20190824 第29節アウェイ水戸戦

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クレビーニョの写真が間に合わなかったのかフォーメーション表記が横浜FC戦以来のJ3仕様だったアウェイ水戸戦。

ヴェルディ保持時3-2-5非保持時河野を前に出した4-4-2。水戸保持時3-2-4-1非保持時4-4-2

序盤の水戸はやはり前からプレスをかけてきましたがやはりここは狙い所にされている様子

クレビーニョは大外を上下というより積極的にインナー(アンダー)ラップをしてきてWGの河野が幅をとって受けたらIHの梶川がサイド奥に流れて(パラレラ)梶川河野の役割が逆パターンもあり河野が絞ったら梶川が幅をとるので幅をとる事とパラレラはチームとして共有されていると思います。

ヴェルディは三角形を作ったりサイドへの展開で素早く前進をしていく。相手が陣形を整えられていなければ時間をかけずに攻撃をするのがプログレッションの考え方なんですがボールも人もよく動くのでしっかり機能してると思います。

それとレアンドロが降りてきた時にWGが裏抜けして深さを作りIHがサポートに入る。前節はサポートが無くレアンドロが孤立していたシーンが目立ったのでそこの修正もされていますね。

ヴェルディの縦に早い攻撃に水戸は後手後手の対応でしたので想定外だったのかもしれませんが、相手の時間を奪って主導権を握る事に成功

ビルドアップはCB+SB1人+アンカーで水戸は2トップ+ボールサイドのSHで4対3(GKも入れて5対3)の数的優位を確保していて4-4-2はトップ下に人がいないので噛み合わせ上アンカーの理仁が浮き、DHがケアにくれば今度はIHが空くので配置的優位性も使えていて水戸に奪い所を定めさせないので安定しています。


19分、梶川からの落としを受けた理仁からのハーフスペースの小池に渡して晃樹へ横パス。これをボールと正対して受ける向きから身体を開いて流しゴールを向く事で細川を剥がして右足を振り抜き先制!相手とと駆け引きをして逆をとり躊躇なく打った事が実を結んだシーンでした。プロ初ゴールおめでとう!


内田→奈良輪に渡った時に小池が降りてきてSBの外山を引っ張って晃樹がSB裏を狙う。レアンドロの時もそうでしたが降りてきたスペースを使うという共有も進んできてるようですね。


21分、レアンドロが大外で相手を引き付けてからポケットの晃樹に渡し落としを受けたクレビーニョのクロスを小池がボレーで打ち込み追加点!右サイドで引き付けた事でクロス時には小池が1対1だったのでオーバーロード(密集)を上手く使えてました。

2点取った事でヴェルディがテンポを落とした事でゲームが落ち着いてきましたが上げる所は上げるので緩急が目立ってきました。

30分から水戸は非保持時に小川と黒川を縦関係の4-4-1-1にしてはっきりアンカーの理仁に見張り役をつけてハーフスペースをバンバン使われていたのでリトリート時は5-4-1で守るように修正。DH2枚で蓋をされて中々レアンドロに縦パスが入らなくなり大外とハーフスペースの関係性での突破もできなくなってきます。栃木戦山形戦を観てのというのもあるんでしょうけど長谷部監督の素早い修正はさすがといった所です。

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メインスタンドの上の方から観てリアルタイム分析した内容がイヤホンで長谷部監督に伝わってるんでしょうね。チームの問題点を見つけて報告するスタッフさんもこれからはより重要になってくるでしょう。

これで前に進めず逆襲を受けるようになって流れが水戸に傾いていきます。ネガトラ時の5秒ルールが浸透してきたからなのか奪い返す形はできてきましたが非保持時はまだまだで押し込まれて我慢の時間帯が増えていってしまいます。

37分からヴェルディの非保持時は4-1-4-1~4-5-1で守るんですが、左サイドの2列目脇を使われた時にクレビーニョが出てきて後ろが3枚になってるので戻しを逆サイドに展開されて突破を狙ってきます。クレビーニョがまだフィットしきれてないというのはありますが、水戸も相手のいない所から攻めるというのはしっかりしてますね。

これ以降水戸はSH浅野SB志知にDHの前を加わってヴェルディの右サイドを徹底して狙ってくるようになって相手を寄せたら逆サイドも使うよといった所。

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ボール保持率は高かったですがシュート枠内シュート数は互角でした。平均ポジションやアタッキングサイドからするとヴェルディは右サイドの河野梶川クレビーニョが高い位置をとって攻撃をする事が多く、水戸はフィットしきれてないクレビーニョのいる左サイドの浅野志知が高い位置をとるという形でした。試合の3分の2までは理想的なサッカーができていた前半。



後半、水戸の非保持時は変わらずにハイプレスをかけてきて時間を奪われ中々ボールを保持できなくなってきましたし、ボールホルダーに制限をかけられてないので自由にボールを持たれてしまってます。

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このシーンなんですが、内田が持ってる時に近藤、奈良輪、クレビーニョ、理仁へのコースを塞がれていて上福元に戻しても小川がプレスをかけられますし、水戸のカバーシャドウ(パスコースを消しながらボールホルダーに寄せる事)は相変わらず上手いです。

51分河野→端戸へと交代。トップに入ってレアンドロが左WGで小池が右WGへ

53分、黒川の落としを浅野が受けて仕掛け、右サイドの外山に出し小川を狙ったファークロスからのヘディングを上福元が弾いた所を福満に押し込まれる。

水戸が圧力を強めてきて一気に畳み掛けてくるのを耐える時間帯が多く、中に絞ってた志知がいた所から梶川が前進したシーン以外ではここまで効果的な前進はできてません。

水戸の攻撃はアーリークロスや中から外を使ってクロス、ペナ角から中へのパスやマイナスクロス、ポケットからのマイナスクロスと多彩ですがそれぞれのシチュエーションに合わせてチームとして共通理解が落とし込まれているようで迷いが無い分スピーディーな攻撃ができていて長谷部監督の手腕が見事というしかないですね。

保持時に持ち上がって相手を引き付けてから楔を入れたり逆サイドにフィードして幅を使う形はあるんですが中々ライン間を使う事ができません。

ヴェルディは梶川がアンカーの横に降りてきて理仁と並んでボールを持てるようになってきましたが、プログレッションをやるには絶え間なく動き続ける必要があって体力的にキツいので保持しながら休むという意図もあるのかもしれません。

70分に小池→若狭へと交代。右HVに入って後ろを5枚にしてレアンドロをトップにして端戸と晃樹がインサイドWGの5-4-1で守るようになる。リトリートして守るので守備は安定してきました。

77分にクレビーニョ→澤井へと交代。ポジションはそのまま右WBへ。

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1人で2つのコースを消しながら寄せる事で相手のパスコースを制限してくれてますし、追いかけまわす事は難しいかもしれないですがレアンドロは守備もしっかりやってくれてるんですよね。

押し込まれた時にロングボールを収めて陣地回復をする手段は実質的に使えないのでスペースに出したり仕掛けたり等のパターンは増やしていきたいですね。ベンチに姜修一がいれば預けて仕掛けさせるたりする事もできたかもしれませんが。

5バックで守っているので深い位置まで運ばれる事はそんなに無いですが、前線にレアンドロしかいないので跳ね返してもマイボールにするのが難しく耐える時間が続きます。

ゴールキックを端戸が落としたボールを追いかける瀧澤に対してレアンドロが内側から寄せる事でタッチに出させた所からまたようやくボールが持てるようになってきましたが残り3分+ATなら少しテンポ落として回してクロージングでもよかったんじゃないかなとは思うんですが、この展開ではメンタル面からしても難しい所はあるんでしょうね。

猛攻を耐えきって終了。



最後に、両指揮官で修正の応酬があって非常に見応えのある試合だったと思います。

ヴェルディとしてはプログレッションの精度を高めていくのはもちろんなんですが、絶え間なく動くのでその分消耗も早まってしまいますので、どこで休むのかというプランの整備も必要になってくると思われます。

それと後半後ろを5枚にして深い位置まで進ませない事はできていましたが、非保持時にどこに誘導してどこで奪うかとボールホルダーへしっかり寄せる所ですね。ネガトラ時には寄せられていますので

自分達の時間帯の時にしっかり決められてシンドイ試合をモノにできたのは自信になるでしょうし積み重ねながら進んでいけたらなと思います。