬場の落としのパスを三島がフィードして前田に渡して起点を作ってから馬場に叩いてからのクロスをファーから飛び込んできた塚川に決められてしまいます。得点直後に少し緩くなっていたので引き締めてほしい所です

この後はボールを保持されてカウンターの展開になった所で終了。

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結果内容を伴った完勝と言っていいと思います。



最後に、非保持時が安定しなかったり中央で密集状態になってしまうシーンはありましたが、幅と深さを作って相手を広げながら前進できてましたしクロス時のエリア内やレアンドロが降りた中央の配置が整理されてました。大外で起点を作った時にハーフスペースに入ってくる形やタイミングも良くなってきてますしネガトラの出足が良くカウンターの芽を潰して二次攻撃に繋げられていたのは来季に繋がっていくでしょう。

岐阜が失点してから機能不全のようになっていたのはありますが5得点と結果も出ましたのでいい締めくくりができたと思います。

今季はポジション別での人数に偏りがあり似たようなタイプの選手が多く監督としては難しい舵取りを余儀なくされたと思いますので編成の修正をやってもらいたいんですが、それより監督の右腕のコーチが不在の緊急事態を長い間放置したり、またしても根回しをせずユース監督をトップに据えるような信義則が反する事をやっていたら優秀な人ほどこのクラブに近づこうとしなくなってしまうのでここは本当にお願いしますね